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第15話:黄泉平坂
第63章:暗中模索(あんちゅうもさく)
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【暗中模索】手がかりのないまま、あれこれとやってみること。
暗闇の中、手を伸ばしてパンパンしながら、道を探してみる・・・みたいな。
♡ーーーーー♡
私、浦原綾音は、本日、珍しく陰陽寮に出勤していた。務めているのだから、出勤するのは当然なのだが、いかんせん、位階も持たず、また、土御門のお世話係である瀬良のような役目も特に与えられていない。私の主たる任務は、必要に応じて、私が属する祓衆の上司であるところの土御門の招集に応じて言われた仕事(多くは超危険な案件にダリを派遣するためのおまけ・・・だが)に携わることである。
それでも月に数回は連絡会議やたまには『教養』という名の陰陽道に関する講義の受講等で、千代田区九段下に位置する陰陽寮本庁に出勤する必要がある。
今日、私が呼ばれているのは陰陽部門の全体会議、しかも、定例ではなく、昨日急に緊急に招集されたものである。そんな大事そうな会議に、私が出ても良いのかなとは未だに思う。なにせ、私、浦原綾音は一応『陰陽師』と呼称されてはいるものの、もちろん陰陽術の類はひとつも使えない。単にダリがいるおかげで、待遇だけ『陰陽師』扱いをしていただいている『なんちゃって』なのである。会議に出ても、ミソッかすもいいところだ。なんの役にも立たないことは、私が一番良く知っている。
ただ、そうとは言え、お給料もらっている以上、こうして会議には出るだけは出ようと真面目に来ている。それだけで、偉いと褒めてもらいたい。
「失礼しまーす」
全体会議はかなり参加者が大人数だと聞いている。普段めったに入らない、陰陽寮の大会議室の扉をそっと開く。
そこにはすでに多くの人がいた。どこに座れば良いのかな・・・と思いながらキョロキョロしていると「あ、綾音さん!」と私を呼ぶ声が聞こえた。
見ると瀬良がこちらに手を振ってくれる。彼女のいる辺りが祓衆に割り当てられた席のようだった。御九里もすでに来て、腕組みして目を閉じていた。私はよく知っている瀬良の隣の席に滑り込んだ。
ちなみに会議室の前には偉い人が座るであろう、いわゆるひな壇が据えられており、椅子が5つ置いてある。それと向かい合うように私達の机と椅子がセットされているスタイルだ。
「ああ・・・綾音さんもいらしていたんですね」
会議室を観察していると、横から聞き覚えのある声がした。声の方を見ると、いつも通りバシッと三つ揃えを着た宝生前が座っている。ということは、あの辺りが祭部の席、ということだろうか。そういう目で見てみると、宝生前の斜め前にはこの間の疱瘡神事件の時、清香ちゃんたちの面倒を見てくれていた九条というハーフっぽい顔立ちの男性陰陽師がおり、そのさらに前には女怪事件のとき、騒動の初期に結界を頑張って被害を食い止めていたという敷島という女陰陽師がいた。彼女も九条とともに清香ちゃんの面倒を見てくれていたので、他の陰陽師よりも面識がある方だ。
後ろを振り返ってみると、この間土門に占いをお願いしたときに事務室でちらりと見かけた男性陰陽師が座っていたので、あの辺りが占部なのだろう。そして、残りの右後ろ側のまばらにしか人がいないところが、八咫烏に割り振られている席なのだろうと推測できる。
「八咫烏さんはあまり来てないんですね?」
瀬良に尋ねると、八咫烏は隠密機動部門なので、あまり人前には姿を見せない、ということだった。今座っているのも、本隊の人間ではなく、連絡要員である事務官だという。
隠密って・・・忍者?スパイ?
なんか・・・すごいなあ
などと感心している間に、会議が始まるアナウンスがなされた。ひな壇には各衆の長、すなわち、左前、大鹿島、土門、それから土御門が腰を下ろしていた。そして、そこに、もう一人見知らぬ男性が座っている。左前が祓衆の、大鹿島が祭部の、土門が占部の長なので、あの男性が八咫烏の長なのだろうと思えた。
私の顔に疑問符が浮かんでいるのが見えたのか、瀬良がコソッと名前を教えてくれた。
「あの方は八咫烏の長、『丞の四位』紀乃道景様です」
小柄で痩せぎすながら、目付きが鋭い男性だった。全身黒尽くめの服を着ており、あたりを油断なく見ているようなピリピリした雰囲気をまとっている。土御門も本気を出したときは相当の気迫だが、それに勝るとも劣らない覇気のようなものを感じる。
土御門がマイクを取り、あーあーと発声を確かめた。先程までややざわついていたフロアが、それを聞いて静かになっていく。
「あー・・・みなはん、今日はお集まりいただいてありがとうございます。
早速ですが、昨日報告があった事案についての共有からいきたいと思います。
多分、動き始めた思います。」
例の男、緋紅・・・が。
その言葉にフロアがざわめき、私の背筋もゾワリと粟立った。
疱瘡神と戦っている時、イタツキに見せた、あの人間離れした残忍な笑みが脳裏に蘇る。
「みなはん、すでに知っとる思うけど、一応おさらいな。
緋紅との最初の邂逅は今年始めに起きた、島根県内の中類村で起こった『疱瘡神事件』のときやった。わいらが疱瘡神となった『名越真白』、足玉を使う『イタツキ』と呼ばれとった『名越颯馬』、そして、虫肩巾をつこてた『シラクモ』っちゅう奴らと交戦中に、鬼道を渡って突如現れたんが緋紅や。その後、奴はイタツキが持ち込んだと思われる品々物之比礼、イタツキの持っていた足玉、それと虫肩巾ごとシラクモを奪い去ったっちゅうわけや。
更に、その時、八握剣を使って、大鹿島の張った玄武盤石巌界を破壊しとる」
最後のところで、またフロアがざわめく。こころなしか、祭部衆のエリアあたりが一番どよめきが大きかった気がする。それだけ、大鹿島雪影の結界術に対する彼らの信頼が強いことを示唆している。
「この時点で、敵さんは、品々物之比礼、足玉、虫肩巾、八握剣、そして、おそらく鬼道を操る道返玉と、十種の神宝の内、5つまでを有しとることになる・・・。後で話すが、これ以上に持っとる可能性も浮上しとる。特に、移動しながら戦っとったわいたちの居場所を正確に突き止め、そこにピンポイントで転移してきたところを見ると、遠見をする神宝である沖津鏡は向こうさんの手にある公算が強いと踏んどる。」
フロアにどよめきが広がる。多くの陰陽師が『まさか・・・』などと呟いていた。
品々物之比礼や虫肩巾、足玉などと交戦した経験がある身としては、あんなものが他にもあるのかと思うと、かなりゾッとする。ましてや、そのうちの半分以上があの不気味な男、緋紅の手の内だと考えると、とても恐ろしい。
「更に、こんとき、緋紅は自らを『イタツキとシラクモの父親』であり、かつ『大和の民の殲滅者』と名乗っとる。また、イタツキに対して自分らを含めて『中原の民』ちゅう言い方をしていた。つまり、あいつらは、その昔、大和朝廷によって追いやられた『まつろわぬ民』である可能性が高いと結論されたわけや」
土御門によると、まつろわぬ民とは、かつて、日本にいた先住民族の中で大和朝廷になびかなかった人たちの総称だそうだ。かつての日本には、複数の民族が暮らしていたが、その中でも力をつけた大和朝廷が次々と他民族を併合していったというのが私達の国の歴史だった。ほとんどの先住民族たちは大和朝廷に迎合して、大和の民と交わって現在の『日本人』になっていったが、先住民族の中でも、大和の民と頑なに交わらない一派がいたという。『中原の民』、はそういった迎合しなかった民、つまり、『まつろわぬ民』のひとつだった。文献によれば、彼ら『中原の民』は東北から蝦夷、現在の北海道に追いやられ、最後には滅亡した、ことになっていた。
しかし、その一族が生きていた、ということを今回の事件は示唆している。
あの緋紅という男は、自らの一派を古に滅んだはずの『中原の民』と名乗り、私達、現代に生きる日本人を殲滅すると宣言した、というわけなのだ。
殲滅する、というのが荒唐無稽な絵空事ではないことは、彼らが神宝を複数所有していることが如実に証明していた。神宝、つまり、十種の神宝は、その全てが『神の無限』を秘めている。どれひとつとっても、日本国民を全滅させうるだけの力を有しているのである。
「これから、陰陽寮では、正式に奴ら緋紅一派のことを『まつろわぬ民』と呼称することにする」
さて、ここからが本題や、と土御門が続けた。
「奴らがまた動き出したと考えられる事件があるので、その説明をしたい」
土御門から話を引き継いで、土門が事件概要の説明をし始める。
「先日、石川県堺返市にある児童養護施設が何者かに襲われるという事件があったのです。最初は、石川県警が捜査に当たっていたのですが、どうも怪異絡みでは、ということで、県警捜査一課呪殺班から陰陽寮に捜査協力依頼があった、というところです」
会議室左手にプロジェクターで事件概要が示されていた。事件は3日前の夜半過ぎに起きたそうで、端的に言えば、児童養護施設が何者かに襲撃され、児童37名、職員4名が重軽傷を負った他、行方がわからない児童も一人いる、ということだそうだ。
「怪異認定が遅れたのは、児童37名は全てヘビ毒の中毒により昏睡状態であり、いまだほとんどが目を覚ましておらず、職員4名の内2名は全身を強く打ち集中治療室にて治療中、ひとりは致命的な怪我こそなかったものの、激しい性的暴行を受けたと思料され、PTSD症状が強くて事情聴取が困難。残りのひとりは怪我などはないけれども激しく混乱していて、つい昨日まで状況を聞き出すことができなかった、からなのです」
心做しか、『37名の児童がヘビ毒の中毒』というところや『激しい性的暴行』のところで土門さんの声が震えていた気がした。つまり、侵入者は児童養護施設に侵入して、寝ている児童に毒蛇をけしかけた上、職員ひとりはレイプ、その他をボコボコにした、というわけだ。
同じ女性として、私もとても許せない。
「混乱していた男性職員というのは名を倉持と言います。その職員の話によると、侵入してきた者のひとりは2メートルに到達しようという大男で、腕の一振りで成人男女を軽く吹き飛ばしたということ、そして、もうひとりは痩せぎすの男で、その男がどこかからか、蛇を放ったと証言しているのです。」
2メートルの大男って・・・。
それに、その人間離れした力・・・?
「断定はできへんが、大男の力は神宝『生玉』の、痩せ男の力は『蛇肩巾』によってもたらされとるんではないかと推定される」
土御門の言葉に、ざわりとまたざわめきが走る。
「なにより決定的なのは、痩せ男が大男を『カダマシ』と呼んでいた、という証言なのです。これまで、まつろわぬ民は緋紅以外は互いを『シラクモ』『イタツキ』と呼びあっています。これはそれに付与されている能力に関連した古語に由来する一種のコードネームだと思われるのです。」
例えば、虫を操る『虫肩巾』を持っていたシラクモ・・・シラクモとは頭部の白癬を表しているという。白髪である、という彼の身体的特徴と、シラクモの『蜘蛛』を掛けた、というわけだ。またイタツキとは、古語「いたつく」つまり、病気になる、から来ている。イタツキであるところの名越颯馬は重い病にかかっており、彼に与えられていた力は病を払う『足玉』だった。
「まあ、カダマシというのがもし、古語の『かだまし』に由来するとすれば、その意味するところは『心がねじ曲がっとる』ちゅうことだから・・・生玉の持つ肉体強化とあんま関係ない気がするがな」
とは土御門の言葉であるが、結局、その大男は二人の人間に重傷を負わせ、女性を力付くでレイプしたのだから、心がひねくれているに違いない。まあ、それは児童に蛇をけしかけたヘビ男にも言えることだけど・・・。
「っちゅーわけで、この事件、『まつろわぬ民』の関与が疑われるわけや。大事な点は、奴らがこれほどの騒ぎを起こして、児童をひとり誘拐したということや。ホシガリ様事件や疱瘡神事件での奴らの行動傾向から考えるに、奴らの目標は神宝の探索、ということやと推測しとる。」
土御門の説明を土門が引き継ぐ。
「攫われた子供は、片霧麻衣10歳です。先に発生した能登半島地震の震災孤児です。まつろわぬ民がこの少女だけを特別に攫ったことには意味があると考えているのです。可能性は2つ。ひとつはこの少女が何らかの意味で神宝を探す鍵になること」
先程まつろわぬ民が保有しているとされた6つの神宝に加えて、生玉と蛇肩巾が奴らの手にあるとすると、残りの神宝は『死返玉』と『辺津鏡』だそうだ。そのどちらか、もしくはどちらもかもしれないが、を見つけるための特別な力がこの片霧麻衣という少女に眠っているというのが、1つ目の仮説だそうだ。
「もうひとつの仮説は、この少女が神宝の適合者である、という可能性なのです」
なんでも、神宝は誰もが扱えるわけではないらしいのだ。適合者と呼ばれる、その神宝に合った体質の人ではないと、使ったり、下手したら手に取っただけでも死んでしまう、らしい。その点のことは、先日の疱瘡神事件のあと、名越家の闇について瀬良が教えてくれたときに合わせて話してくれたことだった。
つまり、片霧麻衣は神宝『死返玉』か『辺津鏡』の適合者であるかもしれない、というのがふたつ目の可能性だそうだ。
「緋紅及び、緋紅が連れ去ったシラクモ、それから目撃証言からの拙い情報だが、カダマシとヘビ男、つまり、現在把握している逃亡中の『まつろわぬ民』達の身体的特徴及び判明している能力については、手元資料を参考にしてもろてやな。いずれにせよ、今やらなければならへんことは2つや。ひとつは片霧麻衣の奪還、それから、まつろわぬ民の殲滅と神宝の回収や。そのため、各衆から人員を招集して、特別部隊を編成する」
その言葉で、会議室内に緊張が走る。
「まずは、先遣調査隊として、石川県にすぐに行ってほしいメンバーからや。祓衆からは御九里、それから浦原」
ええ!わ・・・私!?
「祭部からは九条、占部からは日暮、以上四名で現地調査。その後、必要に応じて増援を送ることにする。土門は情報班を立ち上げて引き続き情報収集と管理・分析。大鹿島は機動結界班の整備、左前はカダマシとヘビ男の封殺隊を急ぎ立ち上げい!」
ガタリ、と土御門が立ち上がる。両手を机について皆の方を見た。
「ここまでわいら舐められっぱなしや!必ず、奴ら『まつろわぬ民』ども、ひとり残らずとっ捕まえて、後悔させてやろやないかい!」
陰陽寮、総力戦や!
土御門の声に、一段と気迫がこもっていた。
☆☆☆
「今回、瀬良さんたちは来ないんですね」
別に御九里を信頼していないわけではないが、やっぱり私の中では土御門と瀬良に対する信頼が厚い分、不安が残ってしまう。
「はい・・・今回の作戦は先程土御門様がおっしゃったように総力戦です。前回の反省も踏まえて、慎重に部隊を運用する必要があるので、どうしても実行部隊の総隊長である土御門様は中央で指示をする必要が・・・」
そこで言葉を切るが、土御門のお付きであるところの瀬良も同じく中央待機、ということになる、と言いたいのだろうと思う。
「清香ちゃんたちは・・・?」
先遣部隊に選ばれたのは私であるが、当然、私が行って役立つわけもなく、必要なのはダリである。よって、私とダリがいなくなったあと、芝三郎と清香ちゃんの保護者役がまたまた必要になる。
「前回は、九条さんと敷島さんにお願いしました。今回は先遣隊に九条さんが入ってしまったので、私と宝生前様、敷島さんで交代でお世話をいたします。ホントは土門様も名乗りを上げてくださったんですが、あの方は占部の統括で忙しいですし・・・」
瀬良や宝生前、敷島さんだったら清香ちゃん達も知らない仲ではない。それに、今回は陰陽寮から支給される端末でたまに綿貫亭とビデオ電話をさせてくれる、というのだ。
逆に言えば、それだけの体制を取らなければならないほど先が見えないというわけだ。今日、帰ったらダリと清香ちゃん芝三郎にちゃんと説明しなきゃ・・・私は、そう心に決めた。
土御門からは明日には出発してほしいと言われてしまっているからだ。
☆☆☆
「お館様、いいんですか?早くしないと、陰陽寮の奴らが追いかけてきてしまいますよ?」
「カダマシたちに、早くあそこから離れるよう言いますか?」
十畳ほどの和室。四方に掛けられたろうそくが妖しく室内を照らしていた。奥座敷の、一段高くなったところに緋紅はいた。その前に例の双子の巫女服姿の女性が二人、控えている。先程のセリフは、この二人のものだ。
「スクセは鏡を使わないと、てんでダメだね。考えてご覧?どうして、僕が彼らをあそこにとどめているか」
緋紅は笑いながら言った。
「カダマシとクチナワなら陰陽寮のやつに負けやしないから、ですか?」
スクセと呼ばれた女と瓜二つの女性、キヌギヌの方が答えた。
「それもあるね」
「早く、死返玉を探させればよいではないですか?」
キヌギヌに負けじと、スクセも声を上げた。この二人はいつもこの調子だ。競い合うように緋紅の注意を引こうとする。
「スクセの沖津鏡にも場所が映し出されなかったんだ。死返玉を探すのはちょっと苦労しそうだ。神宝同士は引き合うから、いずれは僕の手に落ちるとしても、ね?面倒事は嫌だろ?それで、考えたんだよ・・・一石二鳥の方法を」
緋紅の顔が歪む。緋紅の顔は特徴に乏しい。造作が悪い訳では無いが、取り立てて良い男、というわけではない。普通の表情をしていれば、多くの人がその顔を記憶にすら残さないだろう。しかし、このときの彼の顔を見た人は、きっと生涯、それを忘れることはないだろう。それほどに、その表情は溢れた嗜虐心で歪んでいるような笑みだった。
「えー!なんです?教えてくださいませ・・・キヌギヌに」
「スクセにも、スクセにも教えてください!」
媚びを売るような二人の女。緋紅が黙って手を差し伸べると、その意味を介したのか、畳の上を這うように寄ってきた。
「聞きたいかい?なら・・・先に今日の奉仕をしてもらおうか」
「はい・・・喜んで」
「もちろんですわ・・・お館様」
緋紅の言葉を理解した二人の女の目は、この先に起こることを予期し、愛欲に濡れ、揺れていた。差し出した指を先にたどり着いたスクセが愛おしげに口に含み、まるで陰茎を口淫するかのようにぺちゃぺちゃと舐め始めた。
少し遅れたキヌギヌは緋紅にしなだれるようにまとわりつき、首筋に舌を這わせる。
「今日は、キヌギヌに先にお館様のおちんちんにご奉仕させてくださいませ」
「あっ・・・!ずる・・い・・・私が・・・スクセがいたします!」
緋紅は黙ったまま二人を手で制するとおもむろに立ち上がり、ズボンと下着を脱ぎ捨てた。下着を脱ぐと勢いよく彼の怒張した陰茎が跳ね上がる。
二人は心得たもので、緋紅が何も言わずとも、我先にと、舌を突き出し、勃起した陰茎に縋り付くように寄ってくる。
「おいおい・・・スクセ、今日は後だ・・・そうだな・・・こっちを舐めろよ」
緋紅はスクセを押しやると自分の背後にくるよう促した。スクセは、押しやられたときこそ、『あん♡』と声を上げたが、そのまま何も言わずに、舌を緋紅のアナルに這わせる。目を閉じて、舌の感覚に意識を集中し、それでアナルのシワの一つひとつを味わうように舐めていく。
一方、キヌギヌは緋紅のペニスを両手で包むように持つと、その先から滲む淫液を舐め取らんとするように、チロチロと舌でくすぐり始めていた。ほろ苦いカウパーの味で口腔内が満たされると、たまらずそれを口に含み、舌で転がし、吸い、頬の裏側で亀頭を擦る。夢中で舐めるあまり、たらりたらりと口の端から飲み込めない唾液が糸を引いて垂れていた。
まだ少女のあどけなさがそこはかとなく残る二人の女に、これほどまでに淫靡な『奉仕』を教え込んだのは、緋紅本人である。最初は男性器を見ることにすら、恥辱と抵抗感を示していたのに、繰り返された快楽調教の末、その舌先すら性感帯になったのではないかと見紛うほど、淫乱な女になっていた。実際、高ぶる愛欲に耐えられなくなったのか、二人は、緋紅のアナルやペニスをしゃぶりながら、右手を自らの陰部に伸ばし、まさぐり始めていた。
緋紅は、それに気づいていたが、しばらく見ないふりをしていた。二人の手が次第に早くなり、自らの慰めによって、快感で震え出したのを見計らって、にやりと下卑た笑いを浮かべる。
「おいおい、スクセ、キヌギヌ・・・誰が勝手にマンコ触っていいって言った?」
ビクンと、二人して肩を震わせ、慌てて陰部から手を引っ込める。緋紅はわざと冷たい目を二人に向け、蔑むように続けた。
「もういいよ、ふたりとも。僕を気持ちよくするより、自分たちが気持ちよくなる方が大事みたいだね?」
それを聞いて、二人は色を失う。数歩後ろに控え、平身低頭の構えだ。
「も、申し訳ありません・・・お館様・・・おゆ・・・お許し下さい」
「申し訳ありません。申し訳ありせん!」
「そんなこと言われてもねぇ・・・。ちょっと今、僕、許せる気持ちじゃないね・・・これは・・・罰が、必要かな?」
ひいぃ!と二人が声を上げ、更に頭を低くする。まるで土下座をしているかのような姿勢にまでなっていた。
「申し訳ありません。もう、もう二度といたしません!」
「キヌギヌも、しません!許して、許してくださいませ!!」
先ほどまで愛欲にまみれていた二人の目は、恐怖に揺れていた。二人ともが、心の底から緋紅の『罰』を恐れていることが伺えた。
「分かった、分かった・・・じゃあ、君たちに免じて、罰はひとりにしてあげる」
ビクリ、と二人が同時に肩を震わせた。身動きこそしていないが、彼女たちはともに、罰を受けるのがどっちなのか、と考えているに違いなかった。
「そうだなあ・・・二人で互いを責め合って、先にイッた方に罰を与える・・・ってことにしようかな?どんなことをしてもいいよ?自分より先に相手をイかせればいいんだ・・・簡単だろ?」
バッと二人が身体を起こし、互いを見る。先に動いたのはスクセだった。彼女はキヌギヌの肩を押すと、その身体を横たえ、彼女の耳にキスをする。耳はキヌギヌの、そしてもちろん双子である自分自身の最も弱い性感帯の一部だと知ってのことであった。
「ん・・・♡ず・・・ずるい!!」
抗議の声をあげるが、先程まで昂っていた上、耳を責められて力が抜けてしまっていた。その隙をついて、更にスクセが攻勢を仕掛ける。巫女服の合わせを開け、右手を滑り込ませる。乳首もまた、彼女たちが弱い部分のひとつだった。
このまま耳と乳首を刺激して・・・腰砕けにして早くアソコを・・・
それがスクセの作戦だった。
一方、キヌギヌはかなり追い詰められていた。姉であるスクセは自分の性感帯を熟知している。今、責められている乳首からも、耳からも、甘い性感が押し寄せてきて、下手するとそのままイッてしまいそうなほどだった。
このままじゃイかされちゃう!
なんとか体勢を立て直そうと、身動ぎをした隙に、着物の下紐が緩んでしまい、そこにするりと姉の冷たい指先が侵入してきてしまう。和服だからというのもあるが、いつ『ご奉仕』があるかわからないことから、二人とも袴の下にはアンダーウェアをつけていない。つまり、指が鼠径部に届いてしまえば、好き勝手に陰部を蹂躙されてしまう状態になっているのだ。
スクセが必死にキヌギヌを責め、キヌギヌはなんとか身悶えして、その束縛から逃れようとしている。二人の衣服がどんどんと開けていき、吐息が湿り気を帯びていく様子をニヤニヤしながら緋紅は見ていた。
キヌギヌの秘所に指が到達したことで、スクセは自分が大分優位になったと感じた。なぜなら、指でなぞる妹の陰唇はふわりとほどけ、ズブズブに濡れていたからである。
後はここに指を沈めて一気にイかせてやる・・・そのために、耳から口を離しそのままバストの方に顔をすべらせていっていた。
チュプっと可愛らしく勃起した妹の乳首を口に含む、それと同時にヌルヌルに蕩けている陰裂に指がぬるりと入る。
「んああっ♡」
甘い声がキヌギヌの口から漏れる。そう・・・ここ・・・このあたりのザラッとした所。ここが私達のウィークポイント・・・。
こちょこちょと膣のお腹側のあたりをくすぐるようにする。それとともに、指を少し曲げてお尻側も一緒に刺激してあげる。
ほらほら・・・こうすると、おしりもオマンコも、同時に感じちゃうでしょ?
二人は緋紅によって、すっかりアナル調教もされていた。最初はただただ違和感しかなかったアナルも、繰り返し嬲られ、拡張され、突かれる内にすっかり性器として成立してしまっていた。
キヌギヌの膣がビクビクと震え、きゅうっとスクセの指を咥え込むように蠢く。その蠕動を指先に感じ、スクセは勝利を確信した。
イッて!お願い!このまま!!
しかし、その瞬間、ぱっとスクセの頭が真っ白になる。
突然、自分が今何をしていたのかわからなくなってしまったのだ。
「スクセ、立ち上がりなさい」
あ、キヌギヌの声。
それに応じて、身体は自然と動いた。言う通りにしなければいけないと、強く思う。
「服を脱ぎなさい」
声が飛んでくる。服をスルスルと脱ぐ。下紐を解いて、袴がパサリとそのまま下に落ちた。
「感度が3倍になります」
キュンっと身体に電撃が走ったような感じがした。何もされてない、していないのに、乳首が固く勃起し、クリトリスの隆起すら感じた。
ふふふ・・・私の勝ちよ
一番みっともなく、イカせてあげる
え?何?この声・・・?キヌギヌ?
「四つん這いになって、アナルに指を二本入れて、イキ狂いなさい」
足ががくんと折れて、身体が崩れ落ちる。四つん這いの姿勢になり、右手をアナルに伸ばす。
「ん・・・あっ♡・・・ああっ!!」
ずぶりと一気に二本の指がアナルにめり込む。調教され、感度まで上げられたアナルはその淫靡な刺激であっという間に発火する。
「ああああ!!」
イキ狂わなきゃ・・・!
スクせの頭の中にあるのはキヌギヌの指令だけだった。
イキ狂う、イキ狂う、イキ狂う、イキ狂う・・・
私、もっと、もっと、もっとぉ!!
ぐちぐちとアナルを二本の指でかき混ぜる。腸内がかき回され、その刺激が振動となって子宮に伝わる。子宮が震え出し、高みに近づいていく。
「あ・・あああ!イク・・・イグうっ!!」
びくん、と上半身を跳ね上げる。その瞬間、触ってもいない秘所からブシュッと愛液が吐き出された。しかし、イッたにもかかわらず、キヌギヌの言葉の魔力はいまだスクセを縛り続ける。指が止まらない・・・どんなにイッても、イッても・・・だって、私まだ狂ってない・・・。
「あああっ!ダメぇ!!またイッちゃうぅう!!とめて・・・とめてぇええ!!!」
ぐちぐちとアナルを押し広げながら悶え続けるスクセを前にして、キヌギヌがにまりと笑っていた。その手には、裏面が黒の古代の銅鏡、人の心に入り込み、それを意のままにできる、キヌギヌの使う神宝『辺津鏡』があった。
「お館様・・・どんな手段でも、とおっしゃいましたよね?」
キヌギヌが淫靡に笑うと、緋紅もまた、いやらしい笑みを浮かべる。
「ああ、もちろん構わない・・・では今日は、お前で楽しもう、キヌギヌ。」
緋紅が手を差し伸べる。この部屋の奥は閨になっており、そこで一晩中愛してもらえるのだと思うと、キヌギヌの胸は踊っていた。
「ところでお館様?スクセへの罰は?」
ん?と緋紅が振り返る。
「ああ・・・そうだなぁ・・・ちょうどいいや、後でヤギョウの相手をしてもらおうか」
「あとで?」
「ん・・・ああ、そうだね、明日にでも。それまでは、あのままに」
「はい・・・わかりました」
アナルをぐちゃぐちゃとかき混ぜる手を自らの力では止めることができず、『止めて、お願い』と泣きながら懇願し続けるスクセを置いて、二人は閨へと消えていった。
【暗中模索】手がかりのないまま、あれこれとやってみること。
暗闇の中、手を伸ばしてパンパンしながら、道を探してみる・・・みたいな。
♡ーーーーー♡
私、浦原綾音は、本日、珍しく陰陽寮に出勤していた。務めているのだから、出勤するのは当然なのだが、いかんせん、位階も持たず、また、土御門のお世話係である瀬良のような役目も特に与えられていない。私の主たる任務は、必要に応じて、私が属する祓衆の上司であるところの土御門の招集に応じて言われた仕事(多くは超危険な案件にダリを派遣するためのおまけ・・・だが)に携わることである。
それでも月に数回は連絡会議やたまには『教養』という名の陰陽道に関する講義の受講等で、千代田区九段下に位置する陰陽寮本庁に出勤する必要がある。
今日、私が呼ばれているのは陰陽部門の全体会議、しかも、定例ではなく、昨日急に緊急に招集されたものである。そんな大事そうな会議に、私が出ても良いのかなとは未だに思う。なにせ、私、浦原綾音は一応『陰陽師』と呼称されてはいるものの、もちろん陰陽術の類はひとつも使えない。単にダリがいるおかげで、待遇だけ『陰陽師』扱いをしていただいている『なんちゃって』なのである。会議に出ても、ミソッかすもいいところだ。なんの役にも立たないことは、私が一番良く知っている。
ただ、そうとは言え、お給料もらっている以上、こうして会議には出るだけは出ようと真面目に来ている。それだけで、偉いと褒めてもらいたい。
「失礼しまーす」
全体会議はかなり参加者が大人数だと聞いている。普段めったに入らない、陰陽寮の大会議室の扉をそっと開く。
そこにはすでに多くの人がいた。どこに座れば良いのかな・・・と思いながらキョロキョロしていると「あ、綾音さん!」と私を呼ぶ声が聞こえた。
見ると瀬良がこちらに手を振ってくれる。彼女のいる辺りが祓衆に割り当てられた席のようだった。御九里もすでに来て、腕組みして目を閉じていた。私はよく知っている瀬良の隣の席に滑り込んだ。
ちなみに会議室の前には偉い人が座るであろう、いわゆるひな壇が据えられており、椅子が5つ置いてある。それと向かい合うように私達の机と椅子がセットされているスタイルだ。
「ああ・・・綾音さんもいらしていたんですね」
会議室を観察していると、横から聞き覚えのある声がした。声の方を見ると、いつも通りバシッと三つ揃えを着た宝生前が座っている。ということは、あの辺りが祭部の席、ということだろうか。そういう目で見てみると、宝生前の斜め前にはこの間の疱瘡神事件の時、清香ちゃんたちの面倒を見てくれていた九条というハーフっぽい顔立ちの男性陰陽師がおり、そのさらに前には女怪事件のとき、騒動の初期に結界を頑張って被害を食い止めていたという敷島という女陰陽師がいた。彼女も九条とともに清香ちゃんの面倒を見てくれていたので、他の陰陽師よりも面識がある方だ。
後ろを振り返ってみると、この間土門に占いをお願いしたときに事務室でちらりと見かけた男性陰陽師が座っていたので、あの辺りが占部なのだろう。そして、残りの右後ろ側のまばらにしか人がいないところが、八咫烏に割り振られている席なのだろうと推測できる。
「八咫烏さんはあまり来てないんですね?」
瀬良に尋ねると、八咫烏は隠密機動部門なので、あまり人前には姿を見せない、ということだった。今座っているのも、本隊の人間ではなく、連絡要員である事務官だという。
隠密って・・・忍者?スパイ?
なんか・・・すごいなあ
などと感心している間に、会議が始まるアナウンスがなされた。ひな壇には各衆の長、すなわち、左前、大鹿島、土門、それから土御門が腰を下ろしていた。そして、そこに、もう一人見知らぬ男性が座っている。左前が祓衆の、大鹿島が祭部の、土門が占部の長なので、あの男性が八咫烏の長なのだろうと思えた。
私の顔に疑問符が浮かんでいるのが見えたのか、瀬良がコソッと名前を教えてくれた。
「あの方は八咫烏の長、『丞の四位』紀乃道景様です」
小柄で痩せぎすながら、目付きが鋭い男性だった。全身黒尽くめの服を着ており、あたりを油断なく見ているようなピリピリした雰囲気をまとっている。土御門も本気を出したときは相当の気迫だが、それに勝るとも劣らない覇気のようなものを感じる。
土御門がマイクを取り、あーあーと発声を確かめた。先程までややざわついていたフロアが、それを聞いて静かになっていく。
「あー・・・みなはん、今日はお集まりいただいてありがとうございます。
早速ですが、昨日報告があった事案についての共有からいきたいと思います。
多分、動き始めた思います。」
例の男、緋紅・・・が。
その言葉にフロアがざわめき、私の背筋もゾワリと粟立った。
疱瘡神と戦っている時、イタツキに見せた、あの人間離れした残忍な笑みが脳裏に蘇る。
「みなはん、すでに知っとる思うけど、一応おさらいな。
緋紅との最初の邂逅は今年始めに起きた、島根県内の中類村で起こった『疱瘡神事件』のときやった。わいらが疱瘡神となった『名越真白』、足玉を使う『イタツキ』と呼ばれとった『名越颯馬』、そして、虫肩巾をつこてた『シラクモ』っちゅう奴らと交戦中に、鬼道を渡って突如現れたんが緋紅や。その後、奴はイタツキが持ち込んだと思われる品々物之比礼、イタツキの持っていた足玉、それと虫肩巾ごとシラクモを奪い去ったっちゅうわけや。
更に、その時、八握剣を使って、大鹿島の張った玄武盤石巌界を破壊しとる」
最後のところで、またフロアがざわめく。こころなしか、祭部衆のエリアあたりが一番どよめきが大きかった気がする。それだけ、大鹿島雪影の結界術に対する彼らの信頼が強いことを示唆している。
「この時点で、敵さんは、品々物之比礼、足玉、虫肩巾、八握剣、そして、おそらく鬼道を操る道返玉と、十種の神宝の内、5つまでを有しとることになる・・・。後で話すが、これ以上に持っとる可能性も浮上しとる。特に、移動しながら戦っとったわいたちの居場所を正確に突き止め、そこにピンポイントで転移してきたところを見ると、遠見をする神宝である沖津鏡は向こうさんの手にある公算が強いと踏んどる。」
フロアにどよめきが広がる。多くの陰陽師が『まさか・・・』などと呟いていた。
品々物之比礼や虫肩巾、足玉などと交戦した経験がある身としては、あんなものが他にもあるのかと思うと、かなりゾッとする。ましてや、そのうちの半分以上があの不気味な男、緋紅の手の内だと考えると、とても恐ろしい。
「更に、こんとき、緋紅は自らを『イタツキとシラクモの父親』であり、かつ『大和の民の殲滅者』と名乗っとる。また、イタツキに対して自分らを含めて『中原の民』ちゅう言い方をしていた。つまり、あいつらは、その昔、大和朝廷によって追いやられた『まつろわぬ民』である可能性が高いと結論されたわけや」
土御門によると、まつろわぬ民とは、かつて、日本にいた先住民族の中で大和朝廷になびかなかった人たちの総称だそうだ。かつての日本には、複数の民族が暮らしていたが、その中でも力をつけた大和朝廷が次々と他民族を併合していったというのが私達の国の歴史だった。ほとんどの先住民族たちは大和朝廷に迎合して、大和の民と交わって現在の『日本人』になっていったが、先住民族の中でも、大和の民と頑なに交わらない一派がいたという。『中原の民』、はそういった迎合しなかった民、つまり、『まつろわぬ民』のひとつだった。文献によれば、彼ら『中原の民』は東北から蝦夷、現在の北海道に追いやられ、最後には滅亡した、ことになっていた。
しかし、その一族が生きていた、ということを今回の事件は示唆している。
あの緋紅という男は、自らの一派を古に滅んだはずの『中原の民』と名乗り、私達、現代に生きる日本人を殲滅すると宣言した、というわけなのだ。
殲滅する、というのが荒唐無稽な絵空事ではないことは、彼らが神宝を複数所有していることが如実に証明していた。神宝、つまり、十種の神宝は、その全てが『神の無限』を秘めている。どれひとつとっても、日本国民を全滅させうるだけの力を有しているのである。
「これから、陰陽寮では、正式に奴ら緋紅一派のことを『まつろわぬ民』と呼称することにする」
さて、ここからが本題や、と土御門が続けた。
「奴らがまた動き出したと考えられる事件があるので、その説明をしたい」
土御門から話を引き継いで、土門が事件概要の説明をし始める。
「先日、石川県堺返市にある児童養護施設が何者かに襲われるという事件があったのです。最初は、石川県警が捜査に当たっていたのですが、どうも怪異絡みでは、ということで、県警捜査一課呪殺班から陰陽寮に捜査協力依頼があった、というところです」
会議室左手にプロジェクターで事件概要が示されていた。事件は3日前の夜半過ぎに起きたそうで、端的に言えば、児童養護施設が何者かに襲撃され、児童37名、職員4名が重軽傷を負った他、行方がわからない児童も一人いる、ということだそうだ。
「怪異認定が遅れたのは、児童37名は全てヘビ毒の中毒により昏睡状態であり、いまだほとんどが目を覚ましておらず、職員4名の内2名は全身を強く打ち集中治療室にて治療中、ひとりは致命的な怪我こそなかったものの、激しい性的暴行を受けたと思料され、PTSD症状が強くて事情聴取が困難。残りのひとりは怪我などはないけれども激しく混乱していて、つい昨日まで状況を聞き出すことができなかった、からなのです」
心做しか、『37名の児童がヘビ毒の中毒』というところや『激しい性的暴行』のところで土門さんの声が震えていた気がした。つまり、侵入者は児童養護施設に侵入して、寝ている児童に毒蛇をけしかけた上、職員ひとりはレイプ、その他をボコボコにした、というわけだ。
同じ女性として、私もとても許せない。
「混乱していた男性職員というのは名を倉持と言います。その職員の話によると、侵入してきた者のひとりは2メートルに到達しようという大男で、腕の一振りで成人男女を軽く吹き飛ばしたということ、そして、もうひとりは痩せぎすの男で、その男がどこかからか、蛇を放ったと証言しているのです。」
2メートルの大男って・・・。
それに、その人間離れした力・・・?
「断定はできへんが、大男の力は神宝『生玉』の、痩せ男の力は『蛇肩巾』によってもたらされとるんではないかと推定される」
土御門の言葉に、ざわりとまたざわめきが走る。
「なにより決定的なのは、痩せ男が大男を『カダマシ』と呼んでいた、という証言なのです。これまで、まつろわぬ民は緋紅以外は互いを『シラクモ』『イタツキ』と呼びあっています。これはそれに付与されている能力に関連した古語に由来する一種のコードネームだと思われるのです。」
例えば、虫を操る『虫肩巾』を持っていたシラクモ・・・シラクモとは頭部の白癬を表しているという。白髪である、という彼の身体的特徴と、シラクモの『蜘蛛』を掛けた、というわけだ。またイタツキとは、古語「いたつく」つまり、病気になる、から来ている。イタツキであるところの名越颯馬は重い病にかかっており、彼に与えられていた力は病を払う『足玉』だった。
「まあ、カダマシというのがもし、古語の『かだまし』に由来するとすれば、その意味するところは『心がねじ曲がっとる』ちゅうことだから・・・生玉の持つ肉体強化とあんま関係ない気がするがな」
とは土御門の言葉であるが、結局、その大男は二人の人間に重傷を負わせ、女性を力付くでレイプしたのだから、心がひねくれているに違いない。まあ、それは児童に蛇をけしかけたヘビ男にも言えることだけど・・・。
「っちゅーわけで、この事件、『まつろわぬ民』の関与が疑われるわけや。大事な点は、奴らがこれほどの騒ぎを起こして、児童をひとり誘拐したということや。ホシガリ様事件や疱瘡神事件での奴らの行動傾向から考えるに、奴らの目標は神宝の探索、ということやと推測しとる。」
土御門の説明を土門が引き継ぐ。
「攫われた子供は、片霧麻衣10歳です。先に発生した能登半島地震の震災孤児です。まつろわぬ民がこの少女だけを特別に攫ったことには意味があると考えているのです。可能性は2つ。ひとつはこの少女が何らかの意味で神宝を探す鍵になること」
先程まつろわぬ民が保有しているとされた6つの神宝に加えて、生玉と蛇肩巾が奴らの手にあるとすると、残りの神宝は『死返玉』と『辺津鏡』だそうだ。そのどちらか、もしくはどちらもかもしれないが、を見つけるための特別な力がこの片霧麻衣という少女に眠っているというのが、1つ目の仮説だそうだ。
「もうひとつの仮説は、この少女が神宝の適合者である、という可能性なのです」
なんでも、神宝は誰もが扱えるわけではないらしいのだ。適合者と呼ばれる、その神宝に合った体質の人ではないと、使ったり、下手したら手に取っただけでも死んでしまう、らしい。その点のことは、先日の疱瘡神事件のあと、名越家の闇について瀬良が教えてくれたときに合わせて話してくれたことだった。
つまり、片霧麻衣は神宝『死返玉』か『辺津鏡』の適合者であるかもしれない、というのがふたつ目の可能性だそうだ。
「緋紅及び、緋紅が連れ去ったシラクモ、それから目撃証言からの拙い情報だが、カダマシとヘビ男、つまり、現在把握している逃亡中の『まつろわぬ民』達の身体的特徴及び判明している能力については、手元資料を参考にしてもろてやな。いずれにせよ、今やらなければならへんことは2つや。ひとつは片霧麻衣の奪還、それから、まつろわぬ民の殲滅と神宝の回収や。そのため、各衆から人員を招集して、特別部隊を編成する」
その言葉で、会議室内に緊張が走る。
「まずは、先遣調査隊として、石川県にすぐに行ってほしいメンバーからや。祓衆からは御九里、それから浦原」
ええ!わ・・・私!?
「祭部からは九条、占部からは日暮、以上四名で現地調査。その後、必要に応じて増援を送ることにする。土門は情報班を立ち上げて引き続き情報収集と管理・分析。大鹿島は機動結界班の整備、左前はカダマシとヘビ男の封殺隊を急ぎ立ち上げい!」
ガタリ、と土御門が立ち上がる。両手を机について皆の方を見た。
「ここまでわいら舐められっぱなしや!必ず、奴ら『まつろわぬ民』ども、ひとり残らずとっ捕まえて、後悔させてやろやないかい!」
陰陽寮、総力戦や!
土御門の声に、一段と気迫がこもっていた。
☆☆☆
「今回、瀬良さんたちは来ないんですね」
別に御九里を信頼していないわけではないが、やっぱり私の中では土御門と瀬良に対する信頼が厚い分、不安が残ってしまう。
「はい・・・今回の作戦は先程土御門様がおっしゃったように総力戦です。前回の反省も踏まえて、慎重に部隊を運用する必要があるので、どうしても実行部隊の総隊長である土御門様は中央で指示をする必要が・・・」
そこで言葉を切るが、土御門のお付きであるところの瀬良も同じく中央待機、ということになる、と言いたいのだろうと思う。
「清香ちゃんたちは・・・?」
先遣部隊に選ばれたのは私であるが、当然、私が行って役立つわけもなく、必要なのはダリである。よって、私とダリがいなくなったあと、芝三郎と清香ちゃんの保護者役がまたまた必要になる。
「前回は、九条さんと敷島さんにお願いしました。今回は先遣隊に九条さんが入ってしまったので、私と宝生前様、敷島さんで交代でお世話をいたします。ホントは土門様も名乗りを上げてくださったんですが、あの方は占部の統括で忙しいですし・・・」
瀬良や宝生前、敷島さんだったら清香ちゃん達も知らない仲ではない。それに、今回は陰陽寮から支給される端末でたまに綿貫亭とビデオ電話をさせてくれる、というのだ。
逆に言えば、それだけの体制を取らなければならないほど先が見えないというわけだ。今日、帰ったらダリと清香ちゃん芝三郎にちゃんと説明しなきゃ・・・私は、そう心に決めた。
土御門からは明日には出発してほしいと言われてしまっているからだ。
☆☆☆
「お館様、いいんですか?早くしないと、陰陽寮の奴らが追いかけてきてしまいますよ?」
「カダマシたちに、早くあそこから離れるよう言いますか?」
十畳ほどの和室。四方に掛けられたろうそくが妖しく室内を照らしていた。奥座敷の、一段高くなったところに緋紅はいた。その前に例の双子の巫女服姿の女性が二人、控えている。先程のセリフは、この二人のものだ。
「スクセは鏡を使わないと、てんでダメだね。考えてご覧?どうして、僕が彼らをあそこにとどめているか」
緋紅は笑いながら言った。
「カダマシとクチナワなら陰陽寮のやつに負けやしないから、ですか?」
スクセと呼ばれた女と瓜二つの女性、キヌギヌの方が答えた。
「それもあるね」
「早く、死返玉を探させればよいではないですか?」
キヌギヌに負けじと、スクセも声を上げた。この二人はいつもこの調子だ。競い合うように緋紅の注意を引こうとする。
「スクセの沖津鏡にも場所が映し出されなかったんだ。死返玉を探すのはちょっと苦労しそうだ。神宝同士は引き合うから、いずれは僕の手に落ちるとしても、ね?面倒事は嫌だろ?それで、考えたんだよ・・・一石二鳥の方法を」
緋紅の顔が歪む。緋紅の顔は特徴に乏しい。造作が悪い訳では無いが、取り立てて良い男、というわけではない。普通の表情をしていれば、多くの人がその顔を記憶にすら残さないだろう。しかし、このときの彼の顔を見た人は、きっと生涯、それを忘れることはないだろう。それほどに、その表情は溢れた嗜虐心で歪んでいるような笑みだった。
「えー!なんです?教えてくださいませ・・・キヌギヌに」
「スクセにも、スクセにも教えてください!」
媚びを売るような二人の女。緋紅が黙って手を差し伸べると、その意味を介したのか、畳の上を這うように寄ってきた。
「聞きたいかい?なら・・・先に今日の奉仕をしてもらおうか」
「はい・・・喜んで」
「もちろんですわ・・・お館様」
緋紅の言葉を理解した二人の女の目は、この先に起こることを予期し、愛欲に濡れ、揺れていた。差し出した指を先にたどり着いたスクセが愛おしげに口に含み、まるで陰茎を口淫するかのようにぺちゃぺちゃと舐め始めた。
少し遅れたキヌギヌは緋紅にしなだれるようにまとわりつき、首筋に舌を這わせる。
「今日は、キヌギヌに先にお館様のおちんちんにご奉仕させてくださいませ」
「あっ・・・!ずる・・い・・・私が・・・スクセがいたします!」
緋紅は黙ったまま二人を手で制するとおもむろに立ち上がり、ズボンと下着を脱ぎ捨てた。下着を脱ぐと勢いよく彼の怒張した陰茎が跳ね上がる。
二人は心得たもので、緋紅が何も言わずとも、我先にと、舌を突き出し、勃起した陰茎に縋り付くように寄ってくる。
「おいおい・・・スクセ、今日は後だ・・・そうだな・・・こっちを舐めろよ」
緋紅はスクセを押しやると自分の背後にくるよう促した。スクセは、押しやられたときこそ、『あん♡』と声を上げたが、そのまま何も言わずに、舌を緋紅のアナルに這わせる。目を閉じて、舌の感覚に意識を集中し、それでアナルのシワの一つひとつを味わうように舐めていく。
一方、キヌギヌは緋紅のペニスを両手で包むように持つと、その先から滲む淫液を舐め取らんとするように、チロチロと舌でくすぐり始めていた。ほろ苦いカウパーの味で口腔内が満たされると、たまらずそれを口に含み、舌で転がし、吸い、頬の裏側で亀頭を擦る。夢中で舐めるあまり、たらりたらりと口の端から飲み込めない唾液が糸を引いて垂れていた。
まだ少女のあどけなさがそこはかとなく残る二人の女に、これほどまでに淫靡な『奉仕』を教え込んだのは、緋紅本人である。最初は男性器を見ることにすら、恥辱と抵抗感を示していたのに、繰り返された快楽調教の末、その舌先すら性感帯になったのではないかと見紛うほど、淫乱な女になっていた。実際、高ぶる愛欲に耐えられなくなったのか、二人は、緋紅のアナルやペニスをしゃぶりながら、右手を自らの陰部に伸ばし、まさぐり始めていた。
緋紅は、それに気づいていたが、しばらく見ないふりをしていた。二人の手が次第に早くなり、自らの慰めによって、快感で震え出したのを見計らって、にやりと下卑た笑いを浮かべる。
「おいおい、スクセ、キヌギヌ・・・誰が勝手にマンコ触っていいって言った?」
ビクンと、二人して肩を震わせ、慌てて陰部から手を引っ込める。緋紅はわざと冷たい目を二人に向け、蔑むように続けた。
「もういいよ、ふたりとも。僕を気持ちよくするより、自分たちが気持ちよくなる方が大事みたいだね?」
それを聞いて、二人は色を失う。数歩後ろに控え、平身低頭の構えだ。
「も、申し訳ありません・・・お館様・・・おゆ・・・お許し下さい」
「申し訳ありません。申し訳ありせん!」
「そんなこと言われてもねぇ・・・。ちょっと今、僕、許せる気持ちじゃないね・・・これは・・・罰が、必要かな?」
ひいぃ!と二人が声を上げ、更に頭を低くする。まるで土下座をしているかのような姿勢にまでなっていた。
「申し訳ありません。もう、もう二度といたしません!」
「キヌギヌも、しません!許して、許してくださいませ!!」
先ほどまで愛欲にまみれていた二人の目は、恐怖に揺れていた。二人ともが、心の底から緋紅の『罰』を恐れていることが伺えた。
「分かった、分かった・・・じゃあ、君たちに免じて、罰はひとりにしてあげる」
ビクリ、と二人が同時に肩を震わせた。身動きこそしていないが、彼女たちはともに、罰を受けるのがどっちなのか、と考えているに違いなかった。
「そうだなあ・・・二人で互いを責め合って、先にイッた方に罰を与える・・・ってことにしようかな?どんなことをしてもいいよ?自分より先に相手をイかせればいいんだ・・・簡単だろ?」
バッと二人が身体を起こし、互いを見る。先に動いたのはスクセだった。彼女はキヌギヌの肩を押すと、その身体を横たえ、彼女の耳にキスをする。耳はキヌギヌの、そしてもちろん双子である自分自身の最も弱い性感帯の一部だと知ってのことであった。
「ん・・・♡ず・・・ずるい!!」
抗議の声をあげるが、先程まで昂っていた上、耳を責められて力が抜けてしまっていた。その隙をついて、更にスクセが攻勢を仕掛ける。巫女服の合わせを開け、右手を滑り込ませる。乳首もまた、彼女たちが弱い部分のひとつだった。
このまま耳と乳首を刺激して・・・腰砕けにして早くアソコを・・・
それがスクセの作戦だった。
一方、キヌギヌはかなり追い詰められていた。姉であるスクセは自分の性感帯を熟知している。今、責められている乳首からも、耳からも、甘い性感が押し寄せてきて、下手するとそのままイッてしまいそうなほどだった。
このままじゃイかされちゃう!
なんとか体勢を立て直そうと、身動ぎをした隙に、着物の下紐が緩んでしまい、そこにするりと姉の冷たい指先が侵入してきてしまう。和服だからというのもあるが、いつ『ご奉仕』があるかわからないことから、二人とも袴の下にはアンダーウェアをつけていない。つまり、指が鼠径部に届いてしまえば、好き勝手に陰部を蹂躙されてしまう状態になっているのだ。
スクセが必死にキヌギヌを責め、キヌギヌはなんとか身悶えして、その束縛から逃れようとしている。二人の衣服がどんどんと開けていき、吐息が湿り気を帯びていく様子をニヤニヤしながら緋紅は見ていた。
キヌギヌの秘所に指が到達したことで、スクセは自分が大分優位になったと感じた。なぜなら、指でなぞる妹の陰唇はふわりとほどけ、ズブズブに濡れていたからである。
後はここに指を沈めて一気にイかせてやる・・・そのために、耳から口を離しそのままバストの方に顔をすべらせていっていた。
チュプっと可愛らしく勃起した妹の乳首を口に含む、それと同時にヌルヌルに蕩けている陰裂に指がぬるりと入る。
「んああっ♡」
甘い声がキヌギヌの口から漏れる。そう・・・ここ・・・このあたりのザラッとした所。ここが私達のウィークポイント・・・。
こちょこちょと膣のお腹側のあたりをくすぐるようにする。それとともに、指を少し曲げてお尻側も一緒に刺激してあげる。
ほらほら・・・こうすると、おしりもオマンコも、同時に感じちゃうでしょ?
二人は緋紅によって、すっかりアナル調教もされていた。最初はただただ違和感しかなかったアナルも、繰り返し嬲られ、拡張され、突かれる内にすっかり性器として成立してしまっていた。
キヌギヌの膣がビクビクと震え、きゅうっとスクセの指を咥え込むように蠢く。その蠕動を指先に感じ、スクセは勝利を確信した。
イッて!お願い!このまま!!
しかし、その瞬間、ぱっとスクセの頭が真っ白になる。
突然、自分が今何をしていたのかわからなくなってしまったのだ。
「スクセ、立ち上がりなさい」
あ、キヌギヌの声。
それに応じて、身体は自然と動いた。言う通りにしなければいけないと、強く思う。
「服を脱ぎなさい」
声が飛んでくる。服をスルスルと脱ぐ。下紐を解いて、袴がパサリとそのまま下に落ちた。
「感度が3倍になります」
キュンっと身体に電撃が走ったような感じがした。何もされてない、していないのに、乳首が固く勃起し、クリトリスの隆起すら感じた。
ふふふ・・・私の勝ちよ
一番みっともなく、イカせてあげる
え?何?この声・・・?キヌギヌ?
「四つん這いになって、アナルに指を二本入れて、イキ狂いなさい」
足ががくんと折れて、身体が崩れ落ちる。四つん這いの姿勢になり、右手をアナルに伸ばす。
「ん・・・あっ♡・・・ああっ!!」
ずぶりと一気に二本の指がアナルにめり込む。調教され、感度まで上げられたアナルはその淫靡な刺激であっという間に発火する。
「ああああ!!」
イキ狂わなきゃ・・・!
スクせの頭の中にあるのはキヌギヌの指令だけだった。
イキ狂う、イキ狂う、イキ狂う、イキ狂う・・・
私、もっと、もっと、もっとぉ!!
ぐちぐちとアナルを二本の指でかき混ぜる。腸内がかき回され、その刺激が振動となって子宮に伝わる。子宮が震え出し、高みに近づいていく。
「あ・・あああ!イク・・・イグうっ!!」
びくん、と上半身を跳ね上げる。その瞬間、触ってもいない秘所からブシュッと愛液が吐き出された。しかし、イッたにもかかわらず、キヌギヌの言葉の魔力はいまだスクセを縛り続ける。指が止まらない・・・どんなにイッても、イッても・・・だって、私まだ狂ってない・・・。
「あああっ!ダメぇ!!またイッちゃうぅう!!とめて・・・とめてぇええ!!!」
ぐちぐちとアナルを押し広げながら悶え続けるスクセを前にして、キヌギヌがにまりと笑っていた。その手には、裏面が黒の古代の銅鏡、人の心に入り込み、それを意のままにできる、キヌギヌの使う神宝『辺津鏡』があった。
「お館様・・・どんな手段でも、とおっしゃいましたよね?」
キヌギヌが淫靡に笑うと、緋紅もまた、いやらしい笑みを浮かべる。
「ああ、もちろん構わない・・・では今日は、お前で楽しもう、キヌギヌ。」
緋紅が手を差し伸べる。この部屋の奥は閨になっており、そこで一晩中愛してもらえるのだと思うと、キヌギヌの胸は踊っていた。
「ところでお館様?スクセへの罰は?」
ん?と緋紅が振り返る。
「ああ・・・そうだなぁ・・・ちょうどいいや、後でヤギョウの相手をしてもらおうか」
「あとで?」
「ん・・・ああ、そうだね、明日にでも。それまでは、あのままに」
「はい・・・わかりました」
アナルをぐちゃぐちゃとかき混ぜる手を自らの力では止めることができず、『止めて、お願い』と泣きながら懇願し続けるスクセを置いて、二人は閨へと消えていった。
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