元王妃は時間をさかのぼったため、今度は愛してもらえる様に、(殿下は論外)頑張るらしい。

あはははは

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はじめの一歩

公爵領の伝説 後編

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 時は、初代公爵の時から、80年立つ。
後の4代目アーベントロート公爵が子供の頃の話です。
当時の彼はやんちゃで冒険が大好きな子供だったそうです。
ある時は、屋敷の中を駆け回りエントランスのツボを割った。

「割っちゃった…」

(とっても高価なツボ 国宝級)
またある時は、屋敷の人に内緒で街に行き、あっさり騙されてお金をぼったくられ、気づかない。

「これ、新しい化石らしいぞ!譲ってもらった!」

(大変たくさんの金を払って。)

人を困らす天才でした。

そんな彼が、今度は屋敷の森に冒険にでかけました。

「ここって初代様が奇跡起こした場所だろ?冒険にピッタシじゃん。」



そして彼は森に踏み込みました。
彼は最初、舗装された道を歩いていました。
しかし、
チョウチョがひらひらひら…

「何だあのちょうちょ、見たことない色をしてるぞ!捕まえたい!」




あっという間に、ここどこ?状態になってしまいました。


しかし彼は気づきません。


「あのちょうちょどこいった?あれ?」


ちょうちょを見失った頃に、やっと気づきました。
すぐに気づけば引き返せたのに…

気づいた頃には、もう遅い。
道から遠く離れてしまっていました。




ここで少し話を切ろう。

おかしいと思わなかっただろうか?

なぜ舗装されていない道なのに、ちょうちょを追いかけられるほど彼はなぜかんたんに進めたのだろう?



それに、どんなに狭い森でも、方向感覚を失えば、迷って出られなくなる。
ましてや子供が無事に帰ってこれたとは考えにくい。
だけど、彼は後に4代目アーベントロート公爵になっている。

なぜだろう。

そう言えば、4代目が、森に迷った時にこの森の不思議を体験してたわね。
確か公爵領の伝説となって語り継がれていたはず…
 



「!!先生、ここキラキラ光ってないですか?」

ユリアが変なことを行っているわ。 
だってユリアが指している所、キラキラ光ってなんかいないもの。

「キラキラなんて見えませんよ?」


ん?なんでしょう?
この展開何かに似ているような…



























話を戻そう。
道から遠く離れてしまった彼は、途方に暮れ…

  ませんでした。



「まぁ、なんとかなるだろ。」



以上でした。
方向感覚をすでに失っていたのに…

子供だったからだろうか?
いや、それでは子供というのは迷子になってもなき叫ばないことになる。

何か感じていたのだろうか。
きっと帰れると、感じていたのだろうか。








彼は進みます。
ただ進みたい方へ。

「なんかこっちに行きたい気がするぞ?!」


流れに任せてふらふらと。
そして彼は不思議なものを見ました。

地面がキラキラ光った粉で覆われているのを。
導かれるように、彼は粉の落ちている方へ足を進めました。

そう、導かれるように…
ついた先は、精霊たちのユートピア。
精霊たちの楽園。
そして、精霊王を中心として作られた精霊の国。
彼は精霊の住処に足を踏み入れました。

待っていたのは
『精霊の国へようこそ!救済者よ。』


待っていたのは妖艶な年増…

いえ、美女と可愛らしい精霊。

『そう、妖艶な美女じゃ。わらわは精霊王。お主に礼を言いたくて呼び寄せた。』


彼にはさっぱりなんのことがわからなかったでしょう。
そして困惑したことでしょう。
救済者などと、大層な呼び方をされて。


「は?(なんのことだ?)」


『コホン。説明するから、まあ聞くのじゃ。
お主、リスを助けたの覚えておるかの?
あのリス、実はわらわの仲間の精霊が乗り移っていた体だったんじゃよ。
じゃが、乗り移ったそのリスが問題での、伝説のカーバンクルだったんじゃよ。
悪しき心の人間に気づかれて攻撃をされたんじゃ。
高く売れるから、と。

命からがら逃げたまではいいのじゃが、受けた傷が、ちと問題での。
精霊は、人の心の汚れを見ることができるんじゃ。
心の清らかな人とは、一緒にいてて心地良いのと反対に心が汚れている人ほど一緒にいると気分が悪いんじゃ。
そいで襲ったやつが厄介での。
心の汚れがものすごくて…
それに攻撃という方法で触られてしまってその精霊は汚れに干渉してしまっての、死にそうじゃった。
精霊は、人の心の汚れを見ることができる代わりに、汚れた者に触られられるのは死の宣告なんじゃ。
心の汚れが少しならいいんじゃが、多いとな…
治す方法はただ一つ。
触られた相手よりも、強い人に触ってもらうことじゃ。
強い人とは、心が清らかな人じゃよ。
汚れの敵は、清らかさなのじゃ。
汚れを打ち消せるくらい清らかな心の人が、今で言う強い人じゃ。
じゃが今回そこが問題での…
もうだめだと諦めかけたときに現れたのがお主だったんじゃ。
あのひどい汚れに対抗できるくらいの心の清らかさを持った人。
お主が触ってくれたおかげでその精霊は、穢を浄化することができて助かったのじゃ。』


「よくわかんねーけど、俺、心清らかなんだな!
で、その精霊って誰なんだ?」



『よくぞ聞いてくれた、なのじゃ!
それは…』


「それは…(ごくり)」



『わらわじゃ!』



「マジ?」


「マジじゃ!
それでの、お主にお礼で、わらわの力を貸すのじゃ。
お主のおかげでこの国は、滅亡せずに済んだからの。
わらわがこの国を隠す結界を張ってるから、この国は人間に見つからないのじゃからな。
じゃが、くれぐれも貸すだけじゃ。
行いによっては、返してもらうからの。
まぁ、返してもらう予定は、今の所ないがの。」



「ありがとう?」




『素直でいいのじゃ。それじゃやるのじゃ。』



『わらわの名にて誓おう。
かの者に精霊王の祝福を。』



その時彼は、神々しく光り輝きました。


そして、


「なんか、新しいことができる気がするぞ!」




『これで完了なのじゃ。
お主に【創造】を授けた。
心の清らかさに応じて、作れる能力の威力が変わるというペナルティがあるが、まあお主なら大丈夫じゃろ。
それは、自分の作りたいと思った能力を創造することができるわらわ達、精霊王の力じゃ。
使いどころには気をつけるのじゃよ。』




「ありがとう!」




そのようなやり取りをしました。
気がつけば彼は、屋敷の庭にいたそう。
そして何故が、精霊がどんな姿だったかだけは思い出せなかったらしいです。
容姿は思い出せるのに。




今から100年前の最新の伝説。
















思い出したわ。

キラキラ光ってるっていえばそれじゃない!

って言うことは…


「本当ですよ、先生。ここ、キラキラした粉で覆われてます。」


 



奇跡は今、起こり始めているかもしれない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


すみません。
全然ユリアが出てきませんでしたね。
  
次はちゃんと、ユリア視点の話です。
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