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第41話
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とりあえず我がダンジョンに彼女たちに対して普通のダンジョンにはあるトラップとかモンスターの危険は今のところないので自由行動をさせてみる。
あのバッチをつけている限りダンジョンの何処で何をやっているのか、私はわからないがハルカとアヤメにはわかるらしいのでそこら辺は安心だ。
念のため森の方に行くという子達には工藤さんがついて行く。
モフリンベアーのこととかを話すつもりなのだろう、海の方で遊んでる子たちは砂浜で『ブルー シェル』を見つけて少し驚いていた。
私は少し話があるという高見さんの相手をしている。
「…モンスターがほとんどいない、それどころか人間に危険を及ぼす罠などもないというのは本当なんでしょうか?」
「本当です、まだこのダンジョンは成長する途中なのですが他のダンジョンにあるようなトラップもなければ今のところ存在するモフリンベアーというモンスターもこちらを襲ってくることはありません」
「確かにこのダンジョンは私が過去に探索をしたあらゆるダンジョンとは違いますね。空気感というものなのでしょうかここはとてものどかで、本当にダンジョンじゃないみたいですね」
高見さんにそう言われる悪い気はしない、私自身そういうのどかでゆっくりとした時間が流れる場所を求めていたからだ。
そんな時に手に入れたスキルがマイダンジョンであり多分だがその時の私の心境がこのダンジョンに影響を与えているのかもしれない。
「私は元より探索者には向いていませんでした。アニメで見たりとか、あるいは子供の頃にやったゲームの中であれば人とモンスターが戦うというものも娯楽として楽しめますが、やはりどうしても自分や知り合いがとなるとそういうダンジョンに行くのには二の足を踏んでしまう…」
「………」
「そんな私の精神が影響したのか通常のダンジョンに本来あるようなそういう危険というものだここにはあまりないのだと知り合いに言われました」
「そうなんですね」
高野さんは静かに微笑む、少なくとも悪い印象を持たれているとは感じなかった。
「その知り合いというのはこのダンジョンについて知ってる方なんですか?」
「はいそうです、近々紹介することになると思いますよ」
その2人とはハルカとアヤメだからね、いずれ来るモンスター襲撃の時にかあるいはその前にでも 2人について話すことが必要になってくるだろう。
「…一河さん、私はダンジョン部の顧問であり教師です。彼女たちを守る義務があります。部活の一環とはいえ依頼を受けた以上それを彼女たちが守ることを監督するつもりですが、もしあまりにも危険だと私が判断すれば彼女たちの人命を優先しこの依頼を断ることになるかもしれません」
そりゃ部活の顧問だし当たり前の話だ。
こちらも学生さんに話をすると言われた時点でプロなんだからとか言うつもりはない。
むしろ大怪我とかされた方が大迷惑である、元より探索者は引き際を間違えないようにするのが基本だった筈、そのあたりの判断は元とは言えプロの探索者だった高見さんの判断にお任せだ。
「もちろんそれは理解しています私たちも人手が欲しいというのは事実ですが、命の危険がそこまである仕事をさせるつもりはありませんので」
「…その言葉は本当ですか?」
「本当です……と言っても私の知り合いの方がその辺りについては詳しいのでこの場ではそんな仕事はさせるつもりはありませんとしか言えませんけどね」
「その言葉が聞けたのなら十分です」
ハルカが言っていたから探索者の助けがいるというのは事実なのだろうが実際のモンスター襲撃においては私を含めた3人でも何故かどうにでもできるみたいなことも言っていたんだよな。
この辺りの言葉の矛盾について彼女からまだ何の説明もされていない。
もしかして探索者、つまりこの世界の外から人間を招くことそれ自体が何か意味があることだったりするのだろうか?
やはりこの辺りの話は後でハルカとアヤメたちと詰めておく必要があるな。
高見さんの言う通り高見さん自身そして女子校生であるあの3人の子たちも工藤さんと戦ったあれ以上の規模のスケルトン軍団と戦うとなればどうしてもへたれな私は危険しかないじゃないかと思ってしまう。
「…近いうちにその知り合いと話をしてみようかと思っています、ですが高見さんもあの子たちの前に出て戦ってもらうということはほとんどないと思いますよ?」
「そうなんですか?」
「はい主に戦うのは私とその知り合いですからね、確か以前聞いた話だとその戦いの際に逃げ出してダンジョンに入り込んでしまったモンスターの対処をお願いすると言っていました」
私の説明に高見さんは「まあその程度だったら危険もあんまりなさそうですね」と言った。
まあこれから来る連中について殆ど何も知らない私が出来る説明はこのくらいである、後はハルカとアヤメに聞くしかないな。
あのバッチをつけている限りダンジョンの何処で何をやっているのか、私はわからないがハルカとアヤメにはわかるらしいのでそこら辺は安心だ。
念のため森の方に行くという子達には工藤さんがついて行く。
モフリンベアーのこととかを話すつもりなのだろう、海の方で遊んでる子たちは砂浜で『ブルー シェル』を見つけて少し驚いていた。
私は少し話があるという高見さんの相手をしている。
「…モンスターがほとんどいない、それどころか人間に危険を及ぼす罠などもないというのは本当なんでしょうか?」
「本当です、まだこのダンジョンは成長する途中なのですが他のダンジョンにあるようなトラップもなければ今のところ存在するモフリンベアーというモンスターもこちらを襲ってくることはありません」
「確かにこのダンジョンは私が過去に探索をしたあらゆるダンジョンとは違いますね。空気感というものなのでしょうかここはとてものどかで、本当にダンジョンじゃないみたいですね」
高見さんにそう言われる悪い気はしない、私自身そういうのどかでゆっくりとした時間が流れる場所を求めていたからだ。
そんな時に手に入れたスキルがマイダンジョンであり多分だがその時の私の心境がこのダンジョンに影響を与えているのかもしれない。
「私は元より探索者には向いていませんでした。アニメで見たりとか、あるいは子供の頃にやったゲームの中であれば人とモンスターが戦うというものも娯楽として楽しめますが、やはりどうしても自分や知り合いがとなるとそういうダンジョンに行くのには二の足を踏んでしまう…」
「………」
「そんな私の精神が影響したのか通常のダンジョンに本来あるようなそういう危険というものだここにはあまりないのだと知り合いに言われました」
「そうなんですね」
高野さんは静かに微笑む、少なくとも悪い印象を持たれているとは感じなかった。
「その知り合いというのはこのダンジョンについて知ってる方なんですか?」
「はいそうです、近々紹介することになると思いますよ」
その2人とはハルカとアヤメだからね、いずれ来るモンスター襲撃の時にかあるいはその前にでも 2人について話すことが必要になってくるだろう。
「…一河さん、私はダンジョン部の顧問であり教師です。彼女たちを守る義務があります。部活の一環とはいえ依頼を受けた以上それを彼女たちが守ることを監督するつもりですが、もしあまりにも危険だと私が判断すれば彼女たちの人命を優先しこの依頼を断ることになるかもしれません」
そりゃ部活の顧問だし当たり前の話だ。
こちらも学生さんに話をすると言われた時点でプロなんだからとか言うつもりはない。
むしろ大怪我とかされた方が大迷惑である、元より探索者は引き際を間違えないようにするのが基本だった筈、そのあたりの判断は元とは言えプロの探索者だった高見さんの判断にお任せだ。
「もちろんそれは理解しています私たちも人手が欲しいというのは事実ですが、命の危険がそこまである仕事をさせるつもりはありませんので」
「…その言葉は本当ですか?」
「本当です……と言っても私の知り合いの方がその辺りについては詳しいのでこの場ではそんな仕事はさせるつもりはありませんとしか言えませんけどね」
「その言葉が聞けたのなら十分です」
ハルカが言っていたから探索者の助けがいるというのは事実なのだろうが実際のモンスター襲撃においては私を含めた3人でも何故かどうにでもできるみたいなことも言っていたんだよな。
この辺りの言葉の矛盾について彼女からまだ何の説明もされていない。
もしかして探索者、つまりこの世界の外から人間を招くことそれ自体が何か意味があることだったりするのだろうか?
やはりこの辺りの話は後でハルカとアヤメたちと詰めておく必要があるな。
高見さんの言う通り高見さん自身そして女子校生であるあの3人の子たちも工藤さんと戦ったあれ以上の規模のスケルトン軍団と戦うとなればどうしてもへたれな私は危険しかないじゃないかと思ってしまう。
「…近いうちにその知り合いと話をしてみようかと思っています、ですが高見さんもあの子たちの前に出て戦ってもらうということはほとんどないと思いますよ?」
「そうなんですか?」
「はい主に戦うのは私とその知り合いですからね、確か以前聞いた話だとその戦いの際に逃げ出してダンジョンに入り込んでしまったモンスターの対処をお願いすると言っていました」
私の説明に高見さんは「まあその程度だったら危険もあんまりなさそうですね」と言った。
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