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王国の全貌
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「よし、方針は決まったな。情報提供感謝する」
「じゃあ……解放してくれるのか?」
「それとこれとは話が別でしょ」
ロームは淡い希望を抱いたドワーフの喉元に剣を当てる。
ドワーフは先程の拷問が余程効いたようだった。
かなり怯えている。
「にしても……王族の生き残り、か」
「王家の蛍石をその王子が持っているのか……私達エルフの間でも王家の蛍石は有名だった。その蛍石の輝きは眩く、虹色に光るとも言われている。それがドワーフ王家に代々伝わる宝物だってね」
「でもよくクーデターから逃げられたわね。こんな狭い坑道の中……すぐに捕まりそうなものだけど」
ロームの言葉も最もだ。
いくらドワーフの坑道で、王国が築かれてたとしてもさほど広くは無いだろう。
虱潰しにされればいずれ見つかると思うが……。
「ドワーフの坑道が狭いって? 誰がいつそんな事を言った? 私は広さについては言及してないと思うけどね」
「ん? そんなに広いのか? この通路の感じだとそんなに広くは感じないけど……」
「ふふ、いい反応だね……ドワーフの国を紹介するときの反応はいつ見ても面白い。ここに至るまで多数の坑道の出入り口を見つけてきたけど、それらは全て同じような幅だ。それは敵の侵入を防ぐ為でもあるのさ」
カルラは何処か楽しそうである。
ドワーフの国がかつて交流が盛んであった頃から同じような会話を何度も繰り返してきたのだろう。
そして何も言わずに通路を進み続ける。
「……ついてくか」
「ん」
レナとロームと顔を合わせてカルラの後に続く。
「ちょ……俺達は!?」
「置いてけぼりかよ!」
二人のドワーフの嘆きを無視し、カルラについていくのであった。
「この扉は……」
「やっぱりこの扉は昔から変わってないね……ここは王国への最後の扉。本当ならここに衛兵が居るはずなんだけどね……クーデターの影響かね」
目の前には高身長であるカルラが背伸びをしても届かない程の高さの豪華な意匠の扉があった。
それはまるで王家の意向を示すかの様に金で装飾され、所々に蛍石が施されていた。
「この扉はドワーフ王国が創建された時からある由緒正しい扉で、ドワーフ王国の歴史を語る上でこの扉の存在は欠かせない。というかこの国の場所自体が歴史そのものなんだけどね」
カルラはそんな下手したら数億円の価値がありそうな扉に手をかけ、それを押した。
眩い光とともに向こう側が見える。
「……これは……」
「これがドワーフ王国、その名をドヴェルグ。長らく交流が途絶えてその名を知るものこそ少なくなったがね」
目の前に広がる光景は、地下世界だとは思えないほど広大で、明るい。
どうやらここは少し高いらしく、ここからは王国の全体像が見渡せる。
中心には城、もしくは王宮のような立派な建造物がある。
あれもこの扉のようにかなり年季がありそうだ。
その周辺には多くの家屋が立ち並んでいる。
「驚いたね……私の時代よりも更に大きくなっているよ他国との交流が途絶えた分、自国内で発展していったんだろうね。でも……少し暗いね」
「……これでもですか?」
目の前の光景は充分とは言えないが明るい。
辺りを見渡すには問題が無いのだ。
「あぁ……王家の蛍石、か」
「それがあるとどうなるんですか?」
「真ん中の王宮にそれを置く台座がある。そこから放たれた光は国の各地に置かれた鏡に反射していき、王国全体を照らすんだ。今はそれがないからこれだけ暗いのさ」
「じゃあ、ドワーフの皆は苦労してる?」
「レナ……確かにそうかもしれないな」
軍事クーデターがどれ程国民に支持されているかは分からない。
が、生活に支障をきたしているのならば支持していない者も沢山いるだろう。
そこが付け入る隙かもしれない。
「まずは王家の生き残りを探す。そして軍事クーデターの首謀者を倒し、王家に恩を売って魔王軍との協力を取り付ける! 方針は定まった。皆、簡単じゃないかもしれないが、頑張ろう!」
ドワーフ王国、ドヴェルグとの協力は不可欠。
その為にも、頑張らなくては。
「じゃあ……解放してくれるのか?」
「それとこれとは話が別でしょ」
ロームは淡い希望を抱いたドワーフの喉元に剣を当てる。
ドワーフは先程の拷問が余程効いたようだった。
かなり怯えている。
「にしても……王族の生き残り、か」
「王家の蛍石をその王子が持っているのか……私達エルフの間でも王家の蛍石は有名だった。その蛍石の輝きは眩く、虹色に光るとも言われている。それがドワーフ王家に代々伝わる宝物だってね」
「でもよくクーデターから逃げられたわね。こんな狭い坑道の中……すぐに捕まりそうなものだけど」
ロームの言葉も最もだ。
いくらドワーフの坑道で、王国が築かれてたとしてもさほど広くは無いだろう。
虱潰しにされればいずれ見つかると思うが……。
「ドワーフの坑道が狭いって? 誰がいつそんな事を言った? 私は広さについては言及してないと思うけどね」
「ん? そんなに広いのか? この通路の感じだとそんなに広くは感じないけど……」
「ふふ、いい反応だね……ドワーフの国を紹介するときの反応はいつ見ても面白い。ここに至るまで多数の坑道の出入り口を見つけてきたけど、それらは全て同じような幅だ。それは敵の侵入を防ぐ為でもあるのさ」
カルラは何処か楽しそうである。
ドワーフの国がかつて交流が盛んであった頃から同じような会話を何度も繰り返してきたのだろう。
そして何も言わずに通路を進み続ける。
「……ついてくか」
「ん」
レナとロームと顔を合わせてカルラの後に続く。
「ちょ……俺達は!?」
「置いてけぼりかよ!」
二人のドワーフの嘆きを無視し、カルラについていくのであった。
「この扉は……」
「やっぱりこの扉は昔から変わってないね……ここは王国への最後の扉。本当ならここに衛兵が居るはずなんだけどね……クーデターの影響かね」
目の前には高身長であるカルラが背伸びをしても届かない程の高さの豪華な意匠の扉があった。
それはまるで王家の意向を示すかの様に金で装飾され、所々に蛍石が施されていた。
「この扉はドワーフ王国が創建された時からある由緒正しい扉で、ドワーフ王国の歴史を語る上でこの扉の存在は欠かせない。というかこの国の場所自体が歴史そのものなんだけどね」
カルラはそんな下手したら数億円の価値がありそうな扉に手をかけ、それを押した。
眩い光とともに向こう側が見える。
「……これは……」
「これがドワーフ王国、その名をドヴェルグ。長らく交流が途絶えてその名を知るものこそ少なくなったがね」
目の前に広がる光景は、地下世界だとは思えないほど広大で、明るい。
どうやらここは少し高いらしく、ここからは王国の全体像が見渡せる。
中心には城、もしくは王宮のような立派な建造物がある。
あれもこの扉のようにかなり年季がありそうだ。
その周辺には多くの家屋が立ち並んでいる。
「驚いたね……私の時代よりも更に大きくなっているよ他国との交流が途絶えた分、自国内で発展していったんだろうね。でも……少し暗いね」
「……これでもですか?」
目の前の光景は充分とは言えないが明るい。
辺りを見渡すには問題が無いのだ。
「あぁ……王家の蛍石、か」
「それがあるとどうなるんですか?」
「真ん中の王宮にそれを置く台座がある。そこから放たれた光は国の各地に置かれた鏡に反射していき、王国全体を照らすんだ。今はそれがないからこれだけ暗いのさ」
「じゃあ、ドワーフの皆は苦労してる?」
「レナ……確かにそうかもしれないな」
軍事クーデターがどれ程国民に支持されているかは分からない。
が、生活に支障をきたしているのならば支持していない者も沢山いるだろう。
そこが付け入る隙かもしれない。
「まずは王家の生き残りを探す。そして軍事クーデターの首謀者を倒し、王家に恩を売って魔王軍との協力を取り付ける! 方針は定まった。皆、簡単じゃないかもしれないが、頑張ろう!」
ドワーフ王国、ドヴェルグとの協力は不可欠。
その為にも、頑張らなくては。
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