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疑惑のハグ
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夏休みは本当に忙しかった。
雑誌の取材や、ラジオのゲスト。歌番組にバラエティ。
社長と春陽さんが、ここぞとばかりに予定を詰め込んで来る。
良かったー。早めに宿題終わらせといて。
もうすぐ夏休みが終わるな。
新学期が始まって、仕事は少し落ち着いた。
10月の中間テスト最終日。
今日は金曜日なのに仕事はなくて、明日も休み。
ご褒美だな。
久しぶりに、高校の友達とカラオケに行った。
「久しぶりだなー!夏輝とカラオケー」
そう言ったのは、やっくんこと八井勝。俺が高校に入って、初めて出来た友達だ。
つまりは東京で初めて出来た友達。
「マジで!一気に有名になったから、もう俺らとは遊んでくれないかと思ったー」
と言ったのはやっくんの幼馴染で、同じ学校で隣のクラスの、橋本慶太。あだ名はけーた。
2人は俺のことを夏輝って呼ぶ。
「んなわけ!仕事も勉強も忘れて、今日は楽しむぞー!」
「おー!」
俺たちはテストが終わった昼間から22時くらいまで遊んでいた。
2人と別れて寮に戻ると、部屋の扉が少し開いている。
寮とはいえ、那月のやつ、扉くらい閉めろよ…
と思って、ドアノブに手をかけたとき、中から声が聞こえた。
「何で寮に住むとか言い出したんだよ…」
春陽さんの声。
「言っただろ?その方が楽だからって」
「嘘だね。俺より夏を取ったんだろ?だからここで一緒に住むなんて…」
「何言ってんの?いい加減にしろよ…帰って来いって、ストーカーみたいに、そればっかメールして来やがって…」
「だって寂しいよ。俺、お前がいないと…」
「心配しなくても、俺たちはそんなことで壊れる関係じゃないだろ?」
「那月…大好きだ」
「はいはい。俺も春陽が大好きだよ…」
2人はハグしながら、そんな会話を繰り広げていた。
そっと扉を閉めて、俺はコンビニに行く。
お菓子コーナーで、お菓子を物色しながら、今見たことを考えていた。
元々2人は一緒に住んでいて、那月は俺と練習したり、動画撮ったりするのが楽だからと、春陽さんの家を出た。
ところが春陽さんは納得出来ず、ずっと帰って来いと言っている。
春陽さんて、確か俺らより10個くらい上だよな。
那月は年上好きか…
っておい!そうじゃないだろ!
どうしよう…
アイドルとマネージャーの恋なんて、ドラマかよ!
てかそもそも男同士なんだよ。
なんか色々ややこしくしやがって…!
俺はどうしたらいい。
なんであんなもん見ちゃうんだよ!
それもまたドラマかよ!
とりあえず、ポテチを買って帰ろうとする。
待てよ…
あれから盛り上がって、今頃なんかの真っ最中だったらどうしよう…
「おい、マジで!どうしたらいいんだよ!」
「どうしたらって、お客様?お財布忘れたとかですか?」
「え!?あっ。じゃないです。ちょっと飲み物も持ってきます」
俺、声に出してたー!
恥ずかしい…
レジを済ませ店を出た。
あーどうしよう。
帰っても大丈夫かな。
いやなんか真っ最中でもやだし、事が終わっていたとしても、済ませたあとの那月と顔を合わすのは、なんか気まずい気がする。
俺は結局近くのビジネスホテルに、泊まることにした。
翌朝、俺が帰ると、那月がスウェットのズボンだけ履いて、朝ご飯を作っていた。
「ただいま…」
「おかえり。アイドルが朝帰りとはね…」
「なんもやましいことはないよ。お前と違って…」
とさらされた胸板を見て言う。
「ん?何か言った?」
「何もない…」
それで歳上なのに呼び捨てだったんか…
2人はいつからそういう関係なんだろ?
聞いとくべきか、いやプライバシーは守らないと。
でも見ちゃったし。
でも確かに春陽って呼び方もただならぬ感じだったよな。
友達とか単なる知り合いって感じではなさそうな…
「そういえば、クリスマスに新曲出すって。春陽が言ってた」
「は、春陽が?」
思わずつられて俺まで春陽って言っちゃった。
「春陽さんが?練習とかは?」
なんとか言い直して誤魔化す。
那月はこっちを変な目で見ていた。
「明日から始まるって。また1ヶ月しかないんだよな…そういえばお前、冬休みどうすんの?大阪の実家帰るのか?休み欲しいなら今のうちに言っとけってさ」
「…いや帰らないよ。仕事入れていい」
「あー。放任主義とか言ってたか」
「まぁ…放任というか…放置というか…」
俺は自分の話をした。
雑誌の取材や、ラジオのゲスト。歌番組にバラエティ。
社長と春陽さんが、ここぞとばかりに予定を詰め込んで来る。
良かったー。早めに宿題終わらせといて。
もうすぐ夏休みが終わるな。
新学期が始まって、仕事は少し落ち着いた。
10月の中間テスト最終日。
今日は金曜日なのに仕事はなくて、明日も休み。
ご褒美だな。
久しぶりに、高校の友達とカラオケに行った。
「久しぶりだなー!夏輝とカラオケー」
そう言ったのは、やっくんこと八井勝。俺が高校に入って、初めて出来た友達だ。
つまりは東京で初めて出来た友達。
「マジで!一気に有名になったから、もう俺らとは遊んでくれないかと思ったー」
と言ったのはやっくんの幼馴染で、同じ学校で隣のクラスの、橋本慶太。あだ名はけーた。
2人は俺のことを夏輝って呼ぶ。
「んなわけ!仕事も勉強も忘れて、今日は楽しむぞー!」
「おー!」
俺たちはテストが終わった昼間から22時くらいまで遊んでいた。
2人と別れて寮に戻ると、部屋の扉が少し開いている。
寮とはいえ、那月のやつ、扉くらい閉めろよ…
と思って、ドアノブに手をかけたとき、中から声が聞こえた。
「何で寮に住むとか言い出したんだよ…」
春陽さんの声。
「言っただろ?その方が楽だからって」
「嘘だね。俺より夏を取ったんだろ?だからここで一緒に住むなんて…」
「何言ってんの?いい加減にしろよ…帰って来いって、ストーカーみたいに、そればっかメールして来やがって…」
「だって寂しいよ。俺、お前がいないと…」
「心配しなくても、俺たちはそんなことで壊れる関係じゃないだろ?」
「那月…大好きだ」
「はいはい。俺も春陽が大好きだよ…」
2人はハグしながら、そんな会話を繰り広げていた。
そっと扉を閉めて、俺はコンビニに行く。
お菓子コーナーで、お菓子を物色しながら、今見たことを考えていた。
元々2人は一緒に住んでいて、那月は俺と練習したり、動画撮ったりするのが楽だからと、春陽さんの家を出た。
ところが春陽さんは納得出来ず、ずっと帰って来いと言っている。
春陽さんて、確か俺らより10個くらい上だよな。
那月は年上好きか…
っておい!そうじゃないだろ!
どうしよう…
アイドルとマネージャーの恋なんて、ドラマかよ!
てかそもそも男同士なんだよ。
なんか色々ややこしくしやがって…!
俺はどうしたらいい。
なんであんなもん見ちゃうんだよ!
それもまたドラマかよ!
とりあえず、ポテチを買って帰ろうとする。
待てよ…
あれから盛り上がって、今頃なんかの真っ最中だったらどうしよう…
「おい、マジで!どうしたらいいんだよ!」
「どうしたらって、お客様?お財布忘れたとかですか?」
「え!?あっ。じゃないです。ちょっと飲み物も持ってきます」
俺、声に出してたー!
恥ずかしい…
レジを済ませ店を出た。
あーどうしよう。
帰っても大丈夫かな。
いやなんか真っ最中でもやだし、事が終わっていたとしても、済ませたあとの那月と顔を合わすのは、なんか気まずい気がする。
俺は結局近くのビジネスホテルに、泊まることにした。
翌朝、俺が帰ると、那月がスウェットのズボンだけ履いて、朝ご飯を作っていた。
「ただいま…」
「おかえり。アイドルが朝帰りとはね…」
「なんもやましいことはないよ。お前と違って…」
とさらされた胸板を見て言う。
「ん?何か言った?」
「何もない…」
それで歳上なのに呼び捨てだったんか…
2人はいつからそういう関係なんだろ?
聞いとくべきか、いやプライバシーは守らないと。
でも見ちゃったし。
でも確かに春陽って呼び方もただならぬ感じだったよな。
友達とか単なる知り合いって感じではなさそうな…
「そういえば、クリスマスに新曲出すって。春陽が言ってた」
「は、春陽が?」
思わずつられて俺まで春陽って言っちゃった。
「春陽さんが?練習とかは?」
なんとか言い直して誤魔化す。
那月はこっちを変な目で見ていた。
「明日から始まるって。また1ヶ月しかないんだよな…そういえばお前、冬休みどうすんの?大阪の実家帰るのか?休み欲しいなら今のうちに言っとけってさ」
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