グラン王国の錬金術師 if 悪役錬金術師に転生してました!

えん水無月

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204 END No? 『悪役令嬢の騒がしい未来』

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 何時もの場所の何時もの部屋。
 今更説明もどうかと思うが、学園内の教師が持つ個人部屋だ。
 見知った教師から何時もの珈琲を貰い、私専用となった椅子に座ってそいつを見る。


「睨むな」
「別に睨んでませんよー。ただ白金貨一万枚損しただけですしー」
「王……いや元王から協力金は貰ったんだろ?」
「まぁ多少は。それよりアレから一週間よ。もうそろそろ説明してよ」
「そうだな……元々王は十数年前から賢者の石の事を知っていた」


 事の起こりはミーナがまだ学生時代の時にポロっとっ喋ったのがきっかけだっただったらしい。
 万能であり生命さえも扱える幻のアイテム、賢者の石。
 校長であるヒュンケル・グランがしたかった事。
 それは今は亡き王妃の復活だった。

 ミーナはその事を知ってか知らずか賢者の石を製作しないで卒業した。
 まぁこれは嘘で製作してたけど王には黙っていたとの事、彼女なりに禁忌に触れすぎると自分では使わなかったんだと思う。
 そして面倒になってコタロウにあげた。なんてはた迷惑な!

 それから数年後、私の登場である。
 私の記憶では賢者の石で色々イベントが起こるのをすべて早め早めでナナに教えていた。
 行方不明であった賢者の石も何故かコタロウから譲り受けてしまったし。
 そしてゲームでもあった賢者の石完成イベント。

 あのENDではナナが作った失敗作の賢者の石・・・・・・・盗み出して・・・・・・町に大量のゾンビ・・・・・・を発生させている。

 あの日ナナが見せに来た石は失敗作だったんだろう。
 さらに、これでゲーム上での私がなぜ賢者の石を使ってゾンビを発生させたのか納得する。

 王に賢者の石を見せにいって、王妃を生き返らせようとし失敗したんだろう。
 それに激怒したゲームの中の王は隠蔽もかねて私をギロチンにかける。

 町にあふれたゾンビはナナが抑えてめでたしめでたし。
 ……ってのが本来のシナリオ。


 でも今回はゲームとは事情が違う。さらに全部を知っているもう一人の錬金術師がいた、ミーナだ。

 ミーナは私が本物の賢者の石を持ってる事を知っているので、解決できるのはエルンちゃんだけだよって王に伝えたと。
 そんなこんなであふれるゾンビで国がパニックにならない様に、飛んでるほうきであっちこっちに連絡をしたのも、もちろんミーナだ。

 あの時どっちでもいいよって私に言っていたけど、ミーナもこの国が好きなのよね。


「ぜーーーーーーーーんぶ、あのミーナの手のひらにいた気がするわ」


 私は外国人がよくやるように手のひらを広げてため息をつく。
 その手のひらに小さい小箱がディーオから、そっと置かれた。


「何これ」
「その……なんだ……」
「歯切れ悪いわね、開けるわよ」


 私は小さい箱を開ける。
 その箱の中央に宝石はついていないが指輪があった。
 これってアレよね、結婚指輪だ。


「ボクも男だ。天才たるもの一度言った事は全うする」
「あー要らないわよ」


 私は箱のふたを閉じてディーオに返す。


「まて、どういう意味だ」
「どうもこうも、あんな場所であんな事言われてもね、その。そうムードよムード! 白金貨一万枚の代わりの指輪にしては、や、安そうだし。それにOKしたら私がディーオに惚れてるみたいじゃないの!」
「ぐ、それは。君の言う貧乏教師でも一年分の月給だ。そうか……ミーナに背中を押されて勇気を振り絞ったが……好きと思ったのはボクだけだったか……」
「え。一年分であれなの!?」
「まて、驚く所違うと思わないか?」


 じゃぁ何所に驚けっていうんだ。


「あっミーナの下りかって…………え、マジで?」
「いや、ボクの独りよがりだったようだ。悪いが帰ってくれ」
「ちょ、自殺しそうな顔しないでよ。そ、その別にディーオが嫌じゃなければ、そのねぇ……考えてあげてもいいわよ。…………別に嫌いじゃないし、どっちかっていうとそのねぇ……私もす……」


 一番自然体で要られるのがディーオだ。お酒も一緒に飲んだし私を一人の人として扱ってくれる。
 ガルドもそれに近いけど付き合いの長さが若干違うし雇用主と雇用者と一面も強い。
 リュートはマザコンっぽいし既に元彼というより友人だ、最近はよそよそしいし。
 カインは王族で王族の作法や礼儀が面倒そう、それに、よくよく聞くとメイドの人と禁断の愛がありそうなのでパス。

 コタロウは自然体でいられるけど、友達以上にはぜったあああああいいいい成りたくない。
 亜人で二枚目なコテツとも知り合ったけど、中年だしお互いによく知らない、酒を飲むのならいい相手かも。

 後は回りにいるのは既婚者か女性が多い。
 それにまぁ、ディーオになら裸見られた事あったし、変な家に嫁ぐよりは……。
 ディーオの腕があれば、とりあえずカミュラーヌ家が破産しても食べてはいけるだろうし。
 いや、断ったのもディーオの事を思ってなのよ。
 好きでもない女性と結婚するっていったらディーオが可哀想じゃない。
 まさか、ディーオが私の事をねぇ……。

 まずい、部屋の中が沈黙だ。
 そして暑い。


「えっと、一度帰るわね」
「そ、そうか……見送ろう」


 私がディーオの部屋から出よう扉を開くと見知った顔が何人か見えた。
 ナナとミーナとコタロウだ。
 この状況から推理すると盗み聞きだ。


「ひい、エルン殿顔が怖いでござる! 拙者止めたでござるよ? でもミーナ殿からもしかしたら昼間から如何わしい音が聞こえるかもというので」
「残念ー聞けなかったね、コタロウッチ次回に期待しよう」
「えっとあの、お、おめでとうございます! わたしは偶然通りがかり」
「何してるのよ、何を!」


 私が怒鳴ると三人は直ぐに消えて言った。
 周りにいる一般生徒が私を見ると悪役令嬢がぶちきれたーと叫んで消えていく。


「まったくもう……やっと一息ついたと思ったらもう暫くはまだ騒がしそうね」
「付き合うボクの身にもなってくれ……」


 でも、こんなENDも悪くないんじゃないかしら。


 fin
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