冒険者狩りをしている青年の表稼業

雪鵠夕璃

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第一幕:【魔盗団】殲滅作戦編

執行完了

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『久々にシーカおばさまの神装【影姫えんき黒鴉くろがらす】を見たわ』

【煌姫リーゼ】はガヴォットを軽々と蹴り飛ばしてそう感想を零す。

「『まぁ、坊やが中々譲らなかったから仕方ないわよ(当たり前だろ、バカ)』」

『ねぇ、その一人漫才みたいな仕様どうにかならないの?すごく滑稽』

「『滑稽らしいわよ、坊や(前みたいな事が起きるくらいなら滑稽で結構だ)』」

リーゼの指摘する一人漫才的な仕様はシエルとシーカの意識が半々で混ざっている事で起きている。完全に意識を渡すのではなく、セーブ役としてシエルの意識が存在する感じだ。なので、やり過ぎない限り、シーカは好き放題暴れることが可能という訳だ。

「あ? ガキの雰囲気が変わった??」

延々と攻撃を繰り返していたガヴォットはそんな彼の変貌ぶりに足を止めた。最強と自ら謳うだけはあり、馬鹿みたいに未知の標的に襲いかかろうとは思わない。様子見が先決と判断したガヴォットは召喚魔法を発動する。そして喚び出されたのは数体の魔法人形マジック・ドール。然し、

「『影喰かげばみの世界』」

シーカとシエルがそう言葉を紡いだ瞬間、影が地面を這い、喚び出された魔法人形数体は異物と判断されたかのごとく呑み込まれ消えた。これはシーカ達が許すモノ以外を拒絶し呑み込む影の領域。但し、人に対して使えないのが難点である。

「『この世界で貴方(お前)の魔法は使えない』」

そう告げた後、二人の手が前に突き出される。そして--

「『【黒葬無影こくそうむえん】』」

地面を這っていた影が凝縮されていき、十字架を模した剣へと姿を変えた。ソレを片手に握り、二刀流形態になったシーカ(シエル)は続いて、宣言する。

「『罪人ガヴォット・ジャーヴィス。今までの行いを悔いて逝け』」

「行いを悔いる? はっ、俺の人生に悔いなんざ一欠片もねぇんだよ!!来い!最強の俺を破ってみろ!!」

ガヴォットは戯言だと吐き捨てて、全身の筋肉を膨張させる。長年培ってきた力を今ここで解放する。魔法が使えないなら己の肉体で打ち勝てばいい。彼が最強と言われる所以はそこだ。最強の冒険者は魔法と肉体の両方が優れてこそ最強なのだ。

「『それは残念ね(だ)』」

シーカ(シエル)はそう告げて、二本の剣を振り下ろした。ザシュッという音ともに崩れ落ちるガヴォット。彼は斬られたことに気づかず、息絶えたのだった。
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