グラン王国の錬金術師 if 悪役錬金術師に転生してました!

えん水無月

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203 オールキャラ感謝祭

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 氷結の洞窟。
 代々の王家の墓があるらしく、以前カインとともに新星花を取りに着た場所だ。
 もちろん通常は管理されていて私のような、エレガンドで上品で美しい貴族でさえも入る事は無理なんだけど。


「下で王がまってる。俺はここまでだな」
「はぁ……ええっと、行かなきゃダメ? 面倒な事が起きそうだから帰りたいんだけど」


 ガルドの問いに反対すると、場の空気が変わった気がする。
 ブルックスが突然笑うのでビクっとなる。


「はっはっは、流石だなエルン。ちなみに行かないと恐らく反逆罪で死ぬ」
「はぁ? ちょっと何よそれ!」
「こっちに怒るな、久々にあったミーナが言ってたのを伝えだけだ」
「余計行きたくないんですけど……」
「でも、いくんだろ?」


 まぁ行くけどさ。
 ソフィーネさんとか、なんだかんだで優しいのよねー。とか褒めてくれるけど、別にそんな事無いんだけどなぁ。
 私が文句を言うと、氷結の洞窟前にゾンビが向かってくる。

 ブルックスにソフィーネさん、ガルドがそれを倒すんだけど、倒したそばから起き上がってくる。


「弱いんだけど、数がな……」
「と、いうわけだ。お嬢様はここにいても戦えないだろ。ノエ先輩一緒に頼む」
「任されましたっ!」
「いや、だから私がノエを守るほうじゃないの? 常識的に考えてって。あっカー助」


 カァカァと鳴くカー助が私の肩に止まった。
 あ、そうか家に誰もいないと餌がこまるもんね、用意しておくの忘れたわ。
 仕方が無い、いくか……。

 ノエとともに洞窟前にある防寒着を装着してゆっくりと階段を降りる。
 防寒着の無いカー助は途中で地上に帰った。
 薄情者である。いや薄情カラスである?


 地下までいくと、これまた見知った顔が見えた。
 リオと……ノリスねたぶん。


「リオっ! なんでここにってか……その格好は、寒くない?」


 私から見えるリオは薄着である。
 今にもこぼれそうな谷間を強調した服でミニスカートからは生足が見えている。
 一方、私達のように防寒着に守れているのはノリスで私とリオの間に入って丁寧にお辞儀をしてきた。


「お久しぶりです、このようにご主人様は、アレがアレなので風邪をひくような事はありません。メイドのわたしは繊細なのでこのような姿でもうしわけクシュン」
「別に無理に話さなくてもいいわよ……ええっと、いよいよなんでいるの?」
「アイツに呼ばれたからな……万が一があるかもって」


 アイツといって親指をさしている先には、ミーナがいた。
 いや、自慢の髭を剃った王と土下座してるナナ。
 そして土下座してるナナに無理やり酒? を飲ませるエレファントさんが見える。


「エルンさーん、助けてくださーいーーーー、エレファンおねえさん。もう、もう飲めませっ」
「飲むのよ! 飲んで飲んで抑えるのっ! 大丈夫直ぐに消化される奴だから」


 土下座しながらもビンから液体を飲むナナに助けをとわれる。
 その四人の周りにゆっくりとゾンビが現れると、リオの魔法が炸裂してゾンビがバラバラに消し飛んでいく。
 私が振り向くと何時もの二人の会話が聞こえてくる。


「よし、三十五体目っ!」
「ご主人様、よくそこまで数えれるように」
「前々から思っているが、ノリスお前、アタシの事オークか何かと思ってるだろ」
「オークは魔法を使いませんので……あっマジックオークなら」



 情報量が多すぎてついていけない。
 とりあえず、ミーナや他の四人の所に行く。


「何がどうなって何なのよ」
「エルンちゃん! いよいよエルンちゃんの出番だよ! その賢者の石を……ナナっちにあげて」
「え、なんで? いやあげるのはまだいいわよ」


 元々棚から牡丹餅で石を手に入れたんだし、本来は賢者の石=ナナが作るものなんだし。


「別にアタシはいいけど、そうしないとエルンちゃんゲームと同じギロチンENDだよ?」
「は? いや、なんで……」


 私は前世の事を喋った事はない。
 唯一あるのが夢と説明した話だけだ。
 ミーナは私の耳元に顔をつけると小さくささやく。


「アタシ実は『ナナのアトリエ・錬金術師シーズンⅡ』クリアしてから、こっちに転生してるし。どうするー?」


 私がマジマジとミーナの顔を見ると、ミーナはお好きにどうぞって顔をしてきた。
 むかつく。
 いや、それよりも…………うん。
 何所かでそんな気はしてた、学園の図書館でみたレシピもミーナが書いた奴よね。
 妙に自由だし、困った事が起きても冷静だし。


「事情はよくわからないけど、この石を渡せばいいのね」


 私はネックレスを外すと、王にわた……いや。


「ねぇ王様」
「な、なんじゃ。はよう石をナナ君に」
「カミュラーヌ家の保障を」
「する、もちろんする」


 王が返事をすると、エレファントさんとミーナさんの動きが止まる。
 ゾンビの数が増え始め、リオ達じゃさばき切れなくなってきてるのだ。


「じゃぁ白金貨一万枚で売ります」
「ぶうううううう、エルンちゃんそれは無いんじゃないかのう? 王様、もう王様じゃないんじゃよ?」
「いやだって、金のなる石を手放せって酷い話でしょ。白金貨一万枚もあれば孫の代まで贅沢できるわっ」
「結婚しないのにかのう?」
「…………よくよく考えたら、今逃げれば問題にならない? だって王じゃない人の頼みだし」
「一万枚は無い、ないんだ。ワシの最後の夢と思ってのう」


 どうでもいいから、なんとかしてくださいー。と足元からナナの悲鳴が聞こえ始める。
 原理はわからないけど、ナナがゾンビを押さえ込んでいるんだと思う。


「そうだ、ナナも一緒に逃げればいいのよ」
「えっ……いいんですか?」


 ナナの集中が切れたのか、ゾンビが突然倍になる。


「ナナ君!?」
「エレファントお姉さんも、別に元王に協力しなくても。責任は元王なんでしょうし」


 エレファントさんも、そうしようかしら……。と、言い出してナナも、エルンさんと一緒なら逃亡生活も楽しみですっ。と、言い始めた。
 一万枚♪ 一万枚♪

 さぁどうする!


「いい加減その辺にしとけ」
「はっ! この声は……貧乏教師」
「…………慎ましいといって欲しいな」


 振り向くとディーオが階段を下りてきた。
 アレだけ周りいるゾンビを素早く切っていくと私達の所に歩いてくる。


「ヘルンから、君が暴走したら困ると頼まれてきた。そもそも君はそんなにお金を集めてどうするんだ。確かに錬金術にはお金がかかる。しかし君の場合既に十分だろう」
「別に無かったら無くていいけどさ。もし子供が出来たらその子には残った白金貨百枚ぐらいは残したいじゃない」
「九千九百枚は君が使うのか……?」
「いやあれば、使うでしょ」


 当然だ。
 それだけあれば、どこかの島を買おう。
 エルン島と名づけたい。


「ふう……君と君の子ぐらいの将来はボクが見よう。賢者の石を渡してあげて欲しい」
「んふぁ」


 いや、なんて言った。
 君と君の子ぐらいの……え、いや。
 告白? ちがうわよね、この状況を何とかするためにいったでまかせよね。
 ええっと、辺りを見回して近くにいるノエを見る。


「ええっと、ノエ今のって」
「ノ、ノエ子供なので」


 エレファントさんは白い目でディーオと私を見てるし、ミーナは何かニヤニヤしてる。
 王はそんな事どうでもいいだろって顔をして、ナナは小さく拍手をしている。


「話まとまった所で、石もらうねー。はいナナっち。手伝うよー」
「え、いやまとまって無いし」


 ミーナは私から石を奪うと、ナナに手渡した。
 そしてよく解らないままに事件は幕を閉じた。
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