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カタクリ
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アルベルトはカリーナが侯爵令嬢であることには気付いていなかったが、侯爵家や公爵家が少ないとは言え、伯爵家であるアルベルトが初対面の女性にそう言った態度を取るのは見たことがなかった。いや、女性に自ら話しかけるところを見たことなかったという方が正しいかもしれない。
彼がわざとフランクな話し方をしているように周りには見えていた。2人は知り合いなのだろうかと探るように誰もが彼らを気にしていた。
アルベルトは学園ではそれ程に有名だった。
カリーナが生徒会長へ記名した招待状と、名前の消された一覧表を渡す。
一覧表に書いてある管理番号から同じリストを取り出して、一つ一つ名前をチェックが始まると、自らを落ち着かせるようにその手元を追うことに集中して、カリーナはその場で待っていた。
それを確認し、アルベルトは生徒会室を後にしていた。
思っていたよりも時間が長く感じる。後少し後少しと考え始めた頃には、生徒会長の途切れぬ集中力に感心したり、封蝋印の持ち手のガラスが素敵だなとぼーっと考えたり、目の前の窓から見える鳥の数を数えたりして時間潰すようになった。
漸く彼がチェックし終わる頃には、封筒に入った招待状は積み上げたら崩れ落ちそうなほどには嵩張って、机に山を作っていた。
紙袋に招待状を丁寧に入れたものを受け取る。
こんな作業を2人だけでやるのだから頭が上がらない。
許可のないものを入場させてなにかあってはならない為だが、安全というのは苦労して苦労して作り上げ、それでも穴が出来てしまう。
過去、招待状の不正が問題になったと聞いたことがあった。
異国の情報屋が紛れ込むことが常態化していたという。普段侵入することは難しいが、学園内は小さな社会の縮図。噂話から極秘情報まであらゆることが囁かれている場である。
安全な学園内で気が緩み、しかもその情報を扱うものが普段やり合う強者どもよりも未熟者であるなら、プロにとっては格好の餌場であったはずだ。
他にも昔の卒業パーティーでの悪い噂や小さな事件は、過去の武勇伝かのように語る大人も多い。
俺の時はこんなことが、私の時はあんなことがあったと、話のネタにはなったが、学園としては醜聞でしかなかった。
その結果、下準備から当日の護衛の配備に至るまで、年々厳重なものになっていった。
カリーナは先程座っていた椅子の後ろを通るようにして扉へ向かった。
アルベルトの姿がないことは歩き始めた時から気付いていた。目を閉じれば、目に焼きついた彼の残像がまだ見えそうだと幻の彼を見ていた。
彼がわざとフランクな話し方をしているように周りには見えていた。2人は知り合いなのだろうかと探るように誰もが彼らを気にしていた。
アルベルトは学園ではそれ程に有名だった。
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一覧表に書いてある管理番号から同じリストを取り出して、一つ一つ名前をチェックが始まると、自らを落ち着かせるようにその手元を追うことに集中して、カリーナはその場で待っていた。
それを確認し、アルベルトは生徒会室を後にしていた。
思っていたよりも時間が長く感じる。後少し後少しと考え始めた頃には、生徒会長の途切れぬ集中力に感心したり、封蝋印の持ち手のガラスが素敵だなとぼーっと考えたり、目の前の窓から見える鳥の数を数えたりして時間潰すようになった。
漸く彼がチェックし終わる頃には、封筒に入った招待状は積み上げたら崩れ落ちそうなほどには嵩張って、机に山を作っていた。
紙袋に招待状を丁寧に入れたものを受け取る。
こんな作業を2人だけでやるのだから頭が上がらない。
許可のないものを入場させてなにかあってはならない為だが、安全というのは苦労して苦労して作り上げ、それでも穴が出来てしまう。
過去、招待状の不正が問題になったと聞いたことがあった。
異国の情報屋が紛れ込むことが常態化していたという。普段侵入することは難しいが、学園内は小さな社会の縮図。噂話から極秘情報まであらゆることが囁かれている場である。
安全な学園内で気が緩み、しかもその情報を扱うものが普段やり合う強者どもよりも未熟者であるなら、プロにとっては格好の餌場であったはずだ。
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俺の時はこんなことが、私の時はあんなことがあったと、話のネタにはなったが、学園としては醜聞でしかなかった。
その結果、下準備から当日の護衛の配備に至るまで、年々厳重なものになっていった。
カリーナは先程座っていた椅子の後ろを通るようにして扉へ向かった。
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