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7章
コロの新たなる力
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薄暗い部屋の中に爆音が響き渡る。
レディの振るウォーアクスが空振り、部屋の床や壁を破壊しているのだ。
だが、他の部屋と同じくこの場所の壁や床も破壊されはするもののすぐに再生する。
その為、レディも気兼ねなく斧を振るうことが出来た。
「素早いお爺ちゃんねぇん」
「ふぉっふぉっふぉ、まだまだ若いもんには負けんわい」
「レディさん頑張って!!」
嵐のような猛攻撃を老人のような見た目からは想像できないほど軽やかな動きで躱すボルトル。
強靭な肉体と体力を持つレディもこれだけ空振りが続くと、さすがに疲れが出てきているのか、嵐のような猛攻を止め、一度距離をとる。
「ふぉっふぉっふぉ、ワシはまだまだ動けるぞい?」
「あらぁん、私もまだまだ余裕よん?」
「ふぉっふぉっふぉ、強がりを言う出ない……しかし、良いのかの?ワシの攻撃をする暇を与えてしまっても」
「お爺ちゃんの攻撃くらい、避けれるわよぉん」
「確かにお前さんはそうじゃろうな?じゃが、お主がワシに攻撃できるのは後ろの童のお陰じゃ……ならばワシはこうすればよいじゃろう?」
ボルトルが指を鳴らした瞬間、コロの周りに複数の風の刃が現れる。
「うわあああああ!!」
「コロちゃん!?」
突然現れた風の刃にコロは反応できず、風の刃はコロの体を切り刻んだ。
「だ、大丈夫です……レディさんは攻撃に集中を……」
切り刻まれ、体中から血を流すコロ、その血の色は緑であった。
「おや、その血の色……そうか、お主も魔物じゃな?」
「ええ、クリケットバグズの異常種です……」
「クリケットバグズ……ふぉっふぉっふぉ、あの悍ましい見た目の奴らか……それは人間の姿にでも化けたくなるのう……大方その姿でなかったらあの闇の魔女も共にはいてくれんのだろう?哀れよのう」
「勝手な事を言わないでください……カモメさんは魔物の姿の僕と二人っきりでいても嫌な顔一つしませんでした……あなたのように見下したような態度も……だからこそ、僕はカモメさんの力になりたいと思ったんです……だから……」
傷つきながらも立ち上がるコロ。
それを見て再び攻撃に転ずるレディ。
だが、やはりボルトルにはレディの攻撃が当たらない。
レディが疲れるのを待ち、隙が出来ればコロに攻撃をする、そうさせないためにレディは焦り、さらに体力を減らす……上手く隙を突かれてしまっている二人であったが、それでもレディは攻撃を止めなかった。
「魔物程度の頭では、他に方法が思いつかんのじゃろうが……愚かよのう」
「はあっ……はあっ!」
「それ、距離が開いたぞい」
息を切らし、ウォーアクスを振るう力も弱まり、疲れが見えて来たレディからボルトルは距離をとりコロの方を向く。
「む?」
「今よコロちゃぁん!」
視線を移した先のコロが魔力を尋常ではない魔力を溜めていた。
「攻撃魔法を使えるのかの?……じゃが、大した魔法では……」
「光神裁!!!」
コロの放った魔法は法王メリアンナが以前使った、光の魔法の最上位の魔法であった。
ボルトルの足元に光の六芒星が輝き、そして光の柱となってボルトルを包み込む。
「なんじゃと!?ぐおおおおおおおおお!!!」
そして、ボルトルは光の柱に飲み込まれた。
「やったわねぇん、コロちゃん。練習の成果があったじゃないん?」
「はあっ……はあっ……はいっ……少しでも皆さんの役に立ちたくて……覚えた甲斐がありましたっ」
「凄かったわぁん♪」
「レディさんが、わざと単調な攻撃をして相手を油断させてくれたおかげです」
「うふん、女優になれちゃうかしらねぇん♪」
「あはは、レディさんならきっとなれますよ」
光の魔法の最上位の魔法で、とてつもない威力を放つ光神裁、以前メリアンナが使った時は相手の魔族を一撃で消し去った。
………だが。
「驚いたわい……童がこれほどの魔法を使うとはのう」
「うわあああああああ!!!」
「コロちゃん!?」
コロに炎の魔法が炸裂する。
コロはその爆発に弾かれ、床を転げ、部屋の端の壁に叩きつけられた。
「ふぉっふぉっふぉ、頼みの綱の光の魔法つかいがダウンじゃのう……これで、お主の強化も解けてしまったぞい?」
「あれを喰らって生きているなんてとんでもないお爺ちゃんねぇん?」
「なぁに、魔法を使って防いだんじゃよ……まともに喰らったらあの世に逝っておったわい」
不敵に笑う、ボルトルにレディは再びウォーアクスを構えるのだった。
レディの振るウォーアクスが空振り、部屋の床や壁を破壊しているのだ。
だが、他の部屋と同じくこの場所の壁や床も破壊されはするもののすぐに再生する。
その為、レディも気兼ねなく斧を振るうことが出来た。
「素早いお爺ちゃんねぇん」
「ふぉっふぉっふぉ、まだまだ若いもんには負けんわい」
「レディさん頑張って!!」
嵐のような猛攻撃を老人のような見た目からは想像できないほど軽やかな動きで躱すボルトル。
強靭な肉体と体力を持つレディもこれだけ空振りが続くと、さすがに疲れが出てきているのか、嵐のような猛攻を止め、一度距離をとる。
「ふぉっふぉっふぉ、ワシはまだまだ動けるぞい?」
「あらぁん、私もまだまだ余裕よん?」
「ふぉっふぉっふぉ、強がりを言う出ない……しかし、良いのかの?ワシの攻撃をする暇を与えてしまっても」
「お爺ちゃんの攻撃くらい、避けれるわよぉん」
「確かにお前さんはそうじゃろうな?じゃが、お主がワシに攻撃できるのは後ろの童のお陰じゃ……ならばワシはこうすればよいじゃろう?」
ボルトルが指を鳴らした瞬間、コロの周りに複数の風の刃が現れる。
「うわあああああ!!」
「コロちゃん!?」
突然現れた風の刃にコロは反応できず、風の刃はコロの体を切り刻んだ。
「だ、大丈夫です……レディさんは攻撃に集中を……」
切り刻まれ、体中から血を流すコロ、その血の色は緑であった。
「おや、その血の色……そうか、お主も魔物じゃな?」
「ええ、クリケットバグズの異常種です……」
「クリケットバグズ……ふぉっふぉっふぉ、あの悍ましい見た目の奴らか……それは人間の姿にでも化けたくなるのう……大方その姿でなかったらあの闇の魔女も共にはいてくれんのだろう?哀れよのう」
「勝手な事を言わないでください……カモメさんは魔物の姿の僕と二人っきりでいても嫌な顔一つしませんでした……あなたのように見下したような態度も……だからこそ、僕はカモメさんの力になりたいと思ったんです……だから……」
傷つきながらも立ち上がるコロ。
それを見て再び攻撃に転ずるレディ。
だが、やはりボルトルにはレディの攻撃が当たらない。
レディが疲れるのを待ち、隙が出来ればコロに攻撃をする、そうさせないためにレディは焦り、さらに体力を減らす……上手く隙を突かれてしまっている二人であったが、それでもレディは攻撃を止めなかった。
「魔物程度の頭では、他に方法が思いつかんのじゃろうが……愚かよのう」
「はあっ……はあっ!」
「それ、距離が開いたぞい」
息を切らし、ウォーアクスを振るう力も弱まり、疲れが見えて来たレディからボルトルは距離をとりコロの方を向く。
「む?」
「今よコロちゃぁん!」
視線を移した先のコロが魔力を尋常ではない魔力を溜めていた。
「攻撃魔法を使えるのかの?……じゃが、大した魔法では……」
「光神裁!!!」
コロの放った魔法は法王メリアンナが以前使った、光の魔法の最上位の魔法であった。
ボルトルの足元に光の六芒星が輝き、そして光の柱となってボルトルを包み込む。
「なんじゃと!?ぐおおおおおおおおお!!!」
そして、ボルトルは光の柱に飲み込まれた。
「やったわねぇん、コロちゃん。練習の成果があったじゃないん?」
「はあっ……はあっ……はいっ……少しでも皆さんの役に立ちたくて……覚えた甲斐がありましたっ」
「凄かったわぁん♪」
「レディさんが、わざと単調な攻撃をして相手を油断させてくれたおかげです」
「うふん、女優になれちゃうかしらねぇん♪」
「あはは、レディさんならきっとなれますよ」
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………だが。
「驚いたわい……童がこれほどの魔法を使うとはのう」
「うわあああああああ!!!」
「コロちゃん!?」
コロに炎の魔法が炸裂する。
コロはその爆発に弾かれ、床を転げ、部屋の端の壁に叩きつけられた。
「ふぉっふぉっふぉ、頼みの綱の光の魔法つかいがダウンじゃのう……これで、お主の強化も解けてしまったぞい?」
「あれを喰らって生きているなんてとんでもないお爺ちゃんねぇん?」
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不敵に笑う、ボルトルにレディは再びウォーアクスを構えるのだった。
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