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第七話「眠れた」
第七話「眠れた」
十日目の夜、レナードが倒れた。
知らせを持ってきたのはガレットだった。夜半を過ぎた頃、私の部屋の扉を叩いた。
「閣下が、動けない」
それだけで十分だった。私は薬草道具を掴んで、廊下に出た。
レナードの私室は、城の中央棟の最上階にあった。
扉を開けると、まず部屋の質素さが目に入った。広いのに、物が少ない。装飾がない。机と椅子と寝台と、それだけだった。この人らしい部屋だと思った。飾らないものは正直だと、城に来た最初の日に思ったことを思い出した。
レナードは床に座り込んでいた。壁に背を預けて、膝を立てて、目を閉じていた。倒れているというより、動けなくなっている、という印象だった。顔色が悪かった。唇の色が薄い。
私はすぐに隣に膝をついた。
腕に触れると、命の糸が視えた。
棘が、動いていた。
これまで棘は静止していた。刺さったまま、じわじわと食い込む速度で進んでいた。でも今夜は違った。棘が脈打つように動いて、糸を内側から引っ張っていた。
新月だ、と気づいた。
今夜は新月だった。月の力が完全に欠けた夜、呪いが強まることがある。術式の中にそういう仕掛けが組み込まれているものがある。
「月に、弱い術式ですね」私は言った。「今夜だけ、棘が活性化しています」
レナードが目を開けた。焦点が合うまで少し時間がかかった。
「……記憶が、飛ぶ気がする」
「今は私の声が聞こえますか」
「聞こえる」
「手を握ってください」
レナードが私の手を握った。強い力だった。意識を繋ぎ止めようとしているのが分かった。
私は魔力を流し始めた。
棘を抜くのではなく、今夜は抑える。活性化した棘が糸を引っ張るのを、外側から押さえ込む。力仕事に近い作業だった。棘一本を抑えるのに、普段の三倍の魔力がいった。
どのくらい時間が経ったか、分からない。
途中でガレットが「何かできることはあるか」と聞いた。「水と、温かいものを」と答えた。ガレットがすぐに動いた。
レナードは手を握ったまま、目を開けていた。私が魔力を流し続けている間、一言も言わなかった。でも手は離さなかった。
夜明け近くになって、棘の動きが落ち着いてきた。
新月の力が薄れ始めたのだ。棘が静止に戻っていく。糸への圧力が緩む。
私は魔力を緩めた。手が震えていた。使いすぎた。でも、切れなかった。糸は、切れなかった。
「……終わりました」
レナードが、ゆっくり息を吐いた。
長い息だった。ずっと堪えていたものを、少しだけ手放したような息だった。
「記憶は、飛びましたか」
「……飛ばなかった」レナードは静かに言った。「お前の声が、ずっと聞こえていた」
私は手を離した。レナードも、手を離した。
気づくと、空が白み始めていた。
ガレットが持ってきた温かいスープを、二人で飲んだ。
私の部屋のものではなく、厨房から持ってきたものだった。薬草は入っていない、普通のスープだった。でも温かかった。
レナードは床に座ったまま飲んだ。私も隣に座ったまま飲んだ。ガレットは扉の外にいた。
しばらく無言だった。
「毎月、こうなるのですか」私は聞いた。
「ここ半年は、そうだ」
「今まで、一人で」
「ガレットが来ることもあった。だが何もできないので、帰らせていた」
何もできない、という言葉が少し引っかかった。ガレットは何もできなかったかもしれないが、いること自体に意味はあったはずだ。でもレナードには、それが分からないのかもしれない。ずっと一人でいることが当たり前だった人には。
「次の新月まで、三十日あります」私は言った。「その間に、できるだけ棘を減らします」
「間に合うか」
「分かりません。でも今夜より、次の夜の方が楽になるはずです」
レナードが私を見た。
「なぜそこまでする」
また、この問いだった。以前も聞かれた。報酬も地位も求めていないのに、なぜ、という問い。
今夜は少し、違う答えが出てきた。
「今夜、手を握っていたとき」私は言った。「あなたの糸が、消えたくないと言っているように見えました」
レナードが黙った。
「糸は正直です。どんなに感情が薄くなっていても、命の糸だけは——生きようとしています。それを見ていると、放っておけないんです」
沈黙が続いた。
外で鳥が鳴いた。夜明けの、最初の鳥の声だった。
「……俺はもう、人間ではないのかもしれない」
レナードが静かに言った。感情を亡くした人間が言う言葉だった。自嘲でも卑下でもなく、ただ、そう思っている、という声だった。
「そんなことはありません」
私は言った。
「感覚を奪われても、あなたの糸は生きようとしています。それは、人間の糸です」
レナードは何も言わなかった。
でも、視線を逸らさなかった。
昼前、レナードが自室で休んでいる間、私は医務室に戻った。
手の震えはまだ残っていた。椅子に座って、しばらく何もしなかった。
今夜の棘の動きを思い返した。新月に活性化する術式。それは、術式を作った者が意図して組み込んだ仕掛けだ。呪いが自然発生するものであれば、月に反応する理由がない。
やはり、誰かが仕込んだ。
討伐戦の最中、レナードに近づける立場にいた人間。術式を組む知識を持つ人間。そして、レナードが死ぬことで利益を得る人間。
考えても、今は答えが出ない。でも、頭の隅に置いておくべきことだと思った。
ガレットが医務室に入ってきた。
「大丈夫か」
「私はなんとか。閣下は」
「眠っている」ガレットは椅子を引いて座った。「あんたも休め。顔色が悪い」
「もう少ししたら」
ガレットが私を見た。何かを言いたそうにして、でも言わなかった。しばらく経ってから、口を開いた。
「閣下が、笑った」
「え」
「昨夜——正確には今朝か。スープを飲んでいるとき、扉の外から見ていたら。ほんの少しだったが、笑った」
私は少し驚いた。
「閣下が笑うのを、最後に見たのは二年前だ」ガレットは静かに言った。「討伐戦の前だ。あの後は、ずっと——」
言葉が途切れた。
「そうですか」私は言った。
「ああ」
また沈黙があった。
「……ありがとう」ガレットが言った。「来てくれて」
「街道で拾っていただいたのは、こちらです」
「それでも、だ」
私は頷いた。
外が明るくなっていた。昨夜からずっと起きていたが、不思議と眠くなかった。体は疲れているのに、どこかが覚醒していた。
少しして、使用人が部屋に知らせを持ってきた。
「閣下からです」
折りたたんだ紙を受け取った。開くと、短い文字が書いてあった。
筆跡は、思ったより穏やかな字だった。
眠れた。
それだけだった。
直接言いに来ないのが、この人らしかった。顔を見せずに済む形を、選んだのだろう。それでも伝えようとしたことが——この人にとっては、大きな一歩なのかもしれないと思った。
私は紙を折り返して、薬草道具の隣に置いた。
窓の外で、北の山脈が朝の光を受けていた。昨夜と同じ山脈が、今朝は少し違う色に見えた。
眠れた。
その二文字を、もう一度心の中で繰り返した。
それで十分だった。それ以上は、何もいらなかった。
第七話 了
十日目の夜、レナードが倒れた。
知らせを持ってきたのはガレットだった。夜半を過ぎた頃、私の部屋の扉を叩いた。
「閣下が、動けない」
それだけで十分だった。私は薬草道具を掴んで、廊下に出た。
レナードの私室は、城の中央棟の最上階にあった。
扉を開けると、まず部屋の質素さが目に入った。広いのに、物が少ない。装飾がない。机と椅子と寝台と、それだけだった。この人らしい部屋だと思った。飾らないものは正直だと、城に来た最初の日に思ったことを思い出した。
レナードは床に座り込んでいた。壁に背を預けて、膝を立てて、目を閉じていた。倒れているというより、動けなくなっている、という印象だった。顔色が悪かった。唇の色が薄い。
私はすぐに隣に膝をついた。
腕に触れると、命の糸が視えた。
棘が、動いていた。
これまで棘は静止していた。刺さったまま、じわじわと食い込む速度で進んでいた。でも今夜は違った。棘が脈打つように動いて、糸を内側から引っ張っていた。
新月だ、と気づいた。
今夜は新月だった。月の力が完全に欠けた夜、呪いが強まることがある。術式の中にそういう仕掛けが組み込まれているものがある。
「月に、弱い術式ですね」私は言った。「今夜だけ、棘が活性化しています」
レナードが目を開けた。焦点が合うまで少し時間がかかった。
「……記憶が、飛ぶ気がする」
「今は私の声が聞こえますか」
「聞こえる」
「手を握ってください」
レナードが私の手を握った。強い力だった。意識を繋ぎ止めようとしているのが分かった。
私は魔力を流し始めた。
棘を抜くのではなく、今夜は抑える。活性化した棘が糸を引っ張るのを、外側から押さえ込む。力仕事に近い作業だった。棘一本を抑えるのに、普段の三倍の魔力がいった。
どのくらい時間が経ったか、分からない。
途中でガレットが「何かできることはあるか」と聞いた。「水と、温かいものを」と答えた。ガレットがすぐに動いた。
レナードは手を握ったまま、目を開けていた。私が魔力を流し続けている間、一言も言わなかった。でも手は離さなかった。
夜明け近くになって、棘の動きが落ち着いてきた。
新月の力が薄れ始めたのだ。棘が静止に戻っていく。糸への圧力が緩む。
私は魔力を緩めた。手が震えていた。使いすぎた。でも、切れなかった。糸は、切れなかった。
「……終わりました」
レナードが、ゆっくり息を吐いた。
長い息だった。ずっと堪えていたものを、少しだけ手放したような息だった。
「記憶は、飛びましたか」
「……飛ばなかった」レナードは静かに言った。「お前の声が、ずっと聞こえていた」
私は手を離した。レナードも、手を離した。
気づくと、空が白み始めていた。
ガレットが持ってきた温かいスープを、二人で飲んだ。
私の部屋のものではなく、厨房から持ってきたものだった。薬草は入っていない、普通のスープだった。でも温かかった。
レナードは床に座ったまま飲んだ。私も隣に座ったまま飲んだ。ガレットは扉の外にいた。
しばらく無言だった。
「毎月、こうなるのですか」私は聞いた。
「ここ半年は、そうだ」
「今まで、一人で」
「ガレットが来ることもあった。だが何もできないので、帰らせていた」
何もできない、という言葉が少し引っかかった。ガレットは何もできなかったかもしれないが、いること自体に意味はあったはずだ。でもレナードには、それが分からないのかもしれない。ずっと一人でいることが当たり前だった人には。
「次の新月まで、三十日あります」私は言った。「その間に、できるだけ棘を減らします」
「間に合うか」
「分かりません。でも今夜より、次の夜の方が楽になるはずです」
レナードが私を見た。
「なぜそこまでする」
また、この問いだった。以前も聞かれた。報酬も地位も求めていないのに、なぜ、という問い。
今夜は少し、違う答えが出てきた。
「今夜、手を握っていたとき」私は言った。「あなたの糸が、消えたくないと言っているように見えました」
レナードが黙った。
「糸は正直です。どんなに感情が薄くなっていても、命の糸だけは——生きようとしています。それを見ていると、放っておけないんです」
沈黙が続いた。
外で鳥が鳴いた。夜明けの、最初の鳥の声だった。
「……俺はもう、人間ではないのかもしれない」
レナードが静かに言った。感情を亡くした人間が言う言葉だった。自嘲でも卑下でもなく、ただ、そう思っている、という声だった。
「そんなことはありません」
私は言った。
「感覚を奪われても、あなたの糸は生きようとしています。それは、人間の糸です」
レナードは何も言わなかった。
でも、視線を逸らさなかった。
昼前、レナードが自室で休んでいる間、私は医務室に戻った。
手の震えはまだ残っていた。椅子に座って、しばらく何もしなかった。
今夜の棘の動きを思い返した。新月に活性化する術式。それは、術式を作った者が意図して組み込んだ仕掛けだ。呪いが自然発生するものであれば、月に反応する理由がない。
やはり、誰かが仕込んだ。
討伐戦の最中、レナードに近づける立場にいた人間。術式を組む知識を持つ人間。そして、レナードが死ぬことで利益を得る人間。
考えても、今は答えが出ない。でも、頭の隅に置いておくべきことだと思った。
ガレットが医務室に入ってきた。
「大丈夫か」
「私はなんとか。閣下は」
「眠っている」ガレットは椅子を引いて座った。「あんたも休め。顔色が悪い」
「もう少ししたら」
ガレットが私を見た。何かを言いたそうにして、でも言わなかった。しばらく経ってから、口を開いた。
「閣下が、笑った」
「え」
「昨夜——正確には今朝か。スープを飲んでいるとき、扉の外から見ていたら。ほんの少しだったが、笑った」
私は少し驚いた。
「閣下が笑うのを、最後に見たのは二年前だ」ガレットは静かに言った。「討伐戦の前だ。あの後は、ずっと——」
言葉が途切れた。
「そうですか」私は言った。
「ああ」
また沈黙があった。
「……ありがとう」ガレットが言った。「来てくれて」
「街道で拾っていただいたのは、こちらです」
「それでも、だ」
私は頷いた。
外が明るくなっていた。昨夜からずっと起きていたが、不思議と眠くなかった。体は疲れているのに、どこかが覚醒していた。
少しして、使用人が部屋に知らせを持ってきた。
「閣下からです」
折りたたんだ紙を受け取った。開くと、短い文字が書いてあった。
筆跡は、思ったより穏やかな字だった。
眠れた。
それだけだった。
直接言いに来ないのが、この人らしかった。顔を見せずに済む形を、選んだのだろう。それでも伝えようとしたことが——この人にとっては、大きな一歩なのかもしれないと思った。
私は紙を折り返して、薬草道具の隣に置いた。
窓の外で、北の山脈が朝の光を受けていた。昨夜と同じ山脈が、今朝は少し違う色に見えた。
眠れた。
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それで十分だった。それ以上は、何もいらなかった。
第七話 了
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