絶頂四十八手:愛欲の体位図鑑〜今夜、彼女と48の快楽を〜

まさき

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第二十五話:【形の二十五】 ピアノに凭れた音楽家 × 誰もいない深夜の講堂

第二十五話:【形の二十五】 ピアノに凭れた音楽家 × 誰もいない深夜の講堂

​深夜の講堂は、巨大な沈黙を湛えていた。
月に照らされた高い天井から吊り下げられたシャンデリアが、埃を纏ったまま冷たく輝き、空間全体に荘厳で陰鬱な空気を漂わせている。
ステージの中央には、黒く艶めくグランドピアノが、まるで闇に浮かぶ棺のように鎮座していた。
俺は、その重厚なピアノの傍に立ち、静寂を破るように、あの和綴じ本の二十五頁目を開いた。
​今日の頁に記されているのは、芸術という崇高な精神を肉体の悦楽へと変換し、音のない空間で官能の旋律を奏でる、背徳的で耽美な「奉奏」の形。
​『形の二十五:奏鳴(そうめい)――グランドピアノの調律』。
​――女をピアノの蓋に凭れさせ、その身を楽器の一部とせよ。蓋の傾斜にて身体を反らせ、背後より深く貫けば、女は芸術の深淵にて絶頂の音色を奏でん。これ、魂を震わせる旋律を肉体に刻む型なり。
​(……ピアノに愛された彼女を、今夜、俺という男の音色で満たしてやろう)
​「……こんな時間に、誰……? ……って、貴方、何を……」
​ステージの袖から現れたのは、講堂を練習場としていた若き**音楽家(ピアニスト)**だった。
彼女は、芸術に対する執着ゆえに、常に神経質で、繊細な空気を纏っている。
月の光に照らされた彼女の横顔は、音楽の神に愛されたかのように美しく、同時にその冷たさは、人間を寄せ付けない結界のようだった。
​「……音楽家。貴女の奏でる音よりも、熱い『旋律』を教えてあげましょう」
俺は本を閉じ、ピアノに憑れかかる彼女の背後に忍び寄った。
​「なっ……! 何を……! 私のピアノに……っ」
​俺は彼女の細い腰を掴み、グランドピアノの開け放たれた重厚な蓋へと押し付けた。
ピアノの蓋の絶妙な傾斜が、彼女の身体を反らせ、無防備に晒されるという状況を作り出す。
『グランドピアノの調律』の始まりだ。
​「ダメよ、ピアノが……っ! 誰か来たら……っ!」
​「誰も来ない。……聞こえるのは、俺たちだけの『音色』だ」
​俺は彼女のロングドレスを無造作に捲り上げ、その下に隠された完璧なまでに整った白い肢体を、月光に露わにした。
俺は彼女の細い腰を力任せに掴み、その芸術的なプライドの高い奥底へと、一気に生々しい楔を貫き通した。
​「んんっ! あ、っ、あああぁぁぁっ……!!」
​彼女の身体が、ピアノの重厚な蓋の上で激しく仰け反った。
この『グランドピアノの調律』は、蓋の傾斜を利用して身体を反らせることで、結合部が背後から最も深く、そして鋭角に貫かれ、楽器の響きが肉体の深部まで伝わる錯覚を生み出す。
一突きごとに、俺の先端が音楽家の「崇高な精神」を蹂躙し、彼女が守ってきた芸術的純潔を、内側から激しく打ち砕いていく。
​「はぁ、はぁ、……っ! あなた、……っ、そんなに……っ、奥まで……っ! 私を壊すつもり……っ」
​彼女の指先が、ピアノの黒い艶めく塗装を、爪が割れるほど強く握りしめた。
一突きごとに、彼女の喉から、美しい旋律ではなく、禁断の快楽に喘ぐ女の鳴き声が漏れる。
ピアノの木の匂いが、彼女から溢れ出す甘い愛液の匂いと混ざり合い、講堂を淫らな熱気で満たしていく。
​「あ、あああぁっ! そこ、……そこはだめ、……っ! 私、……音楽家で……いられなくなる……っ!」
​彼女の瞳は潤み、理性は、快楽という名の濁流に押し流されていく。
俺は彼女の腰をさらに強く引き寄せ、ピアノの蓋に彼女の胸を押し付けるようにして、激しく腰を打ち付けた。
「グチュリ、グチュリ」という、肉と肉がぶつかり合う下卑た音が、静かな講堂に反響する。
月光が彼女の汗ばんだ肌を青く照らし出し、その光景は、絶対的な美を持つ芸術家が、人間の男に犯されているかのような、背徳的で耽美な美しさを放っていた。
​「……ねえ、音楽家。……ピアノの調律、うまくいきましたか?」
​「あ、あああぁっ! うまくいった、……完璧よ……っ! でも、……もっと、……もっと、私を突き壊してぇっ! この空間の誰にも、聞かせない音をさせぇっ!」
​彼女は首を後ろに反らせ、天井のシャンデリアを見上げながら、狂ったように腰を震わせ始めた。
もはやそこには、繊細な音楽家の姿はない。
ただ、深夜の講堂で男の肉を媒介にして生の咆哮を上げる、一人の剥き出しの雌がいた。
​俺もまた、彼女の芸術的な身体から伝わってくる、驚異的なまでの拒絶と受容の締め付けに、理性を限界まで追い詰められていた。
爆発寸前の熱い奔流を、彼女の脳内に構築された全ての旋律を焼き尽くすように、一気に、そして苛烈に解き放った。
​「あ、あああああぁぁぁーーーーっ!!」
​彼女の身体が大きく痙攣し、ピアノの上に突っ伏したまま、激しい絶頂の余韻に身を任せた。
熱い衝撃が、彼女の深淵を何度も、何度も、脈打ちながら満たしていく。
彼女の喉からは、もはや美しい言葉ではなく、一人の女としての、切実で甘美な「敗北」の喚声が漏れていた。
​再び、静寂が講堂を包み込む。
彼女はピアノの上に崩れ落ちたまま、乱れたドレスを整える力もなく、ただ荒い息を吐き続けていた。
グランドピアノの蓋には、彼女の汗と愛液の跡が淫らに残されている。
​「……あなた、……私の……本当の旋律は、……貴方だったのね……」
​彼女は力なく笑いながら、涙で濡れた瞳で俺を振り返った。
その瞳には、もう「音楽家」としての虚飾はなく、ただ一人の男に全てを暴かれたことへの、深い悦悦と絶望が宿っていた。

​俺は、彼女を抱き寄せて、夜明けの近づく講堂を後にした。
和綴じ本の次の頁には、さらなる禁断の奉奏が待ち受けている。
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