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次の日の朝。
「あー!よく寝た!」
「それは良かった。朝ご飯だって」
「わーい!鮭だー!和食だー!」
「ゆっくり食べないと喉詰めるぞ」
「うん」
食事の後2人で温泉に入った。
「いいとこだったね」
「最初めちゃめちゃビビってたくせに?」
「怖いよ…クマより怖いよ」
「何でクマが出てくる?俺はクマの方が怖いよ…」
「そ?」
「のぼせそうだから、先に戻るわ」
「うん。俺ももうちょいしたら出る」
チェックアウトする時、
「これ、さっき5歳くらいの小さい子が落として行ったんで、返しといてもらえますか?」
と旅館の人に、那月が小さいぬいぐるみを渡した。
「え?…あ、はい…」
「じゃあ、お世話になりましたー」
と出て行こうとした。
旅館の女将さんは、那月を呼び止めて、何かを話している。
「あ、そうですか…わかりました。わざわざご丁寧に、ありがとうございます…」
「…どうしたの?」
「今日泊まってるお客さんの中に、そんな小さな子供さんはいないって…」
「それって…子供の霊?」
「…かもな。水子の霊か座敷童子的な妖怪か。まぁ悪い感じはしなかったから大丈夫じゃないかな」
そう言って旅館を後にした。
その後すぐ、那月にドラマの話が来た。
あの旅館は、大繁盛したとかしないとか…
家に帰って来た俺たちは、そのままダンスのレッスンに行った。
春陽さんがマンションまで送ってくれて、明日のスケジュールを確認して、家に帰る。
「はー!疲れた!」
俺はリビングのソファに倒れ込む。
「まさか仕掛け人で、崇さんまで巻き込まれるとはな…」
「そーだよ。一昨日、一緒にご飯食べたのにぃ!何も教えてくれなかった!」
「そりゃ言ったらドッキリにならないから…」
「そーだけど、俺死ぬほどびっくりしたのに」
「まぁでも2年。よくやってこれたな」
「本当に!俺、最初那月のこと絶対好きになれないって思った」
「感じ悪かった?」
「だいぶ!アイドルになるってゆうのに、こんな感じ悪くていいんかなって思うくらい」
「確かに…戸惑ってたんだ。今まで自分のために頑張ってきた。サッカーの練習も、怪我してリハビリの為に始めたダンスも。あと歌も。でも春陽に、誰かの為に歌ったり踊ったりしてみないかって、言われてこの仕事始めたんだ」
「へー」
「お前が頑張る姿を見て、誰かが勇気づけられるかも、楽しいって思うかも、癒されたって感じるかもって」
「そっかー」
「でも怖かった。人前に出ると、いいことばかり聞こえてくるわけじゃないだろ?それこそ批判する人もいる。そう言うと、春陽がまた言った。俺がサポートするし、お前を1人にはしないって。最後までお前の味方でいてくれる奴を連れてくるからって。入った時から春陽はお前に目を付けてたんだよ。だからデビューさせないでって沙織さんに言ってたみたい。俺がもうちょっとやる気になるまで、待ってやってって。同じ名前、まあ字は違うけど、歳も同じで、性格も全然違うけど、きっとお互い運命の相手みたいにいい反応が起こるからって」
「……」
「ごめんな。怒ったか?俺のせいでデビューが遅くなったこと」
「怒ってないよ。むしろ良かったと思ってる。那月のアドバイスのおかげで、俺のダンスは良くなった。体もだいぶ柔らかくなったし、疲れにくくもなった。それに歌にも良い効果が出てるって春陽さんにも沙織さんにも言われたんだよ。デビューした時には、歌わされてたみたいな感じの歌が、今は自分のものになって来てるって」
「それって…恋をしたってことか?」
「というのとは違う気がするけど、バレエや社交ダンスって、やっぱしなやかさみたいなのがあったり、相手への信頼とか思いやり?みたいなのって大事なのかなって。そういうのが、直接的にダンスだけじゃなくて、歌にも良い風に影響してるのかもって話してた。これで恋でもすりゃ、もっと良くなるとか言ってたけどな」
「そっか。謝りたかったんだ。俺のせいでって、ずっと思ってた…さっき誰かのためにっていう話したけど、俺は2年前からずっと、ファンの人や、俺たちを支えてくれる人のために頑張るって決めたけど、何よりも1番はお前のために、この世界で生きるって決めたから、もう少し俺を側にいさせて欲しい」
「当たり前だ。俺の相方はお前しかいないよ」
「あと、言いそびれたけど、誕生日おめでとう」
「ありがとう!」
「なんか欲しいものある?買いに行こうと思ったけど、ちゃんと聞いた方がいいかなって思って」
「欲しいもの……ものはないけど、俺からもお願いがある!」
「何?」
「これからなるべく夏輝って呼んで!」
「は?」
「那月は俺のこと呼ぶ時、お前とか、こいつとか、あいつとかそんな感じばっか。雑誌やテレビ出る時は、わかりやすくするために、夏とかなっちゃんで呼び分けることあるけど、それ以外は全部お前だもんな!」
「自分と同じ名前だから嫌だったんだよ…」
「何でよ?良い名前じゃん!」
「だって兄貴は春陽で太陽だろ?俺は月だから…なんかさ」
「なるほどー?出来る兄へのコンプレックスだ?」
「まぁそんなとこ」
「アホだなー。那月なんて超良い名前じゃん!太陽なんて直視出来ないからな。夏場なんて、いつも通り昇っただけで嫌がられるぞ。那月ってキレイな月って意味だろ?月を見て、綺麗だなって思う人はたくさんいるよ。そういえば思ったけど、俺たち3人本当の兄弟みたいだな」
「何が?」
「だって陽と月で天体繋がりだろ?春と俺の夏で季節繋がりじゃん!」
「俺とお前は?」
「那と輝でキラキラ~みたいな?」
「なんか最後、弱くない?ってかアホっぽくないか?」
「まあ、あんまり深く追求したらダメなとこよ。そこは。とりあえず!これから俺のこと、夏輝ってちゃんと呼ぶこと!最低でも夏ね!」
「わかった…夏…」
「よく出来ました!」
なんかちょっと嬉しかった、19歳の誕生日。
「あー!よく寝た!」
「それは良かった。朝ご飯だって」
「わーい!鮭だー!和食だー!」
「ゆっくり食べないと喉詰めるぞ」
「うん」
食事の後2人で温泉に入った。
「いいとこだったね」
「最初めちゃめちゃビビってたくせに?」
「怖いよ…クマより怖いよ」
「何でクマが出てくる?俺はクマの方が怖いよ…」
「そ?」
「のぼせそうだから、先に戻るわ」
「うん。俺ももうちょいしたら出る」
チェックアウトする時、
「これ、さっき5歳くらいの小さい子が落として行ったんで、返しといてもらえますか?」
と旅館の人に、那月が小さいぬいぐるみを渡した。
「え?…あ、はい…」
「じゃあ、お世話になりましたー」
と出て行こうとした。
旅館の女将さんは、那月を呼び止めて、何かを話している。
「あ、そうですか…わかりました。わざわざご丁寧に、ありがとうございます…」
「…どうしたの?」
「今日泊まってるお客さんの中に、そんな小さな子供さんはいないって…」
「それって…子供の霊?」
「…かもな。水子の霊か座敷童子的な妖怪か。まぁ悪い感じはしなかったから大丈夫じゃないかな」
そう言って旅館を後にした。
その後すぐ、那月にドラマの話が来た。
あの旅館は、大繁盛したとかしないとか…
家に帰って来た俺たちは、そのままダンスのレッスンに行った。
春陽さんがマンションまで送ってくれて、明日のスケジュールを確認して、家に帰る。
「はー!疲れた!」
俺はリビングのソファに倒れ込む。
「まさか仕掛け人で、崇さんまで巻き込まれるとはな…」
「そーだよ。一昨日、一緒にご飯食べたのにぃ!何も教えてくれなかった!」
「そりゃ言ったらドッキリにならないから…」
「そーだけど、俺死ぬほどびっくりしたのに」
「まぁでも2年。よくやってこれたな」
「本当に!俺、最初那月のこと絶対好きになれないって思った」
「感じ悪かった?」
「だいぶ!アイドルになるってゆうのに、こんな感じ悪くていいんかなって思うくらい」
「確かに…戸惑ってたんだ。今まで自分のために頑張ってきた。サッカーの練習も、怪我してリハビリの為に始めたダンスも。あと歌も。でも春陽に、誰かの為に歌ったり踊ったりしてみないかって、言われてこの仕事始めたんだ」
「へー」
「お前が頑張る姿を見て、誰かが勇気づけられるかも、楽しいって思うかも、癒されたって感じるかもって」
「そっかー」
「でも怖かった。人前に出ると、いいことばかり聞こえてくるわけじゃないだろ?それこそ批判する人もいる。そう言うと、春陽がまた言った。俺がサポートするし、お前を1人にはしないって。最後までお前の味方でいてくれる奴を連れてくるからって。入った時から春陽はお前に目を付けてたんだよ。だからデビューさせないでって沙織さんに言ってたみたい。俺がもうちょっとやる気になるまで、待ってやってって。同じ名前、まあ字は違うけど、歳も同じで、性格も全然違うけど、きっとお互い運命の相手みたいにいい反応が起こるからって」
「……」
「ごめんな。怒ったか?俺のせいでデビューが遅くなったこと」
「怒ってないよ。むしろ良かったと思ってる。那月のアドバイスのおかげで、俺のダンスは良くなった。体もだいぶ柔らかくなったし、疲れにくくもなった。それに歌にも良い効果が出てるって春陽さんにも沙織さんにも言われたんだよ。デビューした時には、歌わされてたみたいな感じの歌が、今は自分のものになって来てるって」
「それって…恋をしたってことか?」
「というのとは違う気がするけど、バレエや社交ダンスって、やっぱしなやかさみたいなのがあったり、相手への信頼とか思いやり?みたいなのって大事なのかなって。そういうのが、直接的にダンスだけじゃなくて、歌にも良い風に影響してるのかもって話してた。これで恋でもすりゃ、もっと良くなるとか言ってたけどな」
「そっか。謝りたかったんだ。俺のせいでって、ずっと思ってた…さっき誰かのためにっていう話したけど、俺は2年前からずっと、ファンの人や、俺たちを支えてくれる人のために頑張るって決めたけど、何よりも1番はお前のために、この世界で生きるって決めたから、もう少し俺を側にいさせて欲しい」
「当たり前だ。俺の相方はお前しかいないよ」
「あと、言いそびれたけど、誕生日おめでとう」
「ありがとう!」
「なんか欲しいものある?買いに行こうと思ったけど、ちゃんと聞いた方がいいかなって思って」
「欲しいもの……ものはないけど、俺からもお願いがある!」
「何?」
「これからなるべく夏輝って呼んで!」
「は?」
「那月は俺のこと呼ぶ時、お前とか、こいつとか、あいつとかそんな感じばっか。雑誌やテレビ出る時は、わかりやすくするために、夏とかなっちゃんで呼び分けることあるけど、それ以外は全部お前だもんな!」
「自分と同じ名前だから嫌だったんだよ…」
「何でよ?良い名前じゃん!」
「だって兄貴は春陽で太陽だろ?俺は月だから…なんかさ」
「なるほどー?出来る兄へのコンプレックスだ?」
「まぁそんなとこ」
「アホだなー。那月なんて超良い名前じゃん!太陽なんて直視出来ないからな。夏場なんて、いつも通り昇っただけで嫌がられるぞ。那月ってキレイな月って意味だろ?月を見て、綺麗だなって思う人はたくさんいるよ。そういえば思ったけど、俺たち3人本当の兄弟みたいだな」
「何が?」
「だって陽と月で天体繋がりだろ?春と俺の夏で季節繋がりじゃん!」
「俺とお前は?」
「那と輝でキラキラ~みたいな?」
「なんか最後、弱くない?ってかアホっぽくないか?」
「まあ、あんまり深く追求したらダメなとこよ。そこは。とりあえず!これから俺のこと、夏輝ってちゃんと呼ぶこと!最低でも夏ね!」
「わかった…夏…」
「よく出来ました!」
なんかちょっと嬉しかった、19歳の誕生日。
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