炎の魔女は妖精の瞳を持つ男爵に恋をする~愛の囁きは危険な恋の始まり?~

清里優月

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39話 祝福14*

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 アスター公爵との戦いから10日後のダドリー伯爵家の応接間にハリーの両親とハリーとシエナの姿があった。この応接間はいつ来ても落ち着かないとシエナは思う。天井に天使の絵が描かれて、金の装飾が施されている。窓も金で施されて、赤いカーテンがつけられていた。壁にも金の装飾が施され、ランプが所々に設置されている。カーテンと同じ柄のソファーや椅子が置かれていて、中心に金の装飾の施されたテーブルがあった。色は派手だが、不思議と派手ではない。絶妙なデザインのお陰だ。

「父上、母上、彼女が私の恋人のシエナです」
「はじめまして」
 ハリーの紹介に夫人が声を上げた。

「まあ、何て綺麗な女性ね。ハリー、あなたが選んだのね。素敵な女性!」
 夫人の横でダドリー伯爵がコホンを咳払いをする。
「まあ、身分が問題だが、今は恋愛結婚が主流だ。好きにしろ。変わり者のお前を好いてくれる奇特な女性だ。本当にありがたい。それで結婚式はいつにするか?」
 にやりと伯爵が笑う。シエナがその言葉に口をパクパクさせて、耳を赤く染め上げた。

「まだ早いですよ。ですが、婚約式は早くしたいです」
 ハリーの言葉にシエナは戸惑うかのように金色の瞳を見開いた。
「ハリー。ゆっくりでいいのよ? 私はあなたと一緒に居られれば」
 ハリーがシエナの言葉に嬉しそうに微笑んだ。

「まあ、何て奥ゆかしい」
 夫人が感心するように声を出す。
「それでシエナさん、あなたは家族がいないと聞いた。そこでだ。私たちの家族になってほしい」
 ダドリー伯爵の提案に皆が嬉しそうに声を上げる。

「父上」
「ありがとうございます」
 シエナが頭を下げる。

 両親との歓談後、シエナはハリーの部屋に通された。シエナは肩の力がやっと抜けて、ほうっと息を吐いた。シエナとは違い、ハリーは自分の両親が相手だから緊張などしてなかった。
 
「シエナ。やっと二人っきりになれた」
 満足そうなハリーにシエナは苦笑する。
「ハリーってばもう……」
 両想いになって、ハリーが気を許してくれるようになったのが嬉しくて、口許が綻んでいた。だが、シエナはふと嫌なことを思い出す。
 
「それにしても、アスター公爵が生き残ったのにはびっくりよ」
「だが、塔の介入で一生幽閉されることになったから大丈夫さ。それに奴はもう正気を失っている」
「そうね、教会も禁止された魔女狩りを隠れて行っていたことが判明して、国王の命令によって解散されられたしね」
 アスター公爵の行く末を二人は、話しているがシエナは物悲しくなってきたようだ。魔女として塔に引き取られたシエナは魔女として、正しい道を選べた。だが、アスター公爵は人間世界で育ち魔法使いとして差別されて、間違った方向へと進んだ。そして、魔女や魔法使いたちを憎み、挙句の果てに精神を瓦解させた。自分も一歩間違っていたらああなっていたかもしれない。そう思うと、シエナの金色の瞳から涙が一滴零れた。ハリーは、シエナの涙を指で拭い、頬に手を添えた。ハリーは言葉を紡ぐ。

「シエナ。今度こそ告げるよ。君を愛している。君が魔女でもは人間でも、私の想いは変わらない」
 ハリーの告白にシエナは頬を染め上げて、微笑んだ。シエナは恥ずかしそうに言葉を返す。
「ハリー、私もあなたを愛しているわ」
 二人は自然と唇を寄せ合い、キスを交わした。啄むような優しいキスを角度を変えて繰り返される。シエナはハリーとの口づけにうっとりとしていた。両想いになって始めての口付けだ。ほうっと息を吐く。

「シエナ……」
 ハリーの真剣な響きを帯びた声にシエナははっとした。ハリーが熱っぽい視線をシエナに向けている。胸の鼓動が早く感じた。シエナはそっとハリーの胸に頬を寄せる。それが合図のようにハリーはシエナの頬に触れた。シエナは胸の高鳴りが止まらない。そして、ハリーはシエナの唇に自分の唇を重ねてきた。さっきの優しいキスから一転濃厚な口づけを仕掛けてきた。隙間から舌が入ってきた。舌は歯列を辿り、口腔を蹂躙する。ハリーの肉厚な舌は逃げ惑うシエナの舌に搦めて、吸い上げる。舌を吸い上げられて、身体の芯が蕩けそうな感覚に襲われた。唾液が溢れてきて、嚥下しきれない唾液をハリーが啜った。シエナの身体の力が抜けて、口から甘い吐息が零れる。

 ドレスの前にあるボタンをゆっくりと外されて、ドレスがストンと落とされた。ペディコートとコルセットがいとも容易く脱がされて、寝台に倒された。ハリーは、一糸まとわぬ姿になったシエナを見て、感嘆する。

「綺麗だ……」
 ハリーの言葉にシエナの陶磁器のように白い肌は赤く染まった。わかりやすい反応にハリーがくすりと笑う。首筋に唇を落として、舌で這わせた。ちりという痛みがして、肌に紅の所有印が施された。舌が首筋、鎖骨と通り胸元へと辿り着く。桜色の突起を口に含み、舌で強弱をつけて押した。もう一方の指で柔らかい突起を指でつままれ、こねるように圧し潰された。

「あっ、あん!」
 シエナの下腹部に甘い痺れが走り、喘いだ。声が自分の声じゃないみたいで、シエナはびくんとする。ハリーは濡れた舌で含んだ乳首を飴のように舐めて転がす。身体の芯が溶けてしまいそうだ。とろりとした蜜が下腹部から湧いてきて、ドロワーズを濡らしていく。

「あ……。いやあ」
 胸だけで感じてしまい、シエナは甘く喘いだ。執拗に胸ばかり弄られて、苦しい。身体の中の熱が暴れて、快感を発散させたくて仕方なかった。足の間がむず痒くて、足をくねらせる。ちゅうと桜色の蕾を舌で吸い上げて、もう片方の蕾を指で捏ねられる。甘い刺激にシエナはひっきりなしに嬌声を上げていた。
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