Ex冒険者カイル

うさぎ蕎麦

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2章

7話「先輩との出会い」

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―セザールタウン―

「多分この辺だと思うけど」

 俺とルッカさんは、ヴァイス・リッターのギルドハウスがあるエリアにやって来た。
 この辺りは様々なギルドハウスが立ち並ぶ。
 普通の家みたいな建物から、剣や盾や魔法をイメージしたり形も丸だったり三角形だったり四角形だったりと個性豊かな建物ばかりでこれらを見ているだけで一日つぶせそうな位だ。
 通りを歩く人達も、ファイターやナイト、レンジャーにウィザードだけでなく、その上位職と思わしき人達が見受けられ、俺達が稼ぐお金では到底買う事が出来ない高価な防具を身に付けている人達も沢山いる。

「ねぇ、あのギルド面白そう!」
「俺達はヴァイスリッターに向かってるんだけど」

 ルッカさんがニコニコ笑顔ではしゃぎながら指さした先には『熱き漢の魂』と書かれたパーティギルドがあった。

「それもそうだねー」

 ルッカさんはどこか残念そうな空気を出しながら先へ進んだ。
 暫くすると、『シュヴァルツ・サーヴァラー』と書かれたギルドハウスが見えて来た。

「へぇ?シュヴァルツサーヴァラーだってさ」
「変なの。ウィザードが沢山居そうなイメージだよね」

 俺達がギルドハウスの感想を述べていると、近くに居たウィザードが話し掛けて来た。

「おや? カイルさんですか? 初めまして私、エリク・ロードと申します」

 ☆エリク・ロード

 ・ヴァイス・リッターに所属する、ハイ・ウィザード。
  小さめのレンズな眼鏡を掛け、緑色のとんがり帽子、魔術師のローブを身に纏っている。
  冒険者ランクはS
  十分な収入を確保している為、セザールタウンの治安向上につながる依頼をこなしている。
  たまに厨二っぽくなる。
  女の子にモテたい願望が強いがモテない。
  実はドン引きするレベルのドM。
 ・多種多様な属性を操れる。
  威力も十分だ。
 ・外見特徴、オタクなウィザードって見た目をしている。
 ・身長、165cm(帽子含める)
 ・体型、普通。
 ・髪、淡い紫色。
 
「はい? そうですけど、どうして俺の名前を知ってるんですか?」 
 
 ぱっと見だけでも、明らかにこの人はレベルが高そうな冒険者だ。
 そんな人が俺の名前を知っているのは不自然だ。

「これは失敬。これからカイルさんが所属するヴァイスリッターに僕は居ます」
「そうですか、こちらこそ失礼しました」
「それで、カイルさん。 どうしてまたシュヴァルツサーヴァラーに?」
「暇だからやって来たみたいなモンですよ」
「成る程。 折角ですし、ここのギルドの説明でもしますね」

 エリクさんがシュヴァルツ・サーヴァラーの説明を始めた。
 ・ウィザード専門ギルドらしい。
 ・ギルドマスターのダストって奴は性格が悪いらしい。
 ・女の子が多く、ギルドマスターがダストで無ければエリクさんも入っていたらしい。
 ・今所属している人達の多くは昔から居る人が惰性で残って居るらしい。
 ・前任ギルドマスターは良い人だったらしいがダストが追い出して地位を奪った。

「変わったギルドなんだね」
「俺は入りたいと思わないけどね」
「そうですか? 女の子が沢山居て楽しそうですよ?」
「ギルドマスターがね」
「はははっ、僕と同じなんですね」
「私も同意だなー」
「ではヴァイスリッターでお待ちしておりますね」

 エリクさんは笑顔を見せるとこの場を立ち去った。

「おい! エリク、テメェ何邪魔してやがんだ!」

 その直後、ギルドハウスの中から罵声が飛んで来た。
 彼がダストだろうか? 確かに口が悪いな。

「あん? 新人か? ケッ! 新人の分際で俺様のギルドに近付くんじゃねぇ! 失せろ!」
「あ、はい、すみません」

 確かにダストって人はエリクさんが言った通りだ。
 俺達はシュヴァルツ・サーヴァラーを後にし、ヴァイス・リッターへ向かう事にした。

「不思議な名前だね」

 と、『漆黒の闇』って名前のギルドハウスの前でルッカさんが指さした。

「何か、若い子が好みそうなギルドだね」
「私もそう思う」
「ククク……奇遇ですねレヴィン君……」

 もう良いかと通り過ぎようとしたところで、俺の頭上から暗く薄気味悪い声が聞こえて来た。
 いや、この声質、この不気味な感覚。

「ルッド君じゃないか! 久しぶりじゃん!」

 ☆ルッド・カルツ

 ・レンジャー学部に在籍。
  ニンジャと言うモノにあこがれそれを目指している。
  地味で暗い性格をしているが、連携、援護能力は高い。
  国王軍に所属している。
 ・外見特徴、黒装束に身を纏っている。 風の噂ではイケメンらしい。
 ・身長、170cm
 ・体型、普通。
 ・髪、黒髪。

「えっと、誰ですか?」

 俺は同級生との数日振りの再会に喚起したが、一方のルッカさんは鳩が豆鉄砲を食らったかの様な顔をしてまじまじとルッド君を見つめていた。

「ルッカさん? ルッド君覚えてないの? 確かに存在感薄かったけど、でもそれは『ニンジャ』って奴を目指した結果じゃない? 機動力試験でも争ってたじゃん。 ほら、彼は優しいし良い人だよ? そんな彼を忘れるなんてあんまりじゃない」
「にんじゃ? ええっと、レンジャー学部に居て何だかよく分からない黒装束を着ていた痛い人だったっけ?」

 俺のルッド君に対する擁護も空しく、ルッカさんの口からは結構ひどい言葉が出て来た。

「ククク……流石セザール学園を全教科トップの成績で卒業したレヴィン君、僕の事をしっかりと把握して頂けてる様で光栄ですよ、何ぶんあのセザール学園ですら僕の存在に気が付けたのはレヴィン君位ですから……」

 微妙な悪口を叩くルッカさんに対しては華麗なまでにスルーをしているのもある意味彼らしいかもしれない。

「ルッド君は国王軍に入ったんだよね。 どう? 面白い?」
「クク……僕にとっては面白いですよ……レヴィン君にとってはつまらないと思いますが……」
「そっか、それは良かった。 それで、どうしてこのギルドの前に居るんだい?」
「フフ……僕はこのギルドを担当になったのですよ……。 レンジャーだけが集まるギルドで中々個性があって面白いですよ……」

 誰もが考えた事の無いニンジャとやらを身に付けたルッド君が言うと妙に説得力がある。

「あら? ルッド君? お友達かしら?」
「フフ……そうですよ……セフィア姐さん……」

 と、ここで綺麗な女性の声が聞こえた。
 振り返ってみると、冒険者ランクが高い人が身に付けるレンジャーの装備品を纏った女性の姿が目に映った。
 多分俺よりも歳上で、妖艶な雰囲気を纏っている。
 何故だろう? 今まで可愛いと言われて来た女の子達と違い、このお姉さんにはまるで魔法にかかったか様に思わず見惚れてしまう。
 
 ☆セフィア・カリトゥス

 ・ヴァイス・リッター所属、ハイ・レンジャー。25歳。
  冒険者ランクはS。
  世話好き、それとなく悪戯を仕掛けたがる。
 ・外見特徴、やや妖艶な風貌をしている。
 ・身長、172cm
 ・体型、やや細目。胸はやや大。
・ 髪、薄いオレンジ色でウェーブの掛かったロングヘアー。
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