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決闘の始まり

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 それから数日後。僕は決闘会場に来ていた。

「よし。準備万端だね」

 決闘のルールは、自分の武器を一つだけ持っていける。
 特殊な結界を使っているので、決闘で負った怪我は決闘終了時には消えている。
 武器やその他を召喚するのは一度だけあり。
 負けを宣言した方が負け。

 と、言うことらしい。

「ねぇ、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫だって。心配しないで下さい」

 僕は、決闘の控え室でミルさん、メイさん、イヤさんと一緒にいる。

「僕だって、怒るんです」
「……ごめんね」
「だから、なんで謝るんですか? 今は、ありがとうが良いと思いますよ」
「う、うん。ありがとう。イサミくん」
「はい!」

 その後、少し雑談した後、ドアがノックされた。

「イサミ選手。用意が出来ました」
「分かりました」

 誘導員さんに付いて行き、僕はリングの上に立っている。

「「「わぁぁぁぁぁぁああ!!!!!」」」

 僕がその場に姿を現すと、観客たちが大きな声をあげている。

「がんばれ!!!」
「応援してるぞ!!」
「てめぇ!! さっさと負けちまえ!!!」

 いろんな声が聞こえる。
 僕は、それを無視して気分が高揚し過ぎないように深呼吸をする。
 そして、僕の正面から男が1人出てきた。

「「「キャャャーー!!!!」」」

 その男が現れると、女性の黄色い声援が飛び交う。
 そう、その男こそが『高嶺の花束』のリーダーにして、ミルさんたちの『唯のストーカー』だ。

 その男は、その声援に応えるかのように観客席に向かって手を振っていた。
 あれが、高等部のSクラス最強にして、今年の首席と言われている男。

「やぁ、イサミくん」
「……」
「返事は、返してくれないのかい?」
「……」
「残念」

 そう言って、男は肩を竦めた。

「でもね。彼女たちは君には渡さない。あの子達は俺のものだ」

 そう言って、腰から剣を抜いた。

「さぁ、君も武器を出したまえ」
「……僕はですね。怒ってるんです」
「は?」
「なので、僕は本気で行きます」
「ほぉ」

 そして、決闘の開始のゴングが鳴った。

「俺だって、容赦しない。行くぞ」

 そいつが、剣を構えて走り出した。そして、気が付いた時には僕の目の前まで来ていた。

「クロ。来て」

 それだけを言うと、足元に巨大な魔法陣が姿を現した。
 そして、クロはそいつの剣を体で受け止めた。

「行くよクロ。ちょっとだけ本気出して良いよ。あいつが2度とミルさんたちに近付かないように、ね」
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