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策略
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「まぁそれは分からんが、その価値があるとされているのだから、それなりのポジションが用意されるということだろう。まだ学園に入学したばかりだ。可能なら特進科へ進んで学んでほしいということで推薦状が来ている。家のことはどうにかなる。私もまだ若いし、表でもやらなければいけないことはたくさんある。お前が継がないのは残念だが、養子を取るのが現実的だ。後はこの条件を出された上で断ることも、もちろん出来るだろう。どうする?」
「特進科へは進むことにします。しかし、答えを出すのは卒業する歳まで待ってもらいましょう。今はまだ学園に入ったばかり。卒業するまでに状況が変わることもあるはずです。その時に今出す結論に悩むことはしたくありませんし、あちらもすぐに答えを求めるようなものではないので了承するでしょう。そのようにお伝え願いますか?」
あわよくばこの話が立ち消えればいいという考えがなかったわけではない。がその考えは甘いだろうともきちんと考えていた。
用意されるポジションも不明であるため容易に受けるわけにもいかない。
こちらとしてもその条件を持ってしても簡単には頷ける話ではないことを示しておくには保留が一番いい方法だと考えたのだ。
母もまだ若く、子を産めない歳ではないことも望みだった。
取り敢えず特進科には進んで学ぶから、答えは期待せずに待っていてくれ。
それがアルベルトの出した答えの直訳だ。
気付いて撤回してして欲しいと言う本意が伝わるだろう。
次の週の半ば、特進科への推薦状が王家から届いた。
学園から優秀者が選出され、王家が家柄や身辺調査をする。王宮へ勤める前には必ず通る道だ。
問題がなければ王家から特進科への推薦状が送られ、学園に提出すれば特進科へ転科となる。
少し憂鬱ではあったが、特進科で学ぶだろう専門的な国の知識や隣国の情報には興味があった。
特進科への転科と言っても、一年生では初めての推薦状の発行だったので、全員が同じタイミングで特進科へ入ることになる。苦労をすることはないだろう。
この話が来たのが今年だったのはまだ運が良かったのかもしれない。
父からも答えは待ってもらえるというを聞いていたため安心して招待状を学園に提出をした。
「アルベルト、君なんで特進科へ行くんだ?伯爵家の後継は君だろう?」
転科者が発表されると、ベレンガリアは一番に声をかけてきた。
若干呆れたのだが、ベレンガリアもまだ後継者の1人として帝王学を学んでいる身、全ての情報が手に入るわけではないだろう。
「王家からの打診とだけ伝えておく」
あとは自分で調べてくれと暗に仄めかした。
「誰かに先を越されたのか。チッそれが叶うなら君を側近にしたかったのは俺の方なのに」
行儀悪く舌打ちをしたような気がしたが、その美しい口からそんな音が聞こえるわけがないとばかりに周りは聞き流していた。
婚約したばかりのベレンガリアの婚約者には見せられない場面だった。
往々にしてこの世は早い者勝ちの世界である。行動を起こさないということは諦めていることと変わらない。
行動を起こしたもののみが手に入れられる物は確かにあった。
「妨害してくれるのなら喜んで」
ベレンガリアだけに聞こえるくらい声をボリュームを落として呟くと、彼はニカッと笑った。
アルベルトの机に両手を付き顔を近付けると、女でも口説くように耳元で囁く。
「では、その時が来たら掻っ攫うとしよう」
そうではない…と伝えたが、ベレンガリアはもう聞く耳を持たなかった。
もちろんベレンガリアも特進科へと一緒に転科することとなる。
恐れ多くも、アルベルトにとって気の許せる友人の1人だった。
「特進科へは進むことにします。しかし、答えを出すのは卒業する歳まで待ってもらいましょう。今はまだ学園に入ったばかり。卒業するまでに状況が変わることもあるはずです。その時に今出す結論に悩むことはしたくありませんし、あちらもすぐに答えを求めるようなものではないので了承するでしょう。そのようにお伝え願いますか?」
あわよくばこの話が立ち消えればいいという考えがなかったわけではない。がその考えは甘いだろうともきちんと考えていた。
用意されるポジションも不明であるため容易に受けるわけにもいかない。
こちらとしてもその条件を持ってしても簡単には頷ける話ではないことを示しておくには保留が一番いい方法だと考えたのだ。
母もまだ若く、子を産めない歳ではないことも望みだった。
取り敢えず特進科には進んで学ぶから、答えは期待せずに待っていてくれ。
それがアルベルトの出した答えの直訳だ。
気付いて撤回してして欲しいと言う本意が伝わるだろう。
次の週の半ば、特進科への推薦状が王家から届いた。
学園から優秀者が選出され、王家が家柄や身辺調査をする。王宮へ勤める前には必ず通る道だ。
問題がなければ王家から特進科への推薦状が送られ、学園に提出すれば特進科へ転科となる。
少し憂鬱ではあったが、特進科で学ぶだろう専門的な国の知識や隣国の情報には興味があった。
特進科への転科と言っても、一年生では初めての推薦状の発行だったので、全員が同じタイミングで特進科へ入ることになる。苦労をすることはないだろう。
この話が来たのが今年だったのはまだ運が良かったのかもしれない。
父からも答えは待ってもらえるというを聞いていたため安心して招待状を学園に提出をした。
「アルベルト、君なんで特進科へ行くんだ?伯爵家の後継は君だろう?」
転科者が発表されると、ベレンガリアは一番に声をかけてきた。
若干呆れたのだが、ベレンガリアもまだ後継者の1人として帝王学を学んでいる身、全ての情報が手に入るわけではないだろう。
「王家からの打診とだけ伝えておく」
あとは自分で調べてくれと暗に仄めかした。
「誰かに先を越されたのか。チッそれが叶うなら君を側近にしたかったのは俺の方なのに」
行儀悪く舌打ちをしたような気がしたが、その美しい口からそんな音が聞こえるわけがないとばかりに周りは聞き流していた。
婚約したばかりのベレンガリアの婚約者には見せられない場面だった。
往々にしてこの世は早い者勝ちの世界である。行動を起こさないということは諦めていることと変わらない。
行動を起こしたもののみが手に入れられる物は確かにあった。
「妨害してくれるのなら喜んで」
ベレンガリアだけに聞こえるくらい声をボリュームを落として呟くと、彼はニカッと笑った。
アルベルトの机に両手を付き顔を近付けると、女でも口説くように耳元で囁く。
「では、その時が来たら掻っ攫うとしよう」
そうではない…と伝えたが、ベレンガリアはもう聞く耳を持たなかった。
もちろんベレンガリアも特進科へと一緒に転科することとなる。
恐れ多くも、アルベルトにとって気の許せる友人の1人だった。
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