41 / 42
第一幕:【魔盗団】殲滅作戦編
影姫シーカ
しおりを挟む美しくそびえ立つ煌炎で創られた巨大な城。かつて五代姫の一柱、【煌姫リーゼ】が支配していた領域。その域はあっと言う間に周囲の木々を呑み込み、煌炎に彩られた世界へと変貌する。それも元の景色をひとつ残さず煌炎がメラメラと燃えている。展開範囲はガヴォットとシエル、そしてユリセスを囲う程度。普通に考えれば余りにも範囲が狭いと思われがちだが、範囲は自由に広げることが出来る。今回は標的が一人で距離も近い為、範囲を狭める策にしたのだ。そしてそれを成し遂げたユリセスの身体を依代とした【煌姫リーゼ】はため息をついて、
『久々の受肉だって言うのに何で冴えない少年を守らなきゃいけないのかしら。 はぁ…。ユリセスに感謝しなさいよ。 シーカ』
そう言葉を紡ぐ。そして【煌姫リーゼ】は地面に突き刺したリーゼレイドを握る。すると、ドクンッと剣が生きているかのように脈打ち、肌を焼くのでは無いかと錯覚させる程の灼熱が剣を覆った。
『やれやれ、相変わらず生意気な娘ね、リーゼ。それと、妾はおばさまではなくお姉さんよ』
「勝手に出てくんなっていつも言ってるだろ、クソ魔女」
魔力の回復により、自由に出てくることのできるようになったシーカにシエルは毒づく。
『あら、出るのも出ないのも妾の勝手でしょう。それに、元とは言えば坊やが最初から妾に肉体を譲らなかったのが敗因じゃない』
「・・・ヤダね。前みたな事になるのはゴメンだ。お前のせいで散々絞られたんだからな」
シエルは過去に起きたトラウマを思い出しかけて頭を振った。二度と思い出したくない過去に何重にもロックをかけて置く。
「まぁ、良い。それよりもお前から見て、彼女はアイツに勝てそうか?」
『そうねぇ。五分五分ってところかしら』
シエルの質問にシーカはそう答える。
「あれで五分五分って自分で最強って言ってるだけあるんだな、あのガヴォットとかいう男」
『因みに坊やが私に肉体を譲っていれば余裕で勝ってたわ』
シーカのちくちく発言にシエルは呆れたため息をつく。
「はぁ…。前から思ってたけど、どうしたらそんな自信が湧いてくるんだ、お前は?」
『ねぇ、もう平気なら私に守られてないで自分で戦ってくれる? 後、シーカのその言葉は馬鹿げててて腹立つけどホントの事よ。五代姫の中で一番強いんだから』
ガヴォットの攻撃を軽々としのぎながらリーゼが不機嫌そうに声をかけてきた。それに対し、シーカはドヤ顔でシエルを見やる。
「・・・はぁ。分かったよ。クソ魔女、今回は体貸してやる」
『あら、意外と素直なのね。で、一応確認なんだけど、今回は力のセーブ無しでも文句は無いわよね?』
「--好きにしろ」
シーカは掌に凝縮された闇の塊を生み出し、不機嫌に答えたシエルの胸に押し当てた。すると、ドクンドクンっと鼓動の音がなり、シエルの肉体とシーカの霊体が溶けて混じり合っていく。やがて、捻れた片角を生やし、足元部分を動きやすく裂かれたデザインの闇色のドレスを纏った青年とも少女ともとれる見た目をした姿に変わった。その存在は片手に握られた影姫剣シーカリウスに似た長剣の切っ先を前に向け、
「『執行の時間よ(だ)、シーカリウス』」
シエルとシーカの重なった声で、そう告げた。
0
あなたにおすすめの小説
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
【完結】私が愛されるのを見ていなさい
芹澤紗凪
恋愛
虐げられた少女の、最も残酷で最も華麗な復讐劇。(全6話の予定)
公爵家で、天使の仮面を被った義理の妹、ララフィーナに全てを奪われたディディアラ。
絶望の淵で、彼女は一族に伝わる「血縁者の姿と入れ替わる」という特殊能力に目覚める。
ディディアラは、憎き義妹と入れ替わることを決意。
完璧な令嬢として振る舞いながら、自分を陥れた者たちを内側から崩壊させていく。
立場と顔が入れ替わった二人の少女が織りなす、壮絶なダークファンタジー。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
乙女ゲームは見守るだけで良かったのに
冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した私。
ゲームにはほとんど出ないモブ。
でもモブだから、純粋に楽しめる。
リアルに推しを拝める喜びを噛みしめながら、目の前で繰り広げられている悪役令嬢の断罪劇を観客として見守っていたのに。
———どうして『彼』はこちらへ向かってくるの?!
全三話。
「小説家になろう」にも投稿しています。
義妹がピンク色の髪をしています
ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる