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密会
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屋台の手伝いの前に、久しぶりにコミュニティに顔を出した。
「レイクはいるか?」
俺が声をかけたのは、レイクと一緒にコミュニティを運営している、ジールという男だ。
「おー! 久しぶりじゃないか!」
彼は俺にハグをしながらそう言った。
「そうだな。この間来た時は姿が見えなかったから」
「あぁ。レイクから聞いてたよ。ちょうど仕事でな」
ジールは病院で働いている。
今日もこれから夜勤だそうだ。
「今日はなぜ? レイクはちょっと出かけている。ユキに会うとか言ってたかな」
「ユキに?」
「確かそう言っていた気がする」
「そうか。ならまた日を改めるよ」
「お前は最近どうなんだ? ちゃんとやれているのか?」
「父親みたいなこと言うんだな」
「似たようなもんだろ」
「そうか。そうだな」
ジールは、父さんが生きている時はよく家に来た。
彼も人間を気にかけていた。
「まだ生きた人間の血を吸っているのか?」
「あぁ」
「うちに買いに来たらいいじゃないか。不味い血ばかり吸っていると体に悪いぞ。ランクによって値段は変わるが、仕事しているなら1番良いものだって買えるだろ? もっと健康に気を遣えよ」
「俺相手に営業か? 間に合ってるよ。どんな人間でも血液は血液だからな。それにヴァンパイアに健康も何もないだろう? 世直しだと思って、不味い血を吸い続けるさ」
と俺は鼻で笑った。
~~~~~~~~~~
屋台の準備をしながら考えていた。
レイクはユキと会っているのか。
あいつは俺に何も言わなかった。
ユキがたまにここに来るとレイクは前に言っていたが。
もしかして2人で何か企んでいるとか……
まさかな。あの2人がそんな……
「……」
でももし2人が結託しているとすれば、彼を殺したのも2人なのか?
「……ぇ」
ユキはまだ子供だった。
とすれば黒幕は……
「ねぇ!」
「なんだ?」
「何だじゃないよ! さっきからずっと呼んでるのに」
「すまない。で、なんだ?」
「もう……あのね! 聞いて! 広場で俺の歌を聴いた人がね! 自分の劇場で歌ってみないか?って声をかけてくれたんだ!」
「へー。すごいじゃないか」
「うん。なんか色んな人に声をかけてるから、全員が出られるわけじゃないみたいなんだけど、近々オーディションというか選考みたいなのがあるらしくて、是非来て欲しいって」
「へぇ。おめでとう」
「おめでとうって、まだ出られるって決まったわけじゃないよ! だからね。アリスのとこでもっと練習してもいい?」
「いいよ」
「やった!」
ソウの夢が叶うなら、俺はどんなことでもする。
はしゃぐソウが愛おしかった。
「レイクはいるか?」
俺が声をかけたのは、レイクと一緒にコミュニティを運営している、ジールという男だ。
「おー! 久しぶりじゃないか!」
彼は俺にハグをしながらそう言った。
「そうだな。この間来た時は姿が見えなかったから」
「あぁ。レイクから聞いてたよ。ちょうど仕事でな」
ジールは病院で働いている。
今日もこれから夜勤だそうだ。
「今日はなぜ? レイクはちょっと出かけている。ユキに会うとか言ってたかな」
「ユキに?」
「確かそう言っていた気がする」
「そうか。ならまた日を改めるよ」
「お前は最近どうなんだ? ちゃんとやれているのか?」
「父親みたいなこと言うんだな」
「似たようなもんだろ」
「そうか。そうだな」
ジールは、父さんが生きている時はよく家に来た。
彼も人間を気にかけていた。
「まだ生きた人間の血を吸っているのか?」
「あぁ」
「うちに買いに来たらいいじゃないか。不味い血ばかり吸っていると体に悪いぞ。ランクによって値段は変わるが、仕事しているなら1番良いものだって買えるだろ? もっと健康に気を遣えよ」
「俺相手に営業か? 間に合ってるよ。どんな人間でも血液は血液だからな。それにヴァンパイアに健康も何もないだろう? 世直しだと思って、不味い血を吸い続けるさ」
と俺は鼻で笑った。
~~~~~~~~~~
屋台の準備をしながら考えていた。
レイクはユキと会っているのか。
あいつは俺に何も言わなかった。
ユキがたまにここに来るとレイクは前に言っていたが。
もしかして2人で何か企んでいるとか……
まさかな。あの2人がそんな……
「……」
でももし2人が結託しているとすれば、彼を殺したのも2人なのか?
「……ぇ」
ユキはまだ子供だった。
とすれば黒幕は……
「ねぇ!」
「なんだ?」
「何だじゃないよ! さっきからずっと呼んでるのに」
「すまない。で、なんだ?」
「もう……あのね! 聞いて! 広場で俺の歌を聴いた人がね! 自分の劇場で歌ってみないか?って声をかけてくれたんだ!」
「へー。すごいじゃないか」
「うん。なんか色んな人に声をかけてるから、全員が出られるわけじゃないみたいなんだけど、近々オーディションというか選考みたいなのがあるらしくて、是非来て欲しいって」
「へぇ。おめでとう」
「おめでとうって、まだ出られるって決まったわけじゃないよ! だからね。アリスのとこでもっと練習してもいい?」
「いいよ」
「やった!」
ソウの夢が叶うなら、俺はどんなことでもする。
はしゃぐソウが愛おしかった。
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