命の雫

SHIZU

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話すべきこと

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「特別な血?」

「ああ。口の中を怪我したお前とキスをしただろう? あの時俺は自分が自分じゃないみたいな感覚になった」

「うん」

「だからユキに相談した。今までそんなことになったことはないかと。ユキは自分がそうなったことは無いが、噂で聞いたことがあると言っていた」

「噂?」

「ヴァンパイアを不死身にする血を持つ人間がいるらしい。そのことについて、俺の父が何か調べていたような気がすると教えてくれた」

「だから屋敷に籠って探し物を?」

「あぁ」

「見つかったの?」

「メモが少しな」

俺は引き出しに戻しておいたメモをソウに見せた。

「……この命の雫っていう血を持つのが俺なの?」

「あぁ、多分間違いない」

「だからこの間、自分が自分じゃなくなる気がしたって?」

「そうだ。お前の血が体内に入って我を失った。俺はそう思ってる」

「じゃあアリスは不死身になったの?」

「あれくらいじゃならない。牙を立てて血液を吸わないと。舐めた血液の量が少なかったからか、あの時はお前を傷付けずに済んだけど、次はどうなるか分からない」

「守るっていうのは?」

怖がらせたくなくて、最後のメモは見せなかった。

だがあえて見せることで、自己防衛になるかもしれない。

「これだよ」

おれが渡したメモをソウは険しい顔で読んでいる。

「……このって?」

「それは俺にも分からない。彼のことも、誰が彼を手にかけたのかも。昼間は俺は一緒には居られない。ここに来てくれるなら守れるが、店があるだろ?」

「うん」

「もしお前の血のことが他のヴァンパイアにバレたら、きっと狙われる。だから注意して欲しい。そのためにこのメモを見せた」

「わかった。でも1つお願いがある」

「なんだ?」

「もし他のヴァンパイアに俺の血のことがバレたら、その時はそいつに吸われる前に、アリスに俺の血を吸って欲しい」

「それは……どういうことかわかってるのか?」

「俺もヴァンパイアになる。最悪死んで灰になるってことでしょ?」

「そうだ」

「でもヴァンパイアになればずっと一緒に居られるし、死ぬにしても他の人に吸われるくらいなら、アリスに永遠の命を与える方がいいよ」

「わかった。でもなるべく気付かれないようにしてくれよ?」

「うん」

そう言うとソウは俺にキスをした。

「おい!」

「だって牙を立てなければいいなら、キスだって出来るよ?」

「なんだってって……」

「俺はアリスが人間でもヴァンパイアでも、アリスが好きだよ!」

「ソウ……」

「アリスは俺の事嫌い?」

「嫌いじゃないよ。嫌いなら守りたいなんて思わない」

「そっか。良かった!」

ソウだけは絶対に俺が守らなければ……




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