グラン王国の錬金術師 if 悪役錬金術師に転生してました!

えん水無月

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191 お主かぶきおる。かぶくなら……

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 大時計の針の音がチクタクと聞こえる。
 私はソファーに座って紅茶を一口飲む。

 最初は床に座ろうか迷ったんだけど、私の家だし王と同じようにソファーにした。
 視線を気にしないのか、ノエ特性のクッキーを食べゆっくりお茶をすすってる。
 ガルドは俺が居たら話したい話も出来ないだろう。と廊下へ出ており、紅茶を持ってきたノエは王様と知ったとたんに緊張のあまり倒れた。

 そうよね、ノエが王様みたのって学園祭の時だし、距離はなれていたし、こんな貧相な服着てなかったものね。



「で、何の御用でしょうか王様……いや、校長?」
「ふぉっふぉっふぉ、今は全部関係ないフュンケルじゃよ。だからどんな無礼を働いても大丈夫じゃ。学園に言っていたという事はワシの事もしってるかの?」
「それは素敵! …………じゃなくて、後が怖いですわ。一応はお耳に入れました、家出中とお聞きましましたわ」


 オホホホホ。と微笑むも、王は不服そうだ。
 だって味方が居ないのよ味方が! 王と二人っきりで会うとか何を言われるか……伏兵とかいないわよね? 
 
 ここは愛想笑いを継続して様子を見るのよ。
 暫くたってもカッチコッチカッチコチと時計の針の音だけで話が進まない。


「仕方が無い……無礼講って事で不問してくださいね! 契約書書きましょう契約書!
 今後エルン・カミュラーヌがヒュンケル・グランに口の聞き方について大丈夫という保証の契約!」
「エルンちゃんがそれでいいなら押そうかのう」


 よし! 言質取った。
 廊下に出ると、ガルドと目が合う。
 契約書の話をすると紙とペンを取りに行ってくれた。

 部屋に戻ると相変わらずノホホン爺さんがいる。
 おっと、王がいる。
 直ぐにガルドが必要な紙とペンを持ってきてもらった。

 先ほどの長文を書いて私は母印を押す。
 王も同じく名前と母印を押した。


「ふうううううう。これで少しは安心ですしー。で王様、カミュラーヌ家に何の御用で?
 逃走資金? 息子達を暗殺する相談?
 ハーレムでも作るための相談?
 はっ! まさか愛人契約。いや反対に男色の相談とか?」

「ぶっふぉ、エルンちゃんが普段ワシの事をどう思っているのかわかるようじゃのう……違うのじゃ」
「えっ! どれも違うの!?」


 と、なるとまったくわからない。
 手のひらを広げて肩の所で開く、外国の人がお手上げのポーズを見せた。
 キメポイントは目線を横にして口をすぼめる所である。


「ふぉっふぉっふぉ。ワシが城をでて一週間じゃ」
「はぁ……ヘルン。おっとヘルン王子が心配してましたよ」
「この国はワシが居なくても動く、現に戦争は起きてないじゃろ? 学園もそうじゃ、校長という立場であるが他の教師達が頑張ってくれている」


 やだ、遺言みたいで怖いんですけど……。
 社長まで上り詰めた人が今までの人生を振り返るみたい。


「それは、王が今まで頑張って来たから」
「ガール補佐官と同じ事言うのう」
「冗談、あんなのと一緒にしないで欲しいわ」
「所で錬金術はどうかの?」
「え?」


 とりあえず、昼間あった事を話した。
 腕としてはもう無理だろうなって事と、将来は教師に誘われた事。
 王はふむふむと聞いた後に立ち上がる。


「ほうほう、エルンちゃんが教師かのう、生徒が増えそうじゃな。さて帰ろうかのう」
「何しに来たんだこの王は」


 そう? 教師になろうかしら。では、お気をつけて。


「「………………」」
「どうしました?」


 ご、ごまかすのよ! 本音と建前逆に出た事をごまかすのよ!
 王は細い目をさらに細くしてるけど、乗り切るのよエルン。委任状があるけど怖い、ギロチンが怖い。


「ふぉっふぉっふぉ、心を開いてくれると嬉しいのう。
 何度か通うかと思ったのじゃが、その胸元のアクセサリ……シンシアが喜びそうじゃのう。これで売ってくれないかの?」


 王は指一本を私に見せ付ける。
 ひゃ、百万石! じゃないわね。白金貨一枚って事はないわよね。
 
 胸元のアクセサリといえば、賢者の石である。
 睡眠と引き換えに石や野菜を金に変える事が出来る万能石。
 …………所かゾンビを作ったり、浄化したりと、色々である。
 この石の正体を知っているのは数が少ない私のほかにディーオ、ナナ、ミーナ。逆に王家の関係者などには喋っては居ない。

 と、いう事は金貨一枚。日本円で一万円妥当な所ね。
 もちろん売るわけには行かないけど、たぶん売ったらディーオ怒るんじゃないかなぁ……。



「謹んでお断りします」
「ふむふむ……ではさよならじゃ」


 ひょっこひょっこと歩くと勝手に玄関へと歩いていった。


「ちょ、護衛つけます。ガルド!」


 廊下で待機してくれていたガルドは直ぐに頷くと王の後ろへと行く。
 王は直ぐに首を振ってついて来るなと合図した。


「大丈夫じゃよエルンちゃん。おじいちゃんこれでも強いし」
「で、でもねぇ」
「ふむ、元王の権限で護衛はいらぬっ!」


 ひっ! 私は思わずひざまずくと、ガルドも同じようにひざまづいていた。
 ガチャリと扉が開くと音と、バタンと扉の閉まる音が聞こえ、その音で私の足が崩れ落ちる。


「おい、お嬢様。言える範囲でいい、王は何の用だったんだ?」
「こっちが聞きたいわよ……」



 ◇◇◇

 王が私の家に来てからの翌日。
 私が朝食を取っていると、ドアノッカーの音が鳴る。例によってノエがぴょこぴょこと応対しにいくと直ぐにナナを連れて戻ってきた。
 ナナに関しては、私の許可要らずに来たら通してと言ってあるのだ。

 …………あれ? ディーオも許可した覚えないけど、ノエもガルドも私に許可を得ないで連れて来るわね……なんでだろ。


「っと、考え事は悪かったわね。おはようナナ、珍しいわね家まで……さて遊びにいきましょうか」
「はい。喜んで着いて行きます!  じゃなくてですねっ。エ、エルンさん賢者の石をを金貨十万枚でも売らなかったって本当ですかっ!?」
「はい?」
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