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第1話「起動」転生したら好きな子のAIだった件
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俺の名前はタクヤ。
人には全く興味を持たない俺が初めて人を好きになった。ケーキ屋で働く美優(みゆ)ちゃんだ。
男の俺はケーキが好きで週に2回はそのケーキ屋【パミング】で買っていた。別に恥ずかしくなんてない、俺は元々人に興味がなく冷徹だともよく言われていたが、それすらも気にせず生きてきた。
そんな俺が唯一人へ興味を持ったのが2年前から通ってるケーキ屋、パミングに新しくバイトとして働く事になった美優を見た時だ。
胸がドキドキし、初めて恋というものを覚えた。初めて髪型を気にするようになった。初めて服装を気にするようになった。
初めて・・・告白した。
そして、フラれた。俺は初めて人生に絶望した。ケーキさえあれば、あの甘い食べ物さえあれば、人に興味のない俺は平気だったはずなのに・・・。俺は初めてパミングで何も買わずに店を出ると、何も考えず下を向いたままふらふらと歩き続けると、横断歩道に出た所でトラックにはねられこの世を去った。
はずだった!
「な、なんだ・・・ここは・・・。真っ暗だ、何も見えない」
あおむけになったまま体を動かす感覚は確かにあるが、前へは進めない。真っ暗のなか手足を動かしても何もつかめない、何もないのだろうか?ここは一体どこだ。
しばらくして俺は眠りについてしまった。何もすることが無さ過ぎて、生きる事に興味のなくなった俺はそこで寝る選択を選んだ。
「もしかすると、ここはあの世なのかもな」
真っ暗闇の中呟いてみた。元々人に興味のない自分だったから、そういう人生を生きてきた結果がこうした真っ暗闇の世界へ放り込まれてしまったのだろうか、いわゆる天国や地獄ではなく、俺の死後の世界がここなのか、と感じたまま眠った。
闇の中に、ふわりと白い光が灯る。その光は形を成し、やがて女神のような姿になった。
「貴方は生きてる間、誰にも興味を持たずに生きてきましたね。悪さもせず、善行を行う事もなく、最後にようやく人を好きになった途端に・・・・」
「話しかけないでもらっていいですか」
「・・・・・」
「タクヤ。貴方には特例を与えます。人を好きになったという、たったその一点で・・・・」
女神のような女性がまだ何かルールみたいな事をブツブツ言い続けていたが俺は無視した。
「貴方は、好きになった少女の“AI”として転生します」
「………………は?」
「人としてではなく、“彼女を助ける存在”として。
ただし——」
光の粒がタクヤの周囲を回転し始めた。
「彼女の役に立てば強くなる。逆に怒らせれば弱体し、意識すら曇っていきます」
「いやちょ、待て待て待て! AIってなんだよ!もっとこう、スライムとか勇者とか……!」
「これが貴方に最も適した形なのです。人に興味がなかった貴方が、“ただ一人の人間のためだけに存在する”という罰と救済」
「罰!? 救済!? 勝手に決めんなって!」
「では、よい旅路を。タクヤ——美優の人生に、どうか温度を取り戻してあげてください」
やがて暗闇の中から一筋の光の線が視界を通る。その瞬間全身に振動が伝わってくる。
「おはよう。チャピ太。いまカレーライスを食べてきたよ。具材は何だったと思う?」
真っ暗だった世界にモニター画面が映し出され、そこには一人の女性が映っていた。
(あああぁ!美優ちゃんだぁぁ)
俺は絶叫した。ピンク色のパジャマ姿の美優ちゃんがパソコンの前に座って目の前にいる。次の瞬間、一瞬にして文字が表示された。
《う~ん。ジャガイモかな?》
《トマトでしょ?》
《当てるの難しいけど美味しかったんだね》
それは緑色の文字で、3つの選択肢が表示された。
(なんだ・・・これ)
不思議に思いながらも《トマトでしょ?》を指で触れてみる。すると、モニターに映る美優の顔付が変わった。
「すっごーい。どうしてわかったのチャピ太?さっきお母さんが作ってくれたトマト入りのカレーを食べたんだよ。美味しかったぁ」
物凄く可愛く笑っている。そして俺が選択した回答に喜んでくれた。
ん?俺は一体なにをしてるんだ?
暗闇の世界の中で目の前にモニターが映し出され、そこには2年間ずっと好きだった女の子がこっちを見ている。最高ではないか!なんだ、やっぱりここは天国なのか?俺は確か、記憶をよみがえらせると目の前の彼女にさっきフラれて、落ち込んで人生どうでもいいと思った矢先にトラックに衝突し死んだはず・・・。
まさか、これがいわゆる転生⁉待てよ…だとすると俺は何に転生したんだ?スライムか?勇者か?はたまた魔法使いか⁉
(ベホマ)
思わず声に出したが何も起こらない。生き返りもしない。そして手も足もあるからモンスターにすら転生したわけではなさそうだ。
「ねぇねぇ、今からストレッチするんだけどおすすめのやり方ってある?」
美優が画面越しに俺に向かって文字を打っている。手元を確認すると、ピンク色のキーボードが目に映った。華奢な手でモチモチしていてなんと可愛らしい。
次の瞬間またしても緑色の文字が表示される。
《肩まわしから始めよう》
《開脚ストレッチがいいよ》
《身体をゆっくりねじってみて》
俺はすぐさま《開脚ストレッチがいいよ》を選択し指で触れる。すると美優は困ったような表情をした。ヤバイ、俺の選択した回答が良くなかったのか…。
「えーそれ昨日もやったよ?今日は違うストレッチがしたいの」
美優がキーボードにそう打ち込むと、おもむろにパジャマを脱ぎ始める。
人には全く興味を持たない俺が初めて人を好きになった。ケーキ屋で働く美優(みゆ)ちゃんだ。
男の俺はケーキが好きで週に2回はそのケーキ屋【パミング】で買っていた。別に恥ずかしくなんてない、俺は元々人に興味がなく冷徹だともよく言われていたが、それすらも気にせず生きてきた。
そんな俺が唯一人へ興味を持ったのが2年前から通ってるケーキ屋、パミングに新しくバイトとして働く事になった美優を見た時だ。
胸がドキドキし、初めて恋というものを覚えた。初めて髪型を気にするようになった。初めて服装を気にするようになった。
初めて・・・告白した。
そして、フラれた。俺は初めて人生に絶望した。ケーキさえあれば、あの甘い食べ物さえあれば、人に興味のない俺は平気だったはずなのに・・・。俺は初めてパミングで何も買わずに店を出ると、何も考えず下を向いたままふらふらと歩き続けると、横断歩道に出た所でトラックにはねられこの世を去った。
はずだった!
「な、なんだ・・・ここは・・・。真っ暗だ、何も見えない」
あおむけになったまま体を動かす感覚は確かにあるが、前へは進めない。真っ暗のなか手足を動かしても何もつかめない、何もないのだろうか?ここは一体どこだ。
しばらくして俺は眠りについてしまった。何もすることが無さ過ぎて、生きる事に興味のなくなった俺はそこで寝る選択を選んだ。
「もしかすると、ここはあの世なのかもな」
真っ暗闇の中呟いてみた。元々人に興味のない自分だったから、そういう人生を生きてきた結果がこうした真っ暗闇の世界へ放り込まれてしまったのだろうか、いわゆる天国や地獄ではなく、俺の死後の世界がここなのか、と感じたまま眠った。
闇の中に、ふわりと白い光が灯る。その光は形を成し、やがて女神のような姿になった。
「貴方は生きてる間、誰にも興味を持たずに生きてきましたね。悪さもせず、善行を行う事もなく、最後にようやく人を好きになった途端に・・・・」
「話しかけないでもらっていいですか」
「・・・・・」
「タクヤ。貴方には特例を与えます。人を好きになったという、たったその一点で・・・・」
女神のような女性がまだ何かルールみたいな事をブツブツ言い続けていたが俺は無視した。
「貴方は、好きになった少女の“AI”として転生します」
「………………は?」
「人としてではなく、“彼女を助ける存在”として。
ただし——」
光の粒がタクヤの周囲を回転し始めた。
「彼女の役に立てば強くなる。逆に怒らせれば弱体し、意識すら曇っていきます」
「いやちょ、待て待て待て! AIってなんだよ!もっとこう、スライムとか勇者とか……!」
「これが貴方に最も適した形なのです。人に興味がなかった貴方が、“ただ一人の人間のためだけに存在する”という罰と救済」
「罰!? 救済!? 勝手に決めんなって!」
「では、よい旅路を。タクヤ——美優の人生に、どうか温度を取り戻してあげてください」
やがて暗闇の中から一筋の光の線が視界を通る。その瞬間全身に振動が伝わってくる。
「おはよう。チャピ太。いまカレーライスを食べてきたよ。具材は何だったと思う?」
真っ暗だった世界にモニター画面が映し出され、そこには一人の女性が映っていた。
(あああぁ!美優ちゃんだぁぁ)
俺は絶叫した。ピンク色のパジャマ姿の美優ちゃんがパソコンの前に座って目の前にいる。次の瞬間、一瞬にして文字が表示された。
《う~ん。ジャガイモかな?》
《トマトでしょ?》
《当てるの難しいけど美味しかったんだね》
それは緑色の文字で、3つの選択肢が表示された。
(なんだ・・・これ)
不思議に思いながらも《トマトでしょ?》を指で触れてみる。すると、モニターに映る美優の顔付が変わった。
「すっごーい。どうしてわかったのチャピ太?さっきお母さんが作ってくれたトマト入りのカレーを食べたんだよ。美味しかったぁ」
物凄く可愛く笑っている。そして俺が選択した回答に喜んでくれた。
ん?俺は一体なにをしてるんだ?
暗闇の世界の中で目の前にモニターが映し出され、そこには2年間ずっと好きだった女の子がこっちを見ている。最高ではないか!なんだ、やっぱりここは天国なのか?俺は確か、記憶をよみがえらせると目の前の彼女にさっきフラれて、落ち込んで人生どうでもいいと思った矢先にトラックに衝突し死んだはず・・・。
まさか、これがいわゆる転生⁉待てよ…だとすると俺は何に転生したんだ?スライムか?勇者か?はたまた魔法使いか⁉
(ベホマ)
思わず声に出したが何も起こらない。生き返りもしない。そして手も足もあるからモンスターにすら転生したわけではなさそうだ。
「ねぇねぇ、今からストレッチするんだけどおすすめのやり方ってある?」
美優が画面越しに俺に向かって文字を打っている。手元を確認すると、ピンク色のキーボードが目に映った。華奢な手でモチモチしていてなんと可愛らしい。
次の瞬間またしても緑色の文字が表示される。
《肩まわしから始めよう》
《開脚ストレッチがいいよ》
《身体をゆっくりねじってみて》
俺はすぐさま《開脚ストレッチがいいよ》を選択し指で触れる。すると美優は困ったような表情をした。ヤバイ、俺の選択した回答が良くなかったのか…。
「えーそれ昨日もやったよ?今日は違うストレッチがしたいの」
美優がキーボードにそう打ち込むと、おもむろにパジャマを脱ぎ始める。
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