12 / 31
3話
3 *
しおりを挟む峰谷の指で、きゅっと乳首を摘ままれると、背中が反る。こりこりと転がされ、最後はピンッと指で弾かれると、下腹部にも熱が灯る。右側の乳首だけを弄られて、物足りなさとじれったさに、俺は縋るように峰谷を見上げた。
『こっちも可愛がってあげる』
峰谷はニップレスを貼ったままの左の乳首に触れた。乳首の周囲をさわさわと撫で、ニップレスの上から爪を立てる。もどかしい刺激に俺は首を横に振った。
『なに?舐めて欲しい?』
「そんなことっ、……ひぁっ……っ、待って……」
峰谷は俺の胸に顔を埋め、ニップレスを剥がした右側の乳首を口に含んだ。生暖かい舌が皮膚を撫でる感覚に、俺はパニックになる。峰谷の舌は、俺の乳首を舐め、舌の先端で乳首をつつく。優しく歯を立てられると、俺の身体はびくんと揺れた。そして反対側の乳首は、ニップレスの上から、かりかりと引っかかれる。
「あっ、……や、だっ……」
右と左で与えられる刺激が違い、また、初めて他人から与えられる刺激の強さに、俺はただ感じるしかなかった。身体の中で熱が高まって渦巻く。
『ちんこ勃ってるよ。気持ちいい?』
峰谷の膝が、俺の股間をぐにぐにと押す。性器を刺激され、俺は否応なく喘いだ。
「ひぅ……待って、峰谷……」
『待てないのは川元だろ』
犬飼の声で呼ばれ、俺は息を飲んだ。今まで聞いていた音声は、当たり前だが大衆向けなわけで、犬飼が俺の名前を口にすることはない。しかし、今、目の前にいる峰谷は名前を呼んでくれる。
「千寿って呼んで」
苗字では味気ない。どうしても犬飼の声で名前を読んで欲しかった。少しくらい夢を見てもいいはずだ。というか、これは夢なんだから、何を言っても何をやっても問題ない。
峰谷は驚いたように一瞬黙って、その後ゆっくり口角を上げて微笑んだ。
『千寿』
犬飼の低音が、俺の鼓膜を震えさせる。名前を呼ばれただけで、どきどきと鼓動が高鳴り、腹の奥がきゅうっと疼く。皮膚がひりつき、もっとと快感を求めた。
『続けていい?』
尋ねられ、俺は頷いた。夢なんだから、と割り切ってしまえば、沸々と欲が湧いてくる。
峰谷は今度はニップレスの上から俺の乳首を舐めた。そして、唾液で濡れた右側の乳首を指で摘まむ。唾液がローションのように肌の滑りを良くし、ぬるぬると指の腹が乳首を這う。
『乳首、気持ちいいね』
唾液で濡れたニップレスに息がかかる。それすら快感に変換され、俺は息を吐いた。
『ちんこ、すっかり濡れてる』
いつの間にか下半身に何も身に着けてない状態になっていた。俺自身は首を擡げて、先走りをとろりと溢れさせている。乳首だけの刺激では物足りず、俺は性器に手を伸ばそうとしたが、峰谷に憚られる。峰谷は胸から顔をあげ、にやりと笑った。
『乳首だけでイケるだろ』
「っ、無理……」
『大丈夫、イケるよ』
犬飼の声が、暗示のように鼓膜に染み込んでいく。それだけで期待してしまい、性器にぐぐっと熱が集まった。
峰谷は俺の耳元に口を近づける。ふっと息を吹きかけられ、俺はびくりと肩を揺らした。
『カウントダウンのゼロで、千寿は乳首だけでイっちゃう。目を瞑って、身体の力を抜いて、深呼吸して』
声が、吐息が、耳に当たる。俺は目を閉じ、身体をベッドに沈めた。峰谷の呼吸に合わせて、息を吸って吐く。
『千寿、その調子』
犬飼の甘い声が名前を呼び、峰谷の唇が耳に触れる。
『五……』
峰谷の指の動きが再開される。濡れた乳首の周囲をゆるりと撫でられ、ニップレスの上からこすこすと指の腹で擦られる。
『千寿の乳首、ぷっくりして、触ってって言ってる……』
「あっ、……そんな、こと……んんっ……」
『四……』
峰谷の指の動きは予測できず、俺は翻弄され続けた。
『爪でカリカリするのと、摘まんでコリコリするの、どっちが好き……?』
峰谷は乳首に爪を立て、指で摘まんで、左右の乳首でそれをする。ニップレスを貼っている左側はもどかしく、右側は直接の強い刺激だ。じんじんと胸から広がった快感は、下半身へと到達し、性器はより硬く反りあがる。
『千寿、どっちが好き?教えて?』
「っ、はぁ……どっちも、好きっ……」
『よく言えたね。三……』
カウントダウンの遅さに、射精感が募る。早く射精したい気持ちと、乳首だけでイく屈辱が、心の中でせめぎ合う。
2
あなたにおすすめの小説
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。
ホマレ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。
その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。
胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。
それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。
運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる