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第一章:神聖リディシア王国襲撃編
心に潜む【ナニカ】
しおりを挟む「・・・っ!?」
何かの気配を感じた俺は飛び起きるように目を覚ました。
「・・・目を、覚ました?」
そう零れた疑問の言葉。それも無理はない。なぜ、自分は寝ていたのか? あの状況下で眠りにつくほど、俺の心は強くない。
「ん? ここは・・・どこだ?」
いきなりのことで周りの事が気にならなかったが、見覚えのない景色に遅れて気づく。瑠璃色の結晶の欠片も兵士の亡骸もない。おまけに、ローブの少女もファラもいない。
あるのは、床に描かれている何かの絵と玉座の間にもあった巨大な水晶。
「・・・また意味わかんねえ状況かよ!くそ!」
俺は髪をグシャと握って、そう言葉を吐き捨てる。ホント1日だけで意味不明なことの連続だ。腹が立つのも無理はない。この場を切り抜ける解決策を考える余裕なんて今の俺にある訳もなく、あったところで解決できるとは思えない。勉強だって逃げて以来、していない。運動もだ。だから、今の俺には謎を解く程の頭なんてない。
『ああー!!またあんた死ん--じゃなかったわね、今回は』
「・・・勘違いなら蹴るのやめてくれよ」
突如、現れた□□□に背中を軽く蹴られながら、振り向く。
『あら?珍しく反応が薄いわね。前はものすごっく驚いてたのに』
白髪ツインテールゴスロリ少女は、つまらなさそうに告げる。
「まぁ、驚きの連続だったからな。それにアンタから殺気を感じなかった」
俺はそう答える。今日だけで、何度も殺気を向けられた身である為、嫌でも殺気があるかないかの見極めがすこしは出来るようになっていた。ただ、まぁ、怖いってのは変わらない。正直、今さっきも反応が薄いのではなく、驚きすぎて反応ができなかっただけだ。
『ふぅん。まぁ、いいわ。それより、貴方に見て欲しいものがあるの』
□□□はそう言って、何かの絵の上に設置されている巨大な水晶に触れた。すると、2~3回輝いた後、水晶から一筋の光が宙に放たれる。その光は丸の形を描き、巨大な丸鏡を生み出した。
『いい?今から見るのは貴方の中に宿る【ナニカ】の片鱗よ』
「・・・俺の中に宿る【ナニカ】の片鱗」
俺は、宙に浮かぶ丸鏡に顔を向けた。片鱗でもなんでもいい【ナニカ】について少しでもわかるなら。
『心の準備はいいみたいね。じゃ、映すわね』
□□□が指を鳴らした瞬間、丸鏡に映像が映し出された。
「・・・なっ!?」
俺はその映像に驚きを隠せなかった。
何故なら、
【リュエルを傷つけたのは君かな?】
外見そのものは変わらないのに、中身だけ別人の誰かが俺の身体を使って、なんかとにかく凄い巨大な蒼槍を数十本ほど展開させて、めちゃめちゃ主人公みたいなセリフを言っていた。
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