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1章
92話
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ルッセルさんとルカンさんの心境が気になるが、まぁそんな事は無いだろう。
さて、二人の行動を見た限り強引に壊しに行ってもダメみたいだ。
確か勇神の剣はこの氷柱に手を通せばって言ってたな。
つまり、手を通す事は可能と考えれる。
けど、氷漬けになってしまう。
勇神の剣と言えば勇気を求めると思う。
『ふぉーっふぉっふぉ、悩んだ時は何も考えず気合と根性じゃ! なーにワシもアヤツと同じアーティファクトじゃ! 大船に乗ったつもりでワシの闘気を信じるのじゃ!』
確かにじいさんの言う通りだ!
よし、覚悟は出来た、行くぜ!
俺は右腕に闘気を集中させ、赤いオーラを纏わせた。
「いくぜ!」
俺は闘気を纏った右腕を氷柱向けて伸ばした。
スッと水に触れる様な柔らかい感触が伝わると、俺の右手は氷柱の中へと潜って行った。
このまま、勇神の剣の元まで届けば!
そう思うが、段々と右手に対して冷たい感覚が襲って来る。
クソッ、このままでは氷漬けにされてしまうのか!?
『気合と根性じゃ!』
じいさんの喝と共に俺は右腕に更なる闘気を集め、凍結を防ぐ。
そして遂に勇神の剣の柄に手が触れる!
『甘い! 我は勇神の剣也、闘神の剣有らず!』
勇神の剣が一括し、先の2人と同じく俺も衝撃波か何かで吹っ飛ばされてしまった。
だが、ある程度合格ラインに達したのかその勢いは軽く、氷柱より20cm程離れた所で安定した着地を取れる程度だった。
『次、参れ』
「つまるところ、勇気を求めるでござろう。 勇気の心得、拙者に任せるでござる」
スルーフさんは上着を脱ぎ捨て精神を統一させた。
そして、魔力、闘気を一切纏わず氷柱の中へ手を伸ばす。
それでは勇神の剣が言った通り凍り付いてしまうのでは? と思うも敵対している相手なのだらそれでも構わないかと思いながら俺は傍観した。
俺の心配とは裏腹にスルーフさんの手は勇神の剣の柄まで辿り着いた。
『汝の勇気しかと受け止めた。 我が力汝に貸そう』
勇神の剣が言い終ると、氷柱が音を立て崩れた。
「これが、勇神の剣でござるか、真に美しい」
勇神の剣を手にしたスルーフさんはその剣身が放つ美しき光に見惚れている。
残念ながら勇神の剣は敵の手に渡ってしまった事になる。
かと言って俺にはどうする事も出来なかった以上次の手を考えるしかない。
『ちょーーーっと待つんぢゃああああっ! 最後の奴が有利に決まってるぞい! 卑怯じゃーーーー』
じいさんが不服に思ったらしく勇神の剣に抗議をするが、
『アーティファクトである貴殿の力を借りる事は卑怯では無いのか?』
『ぐぬぬ。 じゃが、魔族に手を貸す事も無かろう!』
『我に取って人も魔族も変わらぬ。 正義とは視点により変わるもの故』
『ばかもん! 魔族は人間を虐殺してるんじゃ! 残虐に虐殺し、人間の領土を侵略してるんじゃ!』
『貴殿から魔物の血の臭いを感じる。 人間の虐殺と魔物の虐殺何が違うのであろうか?』
『うぐっ、むぐぐ。 じゃが、じゃが!』
勇神の剣の言う事正論に聞えて来る。
確かに俺達人間は魔族を討伐している。
彼の言う通り、それは魔族が人間を討伐するのと何ら変わりはない。
これでは俺は何も言う事が出来ない。
『我は我の感性に基づき生きるのみ。 偶々魔族と一致しただけにすぎぬ』
『くぅ、共に戦った仲間じゃろうに』
じいさんの声から力を感じられない。
勇神の剣が言う通り、絶対的に魔族の力になる訳ではないのは唯一の救いだろうか?
だとすれば、スルーフさん次第では。
「はっはっは、勇神の剣は俺様達のモンだろ! ルッセルの野郎どもをやっちまおうぜ!」
しまった、ダストの言う通りだ!
勇神の剣が相手に渡った今、俺達は明らかに不利だ!
俺はルッセルさんの元に近付き闘神の斧を持ち身構える。
ルッセルさんもまた、ルカンさんから距離を取り抜刀、身構える。
『愚か者め! 武人の心得に反する事に我は手を貸さぬ!』
「ダスト殿。 勇神の剣無くして勝利はなかろう致し方無きござろう」
「あ、く、クソ、畜生、分かったよ、分かったよッ」
賢神の石が何かを言ったのか? ダストさんがシェルターの壁を蹴っ飛ばして怒りを発散したみたいだ。
「だがよぉ、オメー等大事な事忘れてるよなぁ?」
ダストがねっとりとした笑いを見せ天井を指差した。
「クッ! ルッカさんが!」
ダストが言いたい事を理解した俺は部屋の外へ出ようとするが、
『賢神のやった事は我の管轄外也』
勇神の剣が、スルーフさんに対し自分を使えと言った。
だったらやるしかない! と俺は闘神の斧を振りかざしスルーフさんに斬りかかる。
「拙者に任せるでござる」
勇神の剣の許可を受けたスルーフさんがルカンさんの前に立ちふさがり、俺の攻撃を受け流した。
「私も参ります!」
ルッセルさんが回り込み抜け出そうとするが、
「俺の出番だな」
ルカンさんが、仁王立ちをしルッセルさんの行く手を阻んだ。
さて、二人の行動を見た限り強引に壊しに行ってもダメみたいだ。
確か勇神の剣はこの氷柱に手を通せばって言ってたな。
つまり、手を通す事は可能と考えれる。
けど、氷漬けになってしまう。
勇神の剣と言えば勇気を求めると思う。
『ふぉーっふぉっふぉ、悩んだ時は何も考えず気合と根性じゃ! なーにワシもアヤツと同じアーティファクトじゃ! 大船に乗ったつもりでワシの闘気を信じるのじゃ!』
確かにじいさんの言う通りだ!
よし、覚悟は出来た、行くぜ!
俺は右腕に闘気を集中させ、赤いオーラを纏わせた。
「いくぜ!」
俺は闘気を纏った右腕を氷柱向けて伸ばした。
スッと水に触れる様な柔らかい感触が伝わると、俺の右手は氷柱の中へと潜って行った。
このまま、勇神の剣の元まで届けば!
そう思うが、段々と右手に対して冷たい感覚が襲って来る。
クソッ、このままでは氷漬けにされてしまうのか!?
『気合と根性じゃ!』
じいさんの喝と共に俺は右腕に更なる闘気を集め、凍結を防ぐ。
そして遂に勇神の剣の柄に手が触れる!
『甘い! 我は勇神の剣也、闘神の剣有らず!』
勇神の剣が一括し、先の2人と同じく俺も衝撃波か何かで吹っ飛ばされてしまった。
だが、ある程度合格ラインに達したのかその勢いは軽く、氷柱より20cm程離れた所で安定した着地を取れる程度だった。
『次、参れ』
「つまるところ、勇気を求めるでござろう。 勇気の心得、拙者に任せるでござる」
スルーフさんは上着を脱ぎ捨て精神を統一させた。
そして、魔力、闘気を一切纏わず氷柱の中へ手を伸ばす。
それでは勇神の剣が言った通り凍り付いてしまうのでは? と思うも敵対している相手なのだらそれでも構わないかと思いながら俺は傍観した。
俺の心配とは裏腹にスルーフさんの手は勇神の剣の柄まで辿り着いた。
『汝の勇気しかと受け止めた。 我が力汝に貸そう』
勇神の剣が言い終ると、氷柱が音を立て崩れた。
「これが、勇神の剣でござるか、真に美しい」
勇神の剣を手にしたスルーフさんはその剣身が放つ美しき光に見惚れている。
残念ながら勇神の剣は敵の手に渡ってしまった事になる。
かと言って俺にはどうする事も出来なかった以上次の手を考えるしかない。
『ちょーーーっと待つんぢゃああああっ! 最後の奴が有利に決まってるぞい! 卑怯じゃーーーー』
じいさんが不服に思ったらしく勇神の剣に抗議をするが、
『アーティファクトである貴殿の力を借りる事は卑怯では無いのか?』
『ぐぬぬ。 じゃが、魔族に手を貸す事も無かろう!』
『我に取って人も魔族も変わらぬ。 正義とは視点により変わるもの故』
『ばかもん! 魔族は人間を虐殺してるんじゃ! 残虐に虐殺し、人間の領土を侵略してるんじゃ!』
『貴殿から魔物の血の臭いを感じる。 人間の虐殺と魔物の虐殺何が違うのであろうか?』
『うぐっ、むぐぐ。 じゃが、じゃが!』
勇神の剣の言う事正論に聞えて来る。
確かに俺達人間は魔族を討伐している。
彼の言う通り、それは魔族が人間を討伐するのと何ら変わりはない。
これでは俺は何も言う事が出来ない。
『我は我の感性に基づき生きるのみ。 偶々魔族と一致しただけにすぎぬ』
『くぅ、共に戦った仲間じゃろうに』
じいさんの声から力を感じられない。
勇神の剣が言う通り、絶対的に魔族の力になる訳ではないのは唯一の救いだろうか?
だとすれば、スルーフさん次第では。
「はっはっは、勇神の剣は俺様達のモンだろ! ルッセルの野郎どもをやっちまおうぜ!」
しまった、ダストの言う通りだ!
勇神の剣が相手に渡った今、俺達は明らかに不利だ!
俺はルッセルさんの元に近付き闘神の斧を持ち身構える。
ルッセルさんもまた、ルカンさんから距離を取り抜刀、身構える。
『愚か者め! 武人の心得に反する事に我は手を貸さぬ!』
「ダスト殿。 勇神の剣無くして勝利はなかろう致し方無きござろう」
「あ、く、クソ、畜生、分かったよ、分かったよッ」
賢神の石が何かを言ったのか? ダストさんがシェルターの壁を蹴っ飛ばして怒りを発散したみたいだ。
「だがよぉ、オメー等大事な事忘れてるよなぁ?」
ダストがねっとりとした笑いを見せ天井を指差した。
「クッ! ルッカさんが!」
ダストが言いたい事を理解した俺は部屋の外へ出ようとするが、
『賢神のやった事は我の管轄外也』
勇神の剣が、スルーフさんに対し自分を使えと言った。
だったらやるしかない! と俺は闘神の斧を振りかざしスルーフさんに斬りかかる。
「拙者に任せるでござる」
勇神の剣の許可を受けたスルーフさんがルカンさんの前に立ちふさがり、俺の攻撃を受け流した。
「私も参ります!」
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ルカンさんが、仁王立ちをしルッセルさんの行く手を阻んだ。
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