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ザルノール平野の決戦 しかし
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「……ついに来たな」
ザルノール王国、北部に広がる平野、ザルノール平野。
この世界の高地に存在するザルノール王国が、平野部をあまり持たなかったが故に切り開き、土を盛り、スキルを用いて作り上げた平野であり、人工でありながらも、自然的な地形の平野となっている。
都市開発のために平野を作り上げたものの、人口があまり増えず、ザルノールの首都はそこまで広くはならなかった。
つまり、ただの平野として余していた土地である。
そして今、この土地は決戦に最適な地形となった。
目の前には川を挟んでザルノールの大軍が広がっていた。
対峙する軍を見て、ガルンは口を開いた。
「しかし……何故敵は出てきたのだ? 街に籠れば良いものを……」
「そこは内通者の活躍です。我々が未だに城塞群の突破に手こずっているという情報を流してもらい、敵を引きずり出しました。我々を城塞群の部隊とともに包囲殲滅できる。だから出てきたんです。ですが現状我が軍二十万。相手は十五万。数的有利はこちらにあります。」
周囲の将に説明するかのように続ける。
「……まぁ我々は寄せ集めの軍隊。対する敵は魔王相手に幾度と無く戦ってきて、歴史が深いザルノール王国。魔法を持っている情報もありますし、必ず勇者も惜しみなく出してくる。数的には同等と考えても良いでしょう」
「うむ。しかし……」
そして、ガルンは敵軍の前衛に広がる、見覚えのある軍に目を奪われていた。
「……ゴルン……やはり来るか」
「ドワーフ軍は前衛。その数一万五千。ドヴェルグを出たときよりも減ってますね」
「うむ。やはりついてこれなくて離反したのだろう。狙い通りとは言え、少し複雑な物があるな」
敵とはいえ、かつての仲間を殺さなくてはならない。
ドワーフの特性上、有利な方の味方につくのがドワーフ。
もしかしたら、戦わずに済むかもしれない。
そんな複雑な思いを抱えるガルンに、カルラが声を掛ける。
「気にしなくても大丈夫さ。やつらは裏切り者。遠慮なくぶち倒してやんな」
「……ならば、そうしよう。佐切殿。前衛は我々に任せてほしい」
「はい。ドヴェルグ軍二万五千。相手は一万五千。数的には勝っています。周囲の敵がどう動くかはわかりませんが……」
この戦は、仮想で幾度と無く策を練り上げてきた。
今回は決戦ということもあり、皆とともに策を練り上げた。
勝てる。
そう確信が持てるほど、軍議を繰り返してきたのだ。
想定外が無ければ、勝てる。
「ほ、報告します!」
「何だ?」
「ほ、捕虜のドルーガ殿が……」
そこまで聞き、想定外の事態を確信する。
頭を抱え、伝令の言葉を聞く。
「まさか……」
「はい……ドルーガ殿の姿がありません。ドルーガ殿、逃げたものかと!」
さて……勝てるかな?
怪しくなってきたな……この戦。
ザルノール王国、北部に広がる平野、ザルノール平野。
この世界の高地に存在するザルノール王国が、平野部をあまり持たなかったが故に切り開き、土を盛り、スキルを用いて作り上げた平野であり、人工でありながらも、自然的な地形の平野となっている。
都市開発のために平野を作り上げたものの、人口があまり増えず、ザルノールの首都はそこまで広くはならなかった。
つまり、ただの平野として余していた土地である。
そして今、この土地は決戦に最適な地形となった。
目の前には川を挟んでザルノールの大軍が広がっていた。
対峙する軍を見て、ガルンは口を開いた。
「しかし……何故敵は出てきたのだ? 街に籠れば良いものを……」
「そこは内通者の活躍です。我々が未だに城塞群の突破に手こずっているという情報を流してもらい、敵を引きずり出しました。我々を城塞群の部隊とともに包囲殲滅できる。だから出てきたんです。ですが現状我が軍二十万。相手は十五万。数的有利はこちらにあります。」
周囲の将に説明するかのように続ける。
「……まぁ我々は寄せ集めの軍隊。対する敵は魔王相手に幾度と無く戦ってきて、歴史が深いザルノール王国。魔法を持っている情報もありますし、必ず勇者も惜しみなく出してくる。数的には同等と考えても良いでしょう」
「うむ。しかし……」
そして、ガルンは敵軍の前衛に広がる、見覚えのある軍に目を奪われていた。
「……ゴルン……やはり来るか」
「ドワーフ軍は前衛。その数一万五千。ドヴェルグを出たときよりも減ってますね」
「うむ。やはりついてこれなくて離反したのだろう。狙い通りとは言え、少し複雑な物があるな」
敵とはいえ、かつての仲間を殺さなくてはならない。
ドワーフの特性上、有利な方の味方につくのがドワーフ。
もしかしたら、戦わずに済むかもしれない。
そんな複雑な思いを抱えるガルンに、カルラが声を掛ける。
「気にしなくても大丈夫さ。やつらは裏切り者。遠慮なくぶち倒してやんな」
「……ならば、そうしよう。佐切殿。前衛は我々に任せてほしい」
「はい。ドヴェルグ軍二万五千。相手は一万五千。数的には勝っています。周囲の敵がどう動くかはわかりませんが……」
この戦は、仮想で幾度と無く策を練り上げてきた。
今回は決戦ということもあり、皆とともに策を練り上げた。
勝てる。
そう確信が持てるほど、軍議を繰り返してきたのだ。
想定外が無ければ、勝てる。
「ほ、報告します!」
「何だ?」
「ほ、捕虜のドルーガ殿が……」
そこまで聞き、想定外の事態を確信する。
頭を抱え、伝令の言葉を聞く。
「まさか……」
「はい……ドルーガ殿の姿がありません。ドルーガ殿、逃げたものかと!」
さて……勝てるかな?
怪しくなってきたな……この戦。
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