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閑話 ロームの弱点
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「そういえばロームさん。何故あの時ジョバンニさんに捕まったんですか? スキルの『危機予測』があったのに……」
「……えぇ? 答える必要ある?」
搦手砦を越えて要塞街ファレスへと至る道中。
前から気になっていた疑問を投げかける。
「まぁ俺は指揮官ですし、弱点とかは知っておかないと」
「……弱点……ね。というか、戦場ではかなり生意気な口聞いてたと思うけど、なんなの? 急にかしこまって」
「あぁ、仲間になったんですから、歳上には気を使わないと」
一応、これまでは敵対心マックスで話していたが、仲間になったのならばそういったのはNGだ。
皆平等に扱わなければ。
「……そう。まぁ良いけど」
すると、ロームは説明を始める。
「私のスキルは知っての通り『危機予測』と『神速』。内容は知っての通りだと思うけど、いろいろ制限があるの」
「それは……『神速』は攻撃は適用外とかですか?」
「へぇ……ジョバンニから聞いていたの?」
「いえ、これはあの戦いを見て推測しただけです」
そう言うと、ロームはポカンと口を開けたままこちらを見る。
「……やっぱりジョバンニの言う通り、優秀ね……」
「ロームさん?」
「いえ、何でもないわ。その通り、『神速』は攻撃は適用外。つまりは移動だけって事ね。それも短距離。速すぎて瞬間移動と思われがちだけど壁の向こうには扉を潜ってじゃないと行けないし、馬に乗ってたら無意味。私のはただ早く移動しているだけなの」
「成る程……」
そして、もう一つの気になることを問う。
「じゃあ、それみたいな制約……特性とも言えるもののせいでジョバンニさんに簡単に組み伏せられたんですね? 例えば、『危機予測』は危機にしか反応しないとか」
「……正解よ」
ロームは少し悔しそうに説明を続ける。
「……『危機予測』は敵意があろうがなかろうが、私の身に起こる危機に反応する。まぁ、このままここに居たらどう死ぬか、どういう怪我を負うかという未来が見えるの」
「ほぉ……」
未来が見えるというのは予想外であった。
ガン◯ムのニュータ◯プみたいに反応するのかと思っていた。
「ただ、怪我を負わない場合、つまりは武器を取り上げられたり無力化される場合には反応しないの」
「じゃあ、背後からいきなり組み伏せられたりされても反応し無いんですか」
「そうね。そんな事がないように心がけてるけど。ジョバンニは私を一切傷付けないように組み伏せてきたの。流石よね」
ロームは前を進むジョバンニを見ながら言う。
つまり、彼女のスキル自体は優秀といえば優秀だが、弱点が多い。
それを、自らの技量で補っているのだ。
「まぁ、何もなければ人の気配とかも読み取れるし、背後を取らせはしないわ」
「……成る程、ジョバンニさん組み伏せられた時は告白されて動揺していたから負けた、と」
「……はぁ?」
そう言うとロームは静かに怒り、剣を抜く。
「……やっぱり死ぬ?」
「すいません。冗談です」
俺は即座に謝る。
流石は元敵。
からかうのはやめておこう。
「取り敢えず、分かりました。今後の戦略の参考にさせてもらいます」
「ええ。どう使うのかは知らないけど、頑張りなさい」
正直に言えば、今の情報を生かせる場面は無いだろう。
だが、彼を知り己を知れば……とある。
知っておくことは大事なのだ。
「……えぇ? 答える必要ある?」
搦手砦を越えて要塞街ファレスへと至る道中。
前から気になっていた疑問を投げかける。
「まぁ俺は指揮官ですし、弱点とかは知っておかないと」
「……弱点……ね。というか、戦場ではかなり生意気な口聞いてたと思うけど、なんなの? 急にかしこまって」
「あぁ、仲間になったんですから、歳上には気を使わないと」
一応、これまでは敵対心マックスで話していたが、仲間になったのならばそういったのはNGだ。
皆平等に扱わなければ。
「……そう。まぁ良いけど」
すると、ロームは説明を始める。
「私のスキルは知っての通り『危機予測』と『神速』。内容は知っての通りだと思うけど、いろいろ制限があるの」
「それは……『神速』は攻撃は適用外とかですか?」
「へぇ……ジョバンニから聞いていたの?」
「いえ、これはあの戦いを見て推測しただけです」
そう言うと、ロームはポカンと口を開けたままこちらを見る。
「……やっぱりジョバンニの言う通り、優秀ね……」
「ロームさん?」
「いえ、何でもないわ。その通り、『神速』は攻撃は適用外。つまりは移動だけって事ね。それも短距離。速すぎて瞬間移動と思われがちだけど壁の向こうには扉を潜ってじゃないと行けないし、馬に乗ってたら無意味。私のはただ早く移動しているだけなの」
「成る程……」
そして、もう一つの気になることを問う。
「じゃあ、それみたいな制約……特性とも言えるもののせいでジョバンニさんに簡単に組み伏せられたんですね? 例えば、『危機予測』は危機にしか反応しないとか」
「……正解よ」
ロームは少し悔しそうに説明を続ける。
「……『危機予測』は敵意があろうがなかろうが、私の身に起こる危機に反応する。まぁ、このままここに居たらどう死ぬか、どういう怪我を負うかという未来が見えるの」
「ほぉ……」
未来が見えるというのは予想外であった。
ガン◯ムのニュータ◯プみたいに反応するのかと思っていた。
「ただ、怪我を負わない場合、つまりは武器を取り上げられたり無力化される場合には反応しないの」
「じゃあ、背後からいきなり組み伏せられたりされても反応し無いんですか」
「そうね。そんな事がないように心がけてるけど。ジョバンニは私を一切傷付けないように組み伏せてきたの。流石よね」
ロームは前を進むジョバンニを見ながら言う。
つまり、彼女のスキル自体は優秀といえば優秀だが、弱点が多い。
それを、自らの技量で補っているのだ。
「まぁ、何もなければ人の気配とかも読み取れるし、背後を取らせはしないわ」
「……成る程、ジョバンニさん組み伏せられた時は告白されて動揺していたから負けた、と」
「……はぁ?」
そう言うとロームは静かに怒り、剣を抜く。
「……やっぱり死ぬ?」
「すいません。冗談です」
俺は即座に謝る。
流石は元敵。
からかうのはやめておこう。
「取り敢えず、分かりました。今後の戦略の参考にさせてもらいます」
「ええ。どう使うのかは知らないけど、頑張りなさい」
正直に言えば、今の情報を生かせる場面は無いだろう。
だが、彼を知り己を知れば……とある。
知っておくことは大事なのだ。
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