11 / 30
生誕祭
私は今、生誕祭の祭りに来ている。街娘風の装いだ。隣にはレオナルド様がいる。シャツ、トラウザーにロングブーツ。胸板が厚く、袖まくりした腕の筋肉、かっこいい。
もちろん、私たちの前にはランス副団長と最近恋人になったという子爵令嬢がいる。
シャーロット様という1度結婚したが、相手が浮気をし、相手女性に子供が出来たため、離縁したということだった。もともと政略結婚だったため、愛情はないのですぐ離縁に応じたということだ。幸いなことに家族は優しく戻ることを受け入れてくれた。受け入れてもらえないと平民となり自分で働き生活していくか修道院へ行くか老齢の男に嫁ぐことになる。女性の立場は弱い。特に離縁後は家族が受け入れてくれなければ悲惨だ。だから離縁しないように旦那様の言いなりにならざるを得ない。自分は恵まれた環境だったと言っていた。ランス副団長と出会って今は幸せだと言っていた。
ランス副団長が一緒に生誕祭に行かないかと誘ってくれた。レオナルド様と一緒に。
私は王都の生誕祭に小さい時、昼に行ったっきり、王子妃候補になってしまったので行ったことがなかった。レオナルド様が誘ってくれないかなあという願望はあったが、ランス副団長が一緒に誘ってくれたのでうれしかった。最近、レオナルド様は目と目を合わせて話をしてくれるようになった。進歩だ。
隣にいるレオナルド様はあたりを警戒しながら、私を守るように歩いてくれた。そして、香ばしいいい匂いがしてきた。肉を焼いている匂いだ。匂いがする方に目がいってしまった。
「ふふっ、ルイーザはお肉が食べたいのか?買ってこようか?」
バレてしまった。でも食べたい。
「おいおい、レオ、ルイーザ嬢に肉を進めるのか?かぶりつかないと食べられないぞ」
ランス副団長は、淑女が串に刺さった肉をかぶりつけないと思っているらしいが、私は食べるわよ。
「ランス様、私、肉かぶりつきますわよ。こんな経験ないですから。楽しみです」
「じゃあ、買ってくるよ。ランス、お前は女性の警護を頼む」
「ああ、お前の好きな店で買ってくるのか。頼むよ」
レオナルド様は颯爽といなくなってしまった。早い。
「シャーロットはこの前かぶりついて食べたからな。慣れたものだろう」
「いやだわ、ランス様。ルイーザ様の前で暴露しなくていいじゃないですか。もう酷いわ。ルイーザ様、毎回かぶりついているわけではないですわ。時々ですわ」
「シャーロット様、私はかぶりついたり、立ち食いしたり、買い食いしたり色々経験がしたいのです」
「あはは、ルイーザ嬢、全部食べ物のことを言っているけど、お腹すいている?」
「あら、やだわ。食べ物のことばかりですわね。でもスィーツも食べたいです」
「多分、レオはいろいろ買ってきてくれるよ」
それから、レオナルド様は串肉、ワッフル、フルーツなどを買ってきた。
「ここで食べるのか?座れるところを探そう」
レオナルド様は女性が立って食べることはしないと思っているのだろうか、座るところを探そうとしていた。
私はここですぐ食べようと言った。びっくりしていた。でも熱いうちに食べたい。
「温かいうちに食べたいので、お肉が硬くなってしまいますからここで食べましょう?」
それから、串肉を齧りついた。塩加減がいい具合だ。
「おいしい。あ、あのレオナルド様、そんなに食べるところを見られると恥ずかしいです」
「す、すまない。おいしそうに頬張っていたのがかわいくて見入ってしまいました」
「か、かわいい?」
「あ、いや、どうですか、個々の屋台の肉はおいしくていつも買ってしまうのです」
「おいしいです。これなら何本でも食べられそうですね」
後ろでランス様とシャーロット様が笑っていた。
「いやあ、微笑ましいなあと思って」
「「ほほえましい・・」」
二人で俯いてしまった。
「ほらほら照れてないで、食べよう食べよう」
私は恥ずかしいが肉を頬張った。ワッフルやフルーツも食べた。大満足していた。
「ルイーザ、頬にクリームがついているよ」
レオナルド様が自分の手でクリームを取り除きそのままクリームを舐めた。私の頬についたクリームを舐めた。
ぴょえーーーーーー。その後レオナルド様のハンカチで頬を拭いてくれた。
その時、見覚えのあるハンカチのイニシャルが見えた。
えっ?あのハンカチのイニシャルは私が王子妃教育が始まり、あまりにも辛く泣いていた時に、花束をまとめるために縛っていたハンカチと同じ?その後ハンカチではなくリボンになった。
あの時の花束の人?まさか。
泣いていることが恥ずかしく場所を変えて泣いていたが、なぜかいつも花束が置かれていた。
小説にはない、この子の記憶にある出来事。ハンカチやリボンは大切に保管している。しばらくすると、その行為はなくなってしまった。寂しかったが、自分は王子妃・王妃教育をしているもの。弱みを見せてはいけないと泣くことをしなくなった。あの人は誰だったんだろうと思っていた。イニシャルを見ても全く分からなかったが、心の拠り所になっていた。いまでも持っているハンカチ。
まさか?
もちろん、私たちの前にはランス副団長と最近恋人になったという子爵令嬢がいる。
シャーロット様という1度結婚したが、相手が浮気をし、相手女性に子供が出来たため、離縁したということだった。もともと政略結婚だったため、愛情はないのですぐ離縁に応じたということだ。幸いなことに家族は優しく戻ることを受け入れてくれた。受け入れてもらえないと平民となり自分で働き生活していくか修道院へ行くか老齢の男に嫁ぐことになる。女性の立場は弱い。特に離縁後は家族が受け入れてくれなければ悲惨だ。だから離縁しないように旦那様の言いなりにならざるを得ない。自分は恵まれた環境だったと言っていた。ランス副団長と出会って今は幸せだと言っていた。
ランス副団長が一緒に生誕祭に行かないかと誘ってくれた。レオナルド様と一緒に。
私は王都の生誕祭に小さい時、昼に行ったっきり、王子妃候補になってしまったので行ったことがなかった。レオナルド様が誘ってくれないかなあという願望はあったが、ランス副団長が一緒に誘ってくれたのでうれしかった。最近、レオナルド様は目と目を合わせて話をしてくれるようになった。進歩だ。
隣にいるレオナルド様はあたりを警戒しながら、私を守るように歩いてくれた。そして、香ばしいいい匂いがしてきた。肉を焼いている匂いだ。匂いがする方に目がいってしまった。
「ふふっ、ルイーザはお肉が食べたいのか?買ってこようか?」
バレてしまった。でも食べたい。
「おいおい、レオ、ルイーザ嬢に肉を進めるのか?かぶりつかないと食べられないぞ」
ランス副団長は、淑女が串に刺さった肉をかぶりつけないと思っているらしいが、私は食べるわよ。
「ランス様、私、肉かぶりつきますわよ。こんな経験ないですから。楽しみです」
「じゃあ、買ってくるよ。ランス、お前は女性の警護を頼む」
「ああ、お前の好きな店で買ってくるのか。頼むよ」
レオナルド様は颯爽といなくなってしまった。早い。
「シャーロットはこの前かぶりついて食べたからな。慣れたものだろう」
「いやだわ、ランス様。ルイーザ様の前で暴露しなくていいじゃないですか。もう酷いわ。ルイーザ様、毎回かぶりついているわけではないですわ。時々ですわ」
「シャーロット様、私はかぶりついたり、立ち食いしたり、買い食いしたり色々経験がしたいのです」
「あはは、ルイーザ嬢、全部食べ物のことを言っているけど、お腹すいている?」
「あら、やだわ。食べ物のことばかりですわね。でもスィーツも食べたいです」
「多分、レオはいろいろ買ってきてくれるよ」
それから、レオナルド様は串肉、ワッフル、フルーツなどを買ってきた。
「ここで食べるのか?座れるところを探そう」
レオナルド様は女性が立って食べることはしないと思っているのだろうか、座るところを探そうとしていた。
私はここですぐ食べようと言った。びっくりしていた。でも熱いうちに食べたい。
「温かいうちに食べたいので、お肉が硬くなってしまいますからここで食べましょう?」
それから、串肉を齧りついた。塩加減がいい具合だ。
「おいしい。あ、あのレオナルド様、そんなに食べるところを見られると恥ずかしいです」
「す、すまない。おいしそうに頬張っていたのがかわいくて見入ってしまいました」
「か、かわいい?」
「あ、いや、どうですか、個々の屋台の肉はおいしくていつも買ってしまうのです」
「おいしいです。これなら何本でも食べられそうですね」
後ろでランス様とシャーロット様が笑っていた。
「いやあ、微笑ましいなあと思って」
「「ほほえましい・・」」
二人で俯いてしまった。
「ほらほら照れてないで、食べよう食べよう」
私は恥ずかしいが肉を頬張った。ワッフルやフルーツも食べた。大満足していた。
「ルイーザ、頬にクリームがついているよ」
レオナルド様が自分の手でクリームを取り除きそのままクリームを舐めた。私の頬についたクリームを舐めた。
ぴょえーーーーーー。その後レオナルド様のハンカチで頬を拭いてくれた。
その時、見覚えのあるハンカチのイニシャルが見えた。
えっ?あのハンカチのイニシャルは私が王子妃教育が始まり、あまりにも辛く泣いていた時に、花束をまとめるために縛っていたハンカチと同じ?その後ハンカチではなくリボンになった。
あの時の花束の人?まさか。
泣いていることが恥ずかしく場所を変えて泣いていたが、なぜかいつも花束が置かれていた。
小説にはない、この子の記憶にある出来事。ハンカチやリボンは大切に保管している。しばらくすると、その行為はなくなってしまった。寂しかったが、自分は王子妃・王妃教育をしているもの。弱みを見せてはいけないと泣くことをしなくなった。あの人は誰だったんだろうと思っていた。イニシャルを見ても全く分からなかったが、心の拠り所になっていた。いまでも持っているハンカチ。
まさか?
あなたにおすすめの小説
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完結】愛する夫の務めとは
Ringo
恋愛
アンダーソン侯爵家のひとり娘レイチェルと結婚し婿入りした第二王子セドリック。
政略結婚ながら確かな愛情を育んだふたりは仲睦まじく過ごし、跡継ぎも生まれて順風満帆。
しかし突然王家から呼び出しを受けたセドリックは“伝統”の遂行を命じられ、断れば妻子の命はないと脅され受け入れることに。
その後……
城に滞在するセドリックは妻ではない女性を何度も抱いて子種を注いでいた。
※完結予約済み
※全6話+おまけ2話
※ご都合主義の創作ファンタジー
※ヒーローがヒロイン以外と致す描写がございます
※ヒーローは変態です
※セカンドヒーロー、途中まで空気です
死ぬまでに叶えたい十の願い
木風
恋愛
「あなたを妻として、愛することはない。おそらく、生涯抱くこともないだろう」
三年間の白い結婚——捨て置かれた王太子妃エリアーナに、側妃が『死の呪い』をかけ余命一年を宣告する。
離縁を願うも拒否され、代わりに「死ぬまでに十の願いを叶えて」と契約する——
二人きりの外出、星空、海…ささやかな願いが王太子の心をほどいていく。
異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない
木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。
生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。
ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。
その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。
蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ
ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」
ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。
「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」
何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。
都合のいい女は本日で卒業。
今後は、余暇を楽しむとしましょう。
吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。
筆頭婚約者候補は「一抜け」を叫んでさっさと逃げ出した
基本二度寝
恋愛
王太子には婚約者候補が二十名ほどいた。
その中でも筆頭にいたのは、顔よし頭良し、すべての条件を持っていた公爵家の令嬢。
王太子を立てることも忘れない彼女に、ひとつだけ不満があった。
怒らせてはいけない人々 ~雉も鳴かずば撃たれまいに~
美袋和仁
恋愛
ある夜、一人の少女が婚約を解消された。根も葉もない噂による冤罪だが、事を荒立てたくない彼女は従容として婚約解消される。
しかしその背後で爆音が轟き、一人の男性が姿を見せた。彼は少女の父親。
怒らせてはならない人々に繋がる少女の婚約解消が、思わぬ展開を導きだす。
なんとなくの一気書き。御笑覧下さると幸いです。