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第一部
結婚式
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私の父は、入場前から涙を流していた。
「毎日泣き叫んでいた子が結婚とは…」
大聖堂のホールの入り口の階段の最上段で入場するタイミングを待っているが、父は泣いたまま入場するつもりらしい。
「お父様、私は公爵家に行っても貴方の娘ですよ」
「うぅっ…幸せになりなさい。蔑ろにされたらすぐに戻ってくるんだぞ!」
つい最近まで公爵家に住めと言っていた父は、娘に戻って来て欲しくなったようだ。親の心はわからないが、戻ってもいいと言われると、じゃあ結婚なんてやめてしまおうかな?なんて思う。だけどデイヴィッドが泣きそうなので今は家に戻るのはやめておこうと思う。
「そうですね…そんなことがあったら、すぐに離縁して帰ります。帰って来ても怒らないでくださいね」
私のドレスのトレーンが階段を飾り、その姿は画家と結婚式を見に来たたくさんの平民達が見上げている。私は父の腕に手を乗せた後、祝福の声が聞こえる方へ手を振って答えた。
私の長いベールとトレーンをトレーンベアラーの女の子達が楽しそうにふわふわと揺らしている。
「転ばないようにね!」
白い花の冠をつけた子供達は、たくさんの人が階段の下にいるので、落ち着かないようだ。それでも貴族の子供。ニコッと笑って「はい」と行儀よく答えた。
「新婦のご入場です」
私は多くの歓声が外から漏れ聞こえてくるのを聞きながら、バージンロードを歩いた。その道の先には、先に入場したデイヴィッドが柔らかく微笑んでいる。
「おめでとうー!」
バージンロードの近くにいる友人達が花びらをふわりと投げて、デイヴィッドの元に向かう前に既に幸せで、自然と笑顔が溢れた。
たくさんの友人達と過ごしたアカデミーは一部は暗い思い出にもなってしまったが、それでも皇太子妃になるために友人をたくさん作るように努力した日々は、無駄にはならなかった。笑顔で祝ってくれる友人に出会えた私は確かに幸せだった。
「おめでとう」
家族の席のすぐ後ろには、国王陛下達と一緒にフロージアがいた。公爵家の結婚式、それも私の幼馴染であった彼ら兄弟を招待しない選択肢はない。目が合うと私は自然と目を細めて笑ったが、それは溢れるような笑顔ではなく、挨拶のような深い意味のない漏れた笑顔だった。
父の腕に乗せていた手を、デイビッドが取り、その手に唇を落としてから彼の腕に私の手を誘う。
「ふふっ」
「嫌だった?」
「いいえ」
私たちは何度も目線を合わせながら神父の前に立った。神父が式辞を述べている間、私はデイヴィッドと結婚までの日々を思い出していた。
最初はフロージアに一泡吹かせられる相手だと思ったし、落ち着きのある優しい人柄に惹かれたが、思い返してみると、結構カッコ悪いと思えることも沢山あった。最初の印象とはまるで変わったような気もするが、そうでもない気もする。彼はずっと彼のままだ。
怒って物に当たることもないし、浮気してるんじゃないかなんて不安になる要素がない。でもやっぱり不安。
「病める時も、健やかなる時も、これを愛し、敬い、慰め、助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
神父がデイヴィッドに問いかけると、デイヴィッドがまた私を見たのが分かったので、彼を見上げると、当然のように微笑んだ彼と目が合った。
彼は私の手を一度ギュッと握ってから「はい。誓います」と答える。
「新婦ステラ、あなたはデイヴィッドを夫とし、病める時も、健やかなる時も、これを愛し、敬い、慰め、助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
デイヴィッドを見上げれば、彼は不思議そうな顔をした。自分が誓う前に私を見たことを忘れてしまったかのようだ。私は少しだけデイヴィッドの肩にベールを擦り付けるようにトンと寄った後「はい。誓います」と答えた。少しの迷いもない。彼とこの先も過ごしていきたい。
「では、誓いのキスを」
新婦の言葉で、デイヴィッドが私のヴェールを上げると、私は思いがけずフワリと持ち上げられた。
「えぇっ!?」
「ごめん。我慢出来ない」
長いトレーンもあるのに、私は彼に抱えられながらおでこをコツンと合わせた後惹かれ合うようにキスをした。誓いのキスには、愛の誓約の言葉を封じ込める意味があるという。
唇が離れると、彼は少し頬を染めながら蕩けるように笑うので、私は恥も忘れて彼の首に抱き付いた。たくさんの歓声も全然気にならない。
デイヴィッドが耳元で「愛してる」と言った言葉だけが、私の耳に届いた。
「私も愛してるわ」
私は心からそう思った。もう前のように素直に誰かを愛することなんてないのかもしれないと思っていた時、こんな素敵な結婚式が出来るとは思っていなかった。フロージアの時のようにただ純粋にデイヴィッドを好きかと言われると、やはり私の心は濁ってしまった。
それでもあの頃よりも素直に目の前にいるデイヴィッドに好きだと言える自分が好きだ。
「コホンッ!証人の署名、誓いの言葉が揃いました。今二人が正式に夫婦となることを認めます。結婚証明書にサインを」
「ステラ、毎日君を想うよ」
デイヴィッドはそう言って名残惜しそうに私を下ろした。神父のサインの入った結婚証明書に二人でサインすると、私はまた再び彼に抱えられながら退場した。
教会ホールを出ると、そこには入場時から変わらずたくさんの人がいて、祝福の鐘の鳴り響く中、デイヴィッドは私を抱えながら浮遊魔法を使って階段を降りた。
「おめでとうございます!」
たくさんの花が舞う中、大聖堂を半周しながら入り口の儀式用の真っ白な馬に引かれた馬車に乗ってウィステラート城までの道をゆっくりと手を振りながら進んだ。私たちの結婚式は、間違いなくこの国で一番大きな結婚式となっただろう。
大聖堂のホールを埋める王族と貴族、大聖堂の敷地に集まる平民、収容人数は一万人だが、道にも人が溢れているのでその人数も超えたかもしれない。たくさんの人に祝われることがこんなに幸せな気分になるとは思ってもいなかった。
「これからもずっと、ステラの隣にいるのは私だ」
「デイヴィッドの隣も私だけよ」
その日の昼にでた新聞社の号外紙には、天使さえも顔を赤る恋愛結婚だというピンク色の言葉で埋め尽くされた。
「誰もが羨むホットカップルの歴史上最も豪華な結婚式だと出てるな」
「披露宴はこれからなのに?」
披露宴は王宮舞踏会並みの招待客がいる。国外の王族貴族も多くいるため、豪華さで言えば国内で開かれるパーティとは比べ物にならない規模だ。
「そのドレスもとても似合ってるよ」
「デイヴィッドの今度のスーツはタイも締め方を変えて、タキシードにはステッチまで入ってる。同じ白地でもかなり印象が変わるわね」
「似合ってないか?」
「似合ってるわよ。ケアリーの愛情のこもったスーツだものね」
ただ褒めるにしては素敵すぎる。誰かの愛情のこもった服を着ているけど、才能は認めなければならない。
「ケアリーはやめさせるよ。すぐに」
「いいえ、辞めさせないわ。手を出さない限り絶対に」
服は戦闘服と同じ。身分に合う服は必ず必要になる。力のない王妃、身の程を知らない皇太子妃。私は必ず一番上等な服を着なければならない。派手という意味ではなく、流行の最先端にいることが必要だ。
「褒めてもらえないなら私には着る意味はあまりないんだが?」
「似合いすぎてむかつくのよ!」
「じゃあ、早く終わらせて脱いでしまおう。結婚したのにベッドに入れないなんて、披露宴なんてやめればよかった」
デイヴィッドは似合いすぎてると言われて満足したようだが、その満足気な顔すらも腹が立つので、顔面にいくつも落ちるキスは拒んでその顔を掴んで思いっきり唇を噛んでやった。
「今夜は寝かせないから覚悟しておくのね」
もちろん、本気で怒っているわけじゃないし、ただ単に似合いすぎていて気に入らないだけだけど、デイヴィッドは八つ当たりされて嬉しそうにしている。今日という日まで散々我慢させられたのはどちらかというとこちらの方だ。
「マイミューズ夫妻~!入場の時間ですよ!手直しは必要ないですか~?」
ネクタイにつかみかかっていたところを、ケアリーが遠慮なくドアを開けた。朝からずっとこの調子だ。仕事が早いのも気に入らない。
「公爵夫人ー!口紅が落ちているじゃないですか!公爵の唇も腫れて!?せっかくの晴れ舞台に!メイクも髪型も指示したのは私ですよ!?完璧にしてください!!あぁでもコンセプトとしては悪くない…あぁん!次のドレスはハロウィン用のゾンビで行きましょう!ハロウィン用は初めてですね…新しい道が開そうですよ!マイミューズ!」
いつの間にか彼女のミューズに私も加わってしまった。デイヴィッドとセットなのだから二人がミューズに決まっているらしい。
髪のセットも、宝石も、メイクも、全てケアリー仕様のケアリー色だ。ストレスの原因がまさにそれだった。デイヴィッドはネクタイを結び直されると、腫れて口に血を滲ませながら会場に向かおうと手を差し出すので、治癒魔法を使うことになった。手を翳せばペロリと舐められ、再び私は覚えていろよ!と舌にかぶりついた。
次の日の朝、くしゃくしゃの夫婦の寝室で、縛られたまま寝ているデイヴィッドが、ステラの求めで朝食を持ってきたメイドにより目撃された。夫婦仲は良好だ。
「毎日泣き叫んでいた子が結婚とは…」
大聖堂のホールの入り口の階段の最上段で入場するタイミングを待っているが、父は泣いたまま入場するつもりらしい。
「お父様、私は公爵家に行っても貴方の娘ですよ」
「うぅっ…幸せになりなさい。蔑ろにされたらすぐに戻ってくるんだぞ!」
つい最近まで公爵家に住めと言っていた父は、娘に戻って来て欲しくなったようだ。親の心はわからないが、戻ってもいいと言われると、じゃあ結婚なんてやめてしまおうかな?なんて思う。だけどデイヴィッドが泣きそうなので今は家に戻るのはやめておこうと思う。
「そうですね…そんなことがあったら、すぐに離縁して帰ります。帰って来ても怒らないでくださいね」
私のドレスのトレーンが階段を飾り、その姿は画家と結婚式を見に来たたくさんの平民達が見上げている。私は父の腕に手を乗せた後、祝福の声が聞こえる方へ手を振って答えた。
私の長いベールとトレーンをトレーンベアラーの女の子達が楽しそうにふわふわと揺らしている。
「転ばないようにね!」
白い花の冠をつけた子供達は、たくさんの人が階段の下にいるので、落ち着かないようだ。それでも貴族の子供。ニコッと笑って「はい」と行儀よく答えた。
「新婦のご入場です」
私は多くの歓声が外から漏れ聞こえてくるのを聞きながら、バージンロードを歩いた。その道の先には、先に入場したデイヴィッドが柔らかく微笑んでいる。
「おめでとうー!」
バージンロードの近くにいる友人達が花びらをふわりと投げて、デイヴィッドの元に向かう前に既に幸せで、自然と笑顔が溢れた。
たくさんの友人達と過ごしたアカデミーは一部は暗い思い出にもなってしまったが、それでも皇太子妃になるために友人をたくさん作るように努力した日々は、無駄にはならなかった。笑顔で祝ってくれる友人に出会えた私は確かに幸せだった。
「おめでとう」
家族の席のすぐ後ろには、国王陛下達と一緒にフロージアがいた。公爵家の結婚式、それも私の幼馴染であった彼ら兄弟を招待しない選択肢はない。目が合うと私は自然と目を細めて笑ったが、それは溢れるような笑顔ではなく、挨拶のような深い意味のない漏れた笑顔だった。
父の腕に乗せていた手を、デイビッドが取り、その手に唇を落としてから彼の腕に私の手を誘う。
「ふふっ」
「嫌だった?」
「いいえ」
私たちは何度も目線を合わせながら神父の前に立った。神父が式辞を述べている間、私はデイヴィッドと結婚までの日々を思い出していた。
最初はフロージアに一泡吹かせられる相手だと思ったし、落ち着きのある優しい人柄に惹かれたが、思い返してみると、結構カッコ悪いと思えることも沢山あった。最初の印象とはまるで変わったような気もするが、そうでもない気もする。彼はずっと彼のままだ。
怒って物に当たることもないし、浮気してるんじゃないかなんて不安になる要素がない。でもやっぱり不安。
「病める時も、健やかなる時も、これを愛し、敬い、慰め、助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
神父がデイヴィッドに問いかけると、デイヴィッドがまた私を見たのが分かったので、彼を見上げると、当然のように微笑んだ彼と目が合った。
彼は私の手を一度ギュッと握ってから「はい。誓います」と答える。
「新婦ステラ、あなたはデイヴィッドを夫とし、病める時も、健やかなる時も、これを愛し、敬い、慰め、助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
デイヴィッドを見上げれば、彼は不思議そうな顔をした。自分が誓う前に私を見たことを忘れてしまったかのようだ。私は少しだけデイヴィッドの肩にベールを擦り付けるようにトンと寄った後「はい。誓います」と答えた。少しの迷いもない。彼とこの先も過ごしていきたい。
「では、誓いのキスを」
新婦の言葉で、デイヴィッドが私のヴェールを上げると、私は思いがけずフワリと持ち上げられた。
「えぇっ!?」
「ごめん。我慢出来ない」
長いトレーンもあるのに、私は彼に抱えられながらおでこをコツンと合わせた後惹かれ合うようにキスをした。誓いのキスには、愛の誓約の言葉を封じ込める意味があるという。
唇が離れると、彼は少し頬を染めながら蕩けるように笑うので、私は恥も忘れて彼の首に抱き付いた。たくさんの歓声も全然気にならない。
デイヴィッドが耳元で「愛してる」と言った言葉だけが、私の耳に届いた。
「私も愛してるわ」
私は心からそう思った。もう前のように素直に誰かを愛することなんてないのかもしれないと思っていた時、こんな素敵な結婚式が出来るとは思っていなかった。フロージアの時のようにただ純粋にデイヴィッドを好きかと言われると、やはり私の心は濁ってしまった。
それでもあの頃よりも素直に目の前にいるデイヴィッドに好きだと言える自分が好きだ。
「コホンッ!証人の署名、誓いの言葉が揃いました。今二人が正式に夫婦となることを認めます。結婚証明書にサインを」
「ステラ、毎日君を想うよ」
デイヴィッドはそう言って名残惜しそうに私を下ろした。神父のサインの入った結婚証明書に二人でサインすると、私はまた再び彼に抱えられながら退場した。
教会ホールを出ると、そこには入場時から変わらずたくさんの人がいて、祝福の鐘の鳴り響く中、デイヴィッドは私を抱えながら浮遊魔法を使って階段を降りた。
「おめでとうございます!」
たくさんの花が舞う中、大聖堂を半周しながら入り口の儀式用の真っ白な馬に引かれた馬車に乗ってウィステラート城までの道をゆっくりと手を振りながら進んだ。私たちの結婚式は、間違いなくこの国で一番大きな結婚式となっただろう。
大聖堂のホールを埋める王族と貴族、大聖堂の敷地に集まる平民、収容人数は一万人だが、道にも人が溢れているのでその人数も超えたかもしれない。たくさんの人に祝われることがこんなに幸せな気分になるとは思ってもいなかった。
「これからもずっと、ステラの隣にいるのは私だ」
「デイヴィッドの隣も私だけよ」
その日の昼にでた新聞社の号外紙には、天使さえも顔を赤る恋愛結婚だというピンク色の言葉で埋め尽くされた。
「誰もが羨むホットカップルの歴史上最も豪華な結婚式だと出てるな」
「披露宴はこれからなのに?」
披露宴は王宮舞踏会並みの招待客がいる。国外の王族貴族も多くいるため、豪華さで言えば国内で開かれるパーティとは比べ物にならない規模だ。
「そのドレスもとても似合ってるよ」
「デイヴィッドの今度のスーツはタイも締め方を変えて、タキシードにはステッチまで入ってる。同じ白地でもかなり印象が変わるわね」
「似合ってないか?」
「似合ってるわよ。ケアリーの愛情のこもったスーツだものね」
ただ褒めるにしては素敵すぎる。誰かの愛情のこもった服を着ているけど、才能は認めなければならない。
「ケアリーはやめさせるよ。すぐに」
「いいえ、辞めさせないわ。手を出さない限り絶対に」
服は戦闘服と同じ。身分に合う服は必ず必要になる。力のない王妃、身の程を知らない皇太子妃。私は必ず一番上等な服を着なければならない。派手という意味ではなく、流行の最先端にいることが必要だ。
「褒めてもらえないなら私には着る意味はあまりないんだが?」
「似合いすぎてむかつくのよ!」
「じゃあ、早く終わらせて脱いでしまおう。結婚したのにベッドに入れないなんて、披露宴なんてやめればよかった」
デイヴィッドは似合いすぎてると言われて満足したようだが、その満足気な顔すらも腹が立つので、顔面にいくつも落ちるキスは拒んでその顔を掴んで思いっきり唇を噛んでやった。
「今夜は寝かせないから覚悟しておくのね」
もちろん、本気で怒っているわけじゃないし、ただ単に似合いすぎていて気に入らないだけだけど、デイヴィッドは八つ当たりされて嬉しそうにしている。今日という日まで散々我慢させられたのはどちらかというとこちらの方だ。
「マイミューズ夫妻~!入場の時間ですよ!手直しは必要ないですか~?」
ネクタイにつかみかかっていたところを、ケアリーが遠慮なくドアを開けた。朝からずっとこの調子だ。仕事が早いのも気に入らない。
「公爵夫人ー!口紅が落ちているじゃないですか!公爵の唇も腫れて!?せっかくの晴れ舞台に!メイクも髪型も指示したのは私ですよ!?完璧にしてください!!あぁでもコンセプトとしては悪くない…あぁん!次のドレスはハロウィン用のゾンビで行きましょう!ハロウィン用は初めてですね…新しい道が開そうですよ!マイミューズ!」
いつの間にか彼女のミューズに私も加わってしまった。デイヴィッドとセットなのだから二人がミューズに決まっているらしい。
髪のセットも、宝石も、メイクも、全てケアリー仕様のケアリー色だ。ストレスの原因がまさにそれだった。デイヴィッドはネクタイを結び直されると、腫れて口に血を滲ませながら会場に向かおうと手を差し出すので、治癒魔法を使うことになった。手を翳せばペロリと舐められ、再び私は覚えていろよ!と舌にかぶりついた。
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