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めんどくさがりのお医者さん
遥か昔のどこか
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ドンドンドンドン
ドンドンドンドン
真夜中に戸を叩く音に嫌な顔で対応したのは使用人の女だった。
「ちょっと!何時だとおもってるんだい!先生もお休みになってるんだから明日にしておくれよ!」
「すみません!子供が!子供が死にそうなんです!」
「え?子供?……子供かい」
女はブツブツ言いながらもドアを開けてくれた。
この小さな町では小児科なんて気の利いた所はない。
いづれにしても此処《ここ》に来るしかないのだ。
渋々ドアを開けた先には男が子供を背負って途方に暮れたような顔で立っている。
「あ、ありがとう」
男は女の顔をみるなり礼を言った。
「ありがとうはまだ早いよ。先生が診てくれるとは決まっちゃいないんだからね」
「そんな」
「いいから入ってその辺にかけてなよ、外よりはマシだよ」
女の口調はぶっきら棒だが言ってる事は優しかった。
「は、はい」
男は言われるままに中に入ろうとすると黒猫が戸の隙間から病院の中にするりと入り込んだ。
「こら!お前はだめだよ!」
女は大声を出したが時既に遅く黒猫は部屋のどこかに隠れてしまった。
「もう!また先生に小言を言われるよ!忌々《いまいま》しい」
「あ、あの、それより診察を…….」
「え?……ああ、そうだったね、ちょっと待ってな」
女はそういうと部屋の中央の魔法の世界にありそうな木製の螺旋階段から上に登っていった。
ドンドンドンドン
真夜中に戸を叩く音に嫌な顔で対応したのは使用人の女だった。
「ちょっと!何時だとおもってるんだい!先生もお休みになってるんだから明日にしておくれよ!」
「すみません!子供が!子供が死にそうなんです!」
「え?子供?……子供かい」
女はブツブツ言いながらもドアを開けてくれた。
この小さな町では小児科なんて気の利いた所はない。
いづれにしても此処《ここ》に来るしかないのだ。
渋々ドアを開けた先には男が子供を背負って途方に暮れたような顔で立っている。
「あ、ありがとう」
男は女の顔をみるなり礼を言った。
「ありがとうはまだ早いよ。先生が診てくれるとは決まっちゃいないんだからね」
「そんな」
「いいから入ってその辺にかけてなよ、外よりはマシだよ」
女の口調はぶっきら棒だが言ってる事は優しかった。
「は、はい」
男は言われるままに中に入ろうとすると黒猫が戸の隙間から病院の中にするりと入り込んだ。
「こら!お前はだめだよ!」
女は大声を出したが時既に遅く黒猫は部屋のどこかに隠れてしまった。
「もう!また先生に小言を言われるよ!忌々《いまいま》しい」
「あ、あの、それより診察を…….」
「え?……ああ、そうだったね、ちょっと待ってな」
女はそういうと部屋の中央の魔法の世界にありそうな木製の螺旋階段から上に登っていった。
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