呼んでいる声がする

音羽有紀

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呼んでいる声がする(その33)何処か

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父と母を見ているから、愛とか信じられないの。」

そう言うと瑠子はため息をついた。      

「そうかも、あたしも。」

と、蓮花は同意した。

「でも、蓮花ちゃんは彼氏がいるんだよね。」

蓮花が、彼氏がいる事がまだ以外だった。

妖精の様な蓮花に彼氏がいる事実はショックにまだ慣れないと瑠子は思った。

けれど、彼氏から電話が自宅にかかってくるなんて時代錯誤だなと思って

つい本音が出てしまった

「でも、自宅に電話かかって来るの大変だね。家族の人とか出ちゃったら。」

蓮花の家族も複雑なのも聞いているからだ。

そういうと、彼女はいっきにどんよりとした表情になった。

まずいなと思って話題を変えた。

「あの、この後、カフェに寄らない?」

蓮花は頷いた。

「でも、雪が。」

「そうだよね。」

「あ、でも良いです。今日電話かかって来ない日だから。」

「良かった。」

それから二人は、セルフカフェの店に寄った。

今日も何か暗い空気が漣花を包んでいる気がした

二人共、カフェオレを頼んだ。

「ここのカフェオレ美味しいよね。」

席についてから瑠子は言った。

蓮花は頷いたがやはり暗い。

人々の明るい声と対比した蓮花の表情はいやでも

気になった

窓を見やると暗い夜の様相を見せ始め雪はかろうじて

ちらちらと振っている程度だ。

「雪って綺麗だけれど、怖いよね。」

蓮花は顔を上げると、うっすらと笑った。

「雪が振ってるから、誰もいないと思ったけどお客さんが割といるね。」

「ええ、あの、」

「え?」もう帰るのかな?と心の中で危惧した。

「今日は、あの反対方向に用があって。」

「えっ。」

「そうなの?」

「彼の電話は?」

「あ、今日は来ない日なの、」

「え、電話、来ない日も有るのね。」

「うん、かかって来るのは月水金なの」

そうか今日は水曜日だもんね

それにしても、今夜は何処にいくんだろう、こんな雪の日に

「雪振ってるけれど、大丈夫?」

力無く頷いた。

そんな返事が返って来たので瑠子は蓮花が

雪に埋もれて倒れる気映像が浮かんで来た。

「もし良かったら、一緒に行こうか?」

何処行くかわからないけれどと、瑠子は思った。

蓮花は、首を振った

「そんな事出来ないよ。悪いから。」

「いいの、あたし雪の道中は経験済みだから。」

蓮花は少し笑った

その笑顔に嬉しくなった瑠子は更に続けた。

「雪の中何時間もバスに閉じ込められてさ。」

「大変でしたよね。」

「そう、あの雪に比べたらたいした事無いよ。ところで何処行くの?」

「えっ。」

答えたくないのかなと思った。

そんな答えたくない所に行くのはますます不安だと思った瑠子は余計なお世話かもしれないと思いつつプッシュした。

「あたし、何処かに行きたい気分なんだ、いいかな?」

「そう?じゃあ。」

「うんうん、行こう。」

何処行くかもわからないのに返事をした。         つづく



いつも読んでいただいてありがとうございます。
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