マイダンジョン育成中

どらいあい

文字の大きさ
45 / 100

第45話

しおりを挟む
 現れたスケルトンがいつもと違う。
 頭に赤いバンダナを巻いて半袖シャツを着ている、 そして手には 片刃の曲剣。
 何と言うかまさに海賊のコスプレをしたスケルトンって感じだ。

 無論手にする武器は曲剣以外にもボウガンだったり槍だったり斧だったり棍棒だったりと様々である。

 とりあえずアヤメのスキルで砂浜に現れた連中の足止めのすべきかと一瞬そんなことを考えていたら工藤さんがこちらに向かって言ってきた。

「一河さんは船を沈めることだけに集中してください、こちらを私たちで全て対処します!」

「全てをですか!? しかし砂浜にいるスケルトンの数は三十以上いますよ」

「おそらく問題はありません!」

 工藤さんの言葉を聞いて彼女たちの方を見てみる。 あの数のスケルトンを前にしてもやはり一切引く気はないようだ。

 最初に海賊スケルトンシップを見た時はめっちゃビビってたくせに一体どうしたというのだろうか?

「ふふ~~んワタシが事前に発破をかけておいたのが効果を出してきてるのかもねぇ~」

 そんなことを銃となったアヤメが言ってきた。

「……何かしたの?」

「別に何も~ただこれから私たちが戦って連中を掃除するからお子様たちは安全なところに隠れてるか~私たちの後ろで戦うのを見てるだけでもいいんじゃないかしらって言っただけよ~?」

「……それはまた」

「そんで戦いに勝った後は焼肉パーティするから楽しみにしてなさいね~って言っただけ、あっもちろんお腹を少しくらいは空かせておくようにとは釘を刺したわよ?」

「…………」

 アヤメのやつわかってて言ったな。
 元プロの探索者っていう高見さんもそうだが、他の女子高生3人も言葉遣いや態度から元から優等生な感じの子たちのだ。

 そして優等生というのは口には出さないが内心のプライドというものが結構高い。
 そこのところを意識してツンツンしたに違いない。

 結果としてこちらが連中の戦力を削ぐことが可能であることを理解した彼女たちはその刺激されたプライドが再燃。
 一気に戦闘意欲をかき立てられたというわけか。
 いつもはクールな高見さんが声を張る。

「砂浜に上がったスケルトンたちは、全て私たちが殲滅するいくわよ!」

「当然よ、私たちがお荷物か何かじゃないってことを見せてやるわ!」

「僕だってここに遊びできてるわけじゃないんだから!」

「私たちの実力を見せてや……あげるわ」

 そんなやる気というか殺る気のある宣言をする彼女たちだ。
 スケルトンたちに武器を手に意気揚々と襲いかかる。

「『聖光鉄槌《ホーリー ハンマー》』!」

  先制で攻撃スキルを発動したのは高見さんだ。
 スキルが発動すると同時に空中に白い光によって形成された大きなハンマーが現れる、高見さんはそれを意思ひとつで操れるのか宙に浮かんだハンマーが独りでにスケルトンたちに振り下ろされる。

 地面に伝わる衝撃は結構凄い、数体のスケルトンがあの光るハンマーに叩き潰されたのだろう。

「まだまだぁあっ!」

 今度はハンマーを横に向けてぶん回す、ハンマーにぶっ飛ばさるスケルトンたちはホームランボールみたいに跳んでいってるな。
 あの直接手で持って振り回さなくても、ものすごい勢いで暴れ回る感じの攻撃スキルすごいな。

「なら次は僕だよ!」

 あの子は確か矢野アズサって名前の子だったな、確か弓道部と兼任でダンジョン部もしてる子だとかって話だ。
 確かに弓道部の服装っぽい格好をして手に弓を持っている、だが矢はどこにもないぞ。

 彼女が弓を構える、すると手のひらに緑色に光る 細長い光が現れた。あれは魔法の矢を形成するスキルなのか?

「……疾風迅矢《ゲイルアロー》」

 矢野アズサが放った矢は空気を切り裂くような異様な音を発しながらスケルトンたちへ向かって飛んでいく、そして前方のスケルトンにヒットすると同時に 爆風が巻き起こった。

 複数いる周囲のスケルトンを巻き込んで吹き飛ばす、よく見ると巻き込まれたスケルトンはまるで全身をかまいたちか何かで切り刻まれたかのような傷が見て取れる。

 一本の矢で数体の敵にダメージを与えるスキルか、あれもまたいいスキルだ。そして弓道をしている矢野アズサもよく使いこなしていて様になってる。

「かかってこいっ全員近づく前に僕の矢で始末してやる!」

 さらにスキルによって魔法の矢を出してはそれをスケルトンに放つ。
 彼女は部活でダンジョンに来てるだけ何だって話だったけどがいっぱしの探索者よりもは強いんじゃないのか?

 彼女たちの頑張りに触発されたかほか2人の女子高生探索者たちも動き出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

処理中です...