94 / 105
1章
85話
しおりを挟む
ダストがアイスタイガーとじゃれ合いだしたところで、今度は右側の出口から女性がやって来た。
真っ白な肌に青色のロングヘアーで細身な美人だ。
纏っている服は貴族が着る様なモノであり気品を感じ、頭には王冠を身に付けており、女王の可能性も伺える。
「ようこそおいでました、スルーフ様、ルカン様、ダスト様」
女性は3人の前に立つと一礼をした。
「貴女は?」
女性の挨拶に対し、何者か心当たりの無い3人は彼女の存在に対しての記憶を辿る。
「私は永氷の洞窟をお守り致します氷の女王で御座います」
自分を名乗った氷の女王は改めて3人に礼をする。
「氷の女王でござるか! それは失礼したでござる。 拙者、魔勇将スルーフでござる」
スルーフが氷の女王に対し礼を返すと、ルカン、ダストも続けて礼を返した。
「勿体無く存じ上げます。 私は勇神の剣を守る定めしか無き故」
氷の女王は、スルーフ達に対し自分を敬う必要は無いと告げる。
「しかし、いえ。 しからば氷の女王殿、勇神の剣の案内を頼めるでござるか?」
「はい、スルーフ様。 貴殿より勇気の波動を確かに感じます故、勇神の剣への案内は問題ございません。 ただし、勇神の剣が貴殿を選ぶ事までの保証は致しかねます」
氷の女王が説明を終えると、アイスゴーレムが入って来た出口の右側にある壁を3度叩いた。
10秒程したところで氷の女王が叩いた部分に窪みが発生し、その中には手のひらほどの大きさをした赤い丸状スイッチがあった。
氷の女王は3人に笑顔を見せそのスイッチを押した。
更に10秒程経ったところで部屋の中央辺りからゴゴゴゴゴと音が発したかと思うと、1メートル4方の氷の地面が地下に目掛けて沈み、代わりに地下へ続く階段が現れたのであった。
「ガルルルル」
氷の女王が3人を案内する直前、アイスタイガーが氷の女王に何かを告げた。
「侵入者ですか? 貴方達にお任せ致します。 最悪この場所が知られましても問題はありません、私は一面接官に過ぎず最終的には勇神の剣が決める事ですので」
部下たちへの指示を済ませた氷の女王は、再度3人に対し1礼すると、彼等を地下の先へ案内した。
アイスタイガー達は、侵入者を迎撃戦と洞窟の入り口に向かって行った。
氷の女王は階段を降りると、此方にもある隠しスイッチを押し、隠し階段を元の氷の床へ戻したのであった。
―カイル達―
『斧が凍り付いてOHNO!!!!』
いやまて、ただでさえ吹雪いて寒いのにそこから更に寒くなる様な事を言うな!
『仕方なかろう、ここんところ大してしゃべってなかったんじゃから少し位良いじゃろう。 ほれ、今はシリアスな場面でも何でもないのじゃ。 雪山なんて関係無かろう、目的地を目指して歩くまったりとした空気の中、このワシが口を開かず誰が口を開くと言うのじゃ!
力説する闘神の斧だが、確かにシリアスな空気で言うのは絶対ダメなのは認めよう。
しかし、この雪山で周りを凍り付かせる事を言っちまうのは2番目位にダメなんじゃないかなぁ?
『フン、2番目なら問題無いわい、ほれ、雪を食スノーは止めるんじゃ!』
誰も雪なんか食ってねぇよ! しかも日本語と英語を混ぜるな!
「フフフ、カイル君、雪って意外と美味しいんですよ」
ルッド君並みの漆黒気配を出しながら俺の背中からぬーっと喋り掛けて来たエリクさん。
彼の左手には雪で作られたおにぎりがある。
「そ、そうっすか、俺は遠慮しておきますけど」
俺はエリクさんと距離を取った。
エリクさんは残念そうな表情をみせ、いつの間にか作り上げた雪のおにぎりを頬張り出した。
「イッツデリシャスですね。 この冷たさ、まるでアリアさんの視線の様です」
うっとりとしながら解説をするエリクさんだ。
一応、あんたの目の前にそのアリアさんのひい婆さんっつーか、魂自体は目の前にあるんですが?
「うーむ、確かに私のひ孫は冷徹さを持っておるのぉ、否定できんわい」
堂々とひ孫が悪く言われてるんですが良いんですか!?
「うっ、くっ、アイタタタタ、お腹が痛くなってきました」
雪のおにぎりにあたったんだろ。
全く、お腹抑えてうずくまってもどうしようも出来ん。
事は無いが。
『ほーれほれほれ、だから雪を食スノーはダメと言ったんじゃい』
その前にドヤ顔でアホな事を抜かしおるこの爺さんをどうにか出来んだろうか?
「ふぁっふぁっふぁっ! 若い内は何でも試すのが良いんじゃよ」
アリナさんがエリクさんを肯定すると彼に『異常治癒(キュア)』を施した。
優しい光がエリクさんを包み込み、暫くすると彼はゆっくりと立ち上がった。
「あ、有難う御座います。 流石アリアさんのひいお婆様ですね!」
真っ白な肌に青色のロングヘアーで細身な美人だ。
纏っている服は貴族が着る様なモノであり気品を感じ、頭には王冠を身に付けており、女王の可能性も伺える。
「ようこそおいでました、スルーフ様、ルカン様、ダスト様」
女性は3人の前に立つと一礼をした。
「貴女は?」
女性の挨拶に対し、何者か心当たりの無い3人は彼女の存在に対しての記憶を辿る。
「私は永氷の洞窟をお守り致します氷の女王で御座います」
自分を名乗った氷の女王は改めて3人に礼をする。
「氷の女王でござるか! それは失礼したでござる。 拙者、魔勇将スルーフでござる」
スルーフが氷の女王に対し礼を返すと、ルカン、ダストも続けて礼を返した。
「勿体無く存じ上げます。 私は勇神の剣を守る定めしか無き故」
氷の女王は、スルーフ達に対し自分を敬う必要は無いと告げる。
「しかし、いえ。 しからば氷の女王殿、勇神の剣の案内を頼めるでござるか?」
「はい、スルーフ様。 貴殿より勇気の波動を確かに感じます故、勇神の剣への案内は問題ございません。 ただし、勇神の剣が貴殿を選ぶ事までの保証は致しかねます」
氷の女王が説明を終えると、アイスゴーレムが入って来た出口の右側にある壁を3度叩いた。
10秒程したところで氷の女王が叩いた部分に窪みが発生し、その中には手のひらほどの大きさをした赤い丸状スイッチがあった。
氷の女王は3人に笑顔を見せそのスイッチを押した。
更に10秒程経ったところで部屋の中央辺りからゴゴゴゴゴと音が発したかと思うと、1メートル4方の氷の地面が地下に目掛けて沈み、代わりに地下へ続く階段が現れたのであった。
「ガルルルル」
氷の女王が3人を案内する直前、アイスタイガーが氷の女王に何かを告げた。
「侵入者ですか? 貴方達にお任せ致します。 最悪この場所が知られましても問題はありません、私は一面接官に過ぎず最終的には勇神の剣が決める事ですので」
部下たちへの指示を済ませた氷の女王は、再度3人に対し1礼すると、彼等を地下の先へ案内した。
アイスタイガー達は、侵入者を迎撃戦と洞窟の入り口に向かって行った。
氷の女王は階段を降りると、此方にもある隠しスイッチを押し、隠し階段を元の氷の床へ戻したのであった。
―カイル達―
『斧が凍り付いてOHNO!!!!』
いやまて、ただでさえ吹雪いて寒いのにそこから更に寒くなる様な事を言うな!
『仕方なかろう、ここんところ大してしゃべってなかったんじゃから少し位良いじゃろう。 ほれ、今はシリアスな場面でも何でもないのじゃ。 雪山なんて関係無かろう、目的地を目指して歩くまったりとした空気の中、このワシが口を開かず誰が口を開くと言うのじゃ!
力説する闘神の斧だが、確かにシリアスな空気で言うのは絶対ダメなのは認めよう。
しかし、この雪山で周りを凍り付かせる事を言っちまうのは2番目位にダメなんじゃないかなぁ?
『フン、2番目なら問題無いわい、ほれ、雪を食スノーは止めるんじゃ!』
誰も雪なんか食ってねぇよ! しかも日本語と英語を混ぜるな!
「フフフ、カイル君、雪って意外と美味しいんですよ」
ルッド君並みの漆黒気配を出しながら俺の背中からぬーっと喋り掛けて来たエリクさん。
彼の左手には雪で作られたおにぎりがある。
「そ、そうっすか、俺は遠慮しておきますけど」
俺はエリクさんと距離を取った。
エリクさんは残念そうな表情をみせ、いつの間にか作り上げた雪のおにぎりを頬張り出した。
「イッツデリシャスですね。 この冷たさ、まるでアリアさんの視線の様です」
うっとりとしながら解説をするエリクさんだ。
一応、あんたの目の前にそのアリアさんのひい婆さんっつーか、魂自体は目の前にあるんですが?
「うーむ、確かに私のひ孫は冷徹さを持っておるのぉ、否定できんわい」
堂々とひ孫が悪く言われてるんですが良いんですか!?
「うっ、くっ、アイタタタタ、お腹が痛くなってきました」
雪のおにぎりにあたったんだろ。
全く、お腹抑えてうずくまってもどうしようも出来ん。
事は無いが。
『ほーれほれほれ、だから雪を食スノーはダメと言ったんじゃい』
その前にドヤ顔でアホな事を抜かしおるこの爺さんをどうにか出来んだろうか?
「ふぁっふぁっふぁっ! 若い内は何でも試すのが良いんじゃよ」
アリナさんがエリクさんを肯定すると彼に『異常治癒(キュア)』を施した。
優しい光がエリクさんを包み込み、暫くすると彼はゆっくりと立ち上がった。
「あ、有難う御座います。 流石アリアさんのひいお婆様ですね!」
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
【完結】悪役令嬢ですが、断罪した側が先に壊れました
あめとおと
恋愛
三日後、私は断罪される。
そう理解したうえで、悪役令嬢アリアンナは今日も王国のために働いていた。
平民出身のヒロインの「善意」、
王太子の「優しさ」、
そしてそれらが生み出す無数の歪み。
感情論で壊されていく現実を、誰にも知られず修正してきたのは――“悪役”と呼ばれる彼女だった。
やがて訪れる断罪。婚約破棄。国外追放。
それでも彼女は泣かず、縋らず、弁明もしない。
なぜなら、間違っていたつもりは一度もないから。
これは、
「断罪される側」が最後まで正しかった物語。
そして、悪役令嬢が舞台を降りた“その後”に始まる、静かで確かな人生の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる