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1章
79話
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―仔羊の間―
聖神の杖を手にしたルッセルはその報告を行う為仔羊の間にやって来た。
「ルッセル君、よくやったんだな~」
ルッセルの報告を受けた仔羊様は『どきっ☆あいつとそいつのお・に・ぎ・り』と意味深な言葉が書かれたおにぎりの封を開けもぎゅもぎゅしている。
仔羊様の見せる、天に召されそうな至福な笑顔はおにぎりを食べたモノなのか、聖神の杖入手によるものか定かではない。
「いえ、カイルさんを含め皆のお陰です。 私の力など対した事ではありません」
「そうなんだなぁ? それくらいぼぉくも知ってるんだなぁ、遠慮しなくて良いんだなぁ~」
謙遜するルッセルに対し、にへにへしている仔羊様。
左手には『いつもあなたのお・にぎり』と書かれたおにぎりを手にしている。
やはり、にへにへしている理由が何かは分からない。
「そうですか」
ルッセルは、仔羊様に指摘された通り遠慮を止めてみようとするが。
「ははは、そうなんですよこひつじさま、わたしのかつやくでせいじんのつえをてにいれることができましたよ」
完全に棒読みだった。
「ぬふふ、キャラが合わないんだなぁ、仕方無いんだなぁ~」
仔羊様は、動物の尻尾を何者かが手で掴んでいる形のおにぎりをもしゃもしゃ食べながらぬへらーっとしている。
どうやら味が微妙だったらしい。
「私もそう思います」
ルッセルが恥じらいながら頭を掻いた。
「でゅふふふ~次は勇神の剣なんだなぁ~奴は堅物なんだなぁ~奴の信念にもとづいた正義を持ってるモノにしか手を貸さないんだなぁ~。 ルッセル君もぼぉくは真面目と思うんだなぁ~ちょーーーと位ぼぉくの世界においでよ?」
仔羊様が椅子の上でくるりんぱをしてみせる。
間違い無く意味は無いと思うが。
「いえ、私は心に誓った女性が居ますので」
「半分冗談なんだなぁ~。 君みたいな真面目な人だからと言って奴が共感する保証が無いんだなぁ~奴が正義と思えば魔族にも手を貸すんだなぁ~その時は仕方ないんだなぁ~別の手を打つんだなぁ~」
「分かりました、心得ておきます」
「そうそう、最近ちょっと国境超えた所の魔族が活発化してるみたいだから討伐のお願いもしたいんだなぁ~」
「かしこまりました、では失礼致します」
ルッセルは、仔羊様に一礼すると仔羊の間を立ち去った。
「じゃ、ぼぉくは最後のおにぎりを頬張るんだなぁ~」
仔羊様はよだれを垂らしながら『おの無いおにぎり』の封を開けた。
「むぐぐ、酢の無いシャリだったんだなぁ~」
最後のおにぎりがハズレだった事に落胆した仔羊様はがっくりと項垂れたのであった。
―魔王城―
「風が変わったでござる」
魔王城の中庭で一人たたずむ魔勇将スルーフがポツリとつぶやいた。
「スルーフ殿、俺も何か嫌な予感がして鍛錬を切り上げて来たのだ」
魔闘将ルカンが汗を浮かべながら、スルーフの元へやって来た。
「魔力の歪みでござるか」
ルカンの訪れに対し、瞳を閉じ呟くスルーフ。
「ま、まさかっ!」
何かを感じ取ったのか、ルカンが大声をあげた。
「おいっ! みんなっ! 賢神の石が変な事言いやがるッ!」
それとほぼ同時に、ダストが血相を変え、スルーフ達の元へ駆け寄って来た。
「左様でござるか、ルミナス殿、良き仲間として貴殿の冥福を祈らせて頂くでござる」
ダストの言葉で全てを悟ったスルーフが目を閉じ手を合わせ黙とうを始めた。
「待てよ! 嘘だろッ! あのルミナスがやられちまっただと! そんな事ある訳無いだろっ!」
ルカンが瞳孔を開きながら、スルーフの肩を揺する。
ルカンが自らを激しく揺さぶるが、スルーフは動じる事も無くルミナスへの黙とうを終えそっと目を開きルカンと目を合わせた。
「ぐっ、ちくしょう、ちくしょーーーっ!」
スルーフの真っ直ぐな瞳がルカンに全てを悟らせた。
ルミナスの死を悟らされたルカンは大声を出し豪快に涙を溢れさせながらやり場の無い気持ちを発散させようと地面を拳で何度も叩いた。
「良い姉さんだったのによぉ、ハハハ、けどよぉ、賢神の石が言うには、ルミナス姉さんの魂はまだ生きてるってよ、肉体は壊されちまったけど、魔聖球に魂が残ってるってさ」
ダストは涙を必死に堪えるが、それも限界に達する。
ルカンに対しすまないと一言告げ、彼の肩を借り亡きルミナス為静かに涙を流した。
「そうでござるか。 ならば魔聖球を取り戻せばルミナス殿は」
「はははっ、スルーフ、それがそうもいかねぇみてぇさ、賢神の石が言うには魔聖球に封じ込まれてる姉さんは、聖神の杖によって魔の力が無くなっちまったんだ。 だから、姉さんであって姉さんじゃねえんだ」
目を真っ赤にしながらスルーフに説明するダスト。
「そうでござるか。 拙者は人の気持ちに干渉する趣味は無きにござる。 もしもルミナス殿が人間になびいた時は仕方の無い事、もしも必要とあらば拙者の手で斬るでござろう」
スルーフは覚悟を決め、自分の迷いを断ち切らせんと呟くように言った。
「お、おいおい、仲間を切っちまうのかよぉ」
ダストが懇願する様に言う。
「我等魔族と敵対する事になったならば仕方が無い事でござる。 しかし、ダスト殿、貴殿も人間を束ねていた時は仲間を切り捨てる事にためらいが無かったと聞くでござるが」
「そ、それはだな」
ダストはスルーフに対し大きくそっぽを向いて、
「あんたら魔族って奴がその、良い奴なんだよ。 くっだらねぇ人間共と違ってな」
恥ずかしそうに小声で呟いた。
「そうでござるか。 拙者達魔族が忌み嫌われるモノであるのは承知故、人間達は善良と」
「ハハッ、それは違うぜ? 人間って奴は将軍同士でいがみあってんだ、誰が一番の将軍だってさ、で、仲間が死んじまったら腹抱えて笑う奴ばっかさ」
ダストは、シュバルツサーヴァラーの指揮を取っていた時の頃を思い出しながら言う。
「それは何とも下らぬ事でござる」
「な、なんでもねぇぜ? ほら、次は勇神の剣だろ! そいつ取っちまおうぜ! 俺も手伝うからよ!」
ダストは、スルーフの肩をポンと叩き嬉しそうに言った。
「しかし、貴殿はまだ体調がかんばしくないでござろう?」
「ああ、けどよぉ、姉さんが単独で行ってやられちまったんだ、だったらスルーフ一人じゃあぶねぇだろ? 俺様が手を貸さねぇとやべぇじゃんかよぉ」
「スルーフ、俺も居るぞ」
ルミナスの死により怒りの闘気を充実させたルカンがゆっくりと立ち上がり告げる。
「かたじけない」
「気にすんなよ、やべぇ時に助けるのが友達って奴だッ」
「ああ、ダスト殿の言う通りだ、スルーフ殿。 ルミナス殿の弔い合戦に参るぞ」
ダスト、スルーフ、ルカンの3人は勇神の剣を手に入れるべく、ルミナスの仇を打つべく永氷の洞窟へ向かった。
聖神の杖を手にしたルッセルはその報告を行う為仔羊の間にやって来た。
「ルッセル君、よくやったんだな~」
ルッセルの報告を受けた仔羊様は『どきっ☆あいつとそいつのお・に・ぎ・り』と意味深な言葉が書かれたおにぎりの封を開けもぎゅもぎゅしている。
仔羊様の見せる、天に召されそうな至福な笑顔はおにぎりを食べたモノなのか、聖神の杖入手によるものか定かではない。
「いえ、カイルさんを含め皆のお陰です。 私の力など対した事ではありません」
「そうなんだなぁ? それくらいぼぉくも知ってるんだなぁ、遠慮しなくて良いんだなぁ~」
謙遜するルッセルに対し、にへにへしている仔羊様。
左手には『いつもあなたのお・にぎり』と書かれたおにぎりを手にしている。
やはり、にへにへしている理由が何かは分からない。
「そうですか」
ルッセルは、仔羊様に指摘された通り遠慮を止めてみようとするが。
「ははは、そうなんですよこひつじさま、わたしのかつやくでせいじんのつえをてにいれることができましたよ」
完全に棒読みだった。
「ぬふふ、キャラが合わないんだなぁ、仕方無いんだなぁ~」
仔羊様は、動物の尻尾を何者かが手で掴んでいる形のおにぎりをもしゃもしゃ食べながらぬへらーっとしている。
どうやら味が微妙だったらしい。
「私もそう思います」
ルッセルが恥じらいながら頭を掻いた。
「でゅふふふ~次は勇神の剣なんだなぁ~奴は堅物なんだなぁ~奴の信念にもとづいた正義を持ってるモノにしか手を貸さないんだなぁ~。 ルッセル君もぼぉくは真面目と思うんだなぁ~ちょーーーと位ぼぉくの世界においでよ?」
仔羊様が椅子の上でくるりんぱをしてみせる。
間違い無く意味は無いと思うが。
「いえ、私は心に誓った女性が居ますので」
「半分冗談なんだなぁ~。 君みたいな真面目な人だからと言って奴が共感する保証が無いんだなぁ~奴が正義と思えば魔族にも手を貸すんだなぁ~その時は仕方ないんだなぁ~別の手を打つんだなぁ~」
「分かりました、心得ておきます」
「そうそう、最近ちょっと国境超えた所の魔族が活発化してるみたいだから討伐のお願いもしたいんだなぁ~」
「かしこまりました、では失礼致します」
ルッセルは、仔羊様に一礼すると仔羊の間を立ち去った。
「じゃ、ぼぉくは最後のおにぎりを頬張るんだなぁ~」
仔羊様はよだれを垂らしながら『おの無いおにぎり』の封を開けた。
「むぐぐ、酢の無いシャリだったんだなぁ~」
最後のおにぎりがハズレだった事に落胆した仔羊様はがっくりと項垂れたのであった。
―魔王城―
「風が変わったでござる」
魔王城の中庭で一人たたずむ魔勇将スルーフがポツリとつぶやいた。
「スルーフ殿、俺も何か嫌な予感がして鍛錬を切り上げて来たのだ」
魔闘将ルカンが汗を浮かべながら、スルーフの元へやって来た。
「魔力の歪みでござるか」
ルカンの訪れに対し、瞳を閉じ呟くスルーフ。
「ま、まさかっ!」
何かを感じ取ったのか、ルカンが大声をあげた。
「おいっ! みんなっ! 賢神の石が変な事言いやがるッ!」
それとほぼ同時に、ダストが血相を変え、スルーフ達の元へ駆け寄って来た。
「左様でござるか、ルミナス殿、良き仲間として貴殿の冥福を祈らせて頂くでござる」
ダストの言葉で全てを悟ったスルーフが目を閉じ手を合わせ黙とうを始めた。
「待てよ! 嘘だろッ! あのルミナスがやられちまっただと! そんな事ある訳無いだろっ!」
ルカンが瞳孔を開きながら、スルーフの肩を揺する。
ルカンが自らを激しく揺さぶるが、スルーフは動じる事も無くルミナスへの黙とうを終えそっと目を開きルカンと目を合わせた。
「ぐっ、ちくしょう、ちくしょーーーっ!」
スルーフの真っ直ぐな瞳がルカンに全てを悟らせた。
ルミナスの死を悟らされたルカンは大声を出し豪快に涙を溢れさせながらやり場の無い気持ちを発散させようと地面を拳で何度も叩いた。
「良い姉さんだったのによぉ、ハハハ、けどよぉ、賢神の石が言うには、ルミナス姉さんの魂はまだ生きてるってよ、肉体は壊されちまったけど、魔聖球に魂が残ってるってさ」
ダストは涙を必死に堪えるが、それも限界に達する。
ルカンに対しすまないと一言告げ、彼の肩を借り亡きルミナス為静かに涙を流した。
「そうでござるか。 ならば魔聖球を取り戻せばルミナス殿は」
「はははっ、スルーフ、それがそうもいかねぇみてぇさ、賢神の石が言うには魔聖球に封じ込まれてる姉さんは、聖神の杖によって魔の力が無くなっちまったんだ。 だから、姉さんであって姉さんじゃねえんだ」
目を真っ赤にしながらスルーフに説明するダスト。
「そうでござるか。 拙者は人の気持ちに干渉する趣味は無きにござる。 もしもルミナス殿が人間になびいた時は仕方の無い事、もしも必要とあらば拙者の手で斬るでござろう」
スルーフは覚悟を決め、自分の迷いを断ち切らせんと呟くように言った。
「お、おいおい、仲間を切っちまうのかよぉ」
ダストが懇願する様に言う。
「我等魔族と敵対する事になったならば仕方が無い事でござる。 しかし、ダスト殿、貴殿も人間を束ねていた時は仲間を切り捨てる事にためらいが無かったと聞くでござるが」
「そ、それはだな」
ダストはスルーフに対し大きくそっぽを向いて、
「あんたら魔族って奴がその、良い奴なんだよ。 くっだらねぇ人間共と違ってな」
恥ずかしそうに小声で呟いた。
「そうでござるか。 拙者達魔族が忌み嫌われるモノであるのは承知故、人間達は善良と」
「ハハッ、それは違うぜ? 人間って奴は将軍同士でいがみあってんだ、誰が一番の将軍だってさ、で、仲間が死んじまったら腹抱えて笑う奴ばっかさ」
ダストは、シュバルツサーヴァラーの指揮を取っていた時の頃を思い出しながら言う。
「それは何とも下らぬ事でござる」
「な、なんでもねぇぜ? ほら、次は勇神の剣だろ! そいつ取っちまおうぜ! 俺も手伝うからよ!」
ダストは、スルーフの肩をポンと叩き嬉しそうに言った。
「しかし、貴殿はまだ体調がかんばしくないでござろう?」
「ああ、けどよぉ、姉さんが単独で行ってやられちまったんだ、だったらスルーフ一人じゃあぶねぇだろ? 俺様が手を貸さねぇとやべぇじゃんかよぉ」
「スルーフ、俺も居るぞ」
ルミナスの死により怒りの闘気を充実させたルカンがゆっくりと立ち上がり告げる。
「かたじけない」
「気にすんなよ、やべぇ時に助けるのが友達って奴だッ」
「ああ、ダスト殿の言う通りだ、スルーフ殿。 ルミナス殿の弔い合戦に参るぞ」
ダスト、スルーフ、ルカンの3人は勇神の剣を手に入れるべく、ルミナスの仇を打つべく永氷の洞窟へ向かった。
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