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ドヴェルグの民
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「あんたら……国の外から来たのか……最近は多いな。この前も人間が来たというのに。今度は何だ? 我々から明かりを奪った次は槌も奪うつもりか!?」
「へぇ……国の外から……迷惑だけはかけないでおくれよ」
「……話しかけんじゃねぇ! 頭かち割るぞ! 今度は誰をそそのかすつもりだ!?」
と、国の民に話を聞いてみたがまるでこちらの話を聞いてもらえない。
しかし、分かったこともある。
「とうやら、クーデターはよく思われていないようですね」
「そうだね……それに、どうやら人間……まぁ、ザルノールの人間だろうが、それが軍事クーデターを唆したらしいね」
「じゃあ、これを解決したら支持は得られそうね。王家の蛍石の明かりは国の民にとって大事なものらしいし、それを取り戻せれば、って所ね」
「でも、王家の生き残りの情報は無かったけど……勘助、どうする?」
ドヴェルグの民から直接得られた情報は少ない。
しかし察する事が出来た情報は幾つかあった。
まず、軍事クーデターは国民の望んだものでは無いということ。
そして、王家の蛍石がもたらす恩恵は凄まじく、民にとっては無くてはならないものだということが分かった。
「……取り敢えず、俺達ドワーフ以外の種族が普通に歩いていても通報されるようなことは無かった。一応、巡回の兵からは隠れてたけど、この様子なら問題無いかもな……よし、兵に接触してみようか」
辺りを見渡し、兵を探す。
彼等の巡回している目的は聞いてはいないが予想はつく。
王家の生き残りを探しているのだ。
「おい、何故人間がここにいる」
すると、背後から声をかけられる。
どうやら探す手間が省けたようだ。
振り返ると、そこには数名の武装したドワーフがいた。
こちらを怪訝そうに見つめる。
「いや、前にここに来た人間がいたでしょう? それの関係者ですよ」
「そうか。貴様ら人間のせいで我々は迷惑してるんだせめて我々の任務の邪魔だけはしないでくれよ?」
「任務ですか……王族の生き残りを探してたり?」
「……貴様……」
すると、隊長らしい男に腕を引っ張られ人気のない路地裏に連れて行かれる。
「佐切! っ……」
カルラが反応し、助けに来ようとしたが他の兵に阻まれる。
「その話、何処で聞いた? 機密事項だぞ。知っている筈が無い」
「……やっぱりね。カマをかけてみたんですよ。ちょっと軽率ですよ?」
「貴様……」
ドワーフは剣を抜こうと腰に刺してある柄に手をかける。
流石に口封じされるのはまずい。
「待った! その捜索、手伝わせてくれません?」
「……何?」
ドワーフは柄から手を離す。
「王家の生き残りの存在を知っていて隠す奴は軍事クーデターに対して反対している者のはず。だったら、兵士よりも部外者の方が見つけやすいのでは?」
「……一理ある、か」
「うん。一理ある」
ドワーフの背後からレナの声がし、そちらへ目をやるとロームがレナを抱えてドワーフの後ろに立っていた。
「いつの間に……」
「私達はスキルを持っている。スキルを持たないドワーフよりも臨機応変に対応出来ると思うが、どうだ?」
「私、『回復』。ロームは『神速』と『危機回避』。どう?」
「……良いだろう」
ドワーフは納得したようだった。
彼女達の臨機応変さには感謝しなくては。
「何か分かればここの詰所まで来い。我々が得た情報もこのメモに書いてある」
ドワーフからメモを渡される。
中身を見ると、いろいろと書かれていた。
「ありがとうございます。じゃ」
軽く礼を言い、メモの情報を元に捜索を開始するのであった。
「へぇ……国の外から……迷惑だけはかけないでおくれよ」
「……話しかけんじゃねぇ! 頭かち割るぞ! 今度は誰をそそのかすつもりだ!?」
と、国の民に話を聞いてみたがまるでこちらの話を聞いてもらえない。
しかし、分かったこともある。
「とうやら、クーデターはよく思われていないようですね」
「そうだね……それに、どうやら人間……まぁ、ザルノールの人間だろうが、それが軍事クーデターを唆したらしいね」
「じゃあ、これを解決したら支持は得られそうね。王家の蛍石の明かりは国の民にとって大事なものらしいし、それを取り戻せれば、って所ね」
「でも、王家の生き残りの情報は無かったけど……勘助、どうする?」
ドヴェルグの民から直接得られた情報は少ない。
しかし察する事が出来た情報は幾つかあった。
まず、軍事クーデターは国民の望んだものでは無いということ。
そして、王家の蛍石がもたらす恩恵は凄まじく、民にとっては無くてはならないものだということが分かった。
「……取り敢えず、俺達ドワーフ以外の種族が普通に歩いていても通報されるようなことは無かった。一応、巡回の兵からは隠れてたけど、この様子なら問題無いかもな……よし、兵に接触してみようか」
辺りを見渡し、兵を探す。
彼等の巡回している目的は聞いてはいないが予想はつく。
王家の生き残りを探しているのだ。
「おい、何故人間がここにいる」
すると、背後から声をかけられる。
どうやら探す手間が省けたようだ。
振り返ると、そこには数名の武装したドワーフがいた。
こちらを怪訝そうに見つめる。
「いや、前にここに来た人間がいたでしょう? それの関係者ですよ」
「そうか。貴様ら人間のせいで我々は迷惑してるんだせめて我々の任務の邪魔だけはしないでくれよ?」
「任務ですか……王族の生き残りを探してたり?」
「……貴様……」
すると、隊長らしい男に腕を引っ張られ人気のない路地裏に連れて行かれる。
「佐切! っ……」
カルラが反応し、助けに来ようとしたが他の兵に阻まれる。
「その話、何処で聞いた? 機密事項だぞ。知っている筈が無い」
「……やっぱりね。カマをかけてみたんですよ。ちょっと軽率ですよ?」
「貴様……」
ドワーフは剣を抜こうと腰に刺してある柄に手をかける。
流石に口封じされるのはまずい。
「待った! その捜索、手伝わせてくれません?」
「……何?」
ドワーフは柄から手を離す。
「王家の生き残りの存在を知っていて隠す奴は軍事クーデターに対して反対している者のはず。だったら、兵士よりも部外者の方が見つけやすいのでは?」
「……一理ある、か」
「うん。一理ある」
ドワーフの背後からレナの声がし、そちらへ目をやるとロームがレナを抱えてドワーフの後ろに立っていた。
「いつの間に……」
「私達はスキルを持っている。スキルを持たないドワーフよりも臨機応変に対応出来ると思うが、どうだ?」
「私、『回復』。ロームは『神速』と『危機回避』。どう?」
「……良いだろう」
ドワーフは納得したようだった。
彼女達の臨機応変さには感謝しなくては。
「何か分かればここの詰所まで来い。我々が得た情報もこのメモに書いてある」
ドワーフからメモを渡される。
中身を見ると、いろいろと書かれていた。
「ありがとうございます。じゃ」
軽く礼を言い、メモの情報を元に捜索を開始するのであった。
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