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5話.まさかの事実
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村上さんと話し込んでいるといつの間にか時間は過ぎ、待ち合わせの時間からは既に一時間近く経っていた。
結局、シズクさんは現れることなかった。
「もうこんな時間か、来なかったねー。僕の待ち人も山田君の待ち人も」
「そうですね……」
「まあでも、こんなに山田くんとは気が合うねー。とても楽しかったよ。また学校でも話しかけてもいいかな?」
「僕学校で話す人なんてそんなにいないですし、僕でいいなら話し相手ぐらいにはなりますよ」
「じゃあ、ウザがられるぐらい話しかけにいくね」
「そこは自重してもらえると……」
「冗談だよー」
話の時折、彼女の何ともないボディタッチが何かと痛い。
普通、女の子のボディタッチなんて、男なら喜ぶはずなのに、僕の体は毎回悲鳴を上げている。
これが腕立て伏せ十回もできない体の貧弱さだと思うと、情けなくため息が出てしまう。
シズクさんは結局現れなかったし、僕はこのまま生まれ変わることはできなかったんだなと気落ちしているとそれに気がついたのか村上さんが聞いてくる。
「どうしたの? そんなに落ち込んじゃって、そんなに会いたかったの?」
「いや、会いたかったのは会いたかったんですが、僕を特訓してくれるって言ってくれてたんで、結局、僕は変われないんだなって思ったら、なんか虚しくなっちゃって」
「あれ? ちょっと待って」
「はい? どうしました?」
うーんと手を組み、何か考えこむ村上さんだったが、何か納得がいったかのように顔を上げた。
「あー、やっと分かったよ。山田君ってもしかしてソウタ君?」
「……? 僕の下の名前は壮太ですけど……?」
「違う違う、そうじゃないよー。察しが悪いなー。僕だよ、シズクだよシズク」
「……しずく? ってあのシズクさん!? 確かに革ジャンを着ている……。でもシズクさんって男性のはずじゃ?」
「あー、そういえばそんな設定にしてたねー。すっかり忘れてたよ。道理で僕を見つけてくれなかったわけだ」
「設定だったんですか!? ネカマって聞かされてたから、ずっと男性だと思ってましたよ」
「ソウタ君とはずっと素で接してたからねー。勝手に僕を女の子だと理解してくれてると思ってたよー」
「いやシズクさんは女の子っぽいっていうより、漢らしさが溢れてる人だったので……」
「女の子に対して失礼な事を言うのはこの口かなー」
少しムッとした村上さんが頬を引っ張ってくる。
「ご、ごべんなさい」
頬を引っ張られ、まともな謝罪はできなかったが村上さんはパッと手を離し、にへらと笑う。
「じゃあ、お詫びにご飯でもを奢ってもらうとしようかな」
「え?」
「僕、美味しいお店知ってるんだー。こっちこっち」
「ちょ、ちょっと!?」
村上さんは僕に有無を言わせずに、僕の腕を引っ張って目的の場所へと向かう。
僕はそんな彼女がホントにシズクさんなんだなと実感するのであった。
結局、シズクさんは現れることなかった。
「もうこんな時間か、来なかったねー。僕の待ち人も山田君の待ち人も」
「そうですね……」
「まあでも、こんなに山田くんとは気が合うねー。とても楽しかったよ。また学校でも話しかけてもいいかな?」
「僕学校で話す人なんてそんなにいないですし、僕でいいなら話し相手ぐらいにはなりますよ」
「じゃあ、ウザがられるぐらい話しかけにいくね」
「そこは自重してもらえると……」
「冗談だよー」
話の時折、彼女の何ともないボディタッチが何かと痛い。
普通、女の子のボディタッチなんて、男なら喜ぶはずなのに、僕の体は毎回悲鳴を上げている。
これが腕立て伏せ十回もできない体の貧弱さだと思うと、情けなくため息が出てしまう。
シズクさんは結局現れなかったし、僕はこのまま生まれ変わることはできなかったんだなと気落ちしているとそれに気がついたのか村上さんが聞いてくる。
「どうしたの? そんなに落ち込んじゃって、そんなに会いたかったの?」
「いや、会いたかったのは会いたかったんですが、僕を特訓してくれるって言ってくれてたんで、結局、僕は変われないんだなって思ったら、なんか虚しくなっちゃって」
「あれ? ちょっと待って」
「はい? どうしました?」
うーんと手を組み、何か考えこむ村上さんだったが、何か納得がいったかのように顔を上げた。
「あー、やっと分かったよ。山田君ってもしかしてソウタ君?」
「……? 僕の下の名前は壮太ですけど……?」
「違う違う、そうじゃないよー。察しが悪いなー。僕だよ、シズクだよシズク」
「……しずく? ってあのシズクさん!? 確かに革ジャンを着ている……。でもシズクさんって男性のはずじゃ?」
「あー、そういえばそんな設定にしてたねー。すっかり忘れてたよ。道理で僕を見つけてくれなかったわけだ」
「設定だったんですか!? ネカマって聞かされてたから、ずっと男性だと思ってましたよ」
「ソウタ君とはずっと素で接してたからねー。勝手に僕を女の子だと理解してくれてると思ってたよー」
「いやシズクさんは女の子っぽいっていうより、漢らしさが溢れてる人だったので……」
「女の子に対して失礼な事を言うのはこの口かなー」
少しムッとした村上さんが頬を引っ張ってくる。
「ご、ごべんなさい」
頬を引っ張られ、まともな謝罪はできなかったが村上さんはパッと手を離し、にへらと笑う。
「じゃあ、お詫びにご飯でもを奢ってもらうとしようかな」
「え?」
「僕、美味しいお店知ってるんだー。こっちこっち」
「ちょ、ちょっと!?」
村上さんは僕に有無を言わせずに、僕の腕を引っ張って目的の場所へと向かう。
僕はそんな彼女がホントにシズクさんなんだなと実感するのであった。
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