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4話.オフ会
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ソウタ君って明日暇だよね?
確か僕と同じ東京住みだって話を以前したよね?
じゃあ明日は休日だし、お昼にハチ公前に集合しようか。
黒の革ジャン着てくるから僕を見つけたら話しかけてね。
と、僕の有無を言わせずにトントン拍子で僕はシズクさんとオフ会が決まった。
僕の着てくる服など聞かないあたり、僕が見つけて話しかけろとのことだろう。
ゲームの中でしか話したことのない相手と急に会うことになり、僕の感情には緊張の二文字しかなかった。
寝る間も惜しみ、会話が途切れない方法をネットサーフィンしたり、母が買ってきてくれる服を吟味して、最高のオシャレして、オフ会に挑む準備をした。
◇◆◇◆
次の日、アラームの音で目が覚めると、僕ができる最高のオシャレをして、戦いに臨んだ。
待ち合わせ時刻より三十分早く、ハチ公前に到着した僕は、多くの人ごみに驚く。
こんなに人が多くて、現実で会ったことのない人を見つけるなんてできるのだろうか。
僕は空いているベンチを見つけ、そこに座った。
しかし都会に来るのは久しぶりだ。
以前、迷子になって、不良にカツアゲされるから、あまり来ないようにしていたが、まさかオフ会のためにこんなとこに来るなんて……。
急に決まったことではあったが、僕は結構楽しみにしていたんだろうな。
一体シズクさんはどんな人なんだろう。
黒の革ジャンを着てくるといっていたが、オシャレな人なのだろうか?
シズクさんはこんなひょろがりな僕を見てがっかりしないだろうか。
ソウタが僕と分かった瞬間、解散なんてなったらどうしようなんてワクワクと不安の考え事がグルグル回っていると、いつの間にか待ち合わせの時刻まであと十分ほどになっていた。
もうそろそろだと僕はシズクさんが着てくるといった黒い革ジャンの男性を探す。
革ジャンを着ている男性は複数見かけるが、どれも僕と同い年のような人はいない。
シズクさんが嘘をついた?
いやでも、シズクさんがそんなことするかと革ジャンを着た人の捜索を続けていると、金髪の黒いジャケットを着た明らかに怖そうな不良女子と目が合ってしまった。
やばい、と視線を下そらすが、不良少女はこちらに向かってくる。
あ、終わった、またお金を全部搾り取られるのか、しかも女の子相手に……。
シズクさん、ごめん。
シズクさんに会う前にカツアゲされるなんてなんたる醜態だと、目の前で不良少女は止まる。
「ねえ」
「すみません! お金は持ってないです! 勘弁してください!」
「い、いやちょっと?」
僕は立ち上がり、大声を出して、何とか周りの人に助けてもらおうとするが、さすがは東京人、通行人は厄介事は勘弁とばかりに見て見ぬ振りをして通り過ぎ、僕の周りにいる待ち合わせをしている人たちはをその場を去っていった。
先程までは周りに人が大勢いたのに、今は二人だけという謎の空間ができる。
不良女子は僕のいきなりの大声で少し驚き、周りの様子を見るが、誰もこちらに介入する様子がないのを確認すると、怒った様子で僕に問い詰めてきた。
「いきなり、びっくりするじゃん」
また盗られるんだ、僕は財布を取り出すと、不良少女に差し出した。
「ほんとすみませんでした……。これ僕の全財産です」
「ねえ、僕、別にカツアゲしようとしたんじゃないよ。僕の顔に見覚えない? 山田君」
「……え、なんで僕の名前……?」
少女に言われた通りに、今一度顔を確認した、すると彼女はとても見覚えのある顔をしていた。
「……村上さん?」
「そうだよ、いきなり大声出さないでよー」
「革ジャンを着ている女子に迫られたから不良かと思っちゃいました」
「え? これ可愛くない?」
と、ポーズをとってくる村上さんは服じゃなくて、本人が素直にかわいいと認めざるえない。
「……とてもお綺麗です」
「でしょー、僕はただ山田君に挨拶しようとしただけなのに、君がいきなり叫び出すからびっくりしちゃったよ」
「それに関しては大変申し訳ありませんでした」
俺は社会人がお辞儀するかのように綺麗に腰を曲げて彼女に謝罪をした。
「いいよー、許してあげる」
村上さんは微笑んで許してくれた。
相手が不良じゃなく、村上さんだったと知り、強張っていた体の力が抜け、ベンチにもう一度座り込む。
「隣座っていい?」
僕に許可を求めた割には僕の答えを聞かずに村上さんが隣に座ってくる。
二人だけだった空間には次第に人が集まってきて、何事もなかったかのようにまた日常が動き始めた。
「それにしてもよく僕の名前知ってましたね」
「? クラスメイトだから全員の名前ぐらい覚えるもんじゃないの?」
「いや、多分クラスの半分以上は僕がクラスメイトだということさえも知らないと思いますよ」
「そんなことないと思うけどなー」
「村上さんはどうしてここにいるですか?」
「敬語じゃなくていいよ、クラスメイトなんだし。僕はここに来たのはただの待ち合わせだよ。まあ実際に会ったことのない人なんだけどね。だから今、探してるんだー」
「それってネットの人ですか? 女の子一人じゃ危険じゃないですか?」
「うーんどうだろう、ゲームでしか話したことないから分からないけど、いい人そうだし、大丈夫なんじゃない? 山田君もいるし、守ってくれるよね?」
悪戯めいた顔で村上さんは聞いてくる。
「いや、絶対無理ですよ! 僕、自分の事も守れないのに、どうやって女の子守ればいいんですか!」
「冗談だよー。自分のことは自分で守れるよ。それに僕それなりには強いからね」
アハハと笑いながら僕の背中を叩く村上さんの手が地味に痛い。
「山田君もここで何してるの?」
「僕もネットの人と待ち合わせます」
「お! 女の子と会うのかい? 君も隅に置けないねー」
このこのーと的確に急所に当ててくる村上さんの肘がかなり痛い。
「や、やめてください。違いますよ、男の人ですよ、男の人」
「なーんだ、つまんないの」
「いや、勝手に期待した村上さんが悪いんじゃないですか」
「お互い暇だし、よかったら一緒に待たない?」
「……僕でよければ」
と、突発的ではあったが、村上さんと一緒に待つことになった。
村上さんの会話は面白く、楽しくて、まるでゲームの中でシズクさんと話しているようだった。
確か僕と同じ東京住みだって話を以前したよね?
じゃあ明日は休日だし、お昼にハチ公前に集合しようか。
黒の革ジャン着てくるから僕を見つけたら話しかけてね。
と、僕の有無を言わせずにトントン拍子で僕はシズクさんとオフ会が決まった。
僕の着てくる服など聞かないあたり、僕が見つけて話しかけろとのことだろう。
ゲームの中でしか話したことのない相手と急に会うことになり、僕の感情には緊張の二文字しかなかった。
寝る間も惜しみ、会話が途切れない方法をネットサーフィンしたり、母が買ってきてくれる服を吟味して、最高のオシャレして、オフ会に挑む準備をした。
◇◆◇◆
次の日、アラームの音で目が覚めると、僕ができる最高のオシャレをして、戦いに臨んだ。
待ち合わせ時刻より三十分早く、ハチ公前に到着した僕は、多くの人ごみに驚く。
こんなに人が多くて、現実で会ったことのない人を見つけるなんてできるのだろうか。
僕は空いているベンチを見つけ、そこに座った。
しかし都会に来るのは久しぶりだ。
以前、迷子になって、不良にカツアゲされるから、あまり来ないようにしていたが、まさかオフ会のためにこんなとこに来るなんて……。
急に決まったことではあったが、僕は結構楽しみにしていたんだろうな。
一体シズクさんはどんな人なんだろう。
黒の革ジャンを着てくるといっていたが、オシャレな人なのだろうか?
シズクさんはこんなひょろがりな僕を見てがっかりしないだろうか。
ソウタが僕と分かった瞬間、解散なんてなったらどうしようなんてワクワクと不安の考え事がグルグル回っていると、いつの間にか待ち合わせの時刻まであと十分ほどになっていた。
もうそろそろだと僕はシズクさんが着てくるといった黒い革ジャンの男性を探す。
革ジャンを着ている男性は複数見かけるが、どれも僕と同い年のような人はいない。
シズクさんが嘘をついた?
いやでも、シズクさんがそんなことするかと革ジャンを着た人の捜索を続けていると、金髪の黒いジャケットを着た明らかに怖そうな不良女子と目が合ってしまった。
やばい、と視線を下そらすが、不良少女はこちらに向かってくる。
あ、終わった、またお金を全部搾り取られるのか、しかも女の子相手に……。
シズクさん、ごめん。
シズクさんに会う前にカツアゲされるなんてなんたる醜態だと、目の前で不良少女は止まる。
「ねえ」
「すみません! お金は持ってないです! 勘弁してください!」
「い、いやちょっと?」
僕は立ち上がり、大声を出して、何とか周りの人に助けてもらおうとするが、さすがは東京人、通行人は厄介事は勘弁とばかりに見て見ぬ振りをして通り過ぎ、僕の周りにいる待ち合わせをしている人たちはをその場を去っていった。
先程までは周りに人が大勢いたのに、今は二人だけという謎の空間ができる。
不良女子は僕のいきなりの大声で少し驚き、周りの様子を見るが、誰もこちらに介入する様子がないのを確認すると、怒った様子で僕に問い詰めてきた。
「いきなり、びっくりするじゃん」
また盗られるんだ、僕は財布を取り出すと、不良少女に差し出した。
「ほんとすみませんでした……。これ僕の全財産です」
「ねえ、僕、別にカツアゲしようとしたんじゃないよ。僕の顔に見覚えない? 山田君」
「……え、なんで僕の名前……?」
少女に言われた通りに、今一度顔を確認した、すると彼女はとても見覚えのある顔をしていた。
「……村上さん?」
「そうだよ、いきなり大声出さないでよー」
「革ジャンを着ている女子に迫られたから不良かと思っちゃいました」
「え? これ可愛くない?」
と、ポーズをとってくる村上さんは服じゃなくて、本人が素直にかわいいと認めざるえない。
「……とてもお綺麗です」
「でしょー、僕はただ山田君に挨拶しようとしただけなのに、君がいきなり叫び出すからびっくりしちゃったよ」
「それに関しては大変申し訳ありませんでした」
俺は社会人がお辞儀するかのように綺麗に腰を曲げて彼女に謝罪をした。
「いいよー、許してあげる」
村上さんは微笑んで許してくれた。
相手が不良じゃなく、村上さんだったと知り、強張っていた体の力が抜け、ベンチにもう一度座り込む。
「隣座っていい?」
僕に許可を求めた割には僕の答えを聞かずに村上さんが隣に座ってくる。
二人だけだった空間には次第に人が集まってきて、何事もなかったかのようにまた日常が動き始めた。
「それにしてもよく僕の名前知ってましたね」
「? クラスメイトだから全員の名前ぐらい覚えるもんじゃないの?」
「いや、多分クラスの半分以上は僕がクラスメイトだということさえも知らないと思いますよ」
「そんなことないと思うけどなー」
「村上さんはどうしてここにいるですか?」
「敬語じゃなくていいよ、クラスメイトなんだし。僕はここに来たのはただの待ち合わせだよ。まあ実際に会ったことのない人なんだけどね。だから今、探してるんだー」
「それってネットの人ですか? 女の子一人じゃ危険じゃないですか?」
「うーんどうだろう、ゲームでしか話したことないから分からないけど、いい人そうだし、大丈夫なんじゃない? 山田君もいるし、守ってくれるよね?」
悪戯めいた顔で村上さんは聞いてくる。
「いや、絶対無理ですよ! 僕、自分の事も守れないのに、どうやって女の子守ればいいんですか!」
「冗談だよー。自分のことは自分で守れるよ。それに僕それなりには強いからね」
アハハと笑いながら僕の背中を叩く村上さんの手が地味に痛い。
「山田君もここで何してるの?」
「僕もネットの人と待ち合わせます」
「お! 女の子と会うのかい? 君も隅に置けないねー」
このこのーと的確に急所に当ててくる村上さんの肘がかなり痛い。
「や、やめてください。違いますよ、男の人ですよ、男の人」
「なーんだ、つまんないの」
「いや、勝手に期待した村上さんが悪いんじゃないですか」
「お互い暇だし、よかったら一緒に待たない?」
「……僕でよければ」
と、突発的ではあったが、村上さんと一緒に待つことになった。
村上さんの会話は面白く、楽しくて、まるでゲームの中でシズクさんと話しているようだった。
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