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第一章 夏の重慶の夜に
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――ヤバいものを目撃してしまった! 俺たちは、いま、死に直面している!
と、場面は同じく重慶の繁華街の裏、スラム街のような一角に変わる。
ある二人の青年が、死のピンチとでも言うべき状況に瀕していた。
ここ数カ月、重慶を騒がせ恐怖に陥れている“連続人間消失事件”――
彼らは、その犯人とされる“幽鬼”を調査し炙り出してやると、冗談半分ながら動画を撮影していたのだが、まさかの、本当に幽鬼と遭遇してしまうとは思ってなかったのだ!
暗く、足場の悪い中を走る青年二人の影。
「――ああ、俺の携帯! 落としちゃった!! それに、車もっ!!」
「おい!! 今そんなこと言って場合じゃねぇだろ!!」
事情はともかく、青年の一人が怒鳴り、もたつく相方を急がせる。
二人はそのまましばらく逃げ、何か廃墟のような建物の中に入り込んだ。
「――ハァ……、ハァ! クッ、ソッ! きっちぃ!」
「ハァ、ハァッ! お、俺も! も、もう限界だって!」
二人は、完全に息が切れかけていた。
こんなに走ったのは、高校以来のしばらくぶりだろうか。
「だ、だが、よう! こ、ここまで来たら、何とか大丈夫だろっ? ハァ……、ハァ……」
「ま、まあ、とりあえず……。何とか、撒いたかな……」
青年コンビは身を隠すようにし、壁に寄りかかる。
「てか、問題はこっからだっつの……! お、お前、何とかしろよ! 俺たち、幽鬼のヤツを見ちまったからな、このままじゃヤバいぞ!」
いかつい丸顔の、ガタイの良いほうの青年が相方に言う。
「な、何とかしろって……、そう簡単に言ってくれるなよ……」
こちらは、金髪のイケメン風の相方であるが、「勘弁してくれよ」と、まいった様子を見せながらも、
「――どうすっかな? お袋たち、頼ってみるか……? いや、むしろ怒られちまうだろうな……。てか、俺、携帯落としちまったし……」
「何だよ、お前。使えねぇな……」
と、丸顔のほうの青年が苛立った。
そんな時、
――チャ、リン♪
と、丸顔のスマホに、SNSに“とある通知”が届いた。
「あん……?」
丸顔の男は、怪訝な顔で通知を開いてみる。
「ど、どしたん? ――え?」
「こ、これは……!」
通知の内容に、二人は思わず驚きの声を上げていた。
――続く
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