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第二章フジヤマゲイシャスシテンプラハラキリデース!

2-4(日)お宝ざっくざっくデース!

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 「あ、あれ知ってる! 昨日コスプレしたやつだ!」


 まずは駅前のビルに入る。
 最初からファンシーグッズの雑貨店みたいなところだったり、二階に行ってみるとフィギュアが所狭しと売ってたりしている。

 私たちはお店に入り色々見ながら先ずはこのビルを見て回る。
 紫乃の話だとこういったテナント形式のビルが沢山あってフロアーごとにお店が違うらしい。
 
 お店の中には可愛らしいフィギュアがぎっしり並んでいる。
 確かにちょっと欲しくなるようなものもある。


 あ、クロエのフィギュアだ!
 ううぅ~確かにハイキックしているけどあれじゃ下着丸見えじゃない!!


 私は昨日の事を思い出しまたまた赤面する。


 「OH-! エルハイミのフィギュアデース!! 欲しいデース!!」


 リンダはそう言ってその箱を手に取る。
 正面や左右、上からも中が覗けるその箱はフィギュアに対して結構大きい。

 「うーん、でもやっぱりいいお値段デース。これ買ったら他買えなくなりマース」

 「リンダちゃん、取りあえずはすぐ買わないでいろいろ見て回ろうよ。プライズ品だったらもっと安いの有るし~」

 「紫乃ちゃん、プライズ品って何?」

 私も気になった事をお兄ちゃんが聞く。

 「う~んと、UFOキャッチャーとかで景品あるでしょ? あれのフィギュアで最近のはなかなか出来がいいんだよ~。それがこう言ったお店でも買えるんだよ~」

 「景品なのに?」

 「うん、景品とってもいらない人がこう言ったお店に下取りしてもらうの。だから安く手に入る場合もあるんだよ~」


 つまりリサイクルって事かな?

 確かに今のUFOキャッチャーはなかなか取れない。
 いつもゲームセンターで見てても取れる気がしないからやらないけど、見ててほしいかなって思うようなものもある。


 「へぇ~、懐かしいのがあるね? これって私たちが小学生の時にやってたアニメだよね?」

 そう言って五人組の魔法少女のようなフィギュアを高橋静恵は覗き込んでいる。

 「こっちにも懐かしいの有りますよ!」

 矢島紗江はそう言ってその箱を持ってくる。
 中にはセーラー服っぽい戦闘服の様な物着てるお団子頭のツインテールの女の子のフィギュアが入っていた。

 「それ今アニメやってますよ~。続編ですけど~」

 紫乃が嬉しそうに説明する。
 そして矢島紗江の持ってきたのが現在のバージョンだとか。


 なんで一目でわかるのよ?


 「おっ、あのロボットアニメのフィギュアだ。へぇ~よくできてるね? この髪型なんか人形にしたら難しいと思うのにね?」

 お兄ちゃんも何か見つけたらしくそれを手に取ってみる。

 確かにあの髪型って絵で見てるときは違和感ないけど立体になると凄いわね?


 「OH-! お宝ざっくざくデース! ここは桃源郷デース! いや、エルドラドデース!!」


 やたらと感動しているリンダを引っ張って次のお店に行く。


 今度はリンダの言っていたガチャガチャのお店。
 しかし驚かされるのがビルのほとんどがガチャガチャのお店だと言う事!

 確かにビルにしては狭いけど一階から上の階までほとんどガチャガチャで壁が埋められている。


 「すごいデース!! これがガチャガチャデース!!」


 「確かにすごいわね。近所のショッピングモールにもこう言うコーナーあるけどここには遠く及ばないわね?」

 はしゃぐリンダにそのガチャガチャの機械一つ一つ見ている高橋静恵も驚いている。


 「うわっ! これって五百円もするんですか!!」


 矢島紗江がそれを見つけて驚いている。
 確かにガチャガチャで五百円は高い。

 「あーっ! これ欲しかったやつだ!! 俺やる!」

 そう言って下僕その一は五百円玉を取り出すけどお金を入れようとして止まる。

 「あれ? お金が入らない??」

 「あー、全部百円玉じゃないとだめなんだよ~。あっちに両替機あるよ~」


 なんかめんどくさい仕様ね‥‥‥


 下僕その一はさっそく両替機に行くけど紫乃に止められる。

 「太田さん~、もし欲しい物があるなら先に一番上のフロアー行こうよ~。ちょっと割高になるけどガチャガチャの欲しいものが買えるよ~。目的のモノが出るまでお金つぎ込まなくて済むよ~」

 「え? 本当紫乃ちゃん? じゃあ上行こうよ!!」

 「OH-! ちょっと待つデース、記念に安いの一回させてくださいデース!!」

 そう言ってリンダは百円のガチャガチャを回す。
 
 がちゃがちゃ‥‥‥
 
 がこんっ!


 球体のカプセルが出てきてそれを取り出す。
 リンダは嬉しそうにそれをそのままかばんに入れた。

 「あれ? 中身見ないの?」

 「これは記念デース! 後でゆっくり中見ますデース!」

 とにかく一回はじぶんでガチャガチャを回して見たかったようだ。
 ご満悦のリンダを筆頭にあたしたちは上の階に行く。


 * * *  


 「ほんとだ、さっき見たやつが売られている。へぇ~、あ、でもそんなに高くない?」

 「うん、ガチャガチャやっていらないのはここで買い取ってもらえるからここで売ってるのはそれほど高くないんだよ~」

 驚く私に紫乃が説明をしてくれる。

 「‥‥‥これは買い。まさか闇の武器コンプリートがこんなに簡単に手に入るとは」

 早速食いついて泉かなめはレジに行ったりしている。

 「俺も、俺もぉっ!」

 下僕その一もあれやこれや探してどうやら目的のものが買えたらしい。

 みんなそれぞれ買い物をしてここを出る。


 * * *


 「いやぁ~、凄かったデース! 思わずにゃんこのキーホルダー全種類買ってしまいましたデース!」

 「確かに、思わずこんなの買っちゃった」

 お兄ちゃんはそう言いながら袋からそれを出す。
 そして周りのビニールと取ってごそごそとすると‥‥‥


 「うわっ! お兄ちゃん何それ!? 気持ち悪いよ!! だ、ダンゴムシ!?」


 丸まったそれを開くとでかいダンゴムシのようになった。
 玩具なのはわかるけどやたらとリアルにできているそれは見ていて気持ち悪い!
 何あの足の数!?

 「そうかな? よく出来ているし何となくこの瞳がつぶらでかわいいと思うのだけど?」

 くにくにと動かしているけどその背中の動きもやたらとリアルで気持ち悪い!

 「長澤君変なの好きね?」

 「あ、でもなんとなく分かる気がしますね? 私も海洋生物のにミニフィギア買っちゃいましたもの」

 「‥‥‥それは深海魚のやつ」

 まあ、人それぞれの感性と言うやつかな?
 私はお兄ちゃんに言って気持ち悪いダンゴムシをしまってもらう。


   
 「さてと、じゃあちょっと早いけどお昼ご飯にしようか~。今ならまだ混まないだろうからね~」

 紫乃がそう言ってお昼ご飯の提案をしてくる。
 そう言えばそろそろお腹もすき始めた。

 「じゃあ何食おうか?」

 「紫乃、何がおすすめデースか?」

 「ふっふっふっふっふっ、ここに来たらカレーかローストビーフ丼だよ~!!」

 そう言って紫乃はお店を指さす。

 「カレーは昔から有名だけど近年はなんといってもローストビーフ丼だよ~。勿論他にも美味しいお店はあるけど私のおススメはローストビーフ丼かなぁ~」


 「へぇ、ローストビーフ丼ねぇ。なんか美味しそうね?」

 「赤み肉はたんぱく源多くて太りにくいですしね」

 「‥‥‥カレーは苦手」

 「肉っ! 俺も肉が良い!!」

 「だそうだけど、リンダちゃんそれでもいい?」


 お兄ちゃんがリンダと私に向かってそう言う。


 「勿論デース! 楽しみデース!!」



 私たちは早めの昼食を取りに行くのだった。

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