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3章
80話「次なる作戦は国境線の守り」
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うーん、いつも通りの返答だ。 この二人の中間位の性格が丁度良い気がしなくもないって気にさせられるが。
「カイルさん、お帰りなさいませ」
と、今のやり取りの間が発生した所で最近入って来たウィザード3人組の1人、マリアンさんが挨拶した。
どうやら、話掛けるタイミングをうかがっていたみたいだ。
しかし、マリアンさんは妙に可愛く見える気がするのは気のせいだろうか?
女性に対して興味の湧かない俺だけど、思わずエリクさんやデビッド達みたいな対応を取りたくなってしまう位に。
「あら? 最近入って来たウィザードかしら? 可愛いわね」
セフィアさんがにっこり微笑むと、マリアンさんは少し赤面して頬を掻いた。
「ムッ! 何よ何よッ! 私よりも無い癖にしゃしゃり出ないでよッ」
ルッカさん? 何が無いんだよ? そう言えば、神聖魔法をルッカさんは扱えなかったっけ。 て―事は、マリアンさんは神聖魔法を使えてそれにムカついてるのか。
あれ? でもそれだったらルミリナさんやアリアさんに対してムカついてるよな? ま、いっか、細かい事は気にしたらつるっつるのはげっはげになるって言ってたし。
「す、すみませんでした」
あたふたしながら、丁重に謝罪をするマリアンさん。
むぅ、どうしてだか可愛らしく見えてしまうのは何故だろうか?
「あらあら? ルッカちゃん? もしかしなくてもやきもち焼いてるのかしら? ウフ、心配しなくてもボウヤが特殊な趣味でも無い限り大丈夫よ」
うん? 特殊な趣味ってなんだ? 俺は至ってフツーと思うが? 精々、可愛い娘を目の前にしたらうっとりする気持ちに気付くのが遅かった位でそれは否定しないけど。
「そんな事ありません!」
ルッカさんは大声で否定すると、何処かへ行ってしまった。
「あの、もしかしてルッカさんはカイルさんに好意を持っているのですか?」
「いや、それは無いよルッカさんいわく俺はただのライバル。 俺は別にライバルと思ってないんだけど、もしかしたら俺がライバルと思って無い事を怒ってるのかも」
俺がマリアンさんに説明を終えると、セフィアさんが溜息を付きながらマリアンさんの肩を叩く。
アリアさんは痛烈なジト目をして俺に絶対零度の視線を送り付けて来た。
うん? 俺、何か間違った事言ったっけ?
「そ、そうですか」
マリアンさんは大変そうですねと小声で付け加えていた。
「カイルさん、会議室にお願いします。 ルッカさんとルミリナさんは見えないみたいですね、探して来ます」
と、さっき事務仕事に向かったルッセルさんがやって来た。
「分かりました」
俺は会議室へ向かった。
会議室の中で暫く待っているとルッセルさんに連れられ、不貞腐れたルッカさんに視線をキョロキョロさせているルミリナさんがやって来た。
「カイルさん、さっき振りですね、闘神の斧殿と対話を楽しみにしていましたが残念です」
「いや、ははは、ルッカさんに絡まれましたからそんな暇は」
と、言ったところで背中を誰かに押されたかと思うと、電撃が全身を駆け巡った。
「ぎゃーーーー! 何をする!」
俺が後ろを振り返ると、そっぽを向きながら口笛吹を吹くルッカさんと目を丸くしながら眺めているルミリナさんの姿が目に映る。
「相変わらず仲が良い事ですね」
にっこりと笑顔を浮かべるルッセルさんだ。
「それだけはありません!」
と全身全霊を込めて突っぱねるルッカさん。
これでは誰が犯人か言ってるようなものだが、それ以前にこの場に雷魔法を扱えるのはルッカさんだけの時点でどうでも良い話でもあるが。
一方ルミリナさんは『治療術(ヒーリング)』の詠唱を完成させたが発動を迷っておろおろしていたのであった。
どうしてヒーリングの発動をためらったのかは、髪の毛が惜しいので気にしない事にする。
「さて、たった今さっきですが、カイルさんセザール学園卒業組の方とルミリナさんで魔王軍との国境線にて、魔王軍の討伐を行って頂きたいと命令が下りました」
何故新人冒険者の俺達が? と疑問に思ったが、ルッセルさんの話によると強い冒険者は強い魔物の討伐をする必要があり、俺達が比較的楽に討伐出来る魔物は俺達が討伐した方が効率が良いとの事だった。
また、出来る事なら新人は使いたくないがそうも言ってられる程戦力に余裕が無いし、俺が闘神の斧に選ばれた1人である事もあってこの命令が下ったとの事だった。
闘神の斧の話題が出た時、ルッカさんがムスッとしたが、やっぱり何か気にしているみたいだった。
ルッセルさんからの説明を終えた俺達は3日後の出発に控え準備を整える事にした。
―角のテーブル―
いつもの場所にアリアは居た。
会議を終えたルミリナは姉の居る場所にやって来た。
「お姉ちゃん、私、魔王軍の討伐に行く事になったんだ」
姉に対して嬉しそうに報告をするルミリナだが。
「そう、どうして断らなかった?」
それに反し、アリアは冷たい返事をする。
「え? え? だって、私だってお姉ちゃんみたいに強くなりたいんだもん」
吉報であると思った予想に反してアリアに厳しく言われたルミリナは、少しだけしょげてしまった。
「ルッセルさんはルミに対して無理なら参加しなくて良いって言うはずよ? まさか言わなかった?」
「え、えっと、その、あ、う、うん、そうだよ」
ルミリナは嘘をついてると言わんばかりに目を泳がせている。
「ルミ? 貴女はお嫁さんになって幸せな人生を歩めば良いのよ。 自分から危ない道を歩むなら、何かがある前にシスターに戻りなさい」
「ええ!? 嫌だよ!」
「口答えするんじゃありません」
「うぅ、お姉ちゃんまでお母さんと同じ事言わないでよ、私、子供じゃないんだよ!」
ルミリナが頬をぷくっと膨らませながら反論をした。
「ルミ? お姉ちゃんがAランクの人達と依頼こなしてるからお金の心配ならしなくて良いって言ったよね?」
「知らないもん! 聞いてないもん!」
「あのねぇ? Bランクの時点でいつ死んでも可笑しくない目に遭ったって何回言えば分かるの?」
「やだ、分からないもん!」
ルミリナは瞳に涙を溢れさせながら姉のアリアに訴えるのだが、
「カイルさん、お帰りなさいませ」
と、今のやり取りの間が発生した所で最近入って来たウィザード3人組の1人、マリアンさんが挨拶した。
どうやら、話掛けるタイミングをうかがっていたみたいだ。
しかし、マリアンさんは妙に可愛く見える気がするのは気のせいだろうか?
女性に対して興味の湧かない俺だけど、思わずエリクさんやデビッド達みたいな対応を取りたくなってしまう位に。
「あら? 最近入って来たウィザードかしら? 可愛いわね」
セフィアさんがにっこり微笑むと、マリアンさんは少し赤面して頬を掻いた。
「ムッ! 何よ何よッ! 私よりも無い癖にしゃしゃり出ないでよッ」
ルッカさん? 何が無いんだよ? そう言えば、神聖魔法をルッカさんは扱えなかったっけ。 て―事は、マリアンさんは神聖魔法を使えてそれにムカついてるのか。
あれ? でもそれだったらルミリナさんやアリアさんに対してムカついてるよな? ま、いっか、細かい事は気にしたらつるっつるのはげっはげになるって言ってたし。
「す、すみませんでした」
あたふたしながら、丁重に謝罪をするマリアンさん。
むぅ、どうしてだか可愛らしく見えてしまうのは何故だろうか?
「あらあら? ルッカちゃん? もしかしなくてもやきもち焼いてるのかしら? ウフ、心配しなくてもボウヤが特殊な趣味でも無い限り大丈夫よ」
うん? 特殊な趣味ってなんだ? 俺は至ってフツーと思うが? 精々、可愛い娘を目の前にしたらうっとりする気持ちに気付くのが遅かった位でそれは否定しないけど。
「そんな事ありません!」
ルッカさんは大声で否定すると、何処かへ行ってしまった。
「あの、もしかしてルッカさんはカイルさんに好意を持っているのですか?」
「いや、それは無いよルッカさんいわく俺はただのライバル。 俺は別にライバルと思ってないんだけど、もしかしたら俺がライバルと思って無い事を怒ってるのかも」
俺がマリアンさんに説明を終えると、セフィアさんが溜息を付きながらマリアンさんの肩を叩く。
アリアさんは痛烈なジト目をして俺に絶対零度の視線を送り付けて来た。
うん? 俺、何か間違った事言ったっけ?
「そ、そうですか」
マリアンさんは大変そうですねと小声で付け加えていた。
「カイルさん、会議室にお願いします。 ルッカさんとルミリナさんは見えないみたいですね、探して来ます」
と、さっき事務仕事に向かったルッセルさんがやって来た。
「分かりました」
俺は会議室へ向かった。
会議室の中で暫く待っているとルッセルさんに連れられ、不貞腐れたルッカさんに視線をキョロキョロさせているルミリナさんがやって来た。
「カイルさん、さっき振りですね、闘神の斧殿と対話を楽しみにしていましたが残念です」
「いや、ははは、ルッカさんに絡まれましたからそんな暇は」
と、言ったところで背中を誰かに押されたかと思うと、電撃が全身を駆け巡った。
「ぎゃーーーー! 何をする!」
俺が後ろを振り返ると、そっぽを向きながら口笛吹を吹くルッカさんと目を丸くしながら眺めているルミリナさんの姿が目に映る。
「相変わらず仲が良い事ですね」
にっこりと笑顔を浮かべるルッセルさんだ。
「それだけはありません!」
と全身全霊を込めて突っぱねるルッカさん。
これでは誰が犯人か言ってるようなものだが、それ以前にこの場に雷魔法を扱えるのはルッカさんだけの時点でどうでも良い話でもあるが。
一方ルミリナさんは『治療術(ヒーリング)』の詠唱を完成させたが発動を迷っておろおろしていたのであった。
どうしてヒーリングの発動をためらったのかは、髪の毛が惜しいので気にしない事にする。
「さて、たった今さっきですが、カイルさんセザール学園卒業組の方とルミリナさんで魔王軍との国境線にて、魔王軍の討伐を行って頂きたいと命令が下りました」
何故新人冒険者の俺達が? と疑問に思ったが、ルッセルさんの話によると強い冒険者は強い魔物の討伐をする必要があり、俺達が比較的楽に討伐出来る魔物は俺達が討伐した方が効率が良いとの事だった。
また、出来る事なら新人は使いたくないがそうも言ってられる程戦力に余裕が無いし、俺が闘神の斧に選ばれた1人である事もあってこの命令が下ったとの事だった。
闘神の斧の話題が出た時、ルッカさんがムスッとしたが、やっぱり何か気にしているみたいだった。
ルッセルさんからの説明を終えた俺達は3日後の出発に控え準備を整える事にした。
―角のテーブル―
いつもの場所にアリアは居た。
会議を終えたルミリナは姉の居る場所にやって来た。
「お姉ちゃん、私、魔王軍の討伐に行く事になったんだ」
姉に対して嬉しそうに報告をするルミリナだが。
「そう、どうして断らなかった?」
それに反し、アリアは冷たい返事をする。
「え? え? だって、私だってお姉ちゃんみたいに強くなりたいんだもん」
吉報であると思った予想に反してアリアに厳しく言われたルミリナは、少しだけしょげてしまった。
「ルッセルさんはルミに対して無理なら参加しなくて良いって言うはずよ? まさか言わなかった?」
「え、えっと、その、あ、う、うん、そうだよ」
ルミリナは嘘をついてると言わんばかりに目を泳がせている。
「ルミ? 貴女はお嫁さんになって幸せな人生を歩めば良いのよ。 自分から危ない道を歩むなら、何かがある前にシスターに戻りなさい」
「ええ!? 嫌だよ!」
「口答えするんじゃありません」
「うぅ、お姉ちゃんまでお母さんと同じ事言わないでよ、私、子供じゃないんだよ!」
ルミリナが頬をぷくっと膨らませながら反論をした。
「ルミ? お姉ちゃんがAランクの人達と依頼こなしてるからお金の心配ならしなくて良いって言ったよね?」
「知らないもん! 聞いてないもん!」
「あのねぇ? Bランクの時点でいつ死んでも可笑しくない目に遭ったって何回言えば分かるの?」
「やだ、分からないもん!」
ルミリナは瞳に涙を溢れさせながら姉のアリアに訴えるのだが、
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