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192 すれ違い
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興奮するナナを座らせて話を聞く事にする。
「ええっとですね。昨夜ヒュンケル校長さんが工房に来まして、エルンさんが持っているそのアクセサリ。それと同じものは作れるか? と聞かれまして。
あの、ディーオ先生からその、アクセサリ……賢者の石ですよね。その事はたとえ王でも秘密にするようにと言われてまして、どうしようか悩んでいたんですけど」
「ふむふむ」
「ヒュンケル校長さんは、別に中身は言わなくてもいい。といいまして……『エルンちゃんに金貨十万枚で売ってくれと言ったら断られのう』と」
私は直ぐに立ち上がる。
「ガルド! 校長、いや王を探してきてっ!」
「エ、エルンさん!?」
「売るわよ、金貨十万枚? 白金貨で一万枚よね」
日本円にして十億よ十億!
「あと八十年生きるとして、ええっと……」
十億÷八十÷事の三六五は約金貨三.四枚
「ノエ!」
「ひゃ、はい!?」
「一日金貨三枚使い続けても八十年は暮らせるのよ! 売ったほうがいいでしょ!」
「ええっと……ディーオ先生から石は秘密だって」
「うっ……そうだった。あっガルドちょっと行くのキャンセルで」
出発直前のガルドを大声で止めて、ソファーに座り込む。
まって。って事は私が賢者の石持ってるのを知ってたって事か……相変わらずの狸王め。
「で、ナナはなんて答えたの?」
「はい、いくらお金を積まれましても出来る物と出来ない物がありますと。お断りさせてもらいました」
「先払いで貰って逃げるって手もあったわよね!」
一瞬ナナが信じられないって顔をして私を見て小さく笑った。
あ、これ愛想笑いだ。
「エルンさん、あの先払いと言っても金貨を十万枚ですよね。保管場所も困ると思うんですけど」
「はっ! 確かに」
「後やはり、騙すような事は出来ないといいますが」
「じょ、冗談よ。そんなのわかってるじゃない」
「ですよね! 安心しましたっ!」
キラキラと光る視線がまぶしい、まぶしいわ。
「その後王は?」
「ランバート家のほうに行く約束があると言われて……」
ランバート……? ああ、リュートの家か。
たぶん嘘だろうなぁ。
私は胸元の賢者の石を取りだして見つめてみる。
ナナが作ってくれた保護ホルダーに入っており隙間から見える色は七色に輝いている。
これ付けてから調子いいのよね。
自慢できるほどよい胸のおかけで肩こりが酷かったのも、これをつけて治ったし。
「手詰まりね。何考えているのかしら王は家出までして」
「とても、病気そうには見えなかったんですけど……」
「ああ、ナナも新聞読んだの?」
「いえ、わたしはあの新聞が高いので読まないんですけど、マギカさんが教えてくれまして」
確かに高いわよねー三ページぐらいしかないのに銀貨五枚もするし。
主に飲食店が客寄せのアイテムとして取ったりする。
「あの子好きそうだもんね、そういう下らないゴシップ記事」
「………………」
「ナナ?」
「あっいえ、何でもないです!」
なんだろ? ともあれ私は、なぜかこっちを見ていたナナに昨日学園で聞いた事をかいつまんで話した。
ナナは腕を組んで考え込んでいる。
小さい子が大人ぶってるみたいで可愛い姿だ。
「ヘルン王子様が王になるんですか」
「順番にいったらそうなるわね、カインのほうがよかった?」
「いえ、どちらでも構わないんですけど……争いが無いほうがいいかなって。ひゃ」
思わずナナの頭を撫でる。
「優しいわねぇ。あの兄弟ならないでしょ…………たぶん」
「ですよね!」
自分で言ってなんだけど、やっぱり、どちらかが悪役になり政権をとる展開は見てみたい。口には出さないけど。
「その、賢者の石ってなんなんでしょう?」
「何って」
考えを中断させてノエを見ると、凄いまっすぐな目で私を見てくる。
その真剣な目に思わず言葉が詰まった。
「エルンさんは、その石の事を何所で知ったんですか? わたしミーナさんに聞いたんです。そんな危ないアイテムをエルンさんに何で教えたんですかっ! って。
ミーナさんは教えてないしエルンちゃんに聞いてね。としか」
「前世で!」
反射的に答えたらナナの表情が固まった。
「………………帰ります」
え、ちょっと。
本当の事言っただけなんだけど、ナナは暗い顔のまま立ち上がった。
「いや、ナナ?」
「いいんです。きっと教えられないんですよね。大丈夫ですナナは信じてます。
錬金術のレシピは高難易度になるほど他人に教えられないって事を忘れてました。
大丈夫です、わたしが疎かでした。ごめんなさい」
「信じてないわよね、表情が」
廊下に出るので私は追いかける。
「大丈夫ですから」
「なんで複数回言うのよ。ねぇナナっ前世っていうか夢っていうかね」
失礼します。
と、言うとナナは玄関から帰っていった。
視線を感じて思わず振り返るとガルドとノエが立っている。
「そうなるだろうな、さっするにレシピを聞かれたんだろ? どこでと聞かれて前世はない」
「ノ、ノエはおじょうさまを信じます!」
まったく信じてなさそうなノエの言葉が余計につらい。
本当なのに……でも、ゲームの知識って言うよりはまだいいじゃない?
ミーナもミーナで、賢者の石の事しってるならちゃんと説明……あれ? ミーナって何で知ってるのかしら?
ミーナの事考えると、ちょっと片頭痛するのよね。
ともかく錬金術の先輩なんだから説明するのが当たり前じゃないのよ。
「で、言い訳は考え付いたか?」
「ガルドさん! エルンおじょうさまを追い詰めたらダメです!」
「悪いノエ先輩」
うぐ、ガルドの言葉が突き刺さるし、ノエの優しさもつらい。
私悪くないのよ? なんだったらこの世界に生んだ神様が悪い、いや前世を思い出させた神様が……でも、思い出さなかったら破滅一直線だったわよね。
ええっと、あーうーん。
「一日考えて何も思い浮かばなかったら…………明日学園にいく、ディーオに相談してみる……」
「ええっとですね。昨夜ヒュンケル校長さんが工房に来まして、エルンさんが持っているそのアクセサリ。それと同じものは作れるか? と聞かれまして。
あの、ディーオ先生からその、アクセサリ……賢者の石ですよね。その事はたとえ王でも秘密にするようにと言われてまして、どうしようか悩んでいたんですけど」
「ふむふむ」
「ヒュンケル校長さんは、別に中身は言わなくてもいい。といいまして……『エルンちゃんに金貨十万枚で売ってくれと言ったら断られのう』と」
私は直ぐに立ち上がる。
「ガルド! 校長、いや王を探してきてっ!」
「エ、エルンさん!?」
「売るわよ、金貨十万枚? 白金貨で一万枚よね」
日本円にして十億よ十億!
「あと八十年生きるとして、ええっと……」
十億÷八十÷事の三六五は約金貨三.四枚
「ノエ!」
「ひゃ、はい!?」
「一日金貨三枚使い続けても八十年は暮らせるのよ! 売ったほうがいいでしょ!」
「ええっと……ディーオ先生から石は秘密だって」
「うっ……そうだった。あっガルドちょっと行くのキャンセルで」
出発直前のガルドを大声で止めて、ソファーに座り込む。
まって。って事は私が賢者の石持ってるのを知ってたって事か……相変わらずの狸王め。
「で、ナナはなんて答えたの?」
「はい、いくらお金を積まれましても出来る物と出来ない物がありますと。お断りさせてもらいました」
「先払いで貰って逃げるって手もあったわよね!」
一瞬ナナが信じられないって顔をして私を見て小さく笑った。
あ、これ愛想笑いだ。
「エルンさん、あの先払いと言っても金貨を十万枚ですよね。保管場所も困ると思うんですけど」
「はっ! 確かに」
「後やはり、騙すような事は出来ないといいますが」
「じょ、冗談よ。そんなのわかってるじゃない」
「ですよね! 安心しましたっ!」
キラキラと光る視線がまぶしい、まぶしいわ。
「その後王は?」
「ランバート家のほうに行く約束があると言われて……」
ランバート……? ああ、リュートの家か。
たぶん嘘だろうなぁ。
私は胸元の賢者の石を取りだして見つめてみる。
ナナが作ってくれた保護ホルダーに入っており隙間から見える色は七色に輝いている。
これ付けてから調子いいのよね。
自慢できるほどよい胸のおかけで肩こりが酷かったのも、これをつけて治ったし。
「手詰まりね。何考えているのかしら王は家出までして」
「とても、病気そうには見えなかったんですけど……」
「ああ、ナナも新聞読んだの?」
「いえ、わたしはあの新聞が高いので読まないんですけど、マギカさんが教えてくれまして」
確かに高いわよねー三ページぐらいしかないのに銀貨五枚もするし。
主に飲食店が客寄せのアイテムとして取ったりする。
「あの子好きそうだもんね、そういう下らないゴシップ記事」
「………………」
「ナナ?」
「あっいえ、何でもないです!」
なんだろ? ともあれ私は、なぜかこっちを見ていたナナに昨日学園で聞いた事をかいつまんで話した。
ナナは腕を組んで考え込んでいる。
小さい子が大人ぶってるみたいで可愛い姿だ。
「ヘルン王子様が王になるんですか」
「順番にいったらそうなるわね、カインのほうがよかった?」
「いえ、どちらでも構わないんですけど……争いが無いほうがいいかなって。ひゃ」
思わずナナの頭を撫でる。
「優しいわねぇ。あの兄弟ならないでしょ…………たぶん」
「ですよね!」
自分で言ってなんだけど、やっぱり、どちらかが悪役になり政権をとる展開は見てみたい。口には出さないけど。
「その、賢者の石ってなんなんでしょう?」
「何って」
考えを中断させてノエを見ると、凄いまっすぐな目で私を見てくる。
その真剣な目に思わず言葉が詰まった。
「エルンさんは、その石の事を何所で知ったんですか? わたしミーナさんに聞いたんです。そんな危ないアイテムをエルンさんに何で教えたんですかっ! って。
ミーナさんは教えてないしエルンちゃんに聞いてね。としか」
「前世で!」
反射的に答えたらナナの表情が固まった。
「………………帰ります」
え、ちょっと。
本当の事言っただけなんだけど、ナナは暗い顔のまま立ち上がった。
「いや、ナナ?」
「いいんです。きっと教えられないんですよね。大丈夫ですナナは信じてます。
錬金術のレシピは高難易度になるほど他人に教えられないって事を忘れてました。
大丈夫です、わたしが疎かでした。ごめんなさい」
「信じてないわよね、表情が」
廊下に出るので私は追いかける。
「大丈夫ですから」
「なんで複数回言うのよ。ねぇナナっ前世っていうか夢っていうかね」
失礼します。
と、言うとナナは玄関から帰っていった。
視線を感じて思わず振り返るとガルドとノエが立っている。
「そうなるだろうな、さっするにレシピを聞かれたんだろ? どこでと聞かれて前世はない」
「ノ、ノエはおじょうさまを信じます!」
まったく信じてなさそうなノエの言葉が余計につらい。
本当なのに……でも、ゲームの知識って言うよりはまだいいじゃない?
ミーナもミーナで、賢者の石の事しってるならちゃんと説明……あれ? ミーナって何で知ってるのかしら?
ミーナの事考えると、ちょっと片頭痛するのよね。
ともかく錬金術の先輩なんだから説明するのが当たり前じゃないのよ。
「で、言い訳は考え付いたか?」
「ガルドさん! エルンおじょうさまを追い詰めたらダメです!」
「悪いノエ先輩」
うぐ、ガルドの言葉が突き刺さるし、ノエの優しさもつらい。
私悪くないのよ? なんだったらこの世界に生んだ神様が悪い、いや前世を思い出させた神様が……でも、思い出さなかったら破滅一直線だったわよね。
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