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シルの想い
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「シェリー!どこだシェリー!」
いま探して見つけ出さなければシェリーを失ってしまう。
喪ってしまう。
そんなよく分からない...予感というものだろうか?
衝動ともいうだろうか?
突き動かされるようにシェリーを探す。
------
転けた女性を助けた後、シェリーの元に戻る。
だが、彼女は涙を流し、絶望したかのような、酷く悲しいことが起こったような表情をしていた。
「シェリー...どうしたの?大丈夫?」
心配して声を掛けたら、後退りされてしまう。
それでも彼女が心配で、優しくしてあげたくって声を掛ける。
「シェリー?」
涙を拭ってあげようと彼女の頬に伸ばそうとしたら、手を叩かれた。
普段の彼女とは全く違う行動に思わず立ち尽くしてしまう。
その間に彼女は走り去ってしまった。
いまここでシェリーをみつけられなかったら...
嫌な予感が、衝動が襲ってくる。
慌ててシェリーを追い掛けるが見失ってしまった。
走り去っていった彼女は教室とかには入らないだろう。
人目を避けるのであれば場所は...。
シェリーを見つけるために考えながら走り、座り込んでいる彼女を見つけた。
声を掛けようと口を開く。
その時に歌が聴こえて、思わず立ち尽くしてしまった。
綺麗な歌だった。
優しい歌だった。
でも、悲しい歌だった。
シェリーにそんな歌を歌わせる何かがあったのはわかった。
でも、突然どうしたか訳を聞きたい。
抱きしめて安心させたい。
歌い終わった彼女は俯いていた。
「シェリー...やっと見つけた。」
声を掛けながら彼女を抱きしめた。
彼女はビクッと身体を震わせた後、
「ど...どうして...ここに...いるの?」
と悲しげな表情で尋ねてきた。
「シェリーが居なくなってしまうと思ったら追い掛けてた。もう、居なくならないで?僕から離れないで。お願い...。ずっと君の側にいるから。」
必死に彼女にすがり付く。
「ねぇ、シェリー。僕からシェリーが離れるなら、僕は死んだっていいんだ。シェリーが僕を救ってくれたんだから...僕の心も命も全部、シェリーに捧げているんだ。
だから、シェリーが僕のことを要らなくなったり、僕がシェリーから離れるようなことがあれば...僕を殺してね。絶対だよ?」
ギュウギュウに彼女を抱き締めて、乞うように語り掛ける。
シェリーが居ない人生はいらない。
それほど思えるまで彼女にすがって頼って依存しているのだ。
シェリーが居なくなったら、僕はもう生きていけないだろう。
もう絶対に離さないし、離してあげられない。
だから、僕が要らないなら、邪魔なら、君の手で殺してほしいんだ。
いま探して見つけ出さなければシェリーを失ってしまう。
喪ってしまう。
そんなよく分からない...予感というものだろうか?
衝動ともいうだろうか?
突き動かされるようにシェリーを探す。
------
転けた女性を助けた後、シェリーの元に戻る。
だが、彼女は涙を流し、絶望したかのような、酷く悲しいことが起こったような表情をしていた。
「シェリー...どうしたの?大丈夫?」
心配して声を掛けたら、後退りされてしまう。
それでも彼女が心配で、優しくしてあげたくって声を掛ける。
「シェリー?」
涙を拭ってあげようと彼女の頬に伸ばそうとしたら、手を叩かれた。
普段の彼女とは全く違う行動に思わず立ち尽くしてしまう。
その間に彼女は走り去ってしまった。
いまここでシェリーをみつけられなかったら...
嫌な予感が、衝動が襲ってくる。
慌ててシェリーを追い掛けるが見失ってしまった。
走り去っていった彼女は教室とかには入らないだろう。
人目を避けるのであれば場所は...。
シェリーを見つけるために考えながら走り、座り込んでいる彼女を見つけた。
声を掛けようと口を開く。
その時に歌が聴こえて、思わず立ち尽くしてしまった。
綺麗な歌だった。
優しい歌だった。
でも、悲しい歌だった。
シェリーにそんな歌を歌わせる何かがあったのはわかった。
でも、突然どうしたか訳を聞きたい。
抱きしめて安心させたい。
歌い終わった彼女は俯いていた。
「シェリー...やっと見つけた。」
声を掛けながら彼女を抱きしめた。
彼女はビクッと身体を震わせた後、
「ど...どうして...ここに...いるの?」
と悲しげな表情で尋ねてきた。
「シェリーが居なくなってしまうと思ったら追い掛けてた。もう、居なくならないで?僕から離れないで。お願い...。ずっと君の側にいるから。」
必死に彼女にすがり付く。
「ねぇ、シェリー。僕からシェリーが離れるなら、僕は死んだっていいんだ。シェリーが僕を救ってくれたんだから...僕の心も命も全部、シェリーに捧げているんだ。
だから、シェリーが僕のことを要らなくなったり、僕がシェリーから離れるようなことがあれば...僕を殺してね。絶対だよ?」
ギュウギュウに彼女を抱き締めて、乞うように語り掛ける。
シェリーが居ない人生はいらない。
それほど思えるまで彼女にすがって頼って依存しているのだ。
シェリーが居なくなったら、僕はもう生きていけないだろう。
もう絶対に離さないし、離してあげられない。
だから、僕が要らないなら、邪魔なら、君の手で殺してほしいんだ。
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