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第4章 裏切り者
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第2回目のじゃんけん大会の日時、対戦相手の開示がされた。
今回の相手は、見覚えのある名前だった。
相手は母の姉。つまり、いとこだったのだ。
いとことはしばらく会っていないし、そんなに関わりもない。
僕は思わず笑ってしまった。これは良い事と捉えるべきか悪い事と捉えるべきかわからなかった。
ポジティブに捉えるなら、いとこか僕のどちらかは勝てるということ。
ネガティブに捉えるなら、どちらかは負けてしまうということだ。
こんなこともあるのかと思いつつ、いとこと連絡を交わした。現地での試合になった。
母含め、家族とこの件について話をした。
何故か不穏な空気になった。
母は何もしゃべらなかった。
あまり詳しくは聞いてないが母と母の姉は仲が良くないと兄にあとから教えてもらった。
何やら過去に金銭トラブルがあったみたいだった。
複雑な気持ちになった。
開示された翌日の学校は、勝ってる人達がまだ勝ててない人に「対戦相手どんな人?」「次勝てるといいね」など、みんなじゃんけん大会を注目していた。
だが、2回目ということもあり、みんな手続きとかにはもう慣れていて、早くも当たり前のように行動していた。
自分もじゃんけん大会の事で何か声かけられるんだろうなと思っていたが、前同じクラスの友達に本気で怒ったせいか、全く話しかけられなかった。
もともと、友達は多い方では無いため仕方がないと思った。
第2回戦目の試合日がやってきた。
試合会場に行くと、いとこは既にいた。
兄からの話を聞いたせいで少し気まずかった。
挨拶をし、少し世間話をした。
いとこは「私負けてあげるからグー出しなよ」と言ってきた。
僕は凄い混乱した。この言葉を真に受けて良いのか、これは罠なのかどちらか考えるという状況に迫られてしまった。
母との関係だとか正直僕には関係ないと思ったため、わざわざここで嘘をつく、そんな幼稚な事はしないだろうと思った。
だから相手の言葉を信用することにした。
いよいよ、試合が開始される。
僕が出したのは グー
いとこは パー を出してきたのだ。
何を考えてるのかなと相手の顔を見ると、不敵な笑みでこちらを見ていた。
まるで映画の悪役みたいだった。全身に鳥肌が立った。今すぐに家族に話したいと思った。
何も言わずに帰った。
不思議とイライラはしなかった。しかし、嫌悪がすごかった。嘘をつき自分の利益を優先する醜い生き物が親族にいたということ。それが1番嫌だった。
家に帰り、兄に話した。
兄は「やられちゃったね。」と落ち着いて言ってきた。
信じるという選択は有り得なかったんだと心の底から思った。
この事は母にも共有して良いのかと聞くと
「やめておいた方がいい。」と止められた。
僕は納得し、家族には負けたとだけ伝えた。
自分の部屋に戻り、僕は色々考えた。
なぜここまで世界は醜く、汚いのか。
みんな私利私欲のために行動して、自分さえ良ければいい。誰もが綺麗事を並べるくせに、結局は自分の得にならなければ見向きもしない。他人の不幸を飯の種にし、弱者を踏みつけてでも上に立とうとする。助け合いだの絆だの、そんな言葉はただの建前に過ぎず、裏では平気で誰かを切り捨てる。
正直者が馬鹿を見る。誠実さは踏みにじられ、優しさは都合よく利用されるだけ。どれだけ真剣に向き合ったところで、結局は「役に立つか」「金になるか」それだけが価値の基準だ。綺麗な世界なんて、そんなものは幻想だ。信じるほどに裏切られ、期待するほどに失望するだけ。
考えれば考えるほど嫌になった。
だから僕は、考えるのをやめた。
今回の相手は、見覚えのある名前だった。
相手は母の姉。つまり、いとこだったのだ。
いとことはしばらく会っていないし、そんなに関わりもない。
僕は思わず笑ってしまった。これは良い事と捉えるべきか悪い事と捉えるべきかわからなかった。
ポジティブに捉えるなら、いとこか僕のどちらかは勝てるということ。
ネガティブに捉えるなら、どちらかは負けてしまうということだ。
こんなこともあるのかと思いつつ、いとこと連絡を交わした。現地での試合になった。
母含め、家族とこの件について話をした。
何故か不穏な空気になった。
母は何もしゃべらなかった。
あまり詳しくは聞いてないが母と母の姉は仲が良くないと兄にあとから教えてもらった。
何やら過去に金銭トラブルがあったみたいだった。
複雑な気持ちになった。
開示された翌日の学校は、勝ってる人達がまだ勝ててない人に「対戦相手どんな人?」「次勝てるといいね」など、みんなじゃんけん大会を注目していた。
だが、2回目ということもあり、みんな手続きとかにはもう慣れていて、早くも当たり前のように行動していた。
自分もじゃんけん大会の事で何か声かけられるんだろうなと思っていたが、前同じクラスの友達に本気で怒ったせいか、全く話しかけられなかった。
もともと、友達は多い方では無いため仕方がないと思った。
第2回戦目の試合日がやってきた。
試合会場に行くと、いとこは既にいた。
兄からの話を聞いたせいで少し気まずかった。
挨拶をし、少し世間話をした。
いとこは「私負けてあげるからグー出しなよ」と言ってきた。
僕は凄い混乱した。この言葉を真に受けて良いのか、これは罠なのかどちらか考えるという状況に迫られてしまった。
母との関係だとか正直僕には関係ないと思ったため、わざわざここで嘘をつく、そんな幼稚な事はしないだろうと思った。
だから相手の言葉を信用することにした。
いよいよ、試合が開始される。
僕が出したのは グー
いとこは パー を出してきたのだ。
何を考えてるのかなと相手の顔を見ると、不敵な笑みでこちらを見ていた。
まるで映画の悪役みたいだった。全身に鳥肌が立った。今すぐに家族に話したいと思った。
何も言わずに帰った。
不思議とイライラはしなかった。しかし、嫌悪がすごかった。嘘をつき自分の利益を優先する醜い生き物が親族にいたということ。それが1番嫌だった。
家に帰り、兄に話した。
兄は「やられちゃったね。」と落ち着いて言ってきた。
信じるという選択は有り得なかったんだと心の底から思った。
この事は母にも共有して良いのかと聞くと
「やめておいた方がいい。」と止められた。
僕は納得し、家族には負けたとだけ伝えた。
自分の部屋に戻り、僕は色々考えた。
なぜここまで世界は醜く、汚いのか。
みんな私利私欲のために行動して、自分さえ良ければいい。誰もが綺麗事を並べるくせに、結局は自分の得にならなければ見向きもしない。他人の不幸を飯の種にし、弱者を踏みつけてでも上に立とうとする。助け合いだの絆だの、そんな言葉はただの建前に過ぎず、裏では平気で誰かを切り捨てる。
正直者が馬鹿を見る。誠実さは踏みにじられ、優しさは都合よく利用されるだけ。どれだけ真剣に向き合ったところで、結局は「役に立つか」「金になるか」それだけが価値の基準だ。綺麗な世界なんて、そんなものは幻想だ。信じるほどに裏切られ、期待するほどに失望するだけ。
考えれば考えるほど嫌になった。
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