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第19話(4)
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さすがに答える義務はないとアレクサンドラが唇を結んでいると、夫人は身を乗り出して「お身体の具合は?」と質問を接ぐ。
すると、母夫人が
「V侯爵夫人、その辺りでご容赦いただけないでしょうか」
と控えめだが割って入った。
「娘はまだ結婚して1年でございます、それにザハーリン公爵のご両親、恐れ多くも両陛下には、王子・王女方が多くいらっしゃいます。
皆様が温かく、静かに見守って下されば、じきに吉報をお届けできますわ」
未亡人が、「その通り」とゆったりと頷いて同意を示したが、V侯爵夫人は意に介さず、
「まあそれはそうですわね、ですがたかが1年、されど1年ですわ。お母様の苦労を、お嬢様は繰り返さないようにしませんと。で、如何ですの?来るものはちゃんと来ています?」
と会話を終わらせないように粘ろうとし、夫の侯爵がとうとう激昂した。
「もう黙れ!お前はいつもぺらぺらぺらぺらと、失礼な……!」
「まあそれは、でも」
「でもじゃない!殿下に対しての非礼でもあるなのだぞ、お前の言うことは!」
「そんな、私は公爵ではなく、公爵夫人のことだけを専らお尋ねしているだけですわ」
「黙れ!」
怒声に、室内の他の輪が一斉に関心を示したが、誰も驚いた様子はしていないようだった。
そこへ、主催のB侯爵夫人が「皆様、軽食をご用意したので如何です」と皆に呼びかけながら
「皆様も如何です、冷菜やチーズ、ミニタルトなんかもございますよ。あら、また今夜もギスギスしていらっしゃるのねえ」
と輪の中に戻って来て腰をかけた。
B侯爵夫人は、一同を見渡してから、V侯爵夫人に向かって
「また根掘り葉掘りが過ぎたのかしら、私がいないとおかしなことになるわね、この集まりは。今日の被害者は……ザハーリン公爵夫人かしら?貴女も懲りないわねえ」
と決めつけた。
夫人が口を開こうとするのを、上体を強く突き押して阻んだ夫侯爵が強い怒りを示す。
「今夜もまた大声を出させられましたよ、全く何という女だ」
「そんな、貴女だって」
「だって?だって何だというのだ!」
「まあまあ。カーチェンカ(V侯爵夫人の名前カテリーナの愛称)、貴女はオルロフ夫人にも根掘り葉掘りして散々お苦しめになってじゃないの、お忘れ?」
「だって、皆様だって興味がおありの癖に」
「ええあるわ。でも貴女のように、本人に面と向かってハチドリのように質問しまくる人は、貴女以外にはいなくてよ。口だけ領地で静養させて来たら如何なの、前にも言いましたけど」
「そんな、酷いわ!」
「酷いのはお前だ」
夫に止めを刺されたV侯爵夫人は泣き崩れたが、誰も慰めにかかろうとしない。
夫侯爵は、アレクサンドラと母夫人に向かって、「我が妻が多大なる無礼を働き、大変申し訳ないことです」と着座だが深々と頭を下げた。
未亡人が「その通り」と厳粛に何度か頷き、先程から呆気に取られていたアレクサンドラは、"いいえ"と"はい"のどちらを答えとすべきか迷っていると、V侯爵夫人は涙のままに、ぱっと立ち上がって室外に出て行ってしまった。
すると、母夫人が
「V侯爵夫人、その辺りでご容赦いただけないでしょうか」
と控えめだが割って入った。
「娘はまだ結婚して1年でございます、それにザハーリン公爵のご両親、恐れ多くも両陛下には、王子・王女方が多くいらっしゃいます。
皆様が温かく、静かに見守って下されば、じきに吉報をお届けできますわ」
未亡人が、「その通り」とゆったりと頷いて同意を示したが、V侯爵夫人は意に介さず、
「まあそれはそうですわね、ですがたかが1年、されど1年ですわ。お母様の苦労を、お嬢様は繰り返さないようにしませんと。で、如何ですの?来るものはちゃんと来ています?」
と会話を終わらせないように粘ろうとし、夫の侯爵がとうとう激昂した。
「もう黙れ!お前はいつもぺらぺらぺらぺらと、失礼な……!」
「まあそれは、でも」
「でもじゃない!殿下に対しての非礼でもあるなのだぞ、お前の言うことは!」
「そんな、私は公爵ではなく、公爵夫人のことだけを専らお尋ねしているだけですわ」
「黙れ!」
怒声に、室内の他の輪が一斉に関心を示したが、誰も驚いた様子はしていないようだった。
そこへ、主催のB侯爵夫人が「皆様、軽食をご用意したので如何です」と皆に呼びかけながら
「皆様も如何です、冷菜やチーズ、ミニタルトなんかもございますよ。あら、また今夜もギスギスしていらっしゃるのねえ」
と輪の中に戻って来て腰をかけた。
B侯爵夫人は、一同を見渡してから、V侯爵夫人に向かって
「また根掘り葉掘りが過ぎたのかしら、私がいないとおかしなことになるわね、この集まりは。今日の被害者は……ザハーリン公爵夫人かしら?貴女も懲りないわねえ」
と決めつけた。
夫人が口を開こうとするのを、上体を強く突き押して阻んだ夫侯爵が強い怒りを示す。
「今夜もまた大声を出させられましたよ、全く何という女だ」
「そんな、貴女だって」
「だって?だって何だというのだ!」
「まあまあ。カーチェンカ(V侯爵夫人の名前カテリーナの愛称)、貴女はオルロフ夫人にも根掘り葉掘りして散々お苦しめになってじゃないの、お忘れ?」
「だって、皆様だって興味がおありの癖に」
「ええあるわ。でも貴女のように、本人に面と向かってハチドリのように質問しまくる人は、貴女以外にはいなくてよ。口だけ領地で静養させて来たら如何なの、前にも言いましたけど」
「そんな、酷いわ!」
「酷いのはお前だ」
夫に止めを刺されたV侯爵夫人は泣き崩れたが、誰も慰めにかかろうとしない。
夫侯爵は、アレクサンドラと母夫人に向かって、「我が妻が多大なる無礼を働き、大変申し訳ないことです」と着座だが深々と頭を下げた。
未亡人が「その通り」と厳粛に何度か頷き、先程から呆気に取られていたアレクサンドラは、"いいえ"と"はい"のどちらを答えとすべきか迷っていると、V侯爵夫人は涙のままに、ぱっと立ち上がって室外に出て行ってしまった。
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