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外側からグイグイと
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次の日、紙面にはテンサー家の続報があったが、リーリエはそんな事をすっかり忘れていた。
アカデミーに着くと、カナリアから「あの男、本当可笑しいわね」と言われて、そういえば突然婚約破棄なんて馬鹿なことを言い出した男がいたなと思い出した。
「隣国の王女はこの騒ぎは不快だと言っていると書いてあったわ」
「ふーん。そうなの」
「あら、全く興味がなさそうね?シーセル様の方が気になる?」
「そうじゃないけど…今朝家に、剣術大会のプレミアム観覧席のチケットが届いたのよ…」
「わぁ!もしかして、彼から?」
「そう…彼からなの…」
今朝、シュエトン家に届いたリーリエ宛の手紙は、マーサー家の家紋の封蝋印が押されていた。
両親は説得したが縁談は保留状態で止めてもらうことになった。
はっきりと断ってくれという意見はなかったものにされたのは、母が渋ったことが大きい。
そんな中、国中の剣士達が集まる剣術大会のチケットが届いた。
騎士団への登竜門としても有名な大会であり、他国の貴族もお忍びで観覧する程の人気の高い大会。
国内の騎士は不参加だが、国外の騎士はこの大会に参加する為に集まってくる。
チケットも平民貴族問わず完全抽選であるが、唯一参加者だけが優先的にチケットを手に入れられる。
しかし、プレミアム観覧席となるとガラッと意味が変わってくる。
王族、もしくは騎士団長などの公式に招かれた者が座るのがプレミアム観覧席だ。
その席のチケットが出回ることはほとんどない。
それが何故彼が持っているのか、それが怖くて仕方がなかった。
「プレミアム観覧席って高い位置から見られる分目立つし、そこにリーリエがいたらかなり注目されそうね」
「そうなのよ…まだ普通のチケットなら喜んで見に行ったのだけどね。チケット、2枚あるから一緒に行かない?」
「えっ!2枚もそんな貴重なチケットをもらったの?羨ましいけど、私はNOよ。シェーラなら喜んで行ってくれるでしょ!シェーラは確かチケットが当選していたはずだから、シェーラのチケットを譲って貰おうかしら」
カナリアは1人ルンルンと教室のドアをくぐり、私はため息をつきながら後から続いた。
昨日から何故こんなことになったんだろうと考えてばかりだ。
「やぁ!リーリエ」
婚約者でもないのに私を名前で呼ぶ男は、この世でただ1人しかいない。
「トーマスおはよう」
そして、私も婚約者でもないのに名前で呼んでいる。
それがこの他人の目がある中でも可能なのは、私たちが従兄妹であるからだ。
従兄妹だと言っても、彼は父の兄である伯爵家家門であり、弟に市場専有率の高い小麦の土地を充てがうだけの余裕のある伯爵家であるから、私とは天と地ほど差のあるご身分だ。
「おはよう。昨日休んだけど大丈夫?」
可愛い顔で心配してもらえると、少しだけ癒されている感じがする。
どちらかといえば同い年だけど弟ような彼は、温厚だし優しいし、私の男性に対しての理想が高くなっているのはトーマスのせいだ。
「全然。昨日も教室の前まで来たけど、やっぱり家に帰らないといけないと思ってすぐ帰っちゃったの。心配させてごめんね」
「うーん。いいんだけど、何かあったのかなって。こんな話題になってるのもあるし、本当に大丈夫なの?」
そう言われて周りを見渡せば、チクチクと刺さる視線に気付く。
でも私は巻き込まれただけであったので、どちらかと言えば同情の目線だ。
「まぁ、こんな感じなら大丈夫でしょう。別にすごく困ったことが起こったわけじゃないわ」
「そう?そういえば、婚約破棄はもうされたんでしょう?今日の帰りにケーキでも食べに行かない?久しぶりにさ」
婚約破棄のことはこの教室の人たちよりもよっぽど詳しく知っているだろうトーマスなので、私がそれほど気にしていないのももう知っているのかもしれない。
ずっと放課後はリーバスとの時間だったから、誰かと寄り道するのも久しぶりだ。
「本当に久しぶりね!楽しみにしてる」
「よかった!ハチミツの紅茶とレモンケーキが人気だって店に行こうよ。実はずっと行きたかったんだ。男友達なんて断られるだけだしね」
甘党のトーマスは、よっぽど行きたかったのか、お店のメニュー表まで胸ポケットに入れていた。
他にもチョコチップクッキーが美味しい焼き菓子店に、フルーツジュースが人気のカフェやチーズケーキ専門店と、メニュー表が次から次に出てきて、まるでマジックを見ている気分だ。
「うんうん。二つくらいならハシゴしてもいいわよ?」
「え?ほんと!?約束だよ!」
教室の入り口で立ち話をしてしまっていた私たちは、背後にいた先生の咳払いにより席についた。
アカデミーに着くと、カナリアから「あの男、本当可笑しいわね」と言われて、そういえば突然婚約破棄なんて馬鹿なことを言い出した男がいたなと思い出した。
「隣国の王女はこの騒ぎは不快だと言っていると書いてあったわ」
「ふーん。そうなの」
「あら、全く興味がなさそうね?シーセル様の方が気になる?」
「そうじゃないけど…今朝家に、剣術大会のプレミアム観覧席のチケットが届いたのよ…」
「わぁ!もしかして、彼から?」
「そう…彼からなの…」
今朝、シュエトン家に届いたリーリエ宛の手紙は、マーサー家の家紋の封蝋印が押されていた。
両親は説得したが縁談は保留状態で止めてもらうことになった。
はっきりと断ってくれという意見はなかったものにされたのは、母が渋ったことが大きい。
そんな中、国中の剣士達が集まる剣術大会のチケットが届いた。
騎士団への登竜門としても有名な大会であり、他国の貴族もお忍びで観覧する程の人気の高い大会。
国内の騎士は不参加だが、国外の騎士はこの大会に参加する為に集まってくる。
チケットも平民貴族問わず完全抽選であるが、唯一参加者だけが優先的にチケットを手に入れられる。
しかし、プレミアム観覧席となるとガラッと意味が変わってくる。
王族、もしくは騎士団長などの公式に招かれた者が座るのがプレミアム観覧席だ。
その席のチケットが出回ることはほとんどない。
それが何故彼が持っているのか、それが怖くて仕方がなかった。
「プレミアム観覧席って高い位置から見られる分目立つし、そこにリーリエがいたらかなり注目されそうね」
「そうなのよ…まだ普通のチケットなら喜んで見に行ったのだけどね。チケット、2枚あるから一緒に行かない?」
「えっ!2枚もそんな貴重なチケットをもらったの?羨ましいけど、私はNOよ。シェーラなら喜んで行ってくれるでしょ!シェーラは確かチケットが当選していたはずだから、シェーラのチケットを譲って貰おうかしら」
カナリアは1人ルンルンと教室のドアをくぐり、私はため息をつきながら後から続いた。
昨日から何故こんなことになったんだろうと考えてばかりだ。
「やぁ!リーリエ」
婚約者でもないのに私を名前で呼ぶ男は、この世でただ1人しかいない。
「トーマスおはよう」
そして、私も婚約者でもないのに名前で呼んでいる。
それがこの他人の目がある中でも可能なのは、私たちが従兄妹であるからだ。
従兄妹だと言っても、彼は父の兄である伯爵家家門であり、弟に市場専有率の高い小麦の土地を充てがうだけの余裕のある伯爵家であるから、私とは天と地ほど差のあるご身分だ。
「おはよう。昨日休んだけど大丈夫?」
可愛い顔で心配してもらえると、少しだけ癒されている感じがする。
どちらかといえば同い年だけど弟ような彼は、温厚だし優しいし、私の男性に対しての理想が高くなっているのはトーマスのせいだ。
「全然。昨日も教室の前まで来たけど、やっぱり家に帰らないといけないと思ってすぐ帰っちゃったの。心配させてごめんね」
「うーん。いいんだけど、何かあったのかなって。こんな話題になってるのもあるし、本当に大丈夫なの?」
そう言われて周りを見渡せば、チクチクと刺さる視線に気付く。
でも私は巻き込まれただけであったので、どちらかと言えば同情の目線だ。
「まぁ、こんな感じなら大丈夫でしょう。別にすごく困ったことが起こったわけじゃないわ」
「そう?そういえば、婚約破棄はもうされたんでしょう?今日の帰りにケーキでも食べに行かない?久しぶりにさ」
婚約破棄のことはこの教室の人たちよりもよっぽど詳しく知っているだろうトーマスなので、私がそれほど気にしていないのももう知っているのかもしれない。
ずっと放課後はリーバスとの時間だったから、誰かと寄り道するのも久しぶりだ。
「本当に久しぶりね!楽しみにしてる」
「よかった!ハチミツの紅茶とレモンケーキが人気だって店に行こうよ。実はずっと行きたかったんだ。男友達なんて断られるだけだしね」
甘党のトーマスは、よっぽど行きたかったのか、お店のメニュー表まで胸ポケットに入れていた。
他にもチョコチップクッキーが美味しい焼き菓子店に、フルーツジュースが人気のカフェやチーズケーキ専門店と、メニュー表が次から次に出てきて、まるでマジックを見ている気分だ。
「うんうん。二つくらいならハシゴしてもいいわよ?」
「え?ほんと!?約束だよ!」
教室の入り口で立ち話をしてしまっていた私たちは、背後にいた先生の咳払いにより席についた。
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