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3章
19話「緊急依頼」
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「し、仕方ないですよぅ、まともに会話出来る女性が殆ど居ませんから数打つしかないんです」
「本当に?」
「ほ、本当ですよ!? まともに会話できる女の子が一人でも見つかったら他の女の子に手を出すワケありません」
「フフッ、女たらしがよく言うわね」
「そ、そんなぁ~僕なんか一人もたらせてないじゃないですよぉ~」
エリクさんが、味噌と茄子のスパゲティを食べながら涙目で答えた。
しかし、味噌味のスパゲティなんて珍しい物を食べる様な?
でも、メニューにあるから美味しいんだろうけど。
俺はカルボナーラを食べながら、エリクさんの食の趣味が意外なのかもしれないと考えていた。
「一人捕まえた瞬間調子に乗る男ってよく居るよね、カイルみたいに」
「俺? 女の子捕まえた記憶が無いんだけど?」
「女の子に対して手当たり声掛けてる君が言っても説得力無いよ?」
「あれはエリクさんに頼まれて仕方なくやっただけだよってどうして知ってるんだよ?」
「クスクス、色々な女の子に物凄くモテるのにも関わらず色々な女の子に手を出すなんて悪い子ね」
「俺がそんなにモテてますっけ?」
「フフフ、そんな罪深い男を追い回す女の子も大変よね」
そう言ってセフィアさんが、貴女も大変よねと言わんばかりにルッカさんへにっこりと笑って見せた。
「そうですね、大変です、こんな軟派な男から女の子を守らなきゃいけませんから」
「他の女の子に取られたく無いモノね」
「た、偶々頼んだ物が同じだったからってそんな事ありませんよ」
「あら? 私は注文したものについて何も言ってないわ? けど、気が合うんじゃないかしら?」
確かにこれだけ沢山のメニューがある中同じメニューを選ぶのは中々無いかもしれないけど、でもカルボナーラって人気なスパゲティじゃなかったっけ?
「そ、そんな訳ありません!」
「ムキになって否定しなくても」
分かっていても落胆してしまった俺はがっくりと肩を落とす。
「何か外が騒がしくありません?」
セフィアさんとルッカさんとのやり取りを見ているのが暇で外の様子を見ていたエリクさんが何かに気が付いた様だ。
「うーん、そうねぇ? 外に居る人達がどこかに向かって逃げている様に見えるわねぇ」
「何があったんでしょうか?」
「さぁ? 一般の人達が逃げる事なんて珍しい事じゃないし」
「え? え? それってヤバくないですか?」
「魔物でしょうか?」
周りの状況に対して焦っている俺とは対照的で、マイペースにカルボナーラを食べながらルッカさんが尋ねた。
「多分そうだと思います、あの逃げ方ですと大型の魔物が遠くに居るんじゃないでしょうか?」
エリクさんもまた焦る事無く外部の状況を分析して見せた。
そ、そうなの? だったら尚更ヤバイんじゃないの!?
は、早く逃げなくて良いの!?
何かサイレンが鳴ってるんですけど!
『緊急事態発生! ランクB以上の冒険者方は至急冒険者ギルドにお集まりください!』
「エリク君の言う通りみたいね」
「そうですねぇ」
「そ、そうですねぇって、逃げなくて良いんですか!」
「こういう状況でBランク以上の冒険者って中々集まらないのよねぇ」
「そうですね、なんだかんだで僕達が出払う事になりますね」
「は、い?」
え? ランクB以上の冒険者が集まらないといけない敵と戦わなきゃダメなんっすか?
「もしかして、カイル、怖いのかしら?」
俺が考えている事を見透かしたかのようにルッカさんが呟いた。
「まさか? そんな事ある訳無いって」
し、しまった! うっかり見栄張ってこんな事言っちゃったよ。
あー、どうしよう? 正直ランクC位の魔物ならエリクさん達いるし頑張ればなんとかなるって思ってたけど。
ぐぅー、でも、なんでルッカさんは平然としてるんだよ?
くそう、これじゃ俺がカッコ悪いじゃないか!
「そうよね、私のライバルがこんな事位で怖気づく訳無いよね」
ニコッと笑顔を見せるルッカさん。
そんな笑顔を見せられたら引けなくなったじゃないか!
ああっ! もう、なる様になれ!
「はははっ、カイルさん、心配しなくても大丈夫ですよ」
「そうよ、ま、食べ終わったら向かいましょう」
エリクさんとセフィアさんがそうは言うけど、お店の中の人達は何だかあわただしくて、この店の店長らしき人は店の従業員に対して避難してくれって声が聞こえるし。
俺達以外のお客さんに対しても出来れば早く逃げた方が良いって言ってるんですけど。
俺がそんな事を気にかけても目の前の3人は至って平静に目の前のパスタを食べ終えた訳で。
「それじゃいきましょ」
セフィアさんが会計を済ませるとお店の外に出た。
エリクさんが面白いモノを見せたからご飯代なんて端金出してくれるそうだこの状況下でも平然とそう言う事が言えるって凄いと思うんですけど。
「うーん、特に何もありませんね」
店の外に出て、エリクさんが周囲の様子を伺うも、安全な場所に向かって逃げる人々以外特に異常な事は無かった。
いや、安全な場所に向かって逃げる人々が沢山居る時点で異常な事なんだけど。
「それもそうでしょ、仮に向こうの平原に居る魔物がここから見えるとなったらランクBの冒険者じゃ対処出来ないでしょ」
「ははは、それもそうですね、もしそうならランクSSの方々が招集されそうですし、僕達も安全な場所に逃げた方が良くなっちゃいますね」
「兎に角冒険者ギルドに行きましょ」
俺達は、セフィアさんに言われるがまま冒険者ギルドへ向かった。
「討伐に協力して頂ける方は誰か居ませんか!」
冒険者ギルドの中では今回の件で協力してくれる冒険者を探しているところだった。
しかし、彼女達の声も虚しくその声に応える冒険者は誰も居ない様だった。
けど、それは無理も無い事だった。
ランクB以上の冒険者達は強力な魔物を討伐すべくもっと早い時間から出払っている。
もし居たとしても今日を休暇にしている事になるが、疲れた身体や精神を休めたいと言うのに協力するのは厳しいものがあると思う。
周りの冒険者の愚痴らしき言葉が聞こえてくるけど、突発的な依頼の癖に報酬が安いみたい。
受付嬢の色気で誤魔化してるだのなんだのって聞えて来る。
確かにランクBにでもなると、命を失う危険度も跳ね上る以上、女性の言動だけで動くのは無理があると俺も思う。
「一体何があったのですか?」
元々こうする予定だった為、そんな中でもエリクさんがギルド職員に対して話掛けた。
「はい、実はセザール大陸の、え? エリク様!?」
「ははは、僕はそんな大層な人間じゃありませんよ」
「ま、まさか今回も助けて頂けるんですか!?」
「はい、そうですよ」
「あ、有難う御座います!」
エリクさんに話掛けられた冒険者ギルド職員が歓喜の声を上げている。
まぁ、リンカさんだけど。
「本当に?」
「ほ、本当ですよ!? まともに会話できる女の子が一人でも見つかったら他の女の子に手を出すワケありません」
「フフッ、女たらしがよく言うわね」
「そ、そんなぁ~僕なんか一人もたらせてないじゃないですよぉ~」
エリクさんが、味噌と茄子のスパゲティを食べながら涙目で答えた。
しかし、味噌味のスパゲティなんて珍しい物を食べる様な?
でも、メニューにあるから美味しいんだろうけど。
俺はカルボナーラを食べながら、エリクさんの食の趣味が意外なのかもしれないと考えていた。
「一人捕まえた瞬間調子に乗る男ってよく居るよね、カイルみたいに」
「俺? 女の子捕まえた記憶が無いんだけど?」
「女の子に対して手当たり声掛けてる君が言っても説得力無いよ?」
「あれはエリクさんに頼まれて仕方なくやっただけだよってどうして知ってるんだよ?」
「クスクス、色々な女の子に物凄くモテるのにも関わらず色々な女の子に手を出すなんて悪い子ね」
「俺がそんなにモテてますっけ?」
「フフフ、そんな罪深い男を追い回す女の子も大変よね」
そう言ってセフィアさんが、貴女も大変よねと言わんばかりにルッカさんへにっこりと笑って見せた。
「そうですね、大変です、こんな軟派な男から女の子を守らなきゃいけませんから」
「他の女の子に取られたく無いモノね」
「た、偶々頼んだ物が同じだったからってそんな事ありませんよ」
「あら? 私は注文したものについて何も言ってないわ? けど、気が合うんじゃないかしら?」
確かにこれだけ沢山のメニューがある中同じメニューを選ぶのは中々無いかもしれないけど、でもカルボナーラって人気なスパゲティじゃなかったっけ?
「そ、そんな訳ありません!」
「ムキになって否定しなくても」
分かっていても落胆してしまった俺はがっくりと肩を落とす。
「何か外が騒がしくありません?」
セフィアさんとルッカさんとのやり取りを見ているのが暇で外の様子を見ていたエリクさんが何かに気が付いた様だ。
「うーん、そうねぇ? 外に居る人達がどこかに向かって逃げている様に見えるわねぇ」
「何があったんでしょうか?」
「さぁ? 一般の人達が逃げる事なんて珍しい事じゃないし」
「え? え? それってヤバくないですか?」
「魔物でしょうか?」
周りの状況に対して焦っている俺とは対照的で、マイペースにカルボナーラを食べながらルッカさんが尋ねた。
「多分そうだと思います、あの逃げ方ですと大型の魔物が遠くに居るんじゃないでしょうか?」
エリクさんもまた焦る事無く外部の状況を分析して見せた。
そ、そうなの? だったら尚更ヤバイんじゃないの!?
は、早く逃げなくて良いの!?
何かサイレンが鳴ってるんですけど!
『緊急事態発生! ランクB以上の冒険者方は至急冒険者ギルドにお集まりください!』
「エリク君の言う通りみたいね」
「そうですねぇ」
「そ、そうですねぇって、逃げなくて良いんですか!」
「こういう状況でBランク以上の冒険者って中々集まらないのよねぇ」
「そうですね、なんだかんだで僕達が出払う事になりますね」
「は、い?」
え? ランクB以上の冒険者が集まらないといけない敵と戦わなきゃダメなんっすか?
「もしかして、カイル、怖いのかしら?」
俺が考えている事を見透かしたかのようにルッカさんが呟いた。
「まさか? そんな事ある訳無いって」
し、しまった! うっかり見栄張ってこんな事言っちゃったよ。
あー、どうしよう? 正直ランクC位の魔物ならエリクさん達いるし頑張ればなんとかなるって思ってたけど。
ぐぅー、でも、なんでルッカさんは平然としてるんだよ?
くそう、これじゃ俺がカッコ悪いじゃないか!
「そうよね、私のライバルがこんな事位で怖気づく訳無いよね」
ニコッと笑顔を見せるルッカさん。
そんな笑顔を見せられたら引けなくなったじゃないか!
ああっ! もう、なる様になれ!
「はははっ、カイルさん、心配しなくても大丈夫ですよ」
「そうよ、ま、食べ終わったら向かいましょう」
エリクさんとセフィアさんがそうは言うけど、お店の中の人達は何だかあわただしくて、この店の店長らしき人は店の従業員に対して避難してくれって声が聞こえるし。
俺達以外のお客さんに対しても出来れば早く逃げた方が良いって言ってるんですけど。
俺がそんな事を気にかけても目の前の3人は至って平静に目の前のパスタを食べ終えた訳で。
「それじゃいきましょ」
セフィアさんが会計を済ませるとお店の外に出た。
エリクさんが面白いモノを見せたからご飯代なんて端金出してくれるそうだこの状況下でも平然とそう言う事が言えるって凄いと思うんですけど。
「うーん、特に何もありませんね」
店の外に出て、エリクさんが周囲の様子を伺うも、安全な場所に向かって逃げる人々以外特に異常な事は無かった。
いや、安全な場所に向かって逃げる人々が沢山居る時点で異常な事なんだけど。
「それもそうでしょ、仮に向こうの平原に居る魔物がここから見えるとなったらランクBの冒険者じゃ対処出来ないでしょ」
「ははは、それもそうですね、もしそうならランクSSの方々が招集されそうですし、僕達も安全な場所に逃げた方が良くなっちゃいますね」
「兎に角冒険者ギルドに行きましょ」
俺達は、セフィアさんに言われるがまま冒険者ギルドへ向かった。
「討伐に協力して頂ける方は誰か居ませんか!」
冒険者ギルドの中では今回の件で協力してくれる冒険者を探しているところだった。
しかし、彼女達の声も虚しくその声に応える冒険者は誰も居ない様だった。
けど、それは無理も無い事だった。
ランクB以上の冒険者達は強力な魔物を討伐すべくもっと早い時間から出払っている。
もし居たとしても今日を休暇にしている事になるが、疲れた身体や精神を休めたいと言うのに協力するのは厳しいものがあると思う。
周りの冒険者の愚痴らしき言葉が聞こえてくるけど、突発的な依頼の癖に報酬が安いみたい。
受付嬢の色気で誤魔化してるだのなんだのって聞えて来る。
確かにランクBにでもなると、命を失う危険度も跳ね上る以上、女性の言動だけで動くのは無理があると俺も思う。
「一体何があったのですか?」
元々こうする予定だった為、そんな中でもエリクさんがギルド職員に対して話掛けた。
「はい、実はセザール大陸の、え? エリク様!?」
「ははは、僕はそんな大層な人間じゃありませんよ」
「ま、まさか今回も助けて頂けるんですか!?」
「はい、そうですよ」
「あ、有難う御座います!」
エリクさんに話掛けられた冒険者ギルド職員が歓喜の声を上げている。
まぁ、リンカさんだけど。
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