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僕が殺した
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俺は次の日の夜、ある人を家に呼んだ。
庭で薔薇を見ているとそいつがやってきた。
「どうしたの? わざわざ呼び出すなんて。とりあえず中に……」
「話したいことがある。昨日、あいつと一緒に居たよな?」
「え?」
「ソウと何話してた?」
「人違いだよ。僕は劇場には行ってないもん」
「じゃあ何故、昨日ソウが劇場に居たと知っている?俺はソウと一緒に居たよな? としか聞かなかったのに」
「……アリスも居たの? あそこに」
「たまたまだがな。ユキ。あそこで何をしていた?」
「何も。ただの世間話だよ。僕も偶然あそこにいただけ。中でゆっくり話そ?」
「嘘をつくな。お前、レイクと何を企んでいる?」
「どうして……?」
「何で知ってるのかって顔か? この間ジールから聞いたよ。よく会ってるのか? 命の雫のことで何か企んでいるんだろう?」
「命の雫? どこでその名前を? もしかしてあのメモを見つけたの?」
「あの古いメモか……そのことも知っていたんだな? 知っていたのに知らないふりをして、俺の家を片付けいたのか?」
「あのメモは俺が隠したんだ。あいつに見つからないように。もし見つかっても本当のことが知られないように。この間は、メモの場所をアリスにそれとなく知らせられたらいいと思って」
「それはどういう意味だ?」
「とりあえず中で話そ? 全部説明するから……」
その時、何かが飛んできた。
「危ない!…………うっ……」
俺を弾き飛ばしたユキの腕に銀の矢が刺さっている。
「……どういうことだ! とりあえず中に!」
ずっと中で話そうと言っていたのは、命を狙われていたからか。
俺はユキを引きずりながら屋敷の中へ運んだ。
「ユキ! 大丈夫か!?」
ユキの腕に刺さった矢を抜いた。
徐々にそこから灰になっていく。
「ちょっと待ってろ。なんか方法を……あ! ソウに来てもらう! ソウの血を舐めれば傷が……」
「多分間に合わないよ。半分が灰になったら死んじゃうから」
「でもそれじゃ……」
「だけどもう少し時間があるから、僕の話を聞いてくれる?」
「どうした?」
「本当はね。僕がね……僕がアリスや僕の家族を殺したんだ」
「は? どういうことだ?」
「わざとじゃなかったんだ。子供の頃、誤って銀のナイフで指を切ってしまった。その時、僕の傷口を手当てしてくれた人間がいたんだ。それがあのメモにでてきた彼だよ」
「じゃあ彼もお前が?」
「まさか! 僕の傷を治した所を、アリスのお父さんが見ていたんだよ。そして彼の血の力を知れば、よからぬことを企むヴァンパイアがいるかもしれない。そんな奴らから彼を守ろうとした。そのせいでみんな死んだんだ」
「そんなの……」
「だからみんな僕が殺したようなもんだよ」
庭で薔薇を見ているとそいつがやってきた。
「どうしたの? わざわざ呼び出すなんて。とりあえず中に……」
「話したいことがある。昨日、あいつと一緒に居たよな?」
「え?」
「ソウと何話してた?」
「人違いだよ。僕は劇場には行ってないもん」
「じゃあ何故、昨日ソウが劇場に居たと知っている?俺はソウと一緒に居たよな? としか聞かなかったのに」
「……アリスも居たの? あそこに」
「たまたまだがな。ユキ。あそこで何をしていた?」
「何も。ただの世間話だよ。僕も偶然あそこにいただけ。中でゆっくり話そ?」
「嘘をつくな。お前、レイクと何を企んでいる?」
「どうして……?」
「何で知ってるのかって顔か? この間ジールから聞いたよ。よく会ってるのか? 命の雫のことで何か企んでいるんだろう?」
「命の雫? どこでその名前を? もしかしてあのメモを見つけたの?」
「あの古いメモか……そのことも知っていたんだな? 知っていたのに知らないふりをして、俺の家を片付けいたのか?」
「あのメモは俺が隠したんだ。あいつに見つからないように。もし見つかっても本当のことが知られないように。この間は、メモの場所をアリスにそれとなく知らせられたらいいと思って」
「それはどういう意味だ?」
「とりあえず中で話そ? 全部説明するから……」
その時、何かが飛んできた。
「危ない!…………うっ……」
俺を弾き飛ばしたユキの腕に銀の矢が刺さっている。
「……どういうことだ! とりあえず中に!」
ずっと中で話そうと言っていたのは、命を狙われていたからか。
俺はユキを引きずりながら屋敷の中へ運んだ。
「ユキ! 大丈夫か!?」
ユキの腕に刺さった矢を抜いた。
徐々にそこから灰になっていく。
「ちょっと待ってろ。なんか方法を……あ! ソウに来てもらう! ソウの血を舐めれば傷が……」
「多分間に合わないよ。半分が灰になったら死んじゃうから」
「でもそれじゃ……」
「だけどもう少し時間があるから、僕の話を聞いてくれる?」
「どうした?」
「本当はね。僕がね……僕がアリスや僕の家族を殺したんだ」
「は? どういうことだ?」
「わざとじゃなかったんだ。子供の頃、誤って銀のナイフで指を切ってしまった。その時、僕の傷口を手当てしてくれた人間がいたんだ。それがあのメモにでてきた彼だよ」
「じゃあ彼もお前が?」
「まさか! 僕の傷を治した所を、アリスのお父さんが見ていたんだよ。そして彼の血の力を知れば、よからぬことを企むヴァンパイアがいるかもしれない。そんな奴らから彼を守ろうとした。そのせいでみんな死んだんだ」
「そんなの……」
「だからみんな僕が殺したようなもんだよ」
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