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第一幕:【魔盗団】殲滅作戦編
初めての狩り
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「やあっ!とうっ!はあっ!」
東都クランセマム付近の【アネル草原】に響く少女の声。それは先程、新米冒険者になったばかりのリン・フォーネレスが剣を振る際に出す声だ。ここの草原は新米冒険者にオススメのスキル上げスポットであり、だいたい出てくるモンスターは下級魔獣種だけである。因みにさっきから彼女が戦っているのは鼠色の体をした四足歩行の下級魔獣【エスカロ】。 この下級魔獣は、大きい割に殺傷力は他の下級魔獣より劣り、動く速さも鈍重でオマケに素材はまぁまぁ高値で取引できるという新米冒険者にとってはオススメ討伐モンスターだ。ただ、気をつけなければいけない点もあり、余りにも【エスカロ】を狩り続けると進化個体の【エスカロ・ウィネス】という殺傷力及び移動速度が五倍の中級魔獣がエスカロの群れを引連れて仇討ちに来ると言われている。そう、この様に。
ドドドドと少し遠くから砂煙を撒き散らしながらリンの元へ近づいてくる四足歩行のモンスターの群れ。
「・・・え?」
最後の一体を討伐し、一息ついていたリンは遠くから駆けてくるモンスターの群れを見て武器をカランと落とす。
「や、やああああああああああ!?」
落とした武器や討伐済みのモンスターの素材を拾うことも忘れ、近づいてくるモンスターの群れから逃亡を図る。しかし、新米冒険者になったばかりの彼女では中級魔獣種から逃げるのは困難だ。やがて、触れるか触れないかくらいの距離まで迫ってきた【エスカロ・ウィネス】が鋭く尖った牙の生えた口を開き、リンの片足に食らいついた。
「・・・っ!? ぁああア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!?い、痛い!痛い痛い痛い!!!」
冒険者になって初めての恐怖と痛み。分かってはいた。いや、分かったつもりでいた。冒険者が楽しいことだけじゃないって。死と隣合わせだって事を。何とかなるとずっと思っていた。だからきっとこれは、神様からの天罰なのだろう。
「いやだ…死にたくない。いや…いや…来ないで」
一度食らいつくのをやめた【エスカロ・ウィネス】と【エスカロ】の群れが、足から血を流し、恐怖に呑み込まれたリンへとジリジリと迫る。死が近づいてくる感覚にリンは漏らしてしまう。そんな彼女に対して【エスカロ】達は嘲笑うかのように牙をカチカチと鳴らす。
「死にたく…ない。誰か…助け」
【エスカロ】達の口が開き、リンを貪り食らう瞬間、
「魔弾装填--黒き弾丸は我が敵を撃ち抜き、血を踊らす」
若い青年の高速魔弾詠唱が響き、【エスカロ・ウィネス】と【エスカロ】の群れに黒い弾丸が乱舞するように放たれ、的確に魔獣の生命の源である【核】を貫き、鮮血が舞う。あっという間の出来事だ。
「・・・た、助かった?」
リンのそんな小さい呟き。現状を把握することがまだできていない。そんな彼女に、
「君、大丈夫?」
と声をかけたのは白シャツと緩めの黒いパンツ、右耳にピアスをつけており、片手には先程の魔弾なるものを装填するための拳銃を握りしめている若い青年だった。
東都クランセマム付近の【アネル草原】に響く少女の声。それは先程、新米冒険者になったばかりのリン・フォーネレスが剣を振る際に出す声だ。ここの草原は新米冒険者にオススメのスキル上げスポットであり、だいたい出てくるモンスターは下級魔獣種だけである。因みにさっきから彼女が戦っているのは鼠色の体をした四足歩行の下級魔獣【エスカロ】。 この下級魔獣は、大きい割に殺傷力は他の下級魔獣より劣り、動く速さも鈍重でオマケに素材はまぁまぁ高値で取引できるという新米冒険者にとってはオススメ討伐モンスターだ。ただ、気をつけなければいけない点もあり、余りにも【エスカロ】を狩り続けると進化個体の【エスカロ・ウィネス】という殺傷力及び移動速度が五倍の中級魔獣がエスカロの群れを引連れて仇討ちに来ると言われている。そう、この様に。
ドドドドと少し遠くから砂煙を撒き散らしながらリンの元へ近づいてくる四足歩行のモンスターの群れ。
「・・・え?」
最後の一体を討伐し、一息ついていたリンは遠くから駆けてくるモンスターの群れを見て武器をカランと落とす。
「や、やああああああああああ!?」
落とした武器や討伐済みのモンスターの素材を拾うことも忘れ、近づいてくるモンスターの群れから逃亡を図る。しかし、新米冒険者になったばかりの彼女では中級魔獣種から逃げるのは困難だ。やがて、触れるか触れないかくらいの距離まで迫ってきた【エスカロ・ウィネス】が鋭く尖った牙の生えた口を開き、リンの片足に食らいついた。
「・・・っ!? ぁああア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!?い、痛い!痛い痛い痛い!!!」
冒険者になって初めての恐怖と痛み。分かってはいた。いや、分かったつもりでいた。冒険者が楽しいことだけじゃないって。死と隣合わせだって事を。何とかなるとずっと思っていた。だからきっとこれは、神様からの天罰なのだろう。
「いやだ…死にたくない。いや…いや…来ないで」
一度食らいつくのをやめた【エスカロ・ウィネス】と【エスカロ】の群れが、足から血を流し、恐怖に呑み込まれたリンへとジリジリと迫る。死が近づいてくる感覚にリンは漏らしてしまう。そんな彼女に対して【エスカロ】達は嘲笑うかのように牙をカチカチと鳴らす。
「死にたく…ない。誰か…助け」
【エスカロ】達の口が開き、リンを貪り食らう瞬間、
「魔弾装填--黒き弾丸は我が敵を撃ち抜き、血を踊らす」
若い青年の高速魔弾詠唱が響き、【エスカロ・ウィネス】と【エスカロ】の群れに黒い弾丸が乱舞するように放たれ、的確に魔獣の生命の源である【核】を貫き、鮮血が舞う。あっという間の出来事だ。
「・・・た、助かった?」
リンのそんな小さい呟き。現状を把握することがまだできていない。そんな彼女に、
「君、大丈夫?」
と声をかけたのは白シャツと緩めの黒いパンツ、右耳にピアスをつけており、片手には先程の魔弾なるものを装填するための拳銃を握りしめている若い青年だった。
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