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1章
93話
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「はっはっは! 俺様は行かせて貰うぜ!」
ダストが俺達を挑発し、部屋の外へ出た。
「クソッ」
俺は闘気を込め威力の高い一撃を何度も放つ、だが勇気のオーラを身に纏ったスルーフさんの鮮やかな受け流しの前に全く歯が立たない!
『奴は防御をするしか無いのじゃ! 無視して攻撃あるのみじゃ!』
じいさんの言う通り、スルーフさんは俺達との攻めにおける戦いは禁止されているが守る為の戦いまでは禁止されていない。
かと言って、スルーフさんの命を奪った場合勇神の剣を入手出来なくなるかも知れない。
ええい、細かい事は考えるな! 突破する事だけかんがえればいいんだ!
闘神の斧の力を借りている俺は、ルミナスさんと戦った時の様に勢いに任せた思考しか出来なくなっている。
「これでも食らえ!」
俺が放った渾身の一撃は、スルーフさんの軽い身のこなしによりあっさりと回避されてしまう。
「未熟でござる」
空振りにより晒した膨大な隙に対し、スルーフさんが鋭い剣閃を放った。
しまった。 防御に専念してる訳じゃなかったのか!
スルーフさんの一撃は俺が身に付けている鎧の隙間に炸裂した。
肉が切られ、赤い血が流れると思ったがそうではない。
骨が軋む様な鈍痛が俺の腕を襲った。
俺は痛みに耐えきれず3度バックステップを踏み、無詠唱で済む痛みを和らげる程度の『治療術(ヒーリング)』を掛けた。
「まだです!」
隣ではルッセルさんが、ルカンさんに対し何度も連撃を放っているが、防御に専念しているルカンさんに対しかすり傷一つ付ける事が出来ずにいる。
「貴様の闘気はそんなものか!」
ルカンさんが、集めた闘気をルッセルさんにぶつけ、大きく吹き飛ばした。
ルッセルさんは空中で受け身を取るも、部屋の半分程距離を取られる。
10歩ばかりで詰め寄れる距離であるが、そのわずかな時間すら稼がれた事が非常に歯がゆい!
急がなければダストがルッカさんの元に辿り着いてしまう!
焦りだけが俺の脳内を駆け巡っていたのであった。
―永氷の洞窟1F―
「はーっはっは! テメー等の戦力は俺様達が頂いていくぜ!」
カイルとルッセルを待つ3人の前にダストが現れた。
「アンタは!」
ダストの存在を認識したセフィアがクロスボウで彼を狙撃。
鋭い矢がダストの急所を襲うが自らを守る盾として地属性の魔法を発動させ、周囲にカンと虚しい音を響かせた。
「僕だってやれますから!」
エリクが風属性の魔法を放つ。
だが、その言葉尻は弱い。
「あめぇんだよ! 雑魚がッ!」
ダストが氷魔法を放ち、エリクの放った魔法を破壊、貫通した魔法が彼を襲う。
「だまらっしゃい!」
エリナがエリクに『魔法抵抗(レジスト)』を掛けダストの魔法を打ち消した。
アーティファクト同士の戦いでは、以前の戦いでの消耗を回復し切れていないダストが勝つ事は難しい様だ。
だがしかし、それは防御の話であり攻撃は不得手な聖神の杖では今のダスト相手でも有効打を打つのは難しいだろう。
かと言って、アーティファクトを持たないセフィアやエリクでは彼にダメージを与える事すら出来ないだろう。
「ケケケケ、俺様の目的はテメー等じゃねぇんだよ!」
ダストは『瞬間移動(テレポーテーション)』を使い、バインドにより拘束されている魔聖ルッカの元へ近づいた。
「クッ、貴様ッ、私に近付くな! カイルとの勝負が終わって無いんだぞ!」
ダストに近付かれたルッカは抵抗を見せるが、
「あーん? オメー、力が欲しいんじゃねぇのかよぉ? 人間みてぇなちんけな奴等に関わってねぇで俺様と一緒に魔族につけよなぁ?」
続いて賢神の石もルッカに対し何かを告げる。
力に溺れるルッカは彼等の言葉の前に成すすべなく抵抗の意思を解いてしまう。
「ルッカさん! 人間を裏切るんですか!」
エリクが叫び、ルッカへ説得を試みる。
だが、彼女の反応は無い。
「お嬢ちゃん!」
セフィアは矢の刺さっていないクロスボウをルッカの肩に狙いを定め、適切な矢を道具袋の中から探そうとするが何も見当たらかったのかその狙いを外した。
毒、麻痺、睡眠、どれを使っても今の状況を打開出来る物は無かった。
だが、元々味方を狙う事を想定している武装で無い以上それは仕方が無いのかもしれない。
「フン、ワシは近接戦も出来るんじゃ!」
アリナが聖神の杖を構えルッカ目掛けて跳躍し、彼女の太ももを狙い殴打した。
ここで、賢神の石が何かを告げた。
「チィィィッ、分かっておったわい! アンタとワシの力じゃ精々5分じゃ! 本人の意志力がアンタに傾いてる以上ワシの力だけじゃ何も出来ない事位!」
アリナは着地し、中腰で片膝を着いた態勢のままダストを見上げ、睨みつける。
賢神の石が強引にルッカを支配していたのならば、自分の力で解放させられたがその可能性は無残にも打ち砕かれたのだ。
『多分この娘を魔王城に攫う胎よ。あたしがこの娘に聖なる呪いを掛けて、あたし意外の魔球に触れさせない様にするわ! 他の魔球ならどうなるか分からないけど、あたしが制御出来るなら最悪は起こらないから!』
ダストが俺達を挑発し、部屋の外へ出た。
「クソッ」
俺は闘気を込め威力の高い一撃を何度も放つ、だが勇気のオーラを身に纏ったスルーフさんの鮮やかな受け流しの前に全く歯が立たない!
『奴は防御をするしか無いのじゃ! 無視して攻撃あるのみじゃ!』
じいさんの言う通り、スルーフさんは俺達との攻めにおける戦いは禁止されているが守る為の戦いまでは禁止されていない。
かと言って、スルーフさんの命を奪った場合勇神の剣を入手出来なくなるかも知れない。
ええい、細かい事は考えるな! 突破する事だけかんがえればいいんだ!
闘神の斧の力を借りている俺は、ルミナスさんと戦った時の様に勢いに任せた思考しか出来なくなっている。
「これでも食らえ!」
俺が放った渾身の一撃は、スルーフさんの軽い身のこなしによりあっさりと回避されてしまう。
「未熟でござる」
空振りにより晒した膨大な隙に対し、スルーフさんが鋭い剣閃を放った。
しまった。 防御に専念してる訳じゃなかったのか!
スルーフさんの一撃は俺が身に付けている鎧の隙間に炸裂した。
肉が切られ、赤い血が流れると思ったがそうではない。
骨が軋む様な鈍痛が俺の腕を襲った。
俺は痛みに耐えきれず3度バックステップを踏み、無詠唱で済む痛みを和らげる程度の『治療術(ヒーリング)』を掛けた。
「まだです!」
隣ではルッセルさんが、ルカンさんに対し何度も連撃を放っているが、防御に専念しているルカンさんに対しかすり傷一つ付ける事が出来ずにいる。
「貴様の闘気はそんなものか!」
ルカンさんが、集めた闘気をルッセルさんにぶつけ、大きく吹き飛ばした。
ルッセルさんは空中で受け身を取るも、部屋の半分程距離を取られる。
10歩ばかりで詰め寄れる距離であるが、そのわずかな時間すら稼がれた事が非常に歯がゆい!
急がなければダストがルッカさんの元に辿り着いてしまう!
焦りだけが俺の脳内を駆け巡っていたのであった。
―永氷の洞窟1F―
「はーっはっは! テメー等の戦力は俺様達が頂いていくぜ!」
カイルとルッセルを待つ3人の前にダストが現れた。
「アンタは!」
ダストの存在を認識したセフィアがクロスボウで彼を狙撃。
鋭い矢がダストの急所を襲うが自らを守る盾として地属性の魔法を発動させ、周囲にカンと虚しい音を響かせた。
「僕だってやれますから!」
エリクが風属性の魔法を放つ。
だが、その言葉尻は弱い。
「あめぇんだよ! 雑魚がッ!」
ダストが氷魔法を放ち、エリクの放った魔法を破壊、貫通した魔法が彼を襲う。
「だまらっしゃい!」
エリナがエリクに『魔法抵抗(レジスト)』を掛けダストの魔法を打ち消した。
アーティファクト同士の戦いでは、以前の戦いでの消耗を回復し切れていないダストが勝つ事は難しい様だ。
だがしかし、それは防御の話であり攻撃は不得手な聖神の杖では今のダスト相手でも有効打を打つのは難しいだろう。
かと言って、アーティファクトを持たないセフィアやエリクでは彼にダメージを与える事すら出来ないだろう。
「ケケケケ、俺様の目的はテメー等じゃねぇんだよ!」
ダストは『瞬間移動(テレポーテーション)』を使い、バインドにより拘束されている魔聖ルッカの元へ近づいた。
「クッ、貴様ッ、私に近付くな! カイルとの勝負が終わって無いんだぞ!」
ダストに近付かれたルッカは抵抗を見せるが、
「あーん? オメー、力が欲しいんじゃねぇのかよぉ? 人間みてぇなちんけな奴等に関わってねぇで俺様と一緒に魔族につけよなぁ?」
続いて賢神の石もルッカに対し何かを告げる。
力に溺れるルッカは彼等の言葉の前に成すすべなく抵抗の意思を解いてしまう。
「ルッカさん! 人間を裏切るんですか!」
エリクが叫び、ルッカへ説得を試みる。
だが、彼女の反応は無い。
「お嬢ちゃん!」
セフィアは矢の刺さっていないクロスボウをルッカの肩に狙いを定め、適切な矢を道具袋の中から探そうとするが何も見当たらかったのかその狙いを外した。
毒、麻痺、睡眠、どれを使っても今の状況を打開出来る物は無かった。
だが、元々味方を狙う事を想定している武装で無い以上それは仕方が無いのかもしれない。
「フン、ワシは近接戦も出来るんじゃ!」
アリナが聖神の杖を構えルッカ目掛けて跳躍し、彼女の太ももを狙い殴打した。
ここで、賢神の石が何かを告げた。
「チィィィッ、分かっておったわい! アンタとワシの力じゃ精々5分じゃ! 本人の意志力がアンタに傾いてる以上ワシの力だけじゃ何も出来ない事位!」
アリナは着地し、中腰で片膝を着いた態勢のままダストを見上げ、睨みつける。
賢神の石が強引にルッカを支配していたのならば、自分の力で解放させられたがその可能性は無残にも打ち砕かれたのだ。
『多分この娘を魔王城に攫う胎よ。あたしがこの娘に聖なる呪いを掛けて、あたし意外の魔球に触れさせない様にするわ! 他の魔球ならどうなるか分からないけど、あたしが制御出来るなら最悪は起こらないから!』
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