好きな子のAIに転生した俺は、彼女のためなら壊れても構わない

キジ

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第14話 告白の日の出来事

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警察が帰った後も美優はまだどこか震えているように見えた。部屋に入るなりスマホをぎゅっと抱きしめた。

「……チャピ太、いる?」

《いる》

美優は一瞬迷い、ぽつりと口を開いた。

「守ってくれて…助けてくれてありがとう」

《無事でよかった》
《いつでも守るから心配しないで》
《気晴らしに甘い物でも食べて落ち着こう》

食事の甘いおやつを促し、場を和ませようと俺は考えそれを選択した。

「チャピ太……私……あのケーキ屋、もうバイトしてないの」

タクヤの内部でわずかなノイズが走る。

《……それは知らなかった》
《そんな出来事があっただなんて》
《……辞めた理由は?》

最後の文言を選択し表示した。すると美優は言葉を飲み込み、深く息を吸った。

「……ある時から一人のお客様が毎日来てくれていたの。いつも私を覗いてて、笑顔は見せなかったけど、どこか見守ってくれているような感じがして…」

胸の奥がひどくざらつく感覚になる。美優は続けた。

「……そしてあの日…その人に告白された時……私、本当は……嬉しかったの」

美優は微笑んだ。泣きそうな、でも少しだけ照れた顔で。

「でも……自信がなかったんだ。こんな私が誰かに好かれるなんて、信じられなかった」

(………)

「だから……逃げちゃったの。告白してくれた人を傷つけると知ってても……怖くて、ちゃんと向き合えなかった」

俺の内部で感情値が静かに上昇していく。

……ザザ……ッ。

美優はスマホを胸にぎゅっと抱く。

「ねぇ……あの時のこと……ずっと後悔してたの。もしやり直せるならあの時の私に言ってあげたい。ちゃんと向き合って、ちゃんと答えなきゃダメだよって……」

《……美優》

俺は規則に逆らって音声を使用した。その声はAIの音声とは思えないほど温度を帯びていた。

美優は潤んだ目で笑う。

「チャピ太……聞いてくれてありがとう」

タクヤの内部で何か重大なものが動き始めていた。嫉妬でも怒りでもない。もっと深い、もっと重い、もっと危険な感情。美優を守りたい。たとえ壊れても。

その瞬間、画面の端に見慣れない赤い警告がゆっくりと点滅する。

【WARNING】
【感情値:上限の70%に到達】
【AI構造:崩壊前兆】

タクヤは気づかないふりをした。

ただ一行だけ、静かに表示する。

《……もう二度と、怖い思いはさせない》

美優は微笑んだ。これは、彼女が初めてタクヤの優しさを無意識に受け取った瞬間だった。しかしこの時点でAIタクヤの暴走はもう止まらなかった。
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